たばこ税1本3円の増税予定、その目的と影響は?

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たばこ

1.たばこ税とは?

その名の通り、たばこに課される税金をいいます。
たばこ税は他の税金に比べて非常に高い税率となっており、たばこ特別税と地方税、消費税も合わせると約63%もあります。たばこの購入価格のうち、半分以上は税金ということです。

2.増税の内容

ただでさえ高いたばこ税ですが、政府が更にこれを増税しようと動いています。
一体いつから、いくらくらい増税されるのでしょうか。

2-1.増税の時期と税額

現在検討中の案になりますが、2018年度の税制改正に組み込まれ、2018年10月から3年程度かけて3円増税という形が有力です。
具体的には、2018年10月に1円、2020年と2021年に1円ずつ増税されます。2019年に増税がないのは、消費税増税と重ならないようにする為と考えられます。

2-2.増税検討の理由

どの税金においても増税する大きな理由は、国の税収をアップさせるためです。
今回のたばこ税増税も、2019年10月から予定されている消費税増税に伴い、導入される軽減税率(※)によって減る税収を補う目的で行われます。
また、2020年の東京オリンピック開催に向けて、受動喫煙防止のために喫煙者を減らすこと、喫煙による将来の医療費増大を回避することなども挙げられます。

たばこ税は、全ての国民に関係するものではなく、喫煙者に限って関係しますので、他の税金に比べて反発が少なく、政治家にとって増税しやすい税金なのです。

※軽減税率とは、消費税が10%となった場合の低所得者層への配慮から、お酒や外食以外の食料品と新聞については消費税を8%のままとする制度のことをいいます。

【関連】軽減税率、ハンバーガーを店内で食べたら10%、テイクアウトなら8%

2-3.たばこ価格の推移

増税を含めた価格の推移を、代表的な銘柄であるセブンスターで確認してみましょう。
1969年の発売当初は100円という、今となってはビックリするような金額ですが、度重なる増税が行われ、現在では500円に近い価格となっています。他の銘柄についても400円台が当たり前の時代となっています。

日付 金額(円)値上げ理由
1969年2月 100
1975年12月150物価上昇
1980年4月 180物価上昇
1983年5月 200物価上昇
1986年5月 220物価上昇
1997年4月230消費税増税3%→5%
1998年12月250たばこ特別税の創設
2003年7月280たばこ税増税
2006年7月300たばこ税増税
2010年10月440たばこ税増税
2014年4月460消費税増税5%→8%

3.たばこ税の仕組み

冒頭で、たばこ税とはたばこに課される税金であるとお伝えしましたが、具体的にどのような税金なのでしょうか。確認していきましょう。

3-1.たばこ税とたばこ販売価格の内訳

たばこ販売価格の約63%は税金が占めています。
税率の内訳は、国たばこ税24.1%、地方たばこ税27.8%(都道府県たばこ税3.9%+市町村たばこ税23.9%)、たばこ特別税3.7%、消費税7.4%となっています。
税率の合計に占める各税率の比率は、次の通りです。

たばこ税

セブンスターを例にとってみると、販売価格460円の内訳は次の通りとなります。

たばこ税

3-2.他の担税物品との税負担率の比較

たばこにたばこ税がかかるように、購入する製品自体に税金が課されるものを、担税物品といい、たばこ、ガソリン、ビール、ウィスキー、灯油が挙げられます。
それぞれの税率は次の通りとなっており、たばこ税の税率がどれ程高いかが分かります。

たばこガソリンビールウィスキー灯油
税負担率63.1%55.4%48.4%26.5%11.2%

3-3.年間のたばこ税額と推移と内訳

たばこ税は増税を繰り返しており、税収は増加していると思ってしまいがちですが、棒グラフの通り、税収は2兆円台を推移し続けています。
これは、折れ線グラフの通り、喫煙者の人口減少により販売量も減少している為です。たばこをやめた人が払っていたたばこ税を、残りの喫煙者が負担しているようなイメージです。

(備考)
1.国のたばこ税等の税収は決算額。
2.地方のたばこ税の税収は決算額。
3.紙巻たばこの販売数量は日本たばこ協会調べによる販売実績。

【出典】財務省:たばこ税等に関する資料

また、2015年度のたばこ税の税収、約2兆1,900億円の内訳は次の通りとなっており、国だけではなく、地方財政にとっても必要不可欠な大きな税収であることが分かります。

たばこ税

3-4.国税地方税に占める割合

2015年度の国税収等合計は約59兆9,694億円、地方税収等合計は約38兆3,048億円であり、その内たばこ税の占める割合は、国税は約1.8%地方税は約2.8%となっています。

3-5.たばこ税の使い道

たばこ税による税収は2兆円にもなり、喫煙者1人当たりの年間税負担額は10万円を超える人もいるでしょう。では、2兆円もの税金は一体何に使われているのでしょうか。

結論から言うと、何に使われているかは不明です。たばこ税は、一般会計と一般財源に算入される為使い道が特定されておらず、通常は何に使ったかを公表されることがないのです。
他の税金と合算され、公共サービスの提供や医療制度や介護制度の充実など、様々なことに使われています。

3-6.税率の低い加熱式たばこ

アイコスで有名な加熱式たばこですが、実はセブンスターなどの紙巻きたばこよりも税率が低く設定されています。
紙巻きたばこの税率が63.1%であるのに対して、加熱式たばこは銘柄ごとに次のような税率となっており大きな差が生じています。アイコスが品薄状態となった理由が良く分かりますね。

  • アイコス:49.2%
  • グロー:36.2%
  • プルームテック:14.9%

このままでは、紙巻きたばこの喫煙者が加熱式たばこに流れてしまい、結果的に国の税収が落ちることが懸念されます。
よって案の定、2018年度税制改正におけるたばこ税増税には、加熱式たばこも含まれる予定で、紙巻きたばこの税率の最大90%まで引き上げることで検討されています。

たばこ

4.増税による社会的影響

増税にはどのようなメリット、デメリットが考えられるのでしょうか。
また、禁煙社会になってきている現代において、どのくらいの喫煙者がいるのでしょうか。

4-1.メリット

  • 当然ですが、税収が増えます。
  • 喫煙することによる健康被害が減少し、医療費の減少に繋がります。
  • たばこの消し忘れによる火事が減少します。

4-2.デメリット

  • 増税によりたばこを止める人が増え、葉たばこ農家やたばこ販売店の売り上げが減少します。
  • 予測よりもたばこ離れが進み、税収が減少する恐れがある。

4-3.2017年における喫煙者数及び喫煙者率

2017年5月における全国の喫煙者数及び喫煙者率は次の通りです。
国民の2割弱の人のみで、年間2兆円もの税金を納めているのです。

喫煙者数喫煙者率
男性1,426万人28.2%
女性491万人9.0%
合計1,917万人18.2%

4-4.増税による喫煙者率への影響

喫煙者人口は減少傾向にあります。これには、増税をはじめ高齢化や健康意識の高まり、喫煙ルールの強化などの理由が挙げられます。
2018年の増税は加熱式たばこも含む可能性が高く、影響を受ける人口も多くなります。

よって、これを機に禁煙を始める人や吸う本数を減らす人が増加し、喫煙者率は低下する可能性が高いと考えられます。

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