相続税対策の前にライフプラン設計をしましょう

幸せ家族

1.相続税対策の前に

相続税対策(相続対策)には、①遺産分割対策、②節税対策、③納税資金対策の3つの側面があると説明しました。

関連記事
相続対策の3つのポイント
相続対策の3つのポイント:節税、納税資金、遺産分割
相続とは遺族に財産を引き継ぎ、税金を納めることです。賢く相続をするには、 支払う税の金額をいかに安くするか(節税対策…

遺言を書いて遺産分割は安心、生前贈与で節税対策、そして、死亡保険に加入して納税資金対策もバッチリといけば問題なしという感じですが、これらの対策をする前に、ちょっと立ち止まって考えていただきたいことがあります。

何か大切な事が抜けていませんか?

そう、被相続人(相続される人)自身と残される家族の生活設計です。
そもそも相続で対象となっている財産は、被相続人の財産であると同時に、その人と家族の生活の基盤でもあります。

相続対策を検討されるということは、ある程度、人生の終盤に差し掛かられてきて、ご自分の死後を意識されているのだと思いますが、まだ亡くなられたわけではありません。現代は高齢化が進んでいて、退職後が第二の人生とも言われており、これからの人生をどう送っていきたいかが重要になります。また、自分の死後、残される家族にどんな生活をして欲しいかも考える必要があります。いわば、被相続人の「ライフプラン」とも言うべきものになり、この「ライフプラン」いかんで、相続対策も変わってきます。

2.相続は人生から人生へのバトンタッチ

人は生まれてから亡くなるまで、いくつかのステージ(段階)を通過していきます。誕生、入学、進学、就職、結婚、子育て、住居購入、退職、死亡というように、人によって差はありますが、一般的にこのような過程を踏んでいきます。そして、それぞれの段階でいろいろなことを考え決断していきます。どの学校に行こうか、どんな仕事に就こうか、誰と結婚しようか、どんな家に住もうか、そんなことを思いめぐらし悩みながら決断し、ここまでの人生を歩まれてきたのではないでしょうか。

相続はその人生の中での最終ステージに当たりますが、ただ終わるわけではありません。自分が亡くなっても、残される家族の人生は続いており、その家族への引き継ぎのステージです。「相続」という言葉が示すとおり、一方から他方へと続くわけであり、ちょっとカッコよく表現すると、「相続は人生から人生へのバトンタッチ」といえます。

駅伝やリレーの様子を思い浮かべてみて下さい。バトンは必ず渡す人と受け取る人がいますね。渡しそびれたり落してしまったりしないように、お互いに配慮し協力しながらうまく受け渡しをする必要があります。どうしたらうまく渡せるか、うまく受け取れるか、そんなことを考えていくのが相続対策といえます。

バトンタッチするものには、人生の教訓とか想い出とか目に見えないものもいろいろあります。ただ話が広がり過ぎてしまいますので、ここでは、目に見える財産に焦点を当てていきます。

3.被相続人と家族のライフプラン作り

このサイトのドメインは「happy-souzoku.jp」ですが、日本語で表すと「幸せ相続」です。
私たちは、単に相続税対策で節税するだけを目指すのではなく、亡くなる人も残される家族もみんなが幸せになる相続であればいいなと願っています。

幸せ相続のためには、まず自分たちがどういう生活を送りたいのかというライフプランを考えます。相続が発生するまでの間の被相続人と家族(残される人)のライフプラン、そして、相続発生後に残される家族のライフプランの両方を検討します。

3-1.本人の老後生活の設計

前者は、簡単にいえば、老後生活の設計(リタイアメントプランニング)です。自分が退職してから亡くなるまで、どんな生活を送りたいか、何をしたいか、家族とどう関わり合いたいかを計画します。趣味を極めたり、ボランティア活動に参加したり、あるいは、旅行に出かけるのも良いでしょう。子供と一緒に住む選択もあれば、それぞれ別々に住む選択もありです。

何をするにもある程度のお金が必要ですので、預金や不動産などの資産はいくらあるのか、年金はいくらもらえるのか、住宅ローンはいつまで残っているのか、病気になったら保険金はおりるのか等、正確でなくて大丈夫ですがある程度は把握しておく必要があります。また夫婦で住んでいる場合、一般的には女性のほうが男性より平均寿命が長いため、夫が先に亡くなることが多いですが、妻が先に亡くなることもありますので、どちらが先に亡くなっても大丈夫なように備えます。

病気で介護が必要になったら、老人ホーム等に入所するのか、自宅で家族に面倒を見てもらうのか、どちらも費用がかかりますので備えが必要です。認知症で判断能力が低下することも考えて、信頼できる人とあらかじめ任意後見契約を結んでおくことも検討に入れると良いでしょう。

3-2.家族の生活設計

そして、次に、相続発生後に残される家族のライフプランも考えます。まずは経済的な不安がなく生活していけるかが重要です。もし不安があれば、生命保険金で補うなど何らかの対策が必要になってくるでしょう。子供がいる場合、経済的に独立していれば良いですが、最近では独立できない中高齢の子供が増え、自分が亡き後の子供の生活を心配する親も増えています。特定の子供にだけ多く相続させても大丈夫なように相続人みんなの合意を得たり、財産を渡しても管理できるか不安な場合は、信頼できる人や金融機関に管理を委託する検討も必要かもしれません。

逆に、子供どうしで仲が悪いなら、それぞれの性格や生活事情を考慮して互いになるべく公平感が出るように配慮しておく必要もあるでしょう。

これらのライフプランを検討したうえで、相続財産があるようであれば、そこで遺産分割対策が必要になり、相続税の基礎控除額を超える財産であれば、今度は節税対策、納税資金対策が必要になってきます。

4.人はいつ死ぬかわからない

相続を考える上で心に留めておかなければならないのは、人はいつ死ぬかわからないということです。20年後に亡くなる予定で相続計画を立てたけれど、実際は、来年亡くなるかもしれないですし、もしかしたら、予想以上に長生きするかもしれません。場合によっては、せっかく行った節税対策が無駄になってしまうこともあり得ます

法律はいつも同じではなく時代とともに改正されていきます。相続税の控除額が将来変わるかもしれませんし、現在有効な特例が将来は無効になってしまうかもしれません。また、経済状況や地価も変化していきます。今は有効な節税対策も、いざ相続する時になったら、無駄だったということもあるでしょう。

たとえば、計画を立てた時は、若い人に人気の地区なので、土地に賃貸住宅を建てて賃貸料収入も入ってうまくいくように見えたけれど、時が経ったらその地区は人気がなくなって借りてくれる人もいなくなり、固定資産税や管理費やらで赤字額が増して、結局、預金を食いつぶして全体の資産額を減らしてしまったということもあります。

相続税が発生するのは、被相続人が亡くなって相続する時ですが、それがいつになるかわからないのが対策の難しいところです。ですので、節税対策の本や他人の話だけを鵜呑みにして対策を行うのではなく、税理士や弁護士などの専門家にも相談しながら、将来どんなことが起こりうるかよく考えたうえで、対策を行っていくのがベターといえます。

5.幸せ相続を目指しましょう

以上、ライフプランについて解説しましたが、人はいつ亡くなるかわかりませんので、せっかく立てたライフプランが無駄になってしまうこともあります。それでも、被相続人や家族を含め一緒に練ったプランであれば、計画通りにいかなかったとしても、なんとか乗り越えていけることでしょう。

相続で一番大切なことは、次の人生の走者に確実にバトンを渡すことです。どんなに素晴らしい相続税対策をして払う税金を減らしたとしても、誰かが倒れてしまったり、バラバラになってしまったら意味がありません。被相続人、相続人、家族を含めて、良いチームワークで相続ができるような、幸せ相続のための対策を目指しましょう。

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

都道府県から相続税に強い税理士を探す
この記事が役に立ったらシェアしてください!

GoogleAdsense関連コンテンツ