岩手県の特徴
岩手県は人口約125万人の東北6県のうちの1つです。
県は大きく「盛岡・八幡平エリア」「県北エリア」「県央エリア」「県南エリア」「北部陸中海岸エリア」「陸中海岸エリア」の6つにわかれています。
岩手県の知られざる特産品を2つご紹介します。
米と聞いて岩手県を思い浮かべる方は多くないと思いますが、実はもち米の生産量は、JA別では、JAいわて中央が日本一です(*1)。岩手県オリジナルのもち米「もち美人」は、白さとなめらかさが自慢です。
全国の地方新聞社でつくるサイト47CLUBでは、県別のお取り寄せ売れ筋ランキングを発表していて、岩手県版の1位は「遠野小町 特別純米酒」でした(*2)。
つくっているのは、岩手県遠野市青笹町の上閉伊酒造で、全国の品評会で何度も受賞している名酒蔵です。
農業王国岩手県の特産品は、やはり食が魅力的です。そんな岩手県の相続事情についてご紹介します。
岩手県の相続関連データの紹介
まず、岩手県の相続関連のデータを紹介します。
課税割合は低率「相続税が課税される可能性は低い」
岩手県の2018年度の被相続人数は735人で、死亡者数は17,390人でした。死亡者数に占める被相続人数の割合「課税割合」は4.23%で、全国平均の8.55%を大きく下回ります。
課税割合が大きいほど、相続税が課税される可能性が高くなるので、岩手県は相続税が課税される可能性は低い」県といえるでしょう。
都道府県別で最も課税割合が大きいのは東京都の16.67%で、4.23%の岩手県は40位でした。
他の東北の県では、宮城県32位5.60%、福島県34位4.97%、山形県41位4.13%、青森県46位2.68%、秋田県は最下位47位2.61%でした。
相続税の申告割合も低迷
岩手県の2018年度の相続税申告件数は884件でした。死亡者数(17,390人)に占める相続税申告件数の割合「申告割合」は5.08%で、こちらも全国平均10.98%を大きく下回りました。
申告割合が大きいほど、相続税申告が必要になるケースが多くなります。
申告割合も1位は東京都で23.16%でした。岩手県は40位です。
他の東北の県は、宮城県30位7.23%、福島県34位6.16%、山形県42位4.97%、青森県46位3.29%、秋田県は最下位47位3.21%でした。
被相続人1人当たりの相続税額は46位
2018年度の被相続人1人当たりの相続税納付税額は、岩手県は738万円で全国46位でした。1位の東京都は2,309万円で、岩手県の3倍以上です。全国平均は1,814万円でした。
青森県12位1,412万円、宮城県22位1,163万円、山形県35位976万円、福島県36位961万円、秋田県43位804万円でした。
岩手県は東北のなかで最下位でした。
相続での注意点
岩手県で相続するときと相続されるときの注意点を紹介します。
「使いそうにない」と思った不動産は早めに処分を
被相続人(故人)が岩手県内に住んでいて、相続人(遺族)が東京などの離れた都会に住んでいる場合、岩手県内の土地や住宅が相続財産になることあるでしょう。
このとき相続人がそれらの不動産を「当面の間、使いそうにない」と思ったら、早めに処分することをおすすめします。その理由は2つあります。
- 「当面の間」と思っていても地方の不動産は実際はずっと使わないことが多い
- 地方の不動産は売却しにくいので「早め」かつ「長期」で売却活動をしたほうがよい
ずっと使わないと、土地は雑草が生い茂り、住宅は朽ちていきます。そうなると近所迷惑になります。しかも所有し続ける限り、維持費や固定資産税がかかります。
そして地方の不動産は、よほどの住宅地や商業地にないと売りにくい状態にあり、「負動産」と呼ばれるのはまだましで、ときに「腐動産」と呼ばれる物件もあります。1円でも売れないことは珍しくありません。
そのため、ほしいと名乗り出てくれた人に真っ先に売却するのが鉄則です。
そして、相続してから時間が経過してしまうと「売れ残り」感が出てしまい、さらに売りにくくなります。
農地の相続は意外に「やっかい」
相続人が農業を引き継ぐ場合を除いて、農地の相続は「やっかい」になることが珍しくありません。
農地は、固定資産税評価額が低いのに、相続税評価額が高くなる傾向があります。つまり、毎年の固定資産税が「安い」と思って安心していると、「高い」相続税を請求されてしまうわけです。
市街地にある農地は、この低・固定資産税評価額、高・相続税評価額になりやすいので注意してください。
相続税申告は税理士に相談
相続が発生「しそうになったら」税理士に相談しましょう。
親や祖父母がまだ存命なのに相続の心配をするのは不謹慎、と思っていると、いざ相続の手続きに入ったときに混乱するかもしれないからです。
税理士は、相続人の心配ごとを熟知しているので、安心して相続前に相続の相談をすることができます。岩手県内の地元の税理士なら、地域の不動産に詳しい人が多いので、具体的なアドバイスがもらえるはずです。
岩手県の税理士情報
岩手県には東北税理士会の岩手支部連合会があり、2021年5月現在269人の税理士が在籍しています(*)。
岩手支部連合会には9の支部がり、税理士269人の内訳は次のとおりです。
各支部に所属する税理士の人数
森岡支部 | 129人 | 48% |
---|---|---|
花巻支部 | 39人 | 14% |
水沢支部 | 30人 | 11% |
一関支部 | 26人 | 10% |
大船渡支部 | 11人 | 4% |
釜石支部 | 10人 | 4% |
宮古支部 | 9人 | 3% |
久慈支部 | 7人 | 3% |
二戸支部 | 8人 | 3% |
合計 | 269人 | 100% |
【出典】東北税理士会
半数が盛岡の集中、税理士が少ない宮古・久慈・二戸の住民は早めにコンタクトを
ほぼ半数が盛岡支部に在籍しています。岩手県の人口は1,250,142人で、そのうち盛岡市の人口は23%にあたる290,136人なので、税理士は盛岡支部に偏っていることがわかります。
一桁人しかいない宮古支部、久慈支部、二戸支部の周辺の市町村住民は、相続税に関する困りごとが発生してすぐに税理士に相談することが難しくなるかもしれません。そのため、いざというときに慌てないように、早めに相談しておきましょう。