兵庫県について
兵庫県は、近畿地方の中で大阪府や京都府などに比べると存在感が薄い印象があるものの、全国的にも有名な観光スポットがいくつかもります。
中でも最も有名なのが「姫路城」です。姫路城は世界文化遺産にも指定されており、また国宝にも指定されています。年間多くの観光客が訪れており「白鷺城」の愛称でも知られています。その他にも明石大橋や神戸の夜景など、阪神大震災から復旧復興を遂げたすばらしい街並みが観光客の心をつかんでいます。
神戸は前面に穏やかな瀬戸内海、バックに六甲山が控える景観豊かな地で、神戸港の夜景は日本三大夜景として知られています。
さらに、兵庫県は産業が非常に盛んであることでも知られています。兵庫県には阪神と播磨の二大工業地帯があり、鉄鋼や機械、造船、化学工業などを中心に経済発展を遂げてきました。
域ならではの地場産業も盛んであり、播州織や但馬ちりめん、ケミカルシューズなど独自の文化も発信し続けています。
2024年の兵庫県の税理士状況
兵庫県の税理士が所属する近畿税理士会には、2024年10月1日時点で、15,434名の税理士が在籍しています。
そのうち兵庫県には、2,968名の税理士が活動しており、2022年度の相続税の申告件数は兵庫県内で8,146件であることから、1税理士あたり2.74件の申告となります。1税理士あたりの全国平均は2.32件であるため、兵庫県では税理士が不足している可能性が高いです。
地域別に見ると、神戸市では1,262名以上と兵庫県の4割以上が神戸で活動しており、中でも市中央区には688名の税理士が事務所を置いています。そのため、相続に強い税理士を兵庫県内で見つけるには、神戸市の税理士が選択肢に入るでしょう。
兵庫県は芦屋市などの高級住宅街が多いことが特徴で、地価の高い地域では、土地評価や地元の情報に精通した税理士を選ぶことが、高い節税効果を生み出しやすいと言えるでしょう。
また、地価が低い地域でも所得が高い地域もあります。世帯の状況に合わせて税理士の強みとなる特徴を比較しながら、信頼できる税理士を見つけましょう。
このサイトでは、相続に強い税理士を厳選してご紹介しています。ぜひ、ご活用ください。
2022年度の兵庫県の相続税課税状況
2022年度の兵庫県の課税割合は10.06%、1件あたりの納付額は約1,827万円です。
兵庫県の課税割合は、全国で7位、1件あたりの納付額は6位といずれも高い数字です。
そのため、兵庫県は近畿地方でも、大阪府に次いで相続税が発生しやすい地域といえるでしょう。また、全国的に見ても高額な相続税が課税されやすい地域です。
相続の開始前に、相続に強い税理士へ依頼して適切な対策を講じましょう。
2022年度の兵庫県の相続税課税状況
では、各税務署エリア毎に2022年度の課税割合を確認してみます。
税務署名 | 管轄地域 | 申告件数 | 課税件数 | 1件当たりの納付額 (万円) | 申告割合 | 課税割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
灘 | 灘区 | 257 | 202 | 1,836 | 16.96% | 13.33% |
兵庫 | 兵庫区 北区 三田市 | 478 | 416 | 1,124 | 9.00% | 7.83% |
長田 | 長田区 | 127 | 108 | 1,118 | 8.10% | 6.89% |
須磨 | 須磨区 垂水区 | 570 | 456 | 1,618 | 12.01% | 9.60% |
神戸 | 中央区 | 211 | 180 | 1,840 | 15.56% | 13.27% |
姫路 | 姫路市 市川町 福崎町 神河町 | 745 | 603 | 1,769 | 10.78% | 8.72% |
尼崎 | 尼崎市 | 611 | 478 | 2,204 | 10.39% | 8.13% |
明石 | 西区 明石市 | 719 | 569 | 1,630 | 12.30% | 9.73% |
西宮 | 西宮市 宝塚市 | 1,485 | 1,213 | 2,281 | 20.60% | 16.83% |
洲本 | 洲本市 南あわじ市 淡路市 | 211 | 188 | 1,631 | 9.30% | 8.29% |
芦屋 | 東灘区 芦屋市 | 769 | 639 | 3,483 | 24.69% | 20.51% |
伊丹 | 伊丹市 川西市 猪名川町 | 619 | 504 | 1,704 | 14.01% | 11.41% |
相生 | 相生市 赤穂市 上郡町 佐用町 | 141 | 125 | 1,000 | 8.38% | 7.43% |
豊岡 | 豊岡市 香美町 新温泉町 | 125 | 112 | 579 | 6.79% | 6.08% |
加古川 | 加古川市 高砂市 稲美町 播磨町 | 507 | 415 | 980 | 10.43% | 8.53% |
龍野 | 宍粟市 たつの市 太子町 | 163 | 142 | 872 | 8.35% | 7.27% |
西脇 | 西脇市 多可町 | 49 | 44 | 867 | 5.88% | 5.28% |
三木 | 三木市 | 80 | 67 | 1,138 | 8.02% | 6.72% |
社 | 小野市 加西市 加東市 | 139 | 120 | 943 | 8.18% | 7.06% |
和田山 | 養父市 朝来市 | 47 | 41 | 382 | 5.43% | 4.73% |
柏原 | 篠山市 丹波市 | 93 | 74 | 520 | 5.63% | 4.48% |
兵庫県計 | 8,146 | 6,696 | 1,827 | 12.24% | 10.06% |
神戸市の相続税課税状況
灘区
神戸市の東部に位置している灘区は、古くから酒造りが盛んで現在でも酒造が多い地域です。一方、臨海部では鉄鋼などを扱う工場が並んでおり、近代工業も区の重要な産業として発展しています。
灘区の風祝割合は13.33%と、神戸市内では最も高額な割合です。区の産業が発展している他、神戸市の中心地域である中央区に隣接していることなどから、各地で地価が上昇しています。そのため、不動産への相続税の高額な課税が行われることで、高い課税割合を記録しているのだと考えられます。
また、灘区内の篠原地区や青谷地区は完済でも有名な高級住宅街が形成されています。つまり、地価が高額な場所に自宅を所有している世帯が多いため、こうした住宅街を中心に相続が起きているといえるでしょう。
兵庫区、北区
神戸市の北部と南部に位置し対極な特徴のある兵庫区と北区。兵庫区は日本でも有数な僥倖が建設されており、神戸の海外貿易の中心地として機能しています。さらに、海外とのつながりが深い特徴から、繁華街やオフィス街が広く形成されています。
一方、北区は六甲山を有する山地です。北区は兵庫区など、鉄道の沿線に沿って古くからベッドタウンとして発展しています。人口は増加している反面、居住面積が限られているため、人口密度が非常に高い地域です。
兵庫区と北区の課税割合は7.83%と、意外にも低いのが特徴です。どちらの区も人口が増えている地域なのですが、兵庫区は若い世代が多く、北区は地価が低い地域です。つまり、相続税の発生率が少なく課税がされにくいことがこの地域の課税割合を下げていると考えられます。
長田区
神戸市の中南部に位置し、区の中で最も小さな面積となる長田区。ケミカルシューズを始めとした靴の生産が多い地域です。他にも、化学製品などを扱う企業などが多く、面積が小さいながらさまざまな産業が行われています。
長田区の課税割合は6.89%と、そこまで高くありません。長くの地価は市街地となっている南部は高額なのですが、北部の山岳地は大きく低下しています。さらに、外国人居住者が多く、相続税の課税自体が少ないことも課税割合のが低い要因だといえます。
須磨区、垂水区
高絵師の西部に位置している須磨区と垂水区。どちらの区も住宅地として広く活用されており、神戸市中心部のベッドタウンとしても利用されています。また、須磨区には須磨ニュータウンが形成されており、人口の多くはこのニュータウンに集中しています。
須磨区と垂水市の課税割合は9.60%です。垂水区の北部には鉄道路線がなく、南部と北部の地価の差が大きく現れています。一方、須磨区の北部にはニュータンタンが形成されており、鉄道が整備されています。
そのため、須磨区は南北を通して地価が安定化しているため、全体の地価が高額です。その結果、この地域では須磨区を中心に相続税の課税が行われており、特に地価の高い南部では高額な課税が行われていると考えられます。
中央区
神戸市の中心として機能している中央区。古くから港町として発展を続けており、視野国の行政機関が集中して建設されています。特に、中華街のある南京町や神戸港は商業施設なども多く、市内外から多くの人が集まる人気地域です。
中央区の地価平均は13.27%と、兵庫県の平均よりも高くなっています。中央区は各地で地価が上昇しており、市内でも最も高額な地価を記録しています。しかし、地価が高額すぎることや市街地化が進んでいることから、一軒家を所有している割合が比較的少ない地域でもあります。
マンションを所有している人や、高所得者が多い地域で、1件あたりの納付額も1,840万円と比較的高くなっており、十分な対策が必須となります。
神戸市以外の相続税課税状況
芦屋市
兵庫県の南東部に位置している芦屋市。山間部に位置するこの地域は、次々と宅地開発が行われ、自然と共存した住宅地が形成されています。古くは、富裕層向けの別荘や豪邸が集中して建設され、今でも全国的に有名な高級住宅地として知られています。
芦屋市は、課税割合が20.51%、1件あたりの納付額は3,483万円と、いずれも兵庫県内で最も高い数字となっています。
芦屋市は住宅街が広く形成されており、かつ地価は兵庫県内で最も高額な地域です。つまり、地価の高い地域で一軒家を所有していることから、不動産への高額な課税が行われていると推定されます。
そのうえ、芦屋市で住宅を所有できるということは、所得も高額である可能性が考えられます。そのため、不動産と預貯金など、資産への総合的な課税により、高額な相続税が発生することが推測されます。
姫路市
世界遺産である姫路城で有名な姫路市。兵庫県で有数の工業地域で、自動車や半導体、化学品など多種多様な製品が製造されています。また、市の北部では宅地化が進んでいるものの、現在でも農業が盛んに行われています。
姫路市の課税割合は8.72%と、兵庫県の平均を下回る数字です。
西宮市、宝塚市
兵庫県の東部位置している西宮市と宝塚市。甲子園球場や宝塚歌劇団など、観光地として人気のこの地域ですが、どちらも住宅地として人気を集めている地域です。特に、宝塚市の雲雀丘などの高級住宅がいくつか形成されているのが特徴です。
西宮市と宝塚市の課税割合は16.83%、1件あたりの納付額も約2,281万円と、いずれも県内で2番目に高い数字です。
西宮市の地価は高額なことや、高所得者も数多く生活しているため、預貯金などへの課税によっても高額な相続税が発生している可能性が高い地域です。
伊丹市、川西市
大阪国際空港を擁するため、空の玄関口として知られている伊丹市と川西市。兵庫県の南東部に位置しており、地理的な特徴から大阪や神戸のベッドタウンとして人気を集めている地域です。
伊丹市と川西市の課税割合は11.41%と平均を超えるほど、相続税が課税されやすい地域となっています。伊丹市も、川西市も地価が高く、特に、2024年にも伊丹市は全ての地域で前年よりも地価が上昇傾向にあります。
そのため、よりベッドタウンとして人気の高い伊丹市が中心となり相続税が課税されていると考えられます。ただ、ベッドタウンは高所得者が多いことから、不動産以外の財産にも注意が必要です。
明石市
兵庫県の南部に位置し、淡路島とのつながりが深い明石市。明石海峡により、淡路島から四国へと繋がる重要な海上交通の拠点として機能しています。また、大阪駅へ40分程度でアクセスできることから、神戸市や大阪市のベッドタウンとして宅地造成が積極的に行われています。
明石市の課税割合は9.73%とやや平均を下回っています。明石市は海上交通の拠点であることから、飛行機産業が盛んに行われ電子部品などの工場が多く建設されており、そのため工業団地や外国人労働者が多く、不動産への相続税の課税が行われることが少ないことが課税割合を低くしていると考えられます。
尼崎市
兵庫県の南東部に位置する尼崎市。大阪市と唯一隣接している尼崎市は、地域によって地域の特性が分かれていることが特徴です。南部には工業地域、中央部は商業地域、北部に住宅地が形成されており、それぞれの特性に合わせて発展しています。
尼崎市の課税割合も8.13%と兵庫県の平均を下回っています。しかし、1件あたりの納付額は2,204万円と兵庫県ではトップ3の課税額となっています。これは、大阪市のベッドタウンとして活用されており、大阪市への通勤率が約20%と高いことが関係していると推測できます。
さらに、尼崎市の地価は高額で、2024年にも地価の前年比は上昇しています。つまり、大阪市への通勤者などの高所得者を中心として、高額な相続税が課税されているのが尼崎市の相続の特徴だといえるでしょう。
加古川市
兵庫県の南部に位置する加古川市。加古川市は建設業を中心とした工業が盛んで、臨海部には電子部品を扱う工場がいくつか建設されています。また、南部に人口が集中しており、神戸市や姫路市のベッドダウンとして利用されています。
加古川市の課税割合は8.53%と平均を下回り、1件当たりの納付額も980万円と1,000万円にとどきません。加古川市の地価はそれほど低くはありませんが、北部の農村部の地価は大きく低下しています。つまり、相続の中心は南部の地域であり、北部では課税される可能性が低いことが、この課税割合を作り出していると推測できます。
相生市、赤穂市
兵庫県の西部に位置している相生市は、住宅地としてメインに活用されている地域です。市内の産業はあまり活発ではないことから、姫路市など市外への通勤者が多いのも特徴の一つです。
相生市の課税割合は7.43%、1件あたりの納付税額も1,000万円と、どちらも平均を大きく下回っています。
特に、赤穂市は特産品の生産を始め機械工業が盛んな地域であることから、この地域では赤穂市を中心に相続が課税されてると推測されます。
三木市
兵庫県の南部に位置する三木市は、もともと三木城を中心にした城下町として発展しました。現在はニュータウン建設によって神戸市のベッドタウンとして機能しています。また、市内は古くからある市街地と新興住宅地が共存した2つの街並みが共存しているのも地域の特徴の一つです。
三木市の課税割合は6.72%、1件あたりの納付額も1,138万円で、どちらも兵庫県の平均以下です。
神戸市などへの通勤者が集まる新興住宅地を中心に相続税が課税されていると推測されます。
その他の地域
篠山市、丹波市その他の地域では課税割合が7%以下となっており、4%台の市も存在します。また、1件あたりの納付額も1,000万円を下回っており、高額な相続税が課税されていない地域です。
これらの地域は共通して地価が低く、同じ市の中でも地価の差が大きいといった特徴があります。そのため、こうした地価の大差が課税割合にも影響を与え、これらの地域の課税割合や課税額が低くなっているのだと推測されます。
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