新宿区の相続と税理士事情

新宿

1.都心にあるが23区内では平均よりやや上

1-1.相続税データ

オフィス街や夜のイメージが強い東京都新宿区。生活の拠点となるイメージが弱く、相続との関連が低いと思われる地域かもしれません。では、新宿区で起こる相続にはどのような特徴があるのでしょうか?

平成27年度のデータによると、新宿区の相続申告件数は815件、実際に課税された件数が589件となっており、課税割合は23.37%です。加えて、相続1件あたりの納付税額が約3,000万円と高額な相続税が課されています。

東京の他の地域とこれらの数字を比べてみると、課税割合23区中9位、納付税額も23区中10位前後と、突出しているとはいえず平均的です。都心に位置している便利さから考えるとやや低いランクといえるかもしれません。

【関連】東京都23区の相続税事情

1-2.新宿区の相続税の特徴

新宿区が23区の中でも平均的な相続となっている背景には、新宿区内のバラツキが考えられます。

後で述べますが、新宿区には地価が非常に高い新宿駅周辺の大繁華街と、通常の閑静な住宅街が混在しています。
地方の方が「新宿」と聞くと、高層ビル街を思い浮かべるようですが、高層ビルが立ち並ぶのは新宿駅や主要駅の周辺だけで、他は一般的な住宅が広がっています。港区、中央区のように新しい富裕層向けのマンションはそれほど多くなく、築年数が長いマンションや戸建ても多く存在します。

一部の場所以外は、比較的、地価が低いことで、他の都心の区に比べて相続税に影響を及ぼしにくくなっています。

2.地価から考える新宿区の相続

それでは、新宿区の相続を、相続税の税額と大きく関わる地価から考えていきましょう。地価の高い地域と低い地域、これらの地価の違いにはどのような特徴があるのでしょうか?

2-1.新宿区で地価の高い地域

まずは、新宿区の中でも地価の高い地域から見ていきます。

2-1-1.新宿

新宿区の中で最も地価が高額となっているのが、新宿駅周辺および新宿3丁目です。平均地価は約1,000万円と、他の地域よりも格段に高い価格です。この地域は新宿駅を中心に広がる地域で、オフィスビルや商業施設が立ち並ぶ繁華街として発展しています。

さらに、新宿駅は東京都の交通アクセスの中心地であることから、新宿駅の1日の利用者は約335万人と世界一の多さとなっています。その結果、昼夜問わず多くの人で賑わっています。
すでに大きく発展している地域ですが、今でもさらに発展をし続けており、地価の上昇率も新宿で最も高い値です。

ただし、ほとんどの土地が商業地区であり法人所有ですので、個人の財産にかかる相続税という観点では、新宿駅周辺に土地を持っているごく一部の方を除いてそれほど影響はないでしょう。

2-1-2.西新宿

新宿区で2番目に高額な地価となっているのが、新宿駅の西口から渋谷区方面までの一体を形成している西新宿です。平均地価は約500万円と非常に高額です。ただ、西新宿は地域によって特色が変化しており、場所によっては1,000万円を超える地価の場所もあります。

西新宿の構造は大きく、繁華街、宿泊施設、住宅街、の3つに分けられます。新宿駅に近い場所には、繁華街だけでなくホテルなどの宿泊施設が多く建設されています。そして、通勤・通学のアクセスの良さから、駅から少し離れた場所には住宅街が形成されています。
また、西新宿には都庁が建設されており、この周囲の地価も高額化しています。

ただし、本地域の土地も法人所有が多く、相続税にはそこまで影響を及ぼさないでしょう。

2-1-3.歌舞伎町

新宿区で3番目に地価が高額なのが、平均約320万円となっている歌舞伎町です。夜のネオンのイメージが非常に強い歌舞伎町は、イメージ通り酒場がメインの街並みとなっています。バーやクラブなど、大人が楽しむ歓楽街が作られています。

実は、歌舞伎町の大半がこのようなお店というわけではなく、オフィスビルやマンションなども多く建ち並んでいます。一時期は治安などが問題視されていましたが、現在ではそのほとんどが改善され、新宿区の隣という立地から歌舞伎町で暮らす人も増えているようです。

かつてあったコマ劇場は取り壊され、若い女性だけでも気軽に入れるレストランがある新しいビルに建て替わっています。

こうした地域はネオン街とは大きく異なり、歌舞伎町のイメージとかけ離れているともいわれています。こうした2面性を持つ歌舞伎町だからこそ、さまざまな重要により地価が高くなっているのかもしれません。

歌舞伎町

2-1-4.四谷地区

地価平均約230万円の四谷地区が、新宿区で4番目に地価が高額な地域です。新宿区として合併したことで区としては消滅してしまいましたが、現在でも地名として残っています。

四谷地区の特徴は、隣接している他の区です。四谷地区が隣接しているのは、千代田区麹町地区と港区元赤坂です。どちらも23区の中で地価が高く、経済の中心地としてオフィスビルなどが多く建設されています。

また、四谷地区や隣接地域には、迎賓館や新宿御苑などの歴史的観光地が多いのも特徴的です。そのため、観光と経済どちらの発展にも大きく関わってきたといわれています。さらに、千代田区や港区のベッドタウンとしての役割もあり、需要が高くなっている地域だと考えられます。

このあたりの地域はマンションや戸建てなどの住宅も多く、相続の際には要注意といえるでしょう。

2-1-5.市ヶ谷地区

隣接している地域との関わりが少し変わった地域である市ヶ谷地区は、地価平均約180万円と新宿区で5番目に地価の高い地域です。市ヶ谷地区と隣接しているのは、千代田区五番町です。

実は、市ヶ谷駅の立地条件から地域の境目が複雑化しており、駅内で区が別れる構造となっています。その影響で、千代田区側にも「市ヶ谷」に関した地名が多く残っているという珍しい地域なのです。

この地域は、大名屋敷が建設されており、その名残からか現在でも高級住宅街として知られています。また、千代田区側に法政大学や上智大学のキャンパスがあることから、学生が多い町だともいわれています。

四ツ谷 市ヶ谷 外堀

2-1-6.高田馬場

地価平均約127万円と上記の地区と比較するとやや落ちますが、大勢の人々で賑わう街です。近くには早稲田大学があり、学生を中心に若者も多く集まります。比較的、古めの住宅やビルが多いため、地価はやや下落気味ですが、駅から南に少し歩いたところに住友不動産ガーデンタワーが建設されており、目が離せない地域です。

2-2.地価の低い地域

新宿区の中でも地価の高い地域を見てきましたが、次は反対に地価の低い地域にも目を向けてみましょう。

新宿区で地価が低い地域は、地価平均約53万円の中井、約65万円の落合などの地域です。これらの地域は、メインとなる新宿区駅から離れており、中野区や豊島区などと隣接しています。

そして、町内のほとんどが住宅街として整備されています。商業施設が建ち並ぶことはなく、需要も少ないため地価が上がりにくいのだと考えられます。中心街よりも離れていますが、交通網が発展していて、住民の多くは新宿や中野などの街に買い物にいくため、新しく建設するメリットもないのかもしれません。

中野区や豊島区だけでなく、同じ新宿区内のベッドタウンとしての役割を担い、住宅地をメインに整備されたのだと考えられます。ただ、これらの地域で暮らしている人が、新宿区内で生活する人のメイン層であるともいえますので、見落としてはいけないポイントだといえるでしょう。

地価が低いとはいえ、古くからある住宅では土地面積が広いことも多く、評価額が大きくなりがちですので要注意です。

3.所得から見る相続税

相続の総額を決定するためのポイントとなる地価ですが、同じように重要なのが所得です。所得が多ければ、当然に遺産総額も高くなり、納付税額も高額化します。

3-1.新宿区の所得状況

平成28年度のデータによると新宿区の所得税の課税対象所得は約9,030億円となっています。そして、所得税の納税義務者数が約17.4万人です。この課税対象所得を義務者1人あたりの金額へ計算すると、約520万円となります。

所得が非常に高額な金額ですが、課税所得額を他の23区と比べてみるとトップとはならず、中位よりやや多いという金額です。
また、日本全国の市町村と比較してみると、上位15位以内にランクインしており、その高額さがはっきりと分かります。

新宿区は都内有数の繁華街である新宿駅周辺にも近く、他の街への交通アクセスも便利ですので、他の地域よりも富裕層が多く集まりやすい地域だといえるでしょう。

3-2.年齢別人口割合から見る所得の動向

新宿区の相続をより詳しく知るために、年齢別の人口にも着目して所得の動向を調べてみましょう。
新宿の人口は約33万人、そのうち約20%に当たる人が65歳以上の高齢者です。日本全体の平均は約27%ですので、かなり低い値であり、高齢者が比較的少ないことがわかります。

60歳を過ぎて会社を定年退職するなどすると、賃貸不動産収入や株の売却益などがない限りは所得が減ることが一般的ですが、高齢者の割合が少ないため、その影響は少ないと考えられます。

新宿在住の高所得者の多くは現役層であり、所得が相続税に与えている影響はそこまで大きくはないと思われます。

4.新宿区の税理士の特徴

高額な相続が起きやすい新宿区では、税理士の力を借りた節税対策が重要となります。特に、新宿区のように高所得者が集まりやすい地域は、親族間での相続トラブルが起きやすいともいわれています。そこで、新宿区の税理士の特徴を確認していきましょう。

新宿区に在籍している税理士数は1,674人と、23区内では3番目に多い数字となっています。新宿は都心でアクセスが良いうえに事務所ビルも多く、在籍するには非常に便利な場所だからでしょう。
一方、年間で所得税が発生する相続は約600件となります。新宿区内だけでも相続に対する税理士数は足りており、大きく不足する事態は起きないでしょう。

ただし、新宿区に多く税理士が集まっているということは、他の地域の税理士が少ないということでもあります。隣接している中野区や文京区は税理士数が特に少なく、不足する可能性があります。

その結果、他の周辺の区からも新宿区の税理士へ依頼していると考えられます。特に、相続に強い弁護士ほど、依頼者が殺到することも考えられます。また、新宿は東京都だけでなく隣接する他県からもアクセスが良いため、これらの地域からの依頼が増える可能性もあります。

ですので、万が一のためにも早めに信頼できる税理士を見つけておき、必要なときにすぐに依頼できるようにしておきましょう。効果的な相続対策は、被相続人が亡くなる前から始まっています。相続税を引き下げ、トラブルを柔軟に解決するためにも、ワンテンポ早い税理士探し、相続税対策をお勧めします。

新宿区の相続税に強い税理士

【参考】新宿区内の相続関連機関一覧

新宿区内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2017年8月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。

機関名住所TEL
新宿税務署〒169-8561
新宿区北新宿1丁目19番3号
03-3362-7151
四谷税務署〒160-8530
新宿区三栄町24番地
03-3359-4451
新宿都税事務所〒160-8304
新宿区西新宿7-5-8
03-3369-7151
新宿区役所〒160-8484
新宿区歌舞伎町一丁目4番1号
※他にも出張所あり
03-3209-1111(代表)
東京法務局
新宿出張所
〒169-0074
新宿区北新宿1丁目8番22号
03-3363-7385(代表)
新宿公証役場〒160-0023
新宿区西新宿7-4-3 升本ビル5階
03-3365-1786
東京家庭裁判所〒100-8956
東京都千代田区霞が関1-1-2
案件により異なる
HP参照
東京税理士会新宿支部〒160-0023
新宿区西新宿7-15-8 日販ビル3F
03-3369-3235
東京税理士会四谷支部〒160-0004
東京都新宿区四谷3丁目7−6
03-3357-4858
東京司法書士会新宿支部〒169-0073
新宿区百人町1丁目20番26号
ムサシノビル506新宿支部事務所
03-3369-0838
東京弁護士会〒100-0013
千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館6階
03-3581-2201
第一東京弁護士会〒100-0013
千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館11階~13階
03-3595-8585(代表)
第二東京弁護士会〒100-0013
千代田区霞が関1-1-3 弁護士会館9F
03-3581-2255

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