【2020年版】大阪市の路線価と公示価格、24区の地域事情

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2020年7月1日、国税庁が最新の路線価を発表しました。

今回は大阪府の中心である大阪市について24の区ごとに、それぞれの区の特徴や路線価と公示価格の動向を紹介していきます。最新の土地価格について知ることは、より良い資産運用や相続対策に繋がっていきます。

1.大阪府の路線価と公示価格の動向

公示価格とは一般的な土地取引を行ううえで指標となる金額、路線価とは相続税や贈与税を算定する基準になる金額です。路線価は相続税や贈与税を納めやすくするために、公示価格の8割程度の金額に設定されています。

大阪府全体での路線価は、前年比+2.5%で7年連続の上昇となりました。

公示価格の平均は336,458円、前年比+2.08%で47都道府県中で東京都に次ぐ堂々2位、変動率では7位となっています。

2.大阪市の路線価と公示価格の動向

政令指定都市である大阪市は大阪府の中心であり、全国と比較しても土地価格が上昇傾向にある地域です。大阪府の路線価と公示価格の平均値は大阪市が底上げしています。

また、インバウンド(訪日外国人)の増加や2025年に万博の開催を控えていることなど、大阪市の不動産は値上がりするという見方が強まっています。

近畿2府4県で路線価が最も高額だったのは、阪急うめだ本店前の2,160万円/㎡で前年比+35.0%となりました。

次いで、大阪・ミナミの戎橋ビル前の2,152万円/㎡(前年比+44.6%)、JR大阪駅北側グランフロント大阪南館前の1,307万円(前年比+31.5%)と続き、上位を大阪市が独占しています。

公示価格の平均は935,792円で前年比+6.03%で、全国市町村で12位、変動率では47位となっています。

3.大阪市24区の地域事情と地価について

大阪市24区ごとに詳しく見ていきましょう。
以下は大阪市の路線価と公示価格の平均と前年比の変動率で、それぞれの区と比較しながら見ていきます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格248,0002,270,000132,000
路線価198,0001,820,000106,000
変動率1.9%19.3%0.6%

【出典サイト】各区のあらまし - 大阪市立図書館

3-1.北区

北区は大阪市の中核を担うエリアで、オフィス街はもちろんのこと、JR大阪駅の周辺は都市開発によって次々と大型商業施設が建設されています。路線価の1位「阪急うめだ本店」、3位「グランフロント大阪南館前」は北区にあります。また高層マンションも続々と建設されており、人口は年々増加しています。

全国的に高い上昇率を見せている大阪市の中でも特に上昇傾向が強く、住宅地では平均の倍以上となっています。今後も様々な開発プロジェクトが予定されており、まだまだ地価の上昇が期待されるエリアです。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格477,0004,630,000-
路線価381,0003,700,000-
変動率4.9%20.7%-

3-2.都島区

都島区は三方を河川に囲まれ、公園も多いため程よい自然が残っているエリアです。
南部は京橋駅を中心に商業施設が密集しており、中央部から北部にかけては住宅地が広っています。北区の東隣に位置しているため、近年では高層マンションの建設が相次いでいます。

大阪市の平均と比較すると、住宅地は平均並み、商業地としては高くはありません。高層マンション建設地の地価が期待されます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格277,000551,000-
路線価222,000441,000-
変動率1.7%5.0%-

3-3.福島区

福島区は北区の西隣に位置しており、JR、大阪メトロ、阪神電車の複数路線が利用できるアクセスに優れています。特に梅田・心斎橋へは徒歩圏内という近さです。
近年では宅地開発が盛んにおこなわれており、治安の低さも相乗して住みやすいと評判のエリアです。

住宅地の地価上昇が目ざましく、2013年と比較すると24.6%も上昇しています。再開発が進んでいるため、今後も上昇傾向は続くと思われます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格392,000824,000-
路線価314,000659,000-
変動率6.6%12.1%-

3-4.此花区

此花区は「このはなく」と読み、面積は大阪市で2番目に大きい区です。
大阪湾、阪神工業地帯、ユニバーサルスタジオジャパン、舞洲スポーツアイランドなど広大な面積を利用した施設が多数あり、その分人口は6万人台と少なく、市内最小となっています。

地価の動きは小幅で、西九条駅の周辺やユニバーサルスタジオジャパンの周辺では上昇していますが、他は下落傾向にあります。
2025年には万博の開催を控えており、今後の動きが注目されます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格194,000304,00079,000
路線価155,000243,00063,000
変動率2.0%5.3%1.0%

3-5.中央区

中央区は大阪市の中央に位置しており、大阪城やミナミの繁華街がある大阪市を代表する観光地です。
商業地とオフィス街が占めているエリアですが、東部は住宅地で高層マンションの建設も進んでおり、人口は増加傾向です。

住宅地部分が小さい分価値が高く、高層マンションの建設で需要が上がっています。商業地としては大阪市の平均の倍近くと高額ですが、変動率は平均並みに上昇しており、確実な需要があることが分かります。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格574,0004,200,000-
路線価459,0003,360,000-
変動率6.2%20.4%-

3-6.西区

西区は大阪市のほぼ中心部に位置しており、梅田やなんばをはじめとしたビジネス街に近いため、近年ではマンションの建設が進んでいます。そのため若い世代の人口増加が顕著で、市内で最も高齢者の割合が少ないエリアとなっています。

地価は区内のほぼ全域で上昇しており、特に住宅地の上昇が凄まじく、2017年からの3年間でなんと45.6%も上昇しています。
ここまでの急上昇は今後数年内に一旦落ち着くと思われますが、上昇傾向に変わりはないでしょう。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格663,0001,180,000-
路線価530,000945,000-
変動率16.9%19.5%-

3-7.港区

港区は大阪湾や海遊館、天保山マーケットプレイスなど観光地として賑やかな側面と、住民同士の交流が盛んな昔ながらの住宅地での穏やかな生活ができる面があります。遊びにも暮らしにも快適なエリアであるといえるでしょう。

地価は上昇してはいますが小幅で、大阪市内ではかなり低いほうです。
市内に近いほど上昇傾向で、反対に湾岸部では下落しているエリアが増えており、二極化が進んでいます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格236,000357,000152,000
路線価189,000286,000121,000
変動率1.6%7.1%0.3%

3-8.大正区

大正区は市の南西部に位置しており、大阪湾の一角を有しています。三方向を河川で囲まれており、臨海工業地帯として発展してきたエリアです。

電車は北部にJRと地下鉄の駅があるだけで、バスが主な交通手段となっています。地価が安く、治安が良いため戸建てを求めるファミリー世帯におすすめの地域です。

地価は大阪市内ではかなり低く、上昇もほぼしていません。大正駅周辺以外では下落している地点も多数あります。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格188,000348,00096,000
路線価150,000278,00077,000
変動率0.0%4.6%0.0%

3-9.天王寺区

天王寺区は駅からの徒歩圏内に様々なスポットがあるため、利便性が高く生活に困らないエリアです。一方で閑静な住宅街も多く、文教地区でもあります。

住宅地の地価は上昇傾向が強く、ここ数年の上昇幅には目を見張る勢いがあります。特に有名な進学校周辺は人気が高く、地価も高くなっています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格538,000852,000-
路線価431,000682,000-
変動率5.3%9.8%-

3-10.浪速区

浪速区は市内最小面積の区で、通天閣や新世界があることでお馴染みの観光地です。「なんばパークス」など魅力的な集客施設が多く、人が集まる街づくりがなされています。
区画整備が行き届いており、生活利便性が高いエリアであるため、近年では再開発によりマンションの建設が進んでいます。

地価は順調な上昇傾向にあり、特に住宅地は2015年から急上昇中です。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格400,000701,000214,000
路線価320,000561,000171,000
変動率7.8%16.3%1.4%

3-11.西淀川区

西淀川区は阪神工業地帯の一部として有名なエリアですが、梅田に近いことから1970年以降は撤退した工場跡地に住宅地が形成され、ベッドタウンとなっています。工業地帯でありながらも自然環境が多く残されているエリアです。

地価は低く小幅な上昇となっており、目立った再開発の計画などもないため、今後は停滞に近い上昇か、徐々に下落していくと思われます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格171,000269,000127,000
路線価137,000216,000102,000
変動率0.6%1.7%0.0%

3-12.淀川区

淀川区には新大阪駅をはじめとするJR、私鉄、地下鉄と交通が縦横に延びており、交通の要を抱える副都心です。
新大阪駅周辺には大手企業のオフィスが立ち並び、十三駅周辺は繁華街として賑わっていますが、宅地開発も進んでおり住宅、商業、工業とバランスのとれた街づくりがなされています。

住宅地の上昇はいまいちですが、商業地は大阪市の平均並みに伸びています。今後も商業地としての魅力が強いエリアでしょう。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格220,000816,000122,000
路線価176,000653,00098,000
変動率0.8%19.9%1.2%

3-13.東淀川区

東淀川区は梅田や難波へのアクセスが良いため、ベッドタウンとして市営団地などが多く建設されており、人口が市内で2番目に多いエリアとなっています。

上新庄駅周辺には駅ビルなどの商業施設が多数あり、商業地として上昇傾向にあります。住宅地については上下の動きがほとんどなく、安定した状態が続いています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格199,000356,000-
路線価159,000285,000-
変動率0.3%5.0%-

3-14.東成区

東成区は浪速区に次いで面積の小さい区で、大阪市の都市計画策定前に市街化が進んでいたため、下町の風情が残っている古き良き町です。また工業地帯でもあり、区内には多くの町工場があります。

地価の上昇は微弱で、区内全域で同じような変動をしています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格224,000293,000192,000
路線価180,000234,000154,000
変動率0.4%1.6%3.6%

3-15.生野区

生野区は居住している外国人の割合が21%と、全国で最も外国人比率が高い行政区です。人口は約13万人と市内トップクラスの割に、区の面積は大きくないため人口密度も高いエリアとなっています。
区内の産業は個人商店や町工場が多く、代表的な中小企業の町です。

地価は区内全域でほぼ変動しておらず、過去7年でも1%台と横ばいが続いています。
高齢化が進んでおり空き家も増えていることから、今後の再開発計画が気になるところです。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格179,000270,000154,000
路線価143,000216,000123,000
変動率0.6%0.7%0.0%

3-16.旭区

旭区は北区、福島区が近く、アクセスにも恵まれているため、区内全域が住宅地として発展しています。

既に完成した住宅地であるため大きな開発もなく、地価は横ばい状態が続いています。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格219,000286,000-
路線価176,000229,000-
変動率0.0%-0.2%-

3-17.城東区

城東区は大阪城の東に位置していることが名称の由来になっています。都心部へのアクセスが良いことから多くの住宅地が広がっており、近年では高層マンションの建設も盛んです。
面積約8㎢に約16万人が居住しており、人口密度が市内で最も高いエリアとなっています。

全体的に上昇傾向ではありますが、大阪市の平均からすると低いです。
高層マンション建設によって人口は更に増加していくと考えられ、上昇傾向は続くと思われます。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格239,000351,000-
路線価191,000281,000-
変動率1.0%2.8%-

3-18.鶴見区

鶴見区には住宅地が多く、特に新興住宅地の建設が盛んなため、若い世代と子供が多いエリアです。

都心に近いにもかかわらず、昔ながらの住宅地、新興住宅地、マンションなど住居の選択肢が広い点が特徴です。

地価は区内全域でほぼ横ばいで、上昇も小幅です。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格216,000336,000153,000
路線価172,000269,000122,000
変動率0.5%1.2%1.1%

3-19.阿倍野区

阿倍野区は主要ターミナル駅のある大都市で、日本で最も高い超高層ビル「あべのハルカス」があることでも有名です。梅田と難波に次いで3番目の繁華街を誇っています。

商業地としての地価は市内中心部ほどではありませんが、それでも高く、活発な開発が行われているため、今後の伸びにも期待できます。
住宅地は上昇が一旦落ち着いている状況です。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格330,0001,530,000-
路線価264,0001,220,000-
変動率0.2%9.5%-

3-20.住之江区

住之江区は大阪市の南西部にあり、その面積は市内最大です。
西武は大阪湾に面しており大阪南港には、倉庫や港湾施設、フェリーターミナルがあり、日本有数の貿易港として経済を支えています。

交通網は十分に発達しており、また「アジア太平洋トレードセンター」という複合商業施設があるため、日常生活に支障はありません。中央部から東部は主に住宅地として、ベッドタウンとなっています。

四つ橋線周辺では上昇傾向にある地点もありますが、全体的には横ばいもしくは下落傾向です。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格205,000289,000111,000
路線価164,000231,00089,000
変動率0.2%2.8%0.4%

3-21.住吉区

住吉区には全国的にも有名な住吉大社をはじめとする神社仏閣や、史跡が数多くあります。都心へのアクセスが便利であるため、公営住宅や高層マンションなどが建設され、区内全域に住宅地が広がっています。

住宅地はほぼ横ばいですが、高級住宅地である帝塚山では上昇傾向にあります。商業地では長居駅、あびこ駅周辺の上昇が顕著です。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格243,000404,000-
路線価194,000323,000-
変動率0.5%5.2%-

3-22.東住吉区

東住吉区は大阪府のほぼ中心に位置しており、区内の約9割は住宅地となっています。
阿倍野区側の北部と、南部では雰囲気が大きく異なるのが特徴で、北部はあべのハルカスをはじめとした賑やかな繁華街ですが、南部は公園や住宅地の和やかなエリアになっています。

地価は区内の中心である阪和線と近鉄線に囲まれたエリアでは上昇傾向にありますが、ここから離れた住宅地では小幅ながら下落傾向にあります。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格231,000308,000-
路線価185,000246,000-
変動率0.5%0.2%-

3-23.平野区

平野区は大阪市内で人口が最も多い区で、全域が住宅地です。
住宅地でも地区ごとに特色がある地域で、南部は市営住宅や中高層マンションが建つ比較的新しい町並み、中央部は神社仏閣が点在する閑静な町並み、北部は町工場が集まる工業地帯となっています。

地価は平野駅や喜連瓜破駅の周辺では上昇傾向ですが、その他の全域では下落傾向にあります。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格177,000252,000154,000
路線価141,000202,000123,000
変動率0.1%0.8%0.0%

3-24.西成区

西成区は住宅地と工業地帯が混在しているエリアで、北東部にある日雇い労働者が集まる町「あいりん地区」は全国的にも有名です。

治安の悪さから大阪市民には敬遠されている場所ですが、新今宮駅の利便性の良さは梅田駅に並ぶほどなので、近年では日雇い労働者向けだった簡易宿泊所が外国人向けの宿泊施設として転用されており、今や新今宮駅周辺は外国人観光客で賑わっています。

西成区の地価はここ数年で急上昇しており、バブルの状態にあります。土地を所有している人は、今売却すると思いがけない値段が付くかもしれません。

区分住宅地商業地工業地
平均価格
(円/㎡)
公示価格187,000274,000108,000
路線価150,000219,00087,000
変動率2.5%12.8%0.0%

4.まとめ

大阪市はインバウンドの拡大により、地価も好調な上昇傾向にあります。
ただし、インバウンドの恩恵を受けてきた地域ほど、新型コロナウイルスの影響を大きく受けることになるため、特に商業地の地価下落は今後避けられないと考えられます。

国税庁も2020年10月以降に路線価を補正する可能性を発表しており、今後の動向が注目されます。


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