高知県の概要
高知県は旧・土佐国に位置する地域です。土佐と言えば、あの有名な坂本龍馬の故郷としても知られています。実際、坂本龍馬記念館などが建設されており、観光名所の1つにもなっているくらいです。
また、高知県はその多くが山地に該当しており、山地率は89%にも及びます。他県からすると「海の国」としての印象が強くありますが、実際には「山の国」といえる地域なのです。
このように山に囲まれた高知県には、清流として知られる四万十川なども流れています。そのため、カヌーなどのアウトドアも増えてきています。
そんな高知県は県内を7つの地域に分類されることが多いです。まず県庁所在地のある高知市を中心とする「高知中央地域」があります。そのほか、室戸市や安芸市がある「安芸地域」、土佐郡がある「嶺北地域」、土佐市がある「仁淀川地域」や「高吾北地域」、「高幡地域」と「幡多地域」です。
課税発生件数・納税額は低い
高知県の課税発生件数は、令和3年度都道府県別相続税課税状況(高松国税局発表)によると613件となっています。高知県の人口は少ないため、件数が少なくなっています。課税割合は5.88%で、全国では33位です。
高知県全体の相続税額は約6億5千万円です。被相続人1人当たりにすると、約1,070万円であり、全国的には34位です。
高知県のエリアごとの相続税の状況
以下の表は、高知県の税務署管轄エリアごとの相続税の状況です(令和3年度)。
税務署名 | 管轄地域 | 申告 件数 | 課税 件数 | 1件当り 納付税額 (万円) | 申告割合 | 課税割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
高知 | 高知市 土佐町 大川村 | 381 | 324 | 1,276 | 9.46% | 8.05% |
安芸 | 室戸市 安芸市 東洋町 奈半利町 田野町 安田町 北川村 馬路村 芸西村 | 42 | 37 | 508 | 4.66% | 4.10% |
南国 | 南国市 香南市 香美市 本山町 大豊町 | 114 | 103 | 1,164 | 6.94% | 6.27% |
須崎 | 須崎市 中土佐町 佐川町 越知町 檮原町 津野町 四万十町 | 52 | 51 | 924 | 3.89% | 3.81% |
中村 | 宿毛市 土佐清水市 四万十市 大月町 三原村 黒潮町 | 54 | 48 | 645 | 3.64% | 3.23% |
伊野 | 土佐市 いの町 仁淀川町 日高村 | 53 | 50 | 509 | 5.15% | 4.85% |
高知県計 | 696 | 613 | 1,070 | 6.68% | 5.88% |
件数割合は約半数が高知市
高知県内での課税発生件数を見ると、約半数が高知エリアで起きていることが分かります。高知エリアは、高知市、土佐町、大川村で構成されますが、ほとんどが、高知市が占めると見て良いでしょう。
課税割合も8.05%と、県内平均5.88%を大幅に上回っています。1人当たり納付税額も1,276万円で県内ではトップレベルです。
2割弱が南国エリア
南国エリアは、南国市、香南市、香美市、本山町、大豊町市で構成されます。この、南国エリアの課税発生件数は県内の2割弱を占めます。
課税割合は6.27%で高知市よりは低いですが、県内全体よりはやや高いです。1人当たり納付税額は1,164万円と県内ではそれなりに高いです。
他のエリアは課税割合が低い
その他のエリアは、課税割合は3%~5%台と低い水準です。
高知県は事務所数・スタッフ数ともに少ない
高知県は全国的に税理士事務所数や、そこで働く人が少ない地域です。まず税理士事務所数で言うと、県内に109か所の事務所があります。これは全国的には下から3番目に少ない数です。
一方、申告件数は696件あり、1事務所あたり約7件受け持っている計算になります。比較的忙しいことが分かるでしょう。そのため、高知県は税理士事務所・スタッフ数が不足している地域と言えるのです。
なお、相続税の納税額を小さくするためには、生前からの節税対策が必要です。自分でやることもできますが、可能であれば、相続税に強い税理士に相談して進めたほうが良いでしょう。