1.藤沢市の相続事情
神奈川県の藤沢市は、茅ヶ崎市と同じ藤沢税務署の管轄地域となっています。そのため、相続税に関するデータも2つの市の合計データが発表されています。藤沢エリアの1年間の相続税申告件数は1,294件、実際の課税件数が919件です。
相続1件あたりの納付税額は1,499万円、課税割合は14.28%%となっています。神奈川県の相続税の平均データでは、1件あたりの納付税額が1,839万円、課税割合は12.6%です。このデータと比較すると、藤沢エリアの各相続データは、課税割合が平均を大きく上回っている一方、納付税額は、平均を大きく下回ることがわかります。
しかし、藤沢エリアの相続データは、神奈川県内で、1件あたりの納付税額は6位、課税割合は7位と上位3/1に入っています。したがって、藤沢エリアの各市では、しっかりとした相続税対策を行い高額な相続税に備えておく必要があるのです。
上記データは、令和元年のものを使用しています。
2.藤沢市の地価事情
課税額も課税割合も高い藤沢エリア。こうした相続税の特徴がどうして作られたのか、その背景を地価から考えてみましょう。
神奈川県の南部中央に位置し、相模湾と接している藤沢市。このエリアは湘南ともいわれており、藤沢市はその中心的な役割を果たしている市です。さらに、湘南地域の中では最大の人口を誇る都市でもあります。
藤沢市は中心部には大型商業などが立ち並ぶ繁華街が形成されていますが、市内には住宅街も広がっている地域もあります。加えて、湘南地域や江ノ島を中心とした観光産業も盛んで、非常に幅広い特徴のある都市づくりが行われています。
藤沢市の地価平均は約23万円、最も地価が高額なのは約39万円の石上です。石上は藤沢駅の南部を指しており、繁華街が広く形成されている地域です。この藤沢駅は藤沢市の中心駅であることから周辺は大きく発展しており、特に北部よりも南部の方が商業施設や飲食店が密集しているのが特徴です。
ですので、南部の方が人も多く集まっており、人気が高いことから地価も高額になっているのです。なぜ南部の繁華街が賑わっているのかというと、観光地である相模湾が市の南部にあり、ちょうど石上から南部へ向かう江ノ島電鉄が出発します。そのため、藤沢駅から南部の石上へ向かう人が多く、その人の波に合わせて、繁華街が形成されたのだと考えられます。
3.藤沢市の所得と富裕層
土地への課税と同様に、財産への課税も相続税額を決定する大きなポイントになります。そこで、藤沢エリアの2つの市の所得や富裕層の分布についても見ていきましょう。
自治体名 | 相続税の納税義務者数 | 課税対象所得 | 1人あたりの所得 |
---|---|---|---|
藤沢市 | 約20万2,400人 | 約7,900億円 | 約390万円 |
茅ヶ崎市 | 約11万1,200人 | 約4,100億円 | 約369万円 |
2つの市の2016年の所得は上記のようになっており、藤沢市の方が所得が高額になっています。神奈川県内では藤沢市が6位、茅ヶ崎市が8位と県内でも非常に高額な所得を受け取っています。さらに、2017年の所得状況もほぼ横ばいとなっていますので、所得が下がっていることはありません。
この背景として考えられるのは、藤沢エリアがベッドタウンとして機能していることから、横浜や東京で働いている人が多いため所得が高額化していることです。加えて、藤沢エリアは観光産業が活発に行われているため、市内での経済活動による所得も増加しているとも考えられます。
つまり、どちらにしても高額な給料が発生しやすい場所で働いている人が多いため、藤沢エリアで生活している人は高所得者が多いといえるのです。特に、主要駅の周辺や海岸に近い住宅街は地価が高くなる傾向にありますので、こうした地域には富裕層が多いと考えられます。
4.藤沢エリアの税理士事情
所得も地価も高額な藤沢エリアでは、税理士による相続税対策が重要です。そこで、エリア内にどれくらいの税理士が在籍しているのかも、しっかり確かめておきましょう。
自治体名 | 在籍税理士数 |
---|---|
藤沢市 | 232名 |
茅ケ崎市 | 74名 |
藤沢エリアの1年間の相続税申告件数は1,294件、課税件数は919件です。それに対し、藤沢エリア全体の在籍税理士数は306名ですので、エリア内の税理士は不足しているといえるでしょう。特に、茅ケ崎市は極端に少ないため、藤沢市に在籍している税理士も候補となります。
ただ、どちらの市でも税理士が不足気味であることから、横浜など多くの税理士が集まるところでも、相続に強い税理士を探しておく必要もあります。また、藤沢エリアでは自営業者も多く見られるため、事業の継承などでも異なる手続き必要な可能性があります。ですので、相続に強いだけでなく、弁護士と連携していることなどをポイントにして税理士を探すのも良いでしょう。
藤沢エリアは住宅街が広いというだけでなく、駅前には繁華街が形成され、南部には観光産業が活発に行われるなど、さまざまな様相を見せるエリアです。だからこそ、都市開発や土地の需要に敏感な地元の税理士が心強い存在となります。そのため、生前からしっかりと相続に強い地元の税理士を探し始め、確実に依頼ができるように準備を整えましょう。
【参考】藤沢エリア内の相続関連機関一覧
藤沢エリア内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2018年4月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。
機関名 | 住所 | TEL |
---|---|---|
藤沢税務署 | 〒251-8566 神奈川県藤沢市朝日町1番地の11 | 0466-22-2141 (代表) |
藤沢県事務所 | 〒 251-8534 神奈川県藤沢市鵠沼石上2-7-1 | 0466-26-2111 (代表) |
藤沢市役所 | 〒251-8601 神奈川県藤沢市朝日町1番地の1 | 0466-25-1111 (代表) |
茅ヶ崎市役所 | 〒253-8686 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目1番1号 | 0467-82-1111 (代表) |
横浜地方法務局 湘南支局 | 〒251-0041 神奈川県藤沢市辻堂神台二丁目2番3号 | 0466-35-4620 |
藤沢公証役場 | 〒251-0025 神奈川県藤沢市鵠沼石上2-11-2 湘南Kビル1階 | 0466-22-5910 (代表) |
横浜家庭裁判所 | 〒231-8585 神奈川県横浜市中区寿町1-2 | 案件により異なる HP参照 |
神奈川県司法書士会 | 〒231-0024 神奈川県横浜市中区吉浜町1番地 | 045-641-1372 |
横浜弁護士会 | 〒231-0021 神奈川県横浜市中区日本大通9番地 | 045-211-7707 (代表) |