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1.相続税の申告件数が大幅にアップ
1-1.平成27年相続税改正による影響で課税割合が15%超!
地価が日本一高く、富裕層も集中している東京都は、全国と比較して、もともと相続税の申告件数が断トツで多く、平成26年分の課税割合は9.71%でした。
※課税割合=課税された被相続人の数/死亡者数
平成27年相続税改正による影響で東京では大幅に申告件数が増えることが予想されていましたが、想定通り、東京都の課税割合は、15.72%と大幅にアップしました。平成28年でもほぼ同じ状況で、課税割合は15.78%です。
上記は東京都全体のデータですが、さらに23区内に絞ってみると、課税割合は16.76%にも及ぶことがわかります。実に約6人に1人が相続税の課税対象になっていることがわかります。
さらに、申告割合データを見ると、東京都全体では22.23%、23区内では23.75%という驚異的な数値となっています。まさに、約4人に1人が相続税の申告をしている状況となります。
※申告割合=申告書を提出した被相続人の数/死亡者数
配偶者の税額軽減などの特例を利用して相続税がゼロになる場合でも相続税申告は必要となります。
そのため、申告者数と課税対象者数に差が生じます。
さらに、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、目黒区などの中心部の区では、非常に高い値を示しており、課税割合30%超、申告割合40%超となる区も存在します。
お亡くなりになった方の、もはや2人に1人が相続税申告が必要という状況です。
1-2.準富裕層の申告が増えている
東京都の1人当たりの相続税額データを見ますと、平成26年は4,257万円でしたが、平成27年は2,998万円と急減しています。平成28年も同様に2,994万円です。
つまり、相続税額の少ない申告者が多く増えたことがわかります。
相続税の基礎控除額が、(5,000万円+1,000万円×相続人数)から(3,000万円+600万円×相続人数)に引き下げられたことにより、5,000万円~1億円程度の財産を持つ準富裕層が相続税の対象になったと考えられます。
自分は富裕層でない人と思っている人も次のような方は資産が軽く5,000万円~1億円程度に達していることが予想されますので、相続税申告に備える必要があります。
- 大企業や年収の高い条件で勤めた後、数千万円の退職金をもらっている。
- 自宅を所有している。
- 株等の有価証券を多く保有しており含み益がある。
- 過去に相続した土地が値上がりしている。
1-3.市町村部でも高額な相続税が課税されている
23区内と市町村部、それぞれの相続税の平均データを比較してみます。
地域 | 1件あたりの納付税額(万円) | 課税割合 |
---|---|---|
23区部 | 2,998 | 16.70% |
市町村部 | 2,378 | 14.22% |
1件あたりの納付税額と課税割合ともに23区部のほうが高い数字となっていますが、その差はそこまで大きくありません。実は、市町村部は都心部のベッドタウンとして発展しており、住みやすい環境が整っており、かつ都心部への交通網もしっかりと整備されています。その結果、高所得者の中でも市町村部へ移住する世帯が増えています。
市町村部の地価は低いため、全体の課税額も低くなっていますが、財産などへの課税は同じように行われる可能性が高く、大きな差が生まれにくくなっていると考えられます。
また、地価が安いため都心部と同じ予算でも広い住宅を購入することができます。すると、所有する不動産を相続した際の課税額は都心部とあまり変わらない場合があります。特に市町村部では農地など自宅とは別に広い土地を所有している場合もあるため、高額な相続税が課税されており、適切な節税対策が求められています。
2.東京23区の相続税の課税割合と申告割合
東京23区毎の相続税申告に関する平成28年度詳細データを示します。
区名 | 申告 件数 | 課税 件数 | 1件当り 納付税額 (万円) | 申告割合 | 課税割合 |
---|---|---|---|---|---|
千代田区 | 202 | 161 | 19,946 | 48.33% | 38.52% |
中央区 | 216 | 163 | 3,543 | 27.34% | 20.63% |
港区 | 572 | 433 | 4,367 | 39.23% | 29.70% |
新宿区 | 793 | 543 | 2,693 | 30.20% | 20.68% |
文京区 | 593 | 419 | 5,480 | 37.32% | 26.37% |
台東区 | 432 | 302 | 1,749 | 21.32% | 14.91% |
墨田区 | 384 | 277 | 1,092 | 15.93% | 11.49% |
江東区 | 486 | 347 | 1,262 | 12.24% | 8.74% |
品川区 | 725 | 489 | 2,317 | 24.01% | 16.19% |
目黒区 | 743 | 533 | 2,934 | 38.02% | 27.28% |
大田区 | 1,437 | 991 | 3,363 | 22.58% | 15.57% |
世田谷区 | 2,538 | 1,786 | 3,833 | 39.81% | 28.02% |
渋谷区 | 677 | 478 | 4,309 | 43.20% | 30.50% |
中野区 | 783 | 554 | 3,066 | 29.92% | 21.17% |
杉並区 | 1,662 | 1,141 | 2,823 | 37.53% | 25.76% |
豊島区 | 619 | 416 | 2,329 | 25.91% | 17.41% |
北区 | 571 | 410 | 1,858 | 16.73% | 12.01% |
荒川区 | 296 | 216 | 2,526 | 14.60% | 10.66% |
板橋区 | 828 | 598 | 1,915 | 16.93% | 12.23% |
練馬区 | 1,515 | 1,054 | 3,118 | 26.00% | 18.09% |
足立区 | 761 | 538 | 2,997 | 11.36% | 8.03% |
葛飾区 | 633 | 477 | 2,567 | 13.93% | 10.50% |
江戸川区 | 780 | 553 | 2,794 | 14.39% | 10.20% |
都区内計 | 18,246 | 12,879 | 3,234 | 23.75% | 16.76% |
※港区について、島嶼部が芝税務署の管轄であるため、課税価格・納付税額・申告件数には島嶼部の町村も入っていますが、島嶼部の申告件数は少なく納付税額も低いことが予想されますので、課税割合の計算においては、島嶼部での死亡者425人を除外しています。
課税割合が高い順に解説します。
2-1.千代田区
東京都23区内で最も課税割合が多いのが41.72%の千代田区です。23区内で課税割合が40%を超えているのは千代田区のみで、そもそも30%を超えている地域は千代田区以外に1つしかありません。つまり、千代田区は23区内でダントツで相続税が課税されやすい地域なのです。
また、相続1件あたりの納付税額は1億9,946万6,100円と課税額も23区内でトップの金額です。ですので、千代田区は高額な相続税が非常に課税されやすく、23区内で最も相続税への対策が重要な区といえるでしょう。
2-2.渋谷区
千代田区に続いて課税割合が高いのは、30.50%の渋谷区です。渋谷区は若者をターゲットにした街づくりが行われており、代官山や恵比寿、原宿などの人気エリアは毎年路線価が上昇しています。
また、中心駅である渋谷駅は主要な4社の路線が乗り入れるターミナル駅として機能しており、都内の移動の拠点駅にもなっています。そのため、古くから生活拠点としても人気を集めており、近年では急速な人口増加も見せていることなどが、相続税への影響も大きく現れていると考えられます。
2-3.世田谷区
23区内で3番目に課税割合が高いのは27.74%の世田谷区で、30%を下回る区の中では最も高い数字となっています。23区内でも南西部に位置しており、神奈川県と隣接するなど都心からは離れた場所にある区です。
世田谷区はもともと住宅地として活用されており、現在でも区の大半は住宅街として整備されています。ただ、世田谷区は高級住宅街の代名詞にもなるほどの知名度があり、都内で最大の人口を擁しています。現在でも年々人口増加を見せており、年度による課税割合は差が少ないという特徴もあり、常に相続税への対策が重要な地域といえるでしょう。
2-4.港区
続いては、課税割合がわずかに世田谷区よりも低くなっている27.42%の港区です。港区には青山や赤坂、六本木などのオフィス街や繁華街で有名な地域があり、こうした地域には億ションと呼ばれるような高級マンションの建設が相次いでいます。
さらに、麻布や白銀台などは高級住宅街として知られており、持ち家率も高いという特徴があります。特に、お台場周辺の埋立地区ではビジネスと商業、生活が融合した新しい街づくりが行われているため、人口や路線価の上昇に伴い課税額も高額になっています。
2-5.目黒区
目黒区の課税割合は26.18%です。目黒区は都心からやや離れた場所に位置しており、ビジネス街、商業地というよりも住宅地としての役割が強くなっている地域です。渋谷区と隣接し鉄道や自動車などで手軽に都心部へと移動ができるため、都心に近いベッドタウンとして人気を集めています。
また、古くからベッドタウンとしての機能が注目されていたため、代々目黒区で生活している世帯も多く、相続が起きやすい地域であると考えられます。一方で、前年度の割合よりも1%以上低くなっているため、相続税の課税には波が現れやすい地域かもしれません。
2-6.文京区
目黒区とほぼ同様の課税割合となっているのが、26.17%の文京区です。文京区は住宅街と大学などの教育機関が多い地区が区の大半を締めていますが、東京ドームなどの商業施設もいくつか建設されています。
文京区の有名な住宅街には本郷や小石川、駒込などがあり、古くからその土地で生活している世帯も多いのです。そのため、現在では購入できない規模の不動産を相続する可能性が高く、そうした不動産への課税が行われることで課税額が高額になりやすいと考えられます。
2-7.杉並区
杉並区の課税割合は26.12%となっています。杉並区は都心部から離れ多摩地域との境界にあたる区です。杉並区は古くから住宅地として発展しており、都内では珍しい自然が豊富な住宅街が広く形成されています。
また、都心部から離れていますが、杉並区に拠点を置く企業は多く、特にアニメ産業は区の主要産業にまで成長しています。さらに、多摩地域との繋がりが強く、都心部と多摩地域どちらの地域にとってもベッドタウンとして機能しており、住宅地が足りなくなるほどの人口増加を見せています。
2-8.新宿区
新宿区の課税割合は20.99%とこれまでの地域よりも大きく下がっています。中心駅である新宿駅を中心に、繁華街やオフィス街が形成されており、3大副都心の1つとして数えられています。
また、都庁などの都の重要施設や行政機関などが多く建設されているのも特徴です。その反面、新宿区は仕事場、遊ぶ場所というイメージが強く、生活拠点としては選ばれにくいため、そこまで課税割合が高くなっておりません。
2-9.中野区
新宿区との差があまりないのが、課税割合は20.44%の中野区です。中野区は都心に近く渋谷区や新宿区など広い繁華街を形成している都市部と隣接しています。さらに、鉄道やバスなど渋谷駅と直接結ぶ路線が多く、交通の利便性が非常に高い地域です。
そのため、中野区の人口は非常に多く、人口増加に合わせて宅地開発などが積極的に行われてきました。ただ、人口が急増したことで全国的に人口密度が高い地域となっており、どちらかというと持ち家よりもマンションが生活住居の中心となっています。
2-10.練馬区
23区の最西端に位置している練馬区の課税割合は18.54%です。練馬区内には複数の鉄道路線が整備されているため都心へのアクセスが良く、鉄道の開通に合わせて人口が増加しています。そのため、駅前を中心にマンションの建設が相次いでおり、ベッドタウンとしての人気や注目が集まっています。
また、練馬区は都内では珍しく緑が多く残っており、現在でも農業が積極的に行われています。ただ、都心に近いことから農地も宅地と同様の価格を記録しており、面積の広い自宅を所有している世帯も多いため、不動産への課税には特に注意しなければいけません。
2-11.中央区
東京都の中心地域を構成する区の1つである中央区。中央区の課税割合は18.52%と、他の都心部と比べると低い数字となっています。中央区は区内で2番目に面積が小さく、人口も多くないため、相続の発生件数も他の地域と比べて少なくなっています。
また、中央区は都心部であり銀座など日本一の路線価を誇る地域もありますが、全体的に閑静な住宅街が広く形成されています。そのため、他のビジネス地や商業地よりも土地の需要が伸びず、それが相続税へも影響しているのだと考えられます。
2-12.豊島区
東京都の副都心を担う区の1つである豊島区の課税割合は17.50%です。豊島区には池袋駅を中心とした繁華街が形成されており、駅を中心として高層ビルが立ち並んでいます。区内には多くの大学のキャンパスも建設されており、ビジネスマンだけでなく若者も多く集まっています。
さらに、高級住宅街として有名な目白や巣鴨など幅広い年齢層を対象にした街づくりが行われ、多くの人が集まった結果日本一の人口密度となっています。また、近年外国からの移住者も増えており、今後も人口は増加傾向が強く現れていくことが予想されています。
2-13.品川区
都内でも屈指のビジネス街として発展している品川区。品川区の課税割合は16.76%と、イメージよりも低い数字となっているかもしれません。品川区には多くの企業が集まり、大井町や大崎などには繁華街が形成されています。
また、鉄道網の整備も進んでおり、住みやすさが高いため人口も多く現在でも粗増加傾向にあります。実は、区の中心駅の品川駅は港区にあるため、相続税が課税されるような高所得者層は港区へ移住することが多いのかもしれません。
2-14.大田区
23区の南東部に位置し、都心から最も遠い大田区の課税割合は16.09%です。区内は主に住宅街として活用されており、その中に工場が点在しています。特に、田園調布という高級住宅街が大田区にはあり、区の相続の中心はこの地域であると考えられます。
一方で、区の3/1を締めているのは頭部にある羽田空港です。東京の空の玄関口であるのですが、その分居住可能な地域が限られているため街づくりに制限ができています。住宅地の人気に比べて課税割合が低い背景には、こうした空港との兼ね合いが関係しているのかもしれません。
2-15.台東区
東京都の中で最も古い市街地の1つであり、歴史ある街並みが人気の台東区。特に、浅草は国外からも観光客が訪れるほどの人気スポットになっています。そんな台東区の課税割合は15.79%です。
台東区は浅草を中心とした観光産業が盛んなため、区内は主に商業地として使用されており、住宅地は少なくなっています。近年ではマンションなども増えていますが、住宅などを相続する機会が少ないことから課税割合が低くなっているのだと考えられます。
2-16.板橋区
板橋区の課税割合は12.52%と、台東区から大きく下がった数字となっています。板橋区は区内全体が市街地化しており、各交通網や商業施設などがしっかりと整備されています。さらに、板橋区では製造業が盛んに行われており、各地に工場が建設されています。
また、板橋区には都内で有数の住宅団地が形成されており、各地に都営重役や集合住宅が整備されています。ただ、団地が整備されることで不動産の相続が少なくなり、不動産への相続税の課税が行われにくくなるため課税割合も低くなっているといえるでしょう。
2-17.墨田区
東京都のシンボルでもあるスカイツリーが建設されている墨田区の課税割合は11.59%です。区の東西の境目は隅田川と荒川、中川なっており、河川に囲まれた地域であるため、古くから水を用いた皮革業や飲料品の製造などが行われていました。
そのため、墨田区内には企業の工場などが多く建設されていますが、大半は住宅地として活用されています。都心へのアクセスも簡単に行えることからベッドタウンとしても機能しており、2000年を境に毎年人口が増加しています。
2-18.北区
名前の通り23区の北部に位置しており、埼玉県との県境となっている北区。都心からは離れているもの、明治通りや環七通りなど幹線道路が整備されており、都心へのアクセスが手軽な利便性の高い区です。
北区の課税割合は11.58%で、前年度よりもわずかに上昇しています。北区内には23区の中で最も多くのJRの駅が建設されており、ほとんどの住宅街に隣接するように設置されています。そのため、鉄道による都心へのアクセスも簡単であり、それがベッドタウンとしての機能性を上昇させ人気を集めているのです。
2-19.葛飾区
東京都の下町という強いイメージがある葛飾区の課税割合は11.16%です。葛飾区は都心に近いだけでなく、土地や家賃が安いという理由からベッドタウンとしての人気が高まっている地域です。そのため、近隣の自治体から葛飾区へ移住する世帯も増加しています。
また、土地が安いということは不動産を相続しても、その評価額は安くなります。ですので、よほど広大な自宅を相続する場合でなければ課税される可能性が低くなるのです。ただし、区内の産業では製造業が大きく発展し、各企業の工場などが建設されているため、所得への課税が行われることもあり、相続1件あたりの納付税額は約2,500万円と23区の平均を下回るものの高額です。
2-20.荒川区
足立区との間に流れる荒川が由来となっている荒川区。課税割合は11.00%と23区内ではあまり高い数字でありません。かつては荒川の水資源を使用した工場が建設されていましたが、現在ではその姿はほとんど無く、工場跡地を使用した住宅街が形成されています。
さらに、南千住などを中心とした再開発が行われており、その面積は都内で最も広い規模となっています。そのため、ファミリー層を中心に人口流入が起き、それに伴う路線価の上昇が起きており、今後相続税の高額化や課税割合の増大が危惧されています。
2-21.江戸川区
23区の最東部に位置している江戸川区。課税割合は10.33%です。区の大半は住宅地として活用されており、昼間人口が少なく夜間人口が多いという典型的なベッドタウンの特徴が現れています。
また、江戸川区の特徴には高齢者が多いだけでなく、若い世代が多いということも現れています。特に、23区内で最も区民の平均年齢が若くなっており、相続に結びつく要因が少ないことから課税割合が低くなっているのだと考えられます。
2-22.江東区
東京都の東部に位置し、隅田川と荒川、東京湾に囲まれている江東区。周囲の水資源を活用した工業地域として発展し、工場や企業などを中心に住宅地が形成されています。さらに、錦糸町などは歓楽街としても大きく発展し、多くの魅力が詰まった都市となっています。
江東区の課税割合は9.01%と10%を下回る数少ない地域です。江東区は近年マンション建設が相次いでいることで人口も増加していますが、一方で人口減少が起きていた地域です。そのため、相続税が課税される世帯が限られてしまうことによって課税割合が低くなっているのだといえるでしょう。
2-23.足立区
23区の最北端に位置する足立区。足立区は23区内で最も課税割合が低く8.15%となっています。足立区は古くから宿場町として栄えており、北千住や綾瀬などには大きな繁華街が形成されています。
また、この繁華街はビジネス街としても機能しており、区外や県外からも仕事へ訪れる人が増えています。ただ、足立区以外のベッドタウンに注目が集まっていることもあり、ここ数年は人口減少が起きています。特に、地価は上昇しているものの、他区に比べるとまだ地価が低いため、相続税が課税される世帯が限定され、課税割合が低くなっていると考えられます。
3.東京都市町村部の相続税の課税割合と申告割合
下記は平成28年度の相続税申告に関する詳細データです。
税務署名 | 管轄地域 | 申告 件数 | 課税 件数 | 1件当り 納付税額 (万円) | 申告割合 | 課税割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
八王子 | 八王子市 | 738 | 543 | 1,372 | 15.01% | 11.04% |
立川 | 立川市 昭島市 国分寺市 国立市 東大和市 武蔵村山市 | 1,013 | 721 | 2,319 | 18.25% | 12.99% |
武蔵野 | 武蔵野市 三鷹市 小金井市 | 1,151 | 810 | 2,980 | 33.74% | 23.75% |
青梅 | 青梅市 福生市 羽村市 あきる野市 瑞穂町 日の出町 檜原村 奥多摩町 | 603 | 467 | 1,387 | 13.23% | 10.24% |
武蔵府中 | 府中市 調布市 狛江市 | 1,052 | 751 | 2,751 | 24.00% | 17.13% |
町田 | 町田市 | 650 | 461 | 2,231 | 18.23% | 12.93% |
日野 | 日野市 多摩市 稲城市 | 587 | 427 | 2,468 | 18.51% | 13.47% |
東村山 | 小平市 東村山市 清瀬市 東久留米市 西東京市 | 1,177 | 839 | 2,761 | 17.81% | 12.70% |
多摩地区計 | 6,971 | 5,019 | 2,380 | 19.27% | 13.88% |
各税務署の管轄地域を課税割合が高い順に、詳細なデータを確かめていきます。
3-1.武蔵野市、三鷹市、小金井市
多摩地区の東部に位置し、23区との境目にあたる地域の武蔵野市、三鷹市、小金井市の3つの市。これらを管轄する武蔵野税務署の課税割合は23.56%と、市町村部の中で最も高い数字となっています。そして、市町村部で唯一課税割合が20%を超えている地域です。
すべての地域の統計が合計されていますので、それぞれの相続税に関する比率は発表されていません。ただ、地価から考えると吉祥寺を擁する武蔵野市が都心部に匹敵する価格となっていますので、不動産への相続という観点では武蔵野市が相続の中心地域だと考えられます。
また、三鷹市と小金井市の地価は都内では低くなってしまうのですが、市町村部では2位と4位という高い地価となっています。これは都心部と市町村部を繋ぐ鉄道網や道路の整備が行われており、アクセスが容易になっていることが背景にあります。つまり、距離は離れているものの、十分通勤圏内であるためベッドタウンとして人気があり、住みやすさも相まって地価が上昇しているのだと考えられます。
3-2.府中市、調布市、狛江市
武蔵野市などにに続き、多摩地域の東部、23区との境界となる府中市、調布市、狛江市。これらの地域は武蔵府中税務署の管轄となり、課税割合は17.80%となっています。武蔵野税務署以外では課税割合が15%を超える唯一の地域です。
多摩地区は住宅地やベッドタウンとして整備されることが多いのですが、府中市内には企業の研究機関や工場などが多く建設されています。さらに、府中駅周辺には商業施設などが多数建設されているため、この地域の中心都市として府中市が機能しているといえるでしょう。
ただ、府中市の地価は市町村部で8位、狛江市が9位、調布市は5位と、実は住宅街である調布市のほうが高額なのです。府中市は中心都市であるのですが多摩地区の中心部にあり、調布市は23区と隣接しています。ですので、府中市と23区どちらのベッドタウンとしても機能する調布市に需要があるまり、地価が高くなっていると考えられます。
3-3.日野市、多摩市、稲城市
多摩地域の中南部に位置する日野市、多摩市、稲城市。この地域は日野税務署の管轄となっており、その課税割合は13.66%です。この地域は緑が多い住宅地が広がっており、日野市では都市農業を行う代表的な地域として注目されています。
また、多摩市の南部から稲城市にかけて多摩ニュータウンという新たな町が建設されています。この地域には区域面積が日本最大規模であり、駅周辺には商業施設やオフィスビル等が多く建設されています。
そのため、商業地としても人気を集めており、多摩地区を代表する商業圏が形成されています。一方で、この地域の地価はそこまで高額ではなく、市町村部では14位の稲城市が最も地価が高額です。ただ、相続1件あたりの納付税額は約2,400万円と平均をやや上回っているため、適切な相続税対策を講じておく必要があります。
3-4.小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市
田町期の北東部に位置しており、23区とも隣接している小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市の地域。この地域は東村山税務署の管轄となっており、その課税割合は13.17%です。
この地域はほとんどが住宅地として活用されているのですが、一方で緑が残る地域であり、現在でも農業が市の主要な産業として行われています。さらに、農作物が穫れることや都心部に近いことから食品工場などが多く建設されているのも産業の特徴の1つです。
また、この地域は埼玉県と隣接しているため、自動車を用いれば埼玉県新座市などへのアクセスが可能です。ただ、地価はそこまで高額ではないのですが、相続1件あたりの納付税額は武蔵野地域に次いで、市町村部では2番目に高額な地域です。高額な納付税額の背景には、農地などを保有していたり高所得者が多く生活していたりすることなどが考えられ、各世帯の所得などの状況を考慮した相続税への注意が必要な地域となっています。
3-5.町田市
多摩地域の最南端に位置しており、神奈川県と隣接している町田市。課税割合は13.09%です。町田市は都心部だけでなく神奈川県の横浜市や川崎市といった大都市部に隣接していることから、古くからベッドタウンとして発展してきました。
また、多くの人が集まることから同時に商業地としても発展を続けており、特に町田駅を中心とした地域には繁華街が広く形成されています。さらに、この地域は国道や街道など自動車での交通網も整備されていることから、総武経済圏の中心的な役割を担っています。
町田市の地価は市町村部では12位とそこまで高額な地域ではありません。ですが、人口増加に伴って近年新しく区画整理が行われており、景観のよい住宅地の建設が進んでいます。そのため、今後地価が大きく上昇する可能性が高く、地価の推移には注意深く情報を集めておきましょう。
3-6.立川市、昭島市、国分寺市、国立市、東大和市、武蔵村山市
多摩地域の中心に位置している立川市、昭島市、国分寺市、国立市、東大和市、武蔵村山市。この地域は立川税務署の管轄となっており、課税割合は13.17%となっています。町田市とはわずかな差ですが下回った数字です。
この地域の中心なっているのが立川市で、中心駅である立川駅は多摩地区内で最大の乗車人数を誇る程です。そのため、駅周辺には商業施設やオフィスビルが集中しており、多摩地区の中核都市としても機能しています。
また、地価を比較してみると立川市の地価が市町村部で3位、国分寺市が7位と上位にランクインしています。立川市は都市機能が集中しているため、国分寺市は立川市を始めとした多摩地区のベッドタウンとして需要が集まっていることが地価の上昇につながっていると考えられます。そのため、相続の中心地も立川市や国分寺市であるといえ、こうした地域では相続税への重要性が高まっています。
3-7.八王子市
多摩地区の南部に位置し、東京都で初めての中核市となった八王子市。八王子市の課税割合は11.34%と、今までの地域よりも1%以上下回っています。八王子市は工業団地や多摩ニュータウンの一部を擁しており、市町村部の中で最も人口が多い市です。
さらに、都心部の大学キャンパスの移転地に選ばれることが多くなったため、学園都市としても注目され始めました。その結果、より多くの人が集まったことで、特に商業が活発化し、今までの主要産業だった工業や製造業に加え、市の核を担う産業にまで成長しました。
工場が多く建設され、再開発が進む八王子市ですが、市内には多くの自然が残っており、雄大な山々を活用したハイキングなどが人気です。ただ、こうした自然が多く残る場所はあまり地価が上昇しないため、他の地域よりも地価が低くなり相続税の課税もされにくいのだと考えられます。
3-8.青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、西多摩郡
多摩地域の北西部に位置している.青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、西多摩郡。これらの地域は青梅税務署の管轄となっており、課税割合は10.84%と最も低い数字です。青梅市は立川市や八王子市と同じように東京都の核都市に指定されており、地域の中心機能を担っています。
そのため、商業施設などが青梅市に集中して建設されています。しかし、この地域は都心へ移動するまでに1時間以上必要なこと、山間部が多く生活地域が限られていることから地価が上昇していません。
さらに、交通網などの不便さから若い世代の人口流出が起こっており、高齢化が急速に進んでいます。ただ、高齢化が進んでいることから相続が起きやすい地域ともいえ、青梅エリアの土地などを相続する可能性が高いため、無視できる地域ではありません。
4.東京都の相続税を検証
4-1.地価の推移と特徴
4-1-1.相続税と地価の関係
相続税の課税額が決まる重要なポイントが「地価」だといわれています。それは、不動産が相続する資産の中で高額であり、中でも土地が特に高額になりやすいからです。実は家などの建物は建設直後をピークに評価額が下がってしまい、相続時の評価額が建設時よりも高くなることは滅多にありません。
一方土地の評価額はその時時で上下するものの、大きな下落が起こることはありません。反対に、再開発などの影響で価格が大きくは跳ね上がることは意外に多いのです。そのため、土地の面積や場所によって地価に差が現れやすく、地価によって課税額の大部分が決定されているともいえるでしょう。
東京都23区全体の地価は2013~2014年を境に上昇傾向が強くなり、2017年から2018年にかけて4.9%の上昇を見せています。中でも中央区や台東区、渋谷区などは7%以上の上昇が起きており、関東の他の自治体よりもすば抜けて高い上昇率を記録しています。
数字にするとわずかな上昇ですが、100万円/㎡の場所では1㎡あたり1万円価値が上昇していることを示しています。基準となる金額が高いことや、居住できる広さの土地を所有していることを考えると、わずか数%の上昇でも納付税額には非常に大きな影響を与えてしまうのです。
4-1-2.地価が下がっても高水準をキープしている
では、仮に地価が下がった場合はどうなるのでしょうか?東京都は日本一地価が高い自治体で、全体の平均地価は約102万円/㎡となっています。全国2位の大阪の地価平均は約27万円ですので、4倍近くの差が生まれています。つまり、仮に地価が上がらなかったとしても、東京都の地価は非常に高い水準であり、それに伴う相続税の課税も日本一高額だといえるのです。
日本一高いという状況の中でも東京の地価は上昇を続けており安定しています。そのため、地価が下がりにくいという特徴はあるのですが、もし下がったとしても他の地域よりも地価は高額であるため、相続税への対策は必須です。
4-2.個人が土地を所有している割合が多いと要注意
東京都に限らず地価が高額になりやすい地域には、繁華街やビジネス街が形成されているなど、交通の利便性が良く多くの人で賑わっているという特徴があります。しかし、こうした地域は企業などが土地を所有していますので、相続資産の対象となるケースが低く、地価が高いからといってそれだけで課税割合が高くなることはありません。
つまり、どんな場合でも地価が高い地域=課税割合が高いとなるのではなく、その地域の土地をどれだけ個人が所有しているのかということも相続税の特徴を考える場合には必要です。実際に、日本一路線価の高い銀座がある中央区の課税割合は11位となっており、地価が高くても課税割合は低い場合があることを示しています。
4-3.所得への課税も割合が大きい
さて、地価が低い地域でも高額な相続税を納めるケースは多く、地価が高い地域でも課税割合が高い地域もあります。こうした相続税の特徴の背景にあるのが所得です。所得は地価と並び相続税額を決定する重要なポイントになっています。
例えば、地価の高い場所で生活をする場合には、自宅を購入するだけでなくその生活を維持するための高額な所得が必要です。すると、不動産と財産、高額な2つの相続資産への課税が行われることで、より高額な相続税が課税されてしまうのです。
ですので、所得が高い港区や千代田区、渋谷区は地価も所得も高いため、4,000万円以上の相続税が課税されています。さらに、地価の低い練馬区や葛飾区などの都市から離れた地域はベッドタウンとして機能し高所得者が集まっているため、2,000万前後の相続税が課税されています。
このように、地価は相続税の重要なポイントになるのですが、個人や世帯の所得状況によって相続税の課税額は大きく変化します。そのため、住宅街で地価が低い地域だとしても油断はできません。地価が低いだからこそ広い住宅を所有しているケースもあり、地価と所得の両方を冷静に分析し、適切な相続税対策を講じる必要があります。
4-4.課税割合と納付税額
一般的に課税割合が高い地域では、1件あたりの納付税額も高くなる傾向があります。これは、同じ地域では地価に差が生まれにくく、生活水準がある程度一定化されているため、相続税の課税額も同じ金額になりやすいからです。
ただ、所得の状況に差が生まれやすいベッドタウンなどでは、課税割合が低くくても1件あたりの納付税額は高いという状況が生まれています。課税割合が低い地域は地価が低いことが多いのですが、都心部と同じ予算で自宅を建設、購入することがあり、その結果土地への課税が都心部とは変わらない場合があるのです。
もちろん、このような場合は所得も高額であり、財産への課税も高額になります。ですので、地域の特徴として捉えておくことも大切ですが、世帯や個人単位で各状況を確かめておくことも非常に重要です。
5.東京都の税理士事情
5-1.23区内の税理士は、もともと相続税に強い税理士が多い
地価も所得も高く、高額な相続税が課税されやすい東京都23区では、税理士による相続税対策が必須となります。では、相続税対策の鍵を握る税理士の現在の在籍状況などはどのようになっているのでしょうか?
東京都23区内に在籍している税理士の数は合計で1万9,616名で、日本一多くの税理士が在籍しています。しかし、23区内の1年間の課税件数は1万2,687件であり、相続1件あたりの税理士数は1.55名と実は少ないのです。
東京都は日本一多くの税理士が在籍していますが、一方で日本一多くの相続税が課税されていますので、税理士は不足気味であるという結果になってしまうのです。ただ、税理士が少ないという状況は、1人の税理士が担当する件数が多くなることを表しており、経験や実績を多く積むことができます。
つまり、23区内に在籍する税理士は相続税に強い実力のある税理士が多いということでもあるのです。相続税対策が効果的に働くかは税理士の実力によって左右し、実績や経験が豊富な税理士ほど節税効果は高くなります。ですので、しっかり時間をかけて税理士探しを行えば、的確で効果の高い相続税対策を講じることができるでしょう。
5-2.市町村部の在籍税理士は少ないが土地評価に強い
市町村部だけでも他の自治体と比べると相続税の発生件数は非常に多いため、市町村部の税理士の実績も多くなっています。
市町村部は23区と違って、住宅地だけでなく農地などさまざまな形で土地が活用されています。特に、商業地やビジネス街に加えて、農村部や山林部、新興住宅街など都市部とは違った特徴が色濃く現れています。そのため、市町村部を担当する税理士には適切に土地の評価額を見極める技術が必要となり、土地の評価に強い税理士が多いといわれています。
また、市町村部に在籍している税理士数は2,300名、相続1件あたりの税理士数は0.46名と不足状態であることが分かります。市町村部は都心部のベッドタウンとして活用されていますが、その機能性が都心部の税理士が市町村部の相続にも対応できる環境を作っています。ですので、市町村部に在籍する税理士が少なくなっています。
そこで、市町村部では相続が始まる前から積極的に税理士を探しておき、相続税へ備えておきましょう。また、武蔵野や府中などは23区に近いため、23区内でも実力のある税理士を探しおくことも大切です。市町村部で課税されている相続税は高額ですので、油断せず危機意識を持ってしっかりと相続税への対策を講じましょう。
【参考】東京23区内の税務署一覧
東京23区内の税務署一覧を掲載します。最新情報は、東京国税局のWEBサイトでご確認ください。
税務署名 | 所在地 | 電話番号 | 管轄地域 |
---|---|---|---|
浅草 | 〒111-8602 台東区蔵前2丁目8番12号 | 03-3862-7111 | 台東区のうち浅草地区 |
麻布 | 〒106-8630 港区西麻布3丁目3番5号 | 03-3403-0591 | 港区のうち麻布、赤坂地区 |
足立 | 〒120-8520 足立区千住旭町4番21号 足立地方合同庁舎 | 03-3870-8911 | 足立区のうち千住、綾瀬地区 |
荒川 | 〒116-8588 荒川区西日暮里6丁目7番2号 | 03-3893-0151 | 荒川区 |
板橋 | 〒173-8530 板橋区大山東町35番1号 | 03-3962-4151 | 板橋区 |
江戸川北 | 〒132-8668 江戸川区平井1丁目16番11号 | 03-3683-4281 | 江戸川区の一部 |
江戸川南 | 〒134-8567 江戸川区清新町2丁目3番13号 | 03-5658-9311 | 江戸川区の一部 |
荏原 | 〒142-8540 品川区中延1丁目1番5号 | 03-3783-5371 | 品川区のうち荏原地区 |
王子 | 〒114-8560 北区王子3丁目22番15号 | 03-3913-6211 | 北区 |
大森 | 〒143-8565 大田区中央7丁目4番18号 | 03-3755-2111 | 大田区のうち大森地区 |
荻窪 | 〒167-8506 杉並区天沼3丁目19番14号 | 03-3392-1111 | 杉並区のうち荻窪地区 |
葛飾 | 〒124-8560 葛飾区立石8丁目31番6号 | 03-3691-0941 | 葛飾区 |
蒲田 | 〒144-8556 大田区蒲田本町2丁目1番22号 | 03-3732-5151 | 大田区のうち蒲田地区 |
神田 | 〒101-8464 千代田区神田錦町3丁目3番地 | 03-3294-4811 | 千代田区のうち神田地区 |
北沢 | 〒156-8555 世田谷区松原6丁目13番10号 | 03-3322-3271 | 世田谷区のうち北部地区 |
京橋 | 〒100-8129 千代田区大手町1丁目3番3号 大手町合同庁舎3号館 6階・7階 | 03-4434-0011 | 中央区のうち京橋地区 |
小石川 | 〒112-8558 文京区春日1丁目4番5号 | 03-3811-1141 | 文京区のうち小石川地区 |
麹町 | 〒102-8311 千代田区九段南1丁目1番15号 九段第2合同庁舎 | 03-3221-6011 | 千代田区のうち麹町地区 |
江東西 | 〒135-8311 江東区猿江2丁目16番12号 | 03-3633-6211 | 江東区のうち城東地区を除く地区 |
江東東 | 〒136-8505 江東区亀戸2丁目17番8号 | 03-3685-6311 | 江東区のうち城東地区 |
品川 | 〒108-8622 港区高輪3丁目13番22号 | 03-3443-4171 | 品川区のうち品川地区・大崎地区・ 大井地区・八潮地区 |
芝 | 〒108-8401 港区芝5丁目8番1号 | 03-3455-0551 | 港区のうち芝地区 東京都のうち大島町、利島村、新島村、 神津島村、三宅村、御蔵島村、 八丈町、青ケ島村、小笠原村 |
渋谷 | 〒150-8333 渋谷区宇田川町1番10号 渋谷地方合同庁舎 | 03-3463-9181 | 渋谷区 |
新宿 | 〒169-8561 新宿区北新宿1丁目19番3号 | 03-3362-7151 | 新宿区のうち新宿地区 |
杉並 | 〒166-8501 杉並区成田東4丁目15番8号 | 03-3313-1131 | 杉並区のうち阿佐谷、高円寺地区 |
世田谷 | 〒154-8523 世田谷区若林4丁目22番13号 世田谷合同庁舎3階・4階 | 03-6758-6900 | 世田谷区のうち中央部地区 |
玉川 | 〒158-8601 世田谷区玉川2丁目1番7号 | 03-3700-4131 | 世田谷区のうち玉川地区 |
東京上野 | 〒110-8607 台東区池之端1丁目2番22号 上野合同庁舎 | 03-3821-9001 | 台東区のうち下谷地区 |
豊島 | 〒171-8521 豊島区西池袋3丁目33番22号 | 03-3984-2171 | 豊島区 |
中野 | 〒164-8566 中野区中野4丁目9番15号 | 03-3387-8111 | 中野区 |
西新井 | 〒123-8501 足立区栗原3丁目10番16号 | 03-3840-1111 | 足立区のうち西新井地区 |
日本橋 | 〒100-8184 千代田区大手町1丁目3番3号 大手町合同庁舎3号館3階・4階 | 03-6757-6700 | 中央区のうち日本橋地区 |
練馬西 | 〒178-8624 練馬区東大泉7丁目31番35号 | 03-3867-9711 | 練馬区の一部 |
練馬東 | 〒176-8503 練馬区栄町23番7号 | 03-3993-3111 | 練馬区の一部 |
本郷 | 〒113-8459 文京区西片2丁目16番27号 | 03-3811-3171 | 文京区のうち本郷地区 |
本所 | 〒130-8686 墨田区業平1丁目7番2号 | 03-3623-5171 | 墨田区のうち本所地区 |
向島 | 〒131-8509 墨田区東向島2丁目7番14号 | 03-3614-5231 | 墨田区のうち向島地区 |
目黒 | 〒153-8633 目黒区中目黒5丁目27番16号 | 03-3711-6251 | 目黒区 |
雪谷 | 〒145-8506 大田区雪谷大塚町4番12号 | 03-3726-4521 | 大田区のうち調布地区 |
四谷 | 〒160-8530 新宿区三栄町24番地 | 03-3359-4451 | 新宿区のうち四谷、牛込地区 |
【参考】東京都市町村部の税務署一覧
東京都市町村部の税務署一覧を掲載します。最新情報は、東京国税局のWEBサイトでご確認ください。
税務署名 | 所在地 | 電話番号 | 管轄地域 |
---|---|---|---|
青梅 | 〒198-8530 青梅市東青梅4丁目13番4号 | 0428-22-3185 | 青梅市 福生市 羽村市 あきる野市 西多摩郡 |
立川 | 〒190-8565 立川市緑町4番地の2 立川地方合同庁舎 | 042-523-1181 | 立川市 昭島市 国分寺市 国立市 東大和市 武蔵村山市 |
八王子 | 〒192-0994 八王子市子安町4丁目4番9号 | 042-622-6291 | 八王子市 |
東村山 | 〒189-8555 東村山市本町1丁目20番22号 | 042-394-6811 | 小平市 東村山市 清瀬市 東久留米市 西東京市 |
日野 | 〒191-8520 日野市万願寺6丁目36番地の2 | 042-585-5661 | 日野市 多摩市 稲城市 |
町田 | 〒194-8567 町田市中町3丁目3番6号 | 042-728-7211 | 町田市 |
武蔵野 | 〒180-8522 武蔵野市吉祥寺本町3丁目27番1号 | 0422-53-1311 | 武蔵野市 三鷹市 小金井市 |
武蔵府中 | 〒183-8548 府中市本町4丁目2番地 | 042-362-4711 | 府中市 調布市 狛江市 |