タワーマンションの課税強化、高層階の固定資産税を増税!

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マンション

タワーマンションを利用した相続税対策をしている方にとって、一つとても嫌なニュースが発表されました。
政府は、タワーマンションの固定資産税について「高層を増税し低層を減税する」という検討を始めました。来年度の与党税制改正大綱に盛り込み、早ければ2018年1月からの施行を目指す予定です。

タワーマンションの場合、高層階の売買価格は低層階よりもかなり大きくなりますが、相続税計算の基となる固定資産税評価額はどの階でも同じであったため、高層階の物件を買うと相続税評価額を大きく減らることができ相続税の節税になります

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この仕組みを利用した相続税対策は、そこそこの現預金を所有する富裕層にとって大変人気がありましたが、今回の課税強化により、今後、ほとんどメリットがなくなる可能性もあります。

【最新ニュース】1階違うと0.25%の差

タワーマンション固定資産税増税2016年12月初旬、新築のタワーマンションへの固定資産税の課税強化の内容が固まりました。中間層から1階上がるごとに0.25%増税、1階下がるごとに0.25%減税し、建物全体では同じままになります。

2017年度税制改正大綱に盛り込み、2017年1月2日以降に完成したマンションに適用し、2018年の固定資産税から実施する予定となっています。

今回は、高さ60メートル、階数にして20階程度の新築マンションが課税強化の対象になります。
たとえば、40階建てのマンションの最上階では5%増税、60階建てのマンションの最上階では7.5%増税となります。

固定資産税は毎年発生するものであり、さらに相続税の評価にも影響を与えますので、今後、タワーマンションを利用した節税(タワマン節税)は減少することが予想されます。

タワーマンションがなぜ節税になるか?

【参考】タワーマンション購入による相続税節税のポイントと注意点

詳細は上記の記事で書いておりますが、ここでは、なぜタワーマンションが節税になるのかを簡単に述べます。
節税については、固定資産税と相続税の両方が該当します。

固定資産税の節税

固定資産税は土地と建物の両方にかかりますが、マンションでも土地部分と建物部分に分けて固定資産税の税額を計算します。ただし、マンションは一棟であり、土地・建物の固定資産税はマンション全体に対して決められていますので、それぞれの部屋の持分割合をかけて各部屋毎の税金を算出します。

持分割合は基本的には各部屋の専有面積によって決まります。部屋の階数や位置、眺望、日照、内装などの条件は関係ありません。高層階でも低層階でも、また、南向きでも北向きでも、同じ専有面積であれば同じ固定資産税評価額となります。

ところで、マンションの売買価格は一般的に低層階より高層階のほうが高くなりますので、高層階と低層階では資産価値が違うのに税金は同じ金額ということになります。もし、購入した物件を賃貸すれば、高層階では低層階よりも大きな賃貸収入を得られますが、支払う固定資産税は同額ですので、利回りが良くなり節税となるのです。

相続税の節税

相続税の計算においては、マンションの土地部分は路線価を基に、建物部分は固定資産税評価額を基にして、マンションの評価額を算出します。土地・建物のどちらも、固定資産税の場合と同じく、各部屋の評価額はマンション全体に対する持分割合、一般的には専有面積の割合によって決まりますので、高層階でも低層階でも同じ相続税評価額となります。

相続前に高層階のタワーマンション物件を購入しておけば、現預金で所有している場合と比較して、相続財産の評価額を大きく減額することができ、配偶者や子供に相続する時に大きく節税となるのです。

富裕層に対する課税強化が強まっている

タワーマンション節税は、その節税額が非常に大きく、富裕層の間で盛んに利用されていたため問題になっていました。
実は、これに対する課税強化は2015年11月にすでに行われており、単なる節税のためだけにタワーマンションを購入して相続税を減らし、相続後すぐに売却することは、行き過ぎた節税であり租税回避行為に当たるとして税務署では否認されるようになりました。
ただ、所有目的で購入していれば租税回避行為には当たりませんので、ある程度、長期的に所有することで相続税の節税としては有効な対策でした。

しかし、現状の日本社会では、多くの人々の賃金が上がらず所得が伸び悩む中で、一部の富裕層だけが節税策により資産を維持することに、不満の声があがっていました。もともと、2017年4月から消費税を10%に増税する予定でしたが、政府はそれを2019年10月に延期し、さらに、所得税の配偶者控除廃止も当初は議論されましたが延期の方向となりました。
消費税や所得税の増税は国民全体に影響を与えるため、政府は国民感情を考慮したものと思われます。

ただ、社会保障費が年々増加する中で、税源確保は喫緊の課題ですので、人数の少ない富裕層の課税強化に乗り出してきたと考えられます。2016年5月にはパナマ文書が発表されましたが、タックスヘイブンへの批判は強く、富裕層に対する課税強化は世界的な潮流となっています。

固定資産税の課税強化の影響は?

固定資産税・都市計画税

タワーマンションの高層階を増税/低層階を減税とすることについて、具体的な方法や金額は今後の検討となっています。
マンション1棟の固定資産税評価額は変更しない予定とのことですので、各部屋の評価額を計算する際に、専有面積の割合だけでなく階層も考慮して各部屋の按分割合を算出するものと予想されます。

固定資産税評価額が変われば、毎年払う、固定資産税および都市計画税の両方に影響があります。

固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
都市計画税=固定資産税評価額×0.3%

相続税

相続税評価額の計算では、土地部分は路線価から計算した敷地全体の評価額を専有面積の割合で按分し、建物部分は1棟の固定資産税評価額を専有面積の割合で按分します。今回の税制改正が、固定資産税評価額だけということであれば、建物部分だけ影響します
タワーマンションが建築されている都心部では路線価が高く、土地の評価額のほうが建物の評価額より高いケースが多いですので、1部屋の相続税評価額への影響はそこまで大きくならないとは思われますが、それでもある程度の影響はありそうです。

今後の改正内容がどうなるかわかりませんが、もし土地部分の評価額を算出する際にも、階層を考慮するという改正が成されると、相続税にも大きな影響があります。

低層階が逆に有利になる?

高層階を増税する代わりに、低層階は減税ということですので、逆に低層階の部屋の所有者は、固定資産税負担が少なくなり、相続税評価額も減額されることになります
あくまでも、もしかしたらですが、今後は、相続税節税対策として低層階のほうが人気が出てくる可能性もあります。もともと、低層階は価格が低いがゆえに、逆に高層階ほど価格が下落しにくく安定しているという特徴もあります。高層階のように眺望は良くなくとも、低層階でも同じマンションのサービスを享受できるほか、売買価格が安定しており、税金が安くなるとなれば、低層階狙いの投資需要や節税対策案が生まれるかもしれません。

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