沖縄県について
沖縄県と言えば、日本で最も人気のあるリゾート地と言っても過言ではないでしょう。その理由は、なんと言っても本州とは比べものにならないほどきれいな海に他なりません。
最近では、人気グループ嵐のCMで有名になった古宇利島にあるハート形をした岩であるハートロックや、世界最大級の大水槽でジンベイザメの泳ぐ姿が見られる美ら海水族館、世界遺産の首里城、観光スポットとしておなじみの国際通りなど、その見所は上げればきりがありません。
また、食の面として全国的にも有名な沖縄そばがありますが、地元の方々は年越しそばとしてこの沖縄そばを食べるそうです。その他にもアグー豚、石垣牛、ゴーヤー、さらにはお土産の定番となっている紅いもタルトやちんすこうなども人気です。
なお、最近では米軍基地の移設をめぐって、緊迫した議論がされていることでも有名です。
そんな沖縄県ですが、相続税の事情はどうなのでしょうか。
沖縄県の相続税申告件数は、九州地方の水準より高い!
沖縄県の相続税については、九州地方の水準と同じく都市部に比べるとさほど高くありません。平成26年度相続税課税状況の調査によると、沖縄県の相続税申告件数は385件でこの数字は鹿児島の347件や熊本県の401件と同じくらいです。しかし、課税割合(死亡者数に占める申告が発生した被相続人の割合)は3.39%で全国20位であり、福岡の2.88%より高いです。1人当たり納税額も1,787万で全国18位と、福岡15位とそれほど代わりません。
相続税の課税対象価額を押し上げる原因となる土地についても、本土と比べ極端に高いエリアは少ないのですが、前年に対する路線価の上昇率は1.7%となんと全国4位です。
これは、インバウンド外国人をはじめとする観光客の増加で観光収入が潤い、リゾート開発も進んで土地価格も上がったためと考えられます。
沖縄県は不動産よりも現金や株式が多い!?
沖縄国税事務所の統計データによると、沖縄県で発生した相続税申告における相続財産の金額の構成比を分析すると、最も多い比率を示しているのがやはり土地で、平成26年分で59.1%と半分以上が土地であることがわかります。ただこの傾向は全国的にも同じであり珍しいことではありません。
ただ、推移で見てみると、土地の構成比率は過去10年間で見た場合、はじめて60%を割り込んでおり、徐々に減少していると考えられます。
変わって増えてきているのが、現金や預貯金で19.4%、さらに有価証券で8.1%です。沖縄県は土地の比較的安い地域が多いため、相続税が課税される人は、土地だけではなく総合的な資産が多い人であると言えるかもしれません。
沖縄県で土地が高いのは那覇市
沖縄県において土地の坪単価が最も高いのは、中心地でもある那覇市です。那覇市の坪単価は約56万円であり、沖縄県の中では抜きん出て高い金額となっています。以降は、浦添市、北谷町、宜野湾市などと続きます。ただ、先ほども言ったように、土地だけではなく総合的な資産が多い人に課税される傾向にあるため、これ以外のエリアでも相続税が発生する可能性は十分あるでしょう。
沖縄県特有の土地:軍用地、島
沖縄特有の土地として軍用地があります。米軍施設・区域の総面積は約24,000haあり沖縄全土の約10%を占めています。さらに沖縄本島に限ってみると、約20%近くの面積が軍用地です。
これらの基地のうち約3分の1は私有地であり地主が貸している土地になります。特に基地が集中する沖縄本島中部地域では、約4分の3が私有地です。
貸している軍用地は、自分たちの生活や事業に利用していない土地ですが、立派な資産ですので相続税の課税対象になります。賃料をとって貸していれば貸宅地ですので、その分の評価減を受けたり、小規模宅地等の特例を利用できる可能性もあります。
また、沖縄は島が多い県です。沖縄本島の面積は沖縄県全体の5割強であり、残りは400個以上ある島の面積です。島の土地は概して評価額が低いため、通常の住宅地程度の面積であれば相続税が発生することはありませんが、大地主のように広大地を抱えている場合は要注意です。それぞれの島に行くためには限られた交通手段を利用するしかなく、本土の場合と比べて土地の調査に時間がかかりますので、早目に税理士に依頼したほうが良いでしょう。
沖縄県は独特の相続文化がある事に注意
沖縄県は戦後アメリカ統治時代が長いため、本土とは違う独自の文化があります。そしてそれは相続においても同じです。
例えば沖縄の相続ではしばしば「トートーメー」という言葉が登場します。
トートーメーとは沖縄で位牌を表す方言とされています。
沖縄では古来からトートーメーと相続財産のすべてがセットで動くような考え方が根付いており、トートーメーとの分離相続が習慣に反するという特殊な地域です。
このような独特の文化があるが故に、沖縄県では相続税よりも遺産分割協議によるトラブルがたびたび発生する傾向にあります。
沖縄県の相続は沖縄県の税理士に相談すべし
このように沖縄県の相続は、他県とは違う独特の土地や、風習や考え方などがあるため、これらを理解している沖縄県の税理士に依頼することをおすすめします。相続税対策よりも、遺言書を書くなどの遺産分割対策などが重要な県とも言えるでしょう。
一定評価額以上の軍用地が含まれている場合は、軍用地パックプランを用意している税理士事務所もありますので、事務所のホームページを見たり事務所に問合せたりして確認してみてください。
参考までに、平成26年経済センサスの調査結果によると、沖縄県内の税理士事務所の数は196個であり、相続税申告件数385件との割合で考えると、全国の平均的な割合になります。税理士事務所のほとんどは那覇市に集中しています。
沖縄県の相続税に強い税理士が対応する市町村
那覇市・宜野湾市・石垣市・浦添市・名護市・糸満市・沖縄市・豊見城市・うるま市・宮古島市・南城市・国頭村・大宜味村・東村・今帰仁村・本部町・恩納村・宜野座村・金武町・伊江村・読谷村・嘉手納町・北谷町・北中城村・中城村・西原町・与那原町・南風原町・渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村・南大東村・北大東村・伊平屋村・伊是名村・久米島町・八重瀬町・多良間村・竹富町・与那国町