大分県の概要
大分県は別府温泉や湯布院温泉といった温泉街として全国的に知名度が高い地域です。源泉数と湧出量は共に国内で一番多く「日本一のおんせん県おおいた」として県全体でアピールを行っているほどです。なお、大分県の温泉は単に観光業として人を集めているだけでなく、食や美容、医療などにも活用されています。
大分県は県内を6つの地域に分類することができます。大分市を中心とする「中部地域」をはじめ、別府温泉がある「東部地域」、国東半島に広がる「北部地域」、九州の内陸部に位置する「西部地域」、県南部に位置する「南部地域」、そして「豊肥地域」です。なお、人口は大分市内が圧倒的に多く、別府市が続く形になっています。そのほかの市町村では人口は比較的少ないです。
大分県は課税件数、課税割合ともに低い
大分県の課税発生件数と課税割合を見てみると、ともに低いことが分かります。
熊本国税局発表の令和3年度(2021年度)都道府県別相続税課税状況によると、大分県の相続税の課税件数は708件です。
また、死亡者数に対する課税発生割合は4.69%で、全国では39位です。
被相続人1人当りの納税額は1,416万円で全国14位です。比較的高めなのは、一部の相続税申告で高額な納税が発生していることが予想されます。
九州地方(沖縄を除く)は全国的に課税件数、課税割合ともに低い地域です。その九州7県で比べてみると、大分県は2番目に課税割合が多い地域となっています。
大分県内の詳細な相続税データ
こちらは、令和3年度の大分県内の税務署エリア毎の詳細な相続税データです。
税務署名 | 管轄地域 | 申告 件数 | 課税 件数 | 1件当り 納付税額 (万円) | 申告割合 | 課税割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
大分 | 大分市 由布市 | 463 | 372 | 1,408 | 8.92% | 7.17% |
別府 | 別府市 杵築市 国東市 姫島村 日出町 | 163 | 132 | 1,554 | 5.20% | 4.21% |
中津 | 中津市 | 53 | 45 | 1,156 | 4.82% | 4.09% |
日田 | 日田市 玖珠町 九重町 | 46 | 41 | 970 | 3.37% | 3.00% |
佐伯 | 佐伯市 | 44 | 39 | 3,066 | 3.88% | 3.44% |
臼杵 | 臼杵市 津久見市 | 30 | 28 | 479 | 3.31% | 3.09% |
竹田 | 竹田市 | 16 | 15 | 936 | 3.75% | 3.51% |
宇佐 | 豊後高田市 宇佐市 | 32 | 28 | 1,105 | 2.61% | 2.28% |
三重 | 豊後大野市 | 11 | 8 | 459 | 1.78% | 1.29% |
大分県計 | 858 | 708 | 1,416 | 5.68% | 4.69% |
大分市・由布市で相続税の半分を占める
大分県内の相続税データを見てみると、大分市と由布市だけで相続税課税件数の半分以上を占めていることが分かります。
大分県全体では相続税の課税件数は708件です。そのうち372件が大分市・由布市で発生しています。
また納付税額は県全体で約100.2憶円ありますが、そのうちの約52.4億円が大分市・由布市です。
1件あたりの納付税額も1,408万円と比較的高いほうです。
別府エリアは、相続税が次に多い
相続税が次に多いのは、別府エリアです。このエリアには、別府市、杵築市、国東市、姫島村、日出町が含まれます。
課税件数は132件、相続税額は約20.5億円と、県内の2割程度を占めています。ただ、課税割合は4.21%と県内平均を下回り多くはありません。1人当り納税額は1,156万円です。
佐伯市は、1人当り納付税額が非常に多い
大分県内で非常に特徴的なのは、佐伯市です。このエリアは、佐伯市のみです。
佐伯市の課税件数は39件、課税割合は3.44%とどちらも少ないです。にもかかわらず、1人当り納付税額は3,066万円と飛び抜けて多い値です。これは全国平均1,820万円も大きく上回っています。
ただ、令和2年度のデータを見ると、1人当り納付税額は484万円と、逆に県内最下位の値でした。
この年だけ相当に多額の納付税額が発生した被相続人がいて、課税件数が少ないことから、1人あたり平均を一気に押し上げたと考えられます。
大分県では、郊外には地主といった資産家が多く、高額な相続税が発生しえますので、要注意です。
相続税発生件数に見合う税理士事務所数
大分県の税理士事務所数を見てみると、県内に222の税理士事務所があることが分かります(2016年時点)。
県内の相続税申告件数は708件であるため、仮にすべての案件を税理士事務所が請け負っているとすると、1事務所あたり、約3件を担当している計算になります。全国的に見ても申告件数に対する税理士事務所数は充実していると言えるでしょう。
ただし、大分県内の場合は地域によって納付税額が違います。るべくであれば相続税に強い税理士に相談をして、納付税額を少なくする工夫や正しく申告できるようにするといいでしょう。