マンション・不動産の購入・居住・売却時にかかる税金のまとめ

不動産 お金

日本では不動産の財産が多く、また、相続税制度では不動産に関する特例制度が多くありますので、相続税対策においては、不動産取引が非常に重要なポジションを占めています。不動産と一口にいっても、住宅、田畑、土地などいろいろですが、昨今では特に都心部を中心にマンションの取引が盛んです。

マンションの購入・売却に際しては、購入資金の捻出や不動産業者への手数料などの支払いが必要ですが、それと合わせてかかるのが税金です。通常の物の売買とは異なり、不動産の売買に関しては多くの種類の税金がかかります。また不動産取得・売却に際しては、各種の税金優遇制度を受けられる可能性もあります。

そこで、マンション購入・居住・売却時それぞれのタイミングでかかる税金についてまとめます。
なお、マンションだけでなくアパートや一戸建て住宅の場合もほぼ同等な内容となります。
税金の特例制度については、別途、下記をご覧ください。

【参考】マンション購入・売却時にかかる税金の特例制度

マンション購入・居住・売却時にかかる税金

まず、マンションを購入したとき、居住しているとき、売却したときにかかる税金を一覧にまとめました。なお、ここでは個人居住用のマンションを購入・売却するケースを想定しています。賃貸事業を行う場合には事業税が、法人が取引を行う場合には法人税・法人事業税等がかかりますが、ここでは省略します。

購入時居住時売却時
不動産取得税
登録免許税
印紙税
固定資産税
都市計画税
所得税
住民税

マンション購入時にかかる税金

マンション購入時には3種類の税金が発生します。それぞれ購入時に一回だけかかる税金です。

(1)不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得した人が、その不動産がある都道府県に納める地方税です。
不動産の「取得」には、売買による取得だけでなく、建物の新築・増改築や不動産の交換、贈与、寄付などによる取得も含まれます。ただし、相続による取得の場合は非課税となります。

納税義務者不動産を取得した人
納付先不動産がある都道府県
税額固定資産税評価額(※1)×税率
税率
土地3%(※2)
家屋(住宅)
家屋(住宅以外)4%
納付方法都道府県から送られてくる納税通知書に従って納付
免税となる
金額
土地10万円未満
家屋新築、増築、改築23万円未満
その他(売買など)12万円未満

※1 平成30年3月31日までに宅地等を取得した場合は、固定資産税評価額×1/2
※2 平成30年3月31日までに取得した場合は3%

不動産取得税のポイント

不動産取得税の税率は本来は4%ですが、平成30年3月31日までは、税額の軽減措置として3%となっています。
また、平成30年3月31日までに取得した宅地についても、通常の固定資産税評価額の半額で評価することとなっています。

不動産取得税には建物部分と土地部分のそれぞれに特例があります。たとえば東京都内にある、築20年以内、面積50㎡以上、購入価格5000万円以下くらいのマンションであれば、この特例を適用して、不動産取得税は0円になる可能性が高いです。

住宅の課税標準の特例

一定の住宅(建物)または土地を取得した場合には、課税標準の特例が適用されます。

新築住宅の場合
税額不動産取得税=(固定資産税評価額-1,200万円(※1))×3%
要件・住宅用途(貸付用も可)
・床面積が50㎡(戸建以外の賃貸住宅の場合は40㎡)以上240㎡以下
中古住宅の場合
税額不動産取得税=(固定資産税評価額-控除額(※2))×3%
要件・個人が自己の居住用に取得した住宅であること
・床面積が50㎡以上240㎡以下
・築20年(耐火構造のものは25年)以内

※1 平成21年6月4日から平成28年3月31日までの間に新築された認定長期優良住宅の場合は、1,300万円が控除される。
※2 控除額は新築時期によって異なります。下記表参照

新築された日控除額
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日※100万円
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日※150万円
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日※230万円
昭和51年1月1日~昭和56年 6月30日※350万円
昭和56年7月1日~昭和60年 6月30日※420万円
昭和60年7月1日~平成元年 3月31日450万円
平成元年4月1日~平成 9年 3月31日1,000万円
平成9年4月1日以後1,200万円

※昭和56年以前の新築については、新耐震基準に適合していることの証明がされたものに限ります。

宅地の税額軽減の特例

一定の要件を満たす宅地を取得した場合、次のいずれか多い金額を控除できます。

イ 45,000円
ロ 1㎡当たりの評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(最大200㎡)×3%

不動産取得税の計算例

平成28(2015)年1月に土地200㎡を取得し、その三ヶ月後にに床面積120㎡の住宅を新築して、居住開始した場合。
固定資産税評価額:土地2,000万円(10万円/㎡)、家屋1,400万円
不動産取得税の計算は、

家屋:(1,400万円-1,200万円)×3%=6万円
土地:2,000万円×1/2×3%-軽減額30万円=0円

※軽減額:10万円/㎡×1/2×200㎡×3%=30万円
(160㎡×2>200㎡のため、200㎡が限度)

(2)登録免許税

登録免許税とは不動産の登記をするときにかかる国税です。
マンションを購入した際には、購入者側で所有権移転登記の申請を行います。また、住宅ローンを借り入れる際には抵当権を設定します。
売買で取得した場合、税率は本来は2%ですが、平成29年3月31日まで、土地は1.5%、家屋は0.3%に軽減されています。

納税義務者不動産登記を申請する人(通常、購入した人)
納付先
税額固定資産税評価額※×税率
(※抵当権設定登記の場合は債権金額)
納付方法登記申請時に指示された収入印紙を添付

登録免許税の税率は、登記の内容によって細かく分かれており、次のようになっています。

登記の内容本則住宅の軽減税率(※2)
所有権保存登記固定資産税評価額×0.4%0.15%(※3)
所有権移転登記売買固定資産税評価額×2.0%
(土地:固定資産税評価額×1.5%)(※1)
0.3%(※4)
相続固定資産税評価額×0.4%
贈与等固定資産税評価額×2.0%
抵当権設定登記債権金額×0.4%0.1%

※1 平成29年3月31日まで
※2 平成29年3月31日までの間に一定の要件を満たす住宅用家屋を取得した場合
※3 長期優良住宅、低炭素住宅は0.1%
※4 長期優良住宅(戸建ては0.2%)、低炭素住宅は0.1%

住宅の軽減税率の要件は下記のとおりです。

・自宅用の住宅(賃貸用は適用不可)
・床面積が50㎡以上
・取得後1年以内の登記
・中古住宅の場合、次のどちらかを満たすもの
(1)マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
(2)一定の耐震基準を満たすことが建築士などにより証明されたもの

登録免許税のポイント

マンション購入の場合、土地と建物それぞれに対して登記を行います。住宅ローンを利用していれば、抵当権設定登記も合わせて行います。
新築マンション購入では、土地の所有権移転登記+建物の所有権保存登記+抵当権設定登記、
中古マンション購入では、土地と建物の所有権移転登記+抵当権設定登記というパターンになることが多いです。

仮に土地、建物それぞれの評価額が1,000万円の中古マンション購入の場合、本則の税率は2.0%であり、登録免許税は土地、建物それぞれ20万円、合わせて40万円になります。ただし、平成29年3月31日までは要件を満たせば、土地1.5%、建物0.3%の軽減税率が適用されますので、登録免許税は土地が15万円、建物が3万円で合わせて18万円となり、本則と比較してかなりお得になっています。

(3)印紙税

印紙税とは、特定の文書を作成した際にかかる国税です。税額は文書の種類や文書に記載されている金額によって異なります。収入印紙を購入し文書に貼りつけて消印をすることによって納税します。

マンションを購入する際に作成する「売買契約書」や、住宅ローンを借り入れる際の「金銭消費貸借契約書」に収入印紙の貼りつけが必要です。
契約書に記載される金額によって、売買契約書の場合は、「400円~60万円」の収入印紙を貼り付けます、平成30年3月31日までは軽減措置として、「200円~48万円」の範囲となっています。
また、住宅ローン契約書には、借入金額に応じて「0円~60万円」の収入印紙を貼り付けます。

通常、契約書を2部作成しますので、両者がそれぞれ1枚ずつ購入して貼りつけることが一般的です。

【不動産売買契約書の印紙税】

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え50万円以下400円200円
50万円を超え100万円以下1千円500円
100万円を超え500万円以下2千円1千円
500万円を超え1千万円以下1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下2万円1万円
5千万円を超え1億円以下6万円3万円
1億円を超え5億円以下10万円6万円
5億円を超え10億円以下20万円16万円
10億円を超え50億円以下40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万円

【住宅ローンの金銭消費貸借契約書の印紙税】

契約金額本則税率
1万円未満0円
10万円以下200円
10万円を超え50万円以下400円
50万円を超え100万円以下1千円
100万円を超え500万円以下2千円
500万円を超え1千万円以下1万円
1千万円を超え5千万円以下2万円
5千万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円
5億円を超え10億円以下20万円
10億円を超え50億円以下40万円
50億円を超えるもの60万円

印紙税の過怠税

印紙が貼られていなかったり、消印がない場合には、過怠税が課せられますが、契約自体は有効です

過怠税は、印紙が貼られていなかった場合には、納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額、つまり本来納付すべき金額の3倍となります。印紙が貼られているが消印がない場合には、印紙税の額面金額となります。

贈与契約書の印紙税

贈与契約書について、金銭の贈与と不動産の贈与で扱いが異なります。
金銭の贈与契約書は課税文書に該当しませんので、印紙税は課税されません

不動産の贈与契約書について、基本的には不動産の譲渡に関する契約書に該当し、課税文書となります。ただし、贈与契約は無償契約ですので、贈与契約書に不動産の評価額が記載されていても、それは印紙税上の契約金額には該当しません。譲渡の対価としての金額はありませんので、契約金額はないものとして扱われ、贈与契約書の印紙税額は200円となります。

マンション居住時にかかる税金

マンション居住時には2種類の税金が毎年セットで発生します。

(4)固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日時点で、固定資産課税台帳に登録されている人(所有者)にかかる地方税です。都市計画税とセットで納付します。

納税義務者毎年1月1日時点で不動産を所有している人
納付先不動産がある市町村(東京23区内では東京都)
税額固定資産税評価額×税率
税率1.4%(標準税率、各市町村で決定可能)
納付方法送られてくる納税通知書に従って、年何回かに分けて納付(一括納付も可能)
市町村により納税時期が異なる
(東京都では、6月、9月、12月、翌年2月の4回)

宅地の特例

宅地については固定資産税評価額が減額される特例があります。また、新築住宅についても、税額の軽減特例があります。

小規模住宅用地の
200㎡以下の部分
小規模住宅用地の
200㎡超の部分
固定資産税固定資産税評価額の6分の1固定資産税評価額の3分の1
都市計画税固定資産税評価額の3分の1固定資産税評価額の3分の2

新築住宅の税額軽減特例

住宅を新築等した場合で、一定の条件を満たしていれば、新築後の一定期間、120㎡までの部分について税額が2分の1に軽減されます。
一定期間について、耐火構造または準耐火構造の中高層住宅(地上階数3以上)の場合は5年間、それ以外は3年間です。

新築住宅の税額軽減の要件は下記のとおりです。

・自宅用の住宅
・床面積が50㎡(戸建て以外の貸家住宅は40㎡)以上280㎡以下
・併用住宅の場合、床面積の2分の1以上が居住用

(5)都市計画税

都市計画税とは、毎年1月1日時点で、市街化区域内にある土地、家屋を所有している人にかかる地方税です。固定資産税とセットで納付します。

納税義務者毎年1月1日時点で不動産を所有している人
納付先不動産がある市町村(東京23区内では東京都)
税額固定資産税評価額×税率
税率0.3%(0.3%を限度として各市町村で決定可能)
納付方法固定資産税と同じ

固定資産税+都市計画税のポイント

毎年1月1日時点で不動産を所有している人に全額課税されることがポイントです。つまり、年の途中でマンションの売買を行った場合、売った人は1年分の税金を払うことになりますので、買った人から日割りで契約後の日数分の税金を受け取ります。
納付書は第1期の支払い月の初めに全期分送られてきますので、期毎に支払っても、全期分まとめて払っても大丈夫です。最近では、ほとんどの自治体でインターネットバンキングのPay-easyでの支払いも可能です。

マンション売却時にかかる税金

マンション売却時には、生じた利益に対して所得税・住民税がかかります。

(6)所得税・住民税

マンションを売却した場合、譲渡所得に対して所得税・住民税がかかります。譲渡取得とは、収入金額から、取得費と譲渡費用を差し引いた金額です。

譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)

取得費」とは、マンションを購入した際にかかった金額です。購入代金、不動産業者への仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、リフォームの設備費や改良費などです。取得費が不明な場合は、収入金額の5%を取得費とすることができます。
譲渡費用は、売却時の不動産業者への仲介手数料、印紙税、取り壊し費用などです。

所得税・住民税の税率は、マンションの所有期間によって異なります。

所有期間所得税・住民税の税率
所有期間が5年以下所得税30%、住民税9%の合計39%
(別途、復興特別所得税0.63%)
所有期間が5年超10年以下所得税15%、住民税5%の合計20%
(別途、復興特別所得税0.315%)
所有期間が10年超
6000万円以下の部分:所得税10%、住民税4%の合計14%
(別途、復興特別所得税0.21%)
6000万円を超える部分:所得税15%、住民税5%の合計20%
(別途、復興特別所得税0.315%)

所有期間は売却した年の1月1日時点で計算します。たとえば、平成23年5月に購入、平成28年8月に売却した場合、実際に所有していた期間は5年以上ですが、平成28年1月1日時点では5年以下となります。

所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、所有期間が5年超なら長期譲渡所得となるため、税率が異なります。所有期間が10年超の場合は、「居住用財産の軽減税率の特例」により、6,000万円以下の部分に対してさらに税率が低くなります(後述)。

所得税・住民税のポイント

譲渡所得では、マンション売却時の収入金額から、売却時の譲渡費用と、当初マンション取得時の取得費用を差し引くことができます。
そこで、マンション購入時には将来売却するかもしれないことを考えて、購入時にかかった費用の領収書を確実に保管しておくようにしましょう。購入代金は売買契約書に記載されますので、さすがに不明になることはないと思いますが、リフォーム時や改築時の領収書などは意外と盲点ですので、間違って捨ててしまわないように気をつけましょう。
なお、自分は売却しない予定でも将来相続する人のことを考えて、取得費用の領収書はしっかり保管しておくと良いです。将来相続した人が売却した場合、取得費が不明だと収入金額のわずか5%と判定されてしまいます。例えば、5,000万円で購入したマンションを6,000万円で売却した場合、取得費がわかっていれば、譲渡取得は6,000万-5,000万=1,000万円です。しかし、取得費が不明なら、6,000万円×5%=300万円の取得費とされてしまうのです。譲渡所得は6,000万-300万円=5,700万円と高額になってしまいますので、大変もったいない話です。

居住用財産の譲渡の特例

居住用財産(住んでいる家や土地)を売却した際の譲渡所得に対しては、下記のような特例があります。
詳しくは「マンション購入・売却時にかかる税金の特例制度」をご覧ください。

利益発生時の特例

  • 特例①3,000万円の特別控除
  • 特例②軽減税率の特例
  • 特例③買い換えの特例

損失発生時の特例

  • 特例④居住用財産を買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
  • 特例⑤特定居住用の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

借入時に関する特例

  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

 

この記事が役に立ったらシェアしてください!

あなたへおすすめの記事

GoogleAdsense関連コンテンツ