鳥取県の相続税事情
鳥取県は中国地方の中の山陰地方に位置している都道府県です。また、総務省統計局の都道府県別人口データによると、47都道府県中で最も人口の少ない県となっています(平成26年推計で57万4千人)。この人口は、他の地域と比較すると、千葉県船橋市の人口よりも少ない数値であり、如何に鳥取県の人口が少ないかを物語っています。また、日本海側気候の影響で、実は豪雪地帯であり、東西に長い県面積のうち、東へ行くほど積雪量が多くなります。
なお、鳥取県は東部、中部、西部の3つの地域区分に分けられます。
鳥取県の県庁所在地がある鳥取市は東部地区、白壁土蔵群で有名な倉吉市がある中部地区、そして米子市、境港市がある西部地区には中国地方最高峰である「大山」があり、日本百名山として人気があります。
ちなみに最近では、スターバックスの店舗が47都道府県で唯一ないということが話題になっていましたが、2015年5月についに鳥取市に鳥取県1号店がオープンしニュースにもなりました。
そんな鳥取県ですが、相続税申告の状況はどうなっているのでしょうか。
相続税発生件数がとても少ない
広島国税局の平成26年度都道府県別相続税課税状況のデータによると、平成26年度の鳥取県内における相続税申告件数はたったの149件で、この件数は47都道府県中で秋田県の139件についで2番目に少ない件数でした。ただ、相続税の納税額で比べてみると、秋田県のほぼ2倍程度と納税額の多さが特徴的で、相続税申告件数が320件ある山梨県とほぼ同じくらいの納税額となっています。このことから、鳥取県の相続税の傾向として、課税される人自体は少ないが、課税される人の保有している相続財産が多いということが推測できます。
税理士の数も非常に少ない
また、鳥取県内にある税理士事務所の件数はなんとたったの90件で、これはお隣の島根県と並んで47都道府県中最も税理士事務所が少ないのです。もともと人口自体が少ない都道府県ではありますが、東西に長い鳥取県において、この税理士事務所の件数はやはり少ないと言えるのではないでしょうか。
鳥取市周辺と米子市周辺の相続税が県内のほとんど
鳥取県内で発生している149件の相続税申告のうち、58件が鳥取市周辺、60件が米子市周辺と、ほぼこの2つの地域に相続税のほとんどが集中している状況です。ただ、唯一気になるのはその納税額の偏りです。鳥取も米子も相続税申告の件数自体はほぼ同じなのですが、相続税の納税額を基準にして比べると、鳥取は米子のおよそ5倍以上もの金額になっているのです。これはつまり、鳥取市周辺以外で相続が発生したとしても、課税対象財産がそこまで高額にならないため、相続税が課税されたとしても、その税額が低くなるのです。
ただ、相続税申告が必要であることには変わりがありませんから、たとえ納税額が少なくても専門家である税理士に相続税申告を依頼した方が良いでしょう。なお、鳥取市において相続税が課税される可能性が高いと思われるのは、主に鳥取県庁や鳥取市役所の周辺である東町、西町、湖山町などのエリアです。これらのエリアについては、優良な住宅街が形成されているため、相続が発生した際には、相続税に十分注意しましょう。