徳島県の概要
徳島県は、夏になると「ヤットサー!」「あ、ヤット、ヤット」と威勢のいい掛け声が聞こえてきます。400年以上も県民から愛され、世界でも高い人気を誇る「阿波踊り」。今は徳島県の代名詞にもなっています。
四国の東部位置する徳島県は、少し地味な印象があるかもしれませんが、非常に多くの魅力に溢れた県です。鳴門海峡で見られる最大直径20mもの巨大な渦潮は、世界三大潮流に認定されるほどです。さらに、日本の棚田100選に選ばれた「樫原の棚田」や日本の滝百選に含まれている「轟の滝」、日本三奇橋の1つ「祖谷のかずら橋」と、日本を代表する自然風景が目白押しです。
こうした徳島県は県内を3つに区分けして呼称しています。まず徳島市を中心とする「東部」です。また、阿波氏を中心とする「南部」、美馬市や三好市がある「西部」です。近畿地方にも近いことから、経済的に発展している特徴もあります。
相続件数は少ないが、割合は高い
高松国税局が発表した令和2年度(2020年度)都道府県別相続税課税状況によると、1年間で発生した相続税の課税件数は690件です。県の人口が少ないこともあり、課税件数は全国的に見ると少ないですが、死亡者数と比較した課税割合は「6.98%」と、全国23位で、ちょうど中間くらいです。
東北地方や九州地方の都道府県と比較すると、四国の都道府県は、課税割合が高い傾向にあります。つまり、徳島県も、他県と比べると相続税が発生しやすいです。
また、相続人1人あたりの納付税額は、約1,122万円で、全国23位、こちらもちょうど中間くらいです。
徳島市周辺が課税件数、納税額ともに高い
徳島県内で相続事情を見ていくと、県庁所在地である徳島市とその周辺のエリアが課税件数が最も多くなっています。徳島市エリアの課税件数は「349件」と徳島県全体の半数を占めていることからも、その多さが分かります。徳島市周辺以外では、鳴門地域の163件、阿南地域の81件と続いていきます。
また、相続税の納付額でも、徳島市周辺がトップです。徳島市周辺の納付税額は、約4億9,000万円で、徳島県全体の納付税額の半分以上を占めています。続いて多いのが、鳴門地域の。約1億3,900万円となっており、この2つの地域が徳島県の相続のメインと言えるでしょう。
徳島県は税理士数が少ない地域である
相続が発生しやすく、1人辺りの納付税額も多い徳島県。ただ、注意しておく必要があるのが、県内で活動している税理士数です。事業所1件あたりに在籍している数は「5.6人」と多い数字です。
ですが、徳島県内にある税理士事業所数は「119件」、従業者数が「666人」と、非常に少なくなっています。さらに、被相続人との割合を考えると、税理士1人が抱える依頼者数は「2.83人」と、並行して約3件の相続を抱えていることが分かります。これは、全国で3番目に高い数字です。
つまり、徳島県では税理士が不足しており、相続が発生したときには依頼できない可能性があるのです。徳島県は、課税された件数は少ないものの、納付税額や課税割合は高くなっています。そのため、税理士の重要性が非常に高い地域でもあるので、相続が発生した場合は、早めに税理士を探し依頼しましょう。
また、相続に強い税理士や、あなたが信頼できる税理士となると、いくつか事務所を周り、実際に話合いながら見極める必要があります。ですが、相続時に探そうと思うと、時間が足りず相続税の申告期限ギリギリになってしまい、余裕がなくなってしまいます。
ですので、前もって税理士事務所を探しておき、依頼する事務所や税理士を見つけておきましょう。もちろん、相続の事前相談なども非常に役立ちますのでオススメです。相続が始まってから慌てないためにも、生前でもできることから相続対策を始めましょう。