栃木県の特徴
栃木県の人口は約193万人で、47都道府県中19位です。
栃木県は農業が盛んで、イチゴとカンピョウの生産は日本1です。日本2位には、ニラ、二条大麦、コンニャクイモ、乳牛があります(*)。
※ 「各JAの農畜産物取扱高(米・麦除く)」|JAグループ栃木
栃木県の相続関連データのご紹介
栃木県の相続関連のデータを紹介します。
相続税の課税価格は1,667億円
栃木県の2019年度の相続税課税状況は、被相続人の数1,417人、相続人の数3,512人、課税価格166,665,015,000円(約1,667億円)でした。
納付税額は相続人3,015人、16,300,571,000円(約163億円)になります。
県内8カ所の税務署の内訳
栃木県内には8カ所の税務署があり、それぞれが管轄する市町は次のとおりです。
- 宇都宮税務署の管轄:宇都宮市、上三川町
- 足利税務署の管轄:足利市
- 栃木税務署の管轄:栃木市、小山市、下野市、壬生町、野木町
- 佐野税務署の管轄:佐野市
- 鹿沼税務署の管轄:鹿沼市、日光市
- 真岡税務署の管轄:真岡市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町
- 大田原税務署の管轄:大田原市、那須塩原市、那須町
- 氏家税務署の管轄:矢板市、さくら市、那須烏山市、塩谷町、高根沢町、那珂川町
8税務署別の相続税関連データのご紹介
課税状況などのデータを、8つの税務署別に確認してみます。
課税状況 | 納付税額 | ||||
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相続人の数(人) | 金額(千円) | 被相続人の数(人) | 相続人の数(人) | 金額(千円) | |
宇都宮税務署 | 1,158 | 57,011,254 | 467 | 1,015 | 5,972,099 |
足利税務署 | 273 | 20,735,136 | 112 | 240 | 3,509,976 |
栃木税務署 | 848 | 36,978,992 | 343 | 715 | 3,004,080 |
佐野税務署 | 252 | 10,703,603 | 102 | 214 | 956,672 |
鹿沼税務署 | 297 | 12,503,619 | 123 | 248 | 781,306 |
真岡税務署 | 200 | 8,676,103 | 86 | 168 | 625,930 |
大田原税務署 | 279 | 11,104,283 | 105 | 247 | 740,340 |
氏家税務署 | 205 | 8,952,025 | 79 | 168 | 710,169 |
栃木県計 | 3,512 | 166,665,015 | 1,417 | 3,015 | 16,300,571 |
【出典】「令和元年 直接税(相続税)」|関東信越国税局
次項から、税務署管内の市町の様子を確認していきます。
以下でご紹介する人口は2021年4月のものです。【出典】都道府県市区町村
宇都宮税務署管内について
宇都宮税務署管内の市町の人口は次のとおりです。
宇都宮市 | 519,026人 |
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上三川町 | 30,810人 |
この2つの市町は県中央部に位置しており、宇都宮市は県庁所在地です。宇都宮市は住みやすい都市として人気を集めています。
宇都宮税務署の相続税の納付額は約59億7,210万円で、栃木県全体(約163億円)の37%を占め、8税務署中トップです。
足利税務署管内について
足利税務署管内の市の人口は次のとおりです。
足利市 | 144,796人 |
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足利市は、平安時代と室町時代に栄えたことから今でも歴史の風情が感じられ、それが街の魅力になっています。映画やドラマのロケ地の誘致が盛んで、観光スポットとしても有名です。
足利税務署の相続税の納付額は約35億998万円で、栃木県全体(約163億円)の22%を占め、8税務署中2位です。
栃木税務署管内について
栃木税務署管内の市町の人口は次のとおりです。
栃木市 | 155,628人 |
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小山市 | 166,791人 |
下野市 | 59,479人 |
壬生町 | 39,509人 |
野木町 | 24,906人 |
この地域は主に宇都宮市や栃木市のベッドタウンになっています。
ただ、小山市は独自に発展したことから、栃木市と下野市は、小山市のベッドタウンにもなっています。
栃木税務署の相続税の納付額は約30億408万円で、栃木県全体(約163億円)の18%を占め、8税務署中3位です。
佐野税務署管内について
佐野税務署管内の市の人口は次のとおりです。
佐野市 | 116,220人 |
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佐野市は県南西部に位置し、栃木市などに通勤する人たちが多く住んでいます。市内にはアウトレットモールや温泉などがあるため、休日には市外から多くの観光客が訪れています。
佐野税務署の相続税の納付額は約9億5,667万円で、栃木県全体(約163億円)の6%を占め、8税務署中4位です。
鹿沼税務署管内について
鹿沼税務署管内の市の人口は次のとおりです。
鹿沼市 | 94,074人 |
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日光市 | 77,651人 |
2市は北西部に位置します。日光市の日光東照宮は世界遺産で外国からも多くの観光客が訪れます。鹿沼には有名なゴルフ場があります。
鹿沼税務署の相続税の納付額は約7億8,131万円で、栃木県全体(約163億円)の5%を占め、8税務署中5位です。
真岡税務署管内について
真岡税務署管内の市町の人口は次のとおりです。
真岡市 | 78,221人 |
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益子町 | 21,906人 |
茂木町 | 11,899人 |
市貝町 | 11,259人 |
芳賀町 | 14,968人 |
この地域は県南東部に位置します。茨城県と接する真岡市はもともと農業が盛んでしたが、現在は工業化も進んでいます。益子町は焼き物で有名です。
真岡税務署の相続税の納付額は約6億2,593万円で、栃木県全体(約163億円)の4%を占め、8税務署中最下位の8位です。
大田原市税務署管内について
大田原税務署管内の市町の人口は次のとおりです。
大田原市 | 72,123人 |
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那須塩原市 | 115,282人 |
那須町 | 24,021人 |
この地域は県北部に位置し、豊かな自然が残っています。那須塩原市は製造業や食料品などを中心に工業が発達し、この地域の経済の中心地になっています。
大田原税務署の相続税の納付額は約7億4,034万円で、栃木県全体(約163億円)の5%を占め、8税務署中6位です。
氏家税務署管内について
氏家税務署管内の市町の人口は次のとおりです。
矢板市 | 31,175人 |
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さくら市 | 44,541人 |
那須烏山市 | 24,886人 |
塩谷町 | 10,366人 |
高根沢町 | 29,253人 |
那珂川町 | 15,226人 |
この地域は県北部に位置し、豊かな自然に囲まれています。農業のほか、機械などの工業も発展しています。宇都宮市に近いことから、ベッドタウンとしての機能も持ち合わせています。
氏家税務署の相続税の納付額は約7億1,017万円で、栃木県全体(約163億円)の4%を占め、8税務署中7位です。
栃木県の地価
土地は重要な相続財産の1つですが、相続人が複数人いると、土地は分割が難しいため「もめる」原因になりかねません。
そこで2021年の栃木県の地価公示から、地価の動向と、値上がり、または値下がりした土地を探ってみます。
数字はすべて2021年1月1日現在のものです(※)。
*【出典】「令和3年地価公示のあらまし」|栃木県
栃木県の住宅地、商業地、工業地の様子
土地の用途別の対前年平均変動率は以下のとおりです。
用途 | 対前年平均変動率 |
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住宅地 | -1.2% |
商業地 | -1.1% |
工業地 | -0.1% |
全用途 | -1.1% |
住宅地、商業地、工業地のすべてで前年割れとなってしまいました。その結果、全用途でも前年より1.1%減少しています。
用途別にさらに詳しくみていきましょう。
住宅地の詳細
住宅地は1.2%減となりました。前年が0.8%減だったので、下落幅が広がってしまいました。
前年より上昇したのは唯一、0.1%増の宇都宮市だけでした。
減少幅が最も小さかったのは0.1%減の小山市で、下野市0.5%減、大田原市0.7%減と続きます。
下落幅が最も大きかったのは2.9%減の茂木町で、2.7%減の矢板市、2.7%減の那須烏山市2.4%減の益子町と続きます。
商業地の詳細
商業地は1.1%減で、こちらも前年の0.5%減より下落幅が広がっています。
前年より上昇したのは宇都宮市だけで、0.2%増でした。
減少幅が最も小さかったのは0.4%減の小山市で、0.5%減の高根沢町、0.7%減の下野市と続きます。
減少幅が最も大きかったのは3.6%減の那須烏山市で、3.4%減の市貝町、3.3%減の茂木町、3.2%減の那珂川町と続きます。
工業地の詳細
工業地は0.1%減で、前年の0.3%増から、下落に転じてしまいました。
前年を上回ったのは、宇都宮市、鹿沼市、芳賀町、真岡市で、それ以外の市町村は前年割れです。
栃木県で相続税申告する際のポイント
栃木県で相続するときのポイントをご紹介します。
農地の相続には「農地の納税猶予の特例」制度の利用を
農地には、相続税の納税猶予の制度があります。
農地について高い相続税を課税すると、相続人が農業を継続したくても農地を手放さざるを得ないことから、農業を継続したい相続人を支援するために設けられた制度です。
相続や遺贈によって農地などを取得し、継続して農業を継続する際に、この制度を利用すれば、本来の相続税額のうち農業投資価格を超える部分に対応する相続税が、一定の要件のもとに納税が猶予され、相続人が死亡した場合などには、猶予された税額が免除されます。
相続税に詳しい税理士に相談して、対象になるのであれば積極的に活用したい制度です。
相続税のことは相続税に強い税理士に相談しよう
相続や相続税について悩んだら、相続税に強い税理士が頼りになります。
注意しなければならないのは、税理士であれば誰でもいいというものではない点です。相続税の課税対象件数と税理士の数から計算すると、税理士1人当たり、年間約2件を下回る申告件数となるのです。中には、まったく相続税の申告をしない税理士も存在します。
相続案件に強い税理士というのは限られており、誰でも問題なく申告できるというわけではないのです。
相続税に強い税理士に相談すれば、複雑な農業相続もスムーズに進むでしょう。もちろん税務署での手続きなども教わることができます。
栃木県の税理士情報:早めにコンタクトを取ろう
関東信越税理士会には栃木県支部連合会があり、2021年7月現在、769人の税理士が所属しています。
栃木支部連合会は8つの支部があります。
宇都宮支部 | 297人 |
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足利支部 | 83人 |
栃木支部 | 149人 |
佐野支部 | 61人 |
鹿沼支部 | 58人 |
真岡支部 | 35人 |
大田原支部 | 58人 |
氏家支部 | 28人 |
合計 | 769人 |
栃木県で地方にお住まいの方は早めに税理士をみつけましょう
宇都宮支部には、総数(769人)の39%に当たる297人が所属しています。
宇都宮支部の管轄は宇都宮市と上三川町で、それぞれの人口は約52万人と3万人です。栃木県の人口は約193万人なので、宇都宮市と上三川町を合わせた人口55万人はその28%に相当します。
宇都宮支部は、地域人口の割に税理士が多い支部ということができます。
宇都宮市と上三川町に住んでいる人たちは税理士を探しやすいのですが、その他の地域では税理士を探すのに苦労するかもしれません。
しかもすべての税理士が相続を得意としているわけではありません。
「相続税の申告が大変そう」と思ったら、早めに相続税に強い税理士にコンタクトを取ることをおすすめします。
税理士事務所は無料相談の機会を設けていることがあるので、それを利用してみるのも一つの方法です。