【2021年版】大阪市の路線価と公示価格、24区の地域事情

★ お気に入りに追加

2021年7月1日、国税庁は1月1日時点における全国各地の路線価を発表しました。長く続いている新型コロナウイルス禍は、路線価にも大きく影響を与えており、全国平均は前年比0.5%下落で6年ぶりの下落となりました。

大阪府も下落した都道府県の中の1つです。

路線価の変動は、所有している土地の価値が変動しているということであるため、所有者の方や、不動産投資を検討されている方などには重要な情報なります。

今回は、我が国第2の都市である大阪市について、24区ごとの路線価と公示価格の動向を解説します。

1.大阪府全体の総評

新型コロナウイルス禍による影響で、インバウンドの減少が長期化した大阪ミナミの商業地域では、全国で最大の下落率となりました。その反面、テレワークの普及などによって、都心近郊の住宅地は上昇傾向にあります。

大阪府全体での路線価は前年比-0.9%で、去年の7年連続の上昇から一転して8年ぶりの下落となりました。

2.大阪市全体の総評

大阪市内の影響は、大阪府全体に影響しているため、内容的には同様です。インバウンド減少により、都心部の商業地を中心に下落が目立っています

最も路線価が高かったのは、阪急百貨店前の1平方メートルあたり1976万円で、前年比-8.5%でありますが、38年連続でトップの座を維持しています。

ちなみに、全国トップの下落率は26.4%でしたが、これを抱えているのは大阪市の心斎橋筋です。

3.大阪市24区の地価と地域事情

まず路線価とは、相続税や贈与税の計算の基礎となる1平方メートル当たりの土地の価格で、公示地価や売買実例を元に算出されています。毎年7月1日に国税庁より発表があります。

公示価格とは、一般的な土地取引を行ううえで指標となる土地の価格で、毎年3月中旬に国土交通省より発表があります。

大阪市全体の地価平均を見てみると、公示価格と路線価共に商業地が大きく下落しており、新型コロナウイルス禍による影響の大きさを一目でうかがい知ることができます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格247,0001,783,300131,600
路線価199,0001,650,000105,000
路線価の変動率0.5%-9.3%-0.9%

それでは、区ごとの路線価と公示価格、それぞれの地域の事情についてみていきましょう。

【出典サイト】各区のあらまし - 大阪市立図書館

3-1.北区

北区は梅田駅や大阪駅などがあり、大型商業施設、オフィスビル、繁華街など大阪で最も栄えているエリアです。路線価の1位「阪急百貨店前」も北区にあります。

住宅地の需要は依然として高く、上昇傾向は続いていますが商業地がメインであるため、新型コロナウイルス禍の影響も顕著となっています。

下落率5.9%は大きな影響がないように思われるかもしれませんが、前年が1平方メートル当たり370万円なので、1年で22万円も下落しているのです。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格476,8003,502,800-
路線価381,0003,480,000-
路線価の変動率0%-5.9%-

3-2.都島区

都島区は三方を河川に囲まれ、公園も多いため程よい自然が残っているエリアです。

大阪環状線や大阪メトロ谷町線が通っているため主要駅へアクセスしやすく、スーパーや飲食店も充実しており住みやすい地域となっています。

近年では高層マンションの建設も進んでおり、住宅地については新型コロナウイルス禍にもかかわらず、プラスの影響を受けている地域です。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格279,400547,300-
路線価224,000438,000-
路線価の変動率0.9%-0.6%-

3-3.福島区

福島区は北区の西隣に位置しており、北区をはじめとする大阪都心6区の1つになります。

電車やバスなどの公共交通機関も数多く乗り入れているため、交通アクセスに優れた地域で、特に梅田・心斎橋へは徒歩圏内という近さであるため、通勤通学に便利です。

北区と同様に、商業地の下落率は高めですが、再開発が進んでいる住宅地は安定的に伸びています

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格416,100780,800-
路線価323,000644,000-
路線価の変動率2.8%-2.2%-

3-4.此花区(このはなく)

此花区は、大阪湾、阪神工業地帯、ユニバーサルスタジオジャパン、舞洲スポーツアイランドなど広大な面積を利用した施設が多数あり、商業地・工業地が中心となっている区です。

大阪市の中で面積が2番目に大きい区ですが、人口は市内最小の6万人台となっています。

新型コロナウイルス禍によってレジャー施設は大きな影響を受けていると思われますが、都心ほど大きく地価に影響はしていません。

2025年には万博が開催される予定であるため、今後の動きが注目されます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格192,700300,00079,600
路線価154,000240,00064,000
路線価の変動率-0.6%-1.2%1.5%

3-5.中央区

中央区は大阪市の中央に位置しており、大阪城やミナミの繁華街がある大阪市を代表する観光地であるため、新型コロナウイルス禍による影響は大打撃で、商業地は大きく下落しています。なお、全国ワースト1位の下落率だった心斎橋筋は中央区にあります。

反対に住宅地に関しては、依然として価値が高く、高層マンションの建設によって安定的な需要があります。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格579,3003,281,200-
路線価463,0002,870,000-
路線価の変動率0.8%-14.5%-

3-6.西区

西区は大阪市のほぼ中心部に位置し、オレンジストリートと呼ばれる通りがある堀江は、若者イメージが強いエリアです。近年ではファミリー向けの分譲タワーマンション建設が進んでいます。

梅田やなんばをはじめとしたビジネス街にも近く、20~30代の働き盛りの人口増加が顕著で、市内で最も高齢者の割合が少ないエリアとなっています。

例年の地価は区内のほぼ全域で上昇しており、特に住宅地は凄まじい上昇を見せていましたが、新型コロナウイルス禍の影響により、一旦止まった形となりました。

しかし、若者人口が増加中という面は非常に強く、特に住宅地は上昇傾向に変わりないでしょう。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格663,0001,107,800-
路線価530,000905,000-
路線価の変動率0.0%-4.2%-

3-7.港区

港区は有名な「海遊館」や「ハーバービレッジ」などの観光として賑やかな面と、昔ながらの住宅地で下町の雰囲気たっぷりの穏やかな生活ができる面があります。

新型コロナウイルス禍の影響は小さく、いずれも小幅な減少にとどまっています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格229,800344,000150,000
路線価187,000282,000120,000
路線価の変動率-1.0%-1.3%-0.8%

3-8.大正区

大正区は市の南西部に位置しており、臨海工業地帯として発展してきたエリアで三方向を河川に囲まれています。

交通の便は悪いですが、大阪市内では地価が非常に安いうえに治安が良いため、住み心地や暮らしやすさを尊重するファミリー世帯におすすめの地域です。

地価は、ほぼ横ばいにありますが、テレワークは新型コロナウイルス禍が終息したとしても続くと思われるため、今後は「都心のマンションよりも田舎の戸建て」という需要増加に伴う上昇が期待できます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格186,800347,00095,400
路線価149,000278,00076,000
路線価の変動率-0.6%0.0%-1.2%

3-9.天王寺区

天王寺区は、大阪市内の中心部のやや南側に位置します。人気の公立・私立小学校が数多くあり、大阪市内でも屈指の文教地区として知られています。

その分住宅地が多く、買い物などの利便性が高く生活に困らないエリアとなっています。

住宅地の地価は、ここ数年の上昇幅には目を見張る勢いがありましたが、新型コロナウイルス禍の影響か、今年の上昇は止まっていますが、子供の教育に強い区であるため、住宅地としての価値は安定傾向であることは間違いないでしょう。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格531,900809,800-
路線価434,000652,000-
路線価の変動率-0.6%-4.3%-

3-10.浪速区

浪速区は市内最小面積の区で、通天閣や新世界があることでお馴染みの観光地で、国内外からの多くの観光客が訪れています。

犯罪が多く治安が悪いイメージがありますが、近年では再開発によって区画整備が行き届き、マンションの建設が進んでいます。

今年は新型コロナウイルス禍の影響で伸び悩みましたが、例年では住宅地の地価は順調な上昇傾向にあります。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格397,000616,100213,000
路線価320,000519,000170,000
路線価の変動率0.0%-7.4%-0.5%

3-11.西淀川区

西淀川区は梅田に近いことから、阪神工業地帯の工場跡地に住宅地が形成されてベッドタウンとなっている地域です。工業地帯でありながらも、遊歩道や公園などが多くある自然豊かな地域で子育て世代におすすめです。

住宅地がメインであるため新型コロナウイルス禍の影響は小さく、今後も停滞傾向か、徐々に下落していくと思われます

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格164,800267,500126,300
路線価135,000214,000101,000
路線価の変動率-2.5%-1.0%-1.0%

3-12.淀川区

北区に隣接する淀川区では、都会と住環境が合わさった住宅、商業、工業とバランスのとれた街づくりがなされています。

商業地としての魅力が強いエリアであるため、新型コロナウイルス禍の影響を大きく受け、商業地の地価は大きく下落しています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格217,600593,200122,500
路線価176,000595,00098,000
路線価の変動率0.0%-8.8%0.0%

3-13.東淀川区

東淀川区は大阪市の最北端に位置する街で梅田や難波までもアクセスが良いため、ベッドタウンとして市営団地なども多く建設され、人口が約17万5千人と市内で2番目に多いエリアとなっています。

上新庄駅周辺には駅ビルなどの商業施設が多数あり、商業地として上昇傾向にありましたが、新型コロナウイルス禍の影響により若干下落しています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格197,700349,300-
路線価159,000279,000-
路線価の変動率0.0%-2.1%-

3-14.東成区

東成区は浪速区に次いで面積の小さい区で、下町の風情が残っている古き良き町です。小さな区のため近隣住民同士の結びつきも強く、現代でもご近所付き合いが残っている温かい町です。

近年は再開発の波に乗り、高層マンションなどの建設が活発に進んでおり、新型コロナウイルス禍でありながら地価は全体的に上昇しました。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格244,500309,800195,000
路線価180,000250,000156,000
路線価の変動率0.0%6.8%1.2%

3-15.生野区

生野区は、人口が約13万人で市内トップクラスの多さを誇っており、さらにそのうち外国人の割合が21%と、全国で最も外国人比率が高い行政区です。

区内の産業は個人商店や町工場が多く、代表的な中小企業の町となっているため、新型コロナウイルス禍の影響を大きく受け、商業地は大幅に下落しました。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格176,800243,500152,000
路線価142,000174,000122,000
路線価の変動率-1.0%-19.4%-0.8%

3-16.旭区

旭区は北区、福島区が近く、アクセスにも恵まれているため、区内全域が住宅地として発展しています。

長年にわたって住み続けている人が多く、既に完成した住宅地であるため大きな開発がないため、新型コロナウイルス禍の影響も小さく、地価は横ばいを続けています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格213,200277,000-
路線価176,000227,000-
路線価の変動率0.0%-0.8%-

3-17.城東区

城東区は、都心部へのアクセスが良いことから多くの住宅地が広がっており、近年では高層マンションの建設も盛んです。

ショッピングモールやアミューズメント施設などは少ない反面、スーパーは充実しているため日常生活の買い物には困らないエリアです。

高層マンション建設によって地価は上昇傾向でしたが、新型コロナウイルス禍の影響もあり、上昇は一旦止まっています

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格237,700351,000-
路線価192,000281,000-
路線価の変動率0.5%0.0%-

3-18.鶴見区

鶴見区は、心斎橋や京橋などへのアクセスが便利であること、大型ショッピングモールなどの商業施設が近いこと、花博記念公園鶴見緑地などの自然があることなどから、若い世代、特に女性の人気が高く、新興住宅地やマンションの建設が盛んです。

新型コロナウイルス禍をきっかけとして、在宅ワークにピッタリな環境であるとして注目が集まっているエリアです。

今後も安定的な横ばいか、若干の上昇傾向が進むと思われます

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格213,800336,000153,000
路線価172,000269,000122,000
路線価の変動率1.1%0.0%0.0%

3-19.阿倍野区

日本一高いビルとして有名な「あべのハルカス」があるのが阿倍野区です。

主要ターミナル駅があり、梅田と難波に次いで3番目の繁華街を誇る大都市です。

商業地がメインなだけあって新型コロナウイルス禍の影響を受けていますが、都心部ほどの下落ではありませんでした。

現在も活発な開発が行われているため、今後の伸びにも期待できます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格324,9001,188,500-
路線価264,0001,140,000-
路線価の変動率0.0%-6.5%-

3-20.住之江区

住之江区は大阪湾に面しており、市内最大の面積の区です。アジア太平洋トレードセンターという複合商業施設があり、交通の利便性も高いことから、中央部から東部は主に住宅地としてベッドタウンになっています。

商業地では新型コロナウイルス禍の影響を若干受けていますが、他は横ばいです。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格202,900286,000110,800
路線価164,000229,00089,000
路線価の変動率0.0%-0.8%0.0%

3-21.住吉区

住吉区は、区域全体に閑静な住宅街が広がる町で、帝塚山という高級住宅街もあります。

治安がよく、大阪の中心部への交通アクセスが良いため安定的な需要があるエリアです。

例年は商業地では長居駅、あびこ駅周辺の上昇が顕著でしたが、新型コロナウイルス禍の影響により下落転じています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格241,900379,300-
路線価193,000320,000-
路線価の変動率-0.5%-0.9%-

3-22.東住吉区

東住吉区は大阪府のほぼ中心に位置し、区内の約9割は住宅地です。

日本を代表する競技場である「長居陸上競技場」があり、スポーツの町として有名です。

路線の数は多く、交通網がすぐれているため、住宅として住むのに適している地域になっています。

完成された住宅地であるため、新型コロナウイルス禍の影響はほぼなく、今後も数年単位での大きな動きはないでしょう。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格228,600290,000-
路線価184,000243,000-
路線価の変動率-0.5%-1.2%-

3-23.平野区

平野区は大阪市で人口が最も多い区で、ほぼ全域が住宅地となっており、大阪1番のベットタウンといえるでしょう。

元々、全体的に下落傾向にあるエリアであり、今年は新型コロナウイルス禍の影響により拍車がかかりました。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格175,200251,300153,000
路線価140,000201,000122,000
路線価の変動率-0.7%-0.4%-0.8%

3-24.西成区

西成区は大阪市の中心から若干南側に位置しており、都心部へのアクセスが抜群に良い立地となっています。

北東部にある日雇い労働者が集まる町「あいりん地区」は全国的にも有名で、治安が悪いというイメージが付いていますが、近年では外国人向けの宿泊施設が充実され、外国人観光客で賑わっています。

そのため西成区の地価はここ数年バブルの状態にあり、急上昇していましたが、新型コロナウイルス禍の影響を思い切り受けてしまい、下落に一転しました

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格187,300260,300108,200
路線価149,000208,00087,000
路線価の変動率-0.6%-5.0%0.0%

まとめ

2020年の路線価では基準日の問題から、新型コロナウイルス禍の影響を完全に反映させられない状態での発表でしたが、これに対して2021年の発表は大きな現実が突き付けられた形となりました。

新型コロナウイルス禍となるまで、大阪のインバウンドマーケットは好調をキープしたまま上昇を続けてきましたが、その分、インバウンドの恩恵を受けてきた地域ほど大きく影響しています。

まだまだ先の見えない新型コロナウイルス禍です。慎重に動向を見守る必要があります。

また、地価は、相続税の額にも大きく影響します。このサイトでは、大阪市の相続税に強い税理士事務所を検索いただくことができます。是非、ご活用ください。

関連記事
大阪市の相続税申告に強い税理士 | 相続税理士相談Cafe
大阪市で相続税対策や相続税申告にお困りの方、また土地や不動産の評価、事業承継について気になる方、税務調査が不安な方は…[続きを読む]

リビンマッチリビンマッチ

この記事が役に立ったらシェアしてください!

あなたへおすすめの記事