相続での不動産の税金のまとめ

★ お気に入りに追加
税務署

不動産を取得すると通常は、不動産取得税や登録免許税等の税金が発生しますが、相続によって不動産を取得した場合には、一般的な取得とは扱いが異なります。それぞれの税金について、通常の取得の場合と相続による取得の場合を比較しながら解説します。

①不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得したとき(購入したとき、増改築したとき、贈与されたとき)、個人・法人に課される税金です。不動産がある都道府県に対して、不動産の取得者が支払います。税額は、固定資産税評価額×4%ですが、土地と住宅用の建物について平成30年3月31日までの取得であれば固定資産税評価額×3%となります(住宅以外の建物を取得した場合は4%)。

相続時には不動産取得税は発生しない

相続による不動産の取得であれば、「不動産取得税は課税されない」決まりとなっています。不動産取得税が課税されない理由は、相続の場合は相続人の意思に関係なく不動産を取得することになりますので、例外的に非課税として扱われます。

ただし、法定相続人以外の人が不動産を取得した場合は、不動産取得税がかかりますので注意が必要です。

相続で不動産取得税の納付通知が届く場合

相続では不動産取得税が課税されませんが、税務署から不動産取得税の納付通知が届くことがあります。この場合、相続以外で不動産を取得している可能性があります。近くの税務署にて確認する方がいいでしょう。

②登録免許税

登録免許税は、不動産の名義変更の登記をする個人・法人に課されます。国に対して、不動産の登記をする人が支払います。税額は、固定資産税評価額×税率となります。
税率は、新築したときの所有権保存登記は0.4%(0.15%の軽減税率あり)、他人から売買で取得したときは2.0%(0.3%の軽減税率あり)、他人から贈与で取得したときは2.0%、被相続人から相続で取得したときは0.4%です。

相続自体では登録免許税は発生しない

相続によって不動産を取得するだけでは、登録免許税は発生しません。なぜなら、登録免許税はあくまで「名義変更をする時点」で発生する税金だからです。したがって、名義変更の手続きをしなければ、相続しても登録免許税を払わないで済みます。

名義変更(相続登記)をした場合に登録免許税を納める

相続時に名義変更の登記(相続登記)をしなければ、納税する必要がありませんが、名義変更をしないと、不動産の管理・処分時にトラブルに遭う可能性が大きいです。不動産の名義が亡くなった被相続人のままでは、第三者から見たらその不動産の所有者が誰なのかわからないからです。そのため、登録免許税はかかりますが、相続時には必ず名義変更の登記(相続登記)が必要といえます。

相続登記は、所有権移転登記の相続の場合に該当し、税額は固定資産税評価額×0.4%です。ただし、法定相続人以外の人が不動産を取得して相続登記をする場合は、固定資産税評価額×2.0%となります。

不動産の相続そのもので登録免許税が発生するわけではありませんが、名義変更の登記(相続登記)はほぼ必須ですので、相続において発生する税金と考えて良いでしょう。

③消費税

消費税業者等から建物を購入した個人・法人に課される税金です。2016年4月時点では、取引価格に対して8%が課税されます。土地は消費するものではありませんので課税対象外です
消費税は売買取引などの事業性を伴う取引をした際に発生するものですので、不動産業者等から建物を購入した際には消費税がかかりますが、個人からマイホームやセカンドハウスを購入した際には事業性がありませんので消費税はかかりません。

相続時には消費税は課税されない

相続によって不動産を取得した場合は、消費税は課税されません。相続には事業性はないからです。

相続後に消費税が課税される2つのパターン

相続による不動産の取得自体に対しては消費税は発生しませんが、下記の2つに当てはまる場合は後で消費税を納める必要があります。

(1)被相続人が営む不動産事業を引き継ぐ場合

相続人が不動産の賃貸事業などを引き継いだ場合、その売上金額に対して消費税を納める必要があります。なお、課税売上高が1,000万円以下であれば非課税対象です。

(2)相続した不動産を売却・譲渡する場合

相続人が不動産を売却・譲渡した場合は、仲介してくれた不動産会社に支払う手数料に対して消費税が課税されます。

④印紙税(収入印紙)

印紙税は、不動産の売買・請負契約時に作成する文書に課税される税金です。売買契約書に印紙を貼り付け消印をすることで納税します。契約金額によって貼りつける印紙の金額は異なり、400円~60万円の範囲になりますが、平成30年3月31日までは軽減措置で、200円~48万円の範囲となっています。

相続時には印紙税はかからない

相続によって不動産を取得しても印紙税を支払う必要がありません。相続による不動産取得は、売買契約によるものではなく契約書等の文書も作成しないからです。

相続後に印紙税を納める場合

基本的には相続と印紙税は無関係ですが、後日、取得した不動産を売却・譲渡する場合は、印紙税の納税義務が課されます。
印紙税額は、契約金額:500万円~1,000万円の場合は5,000円、契約金額:1,000万円~5,000万円の場合は20,000円、契約金額:5,000万円~1億円の場合は30,000円です。
詳細は、国税庁のサイトをご確認ください。

⑤固定資産税

固定資産税不動産等の固定資産を保有する個人・法人に毎年課税される税金です。不動産がある市町村に対して、毎年1月1日に固定資産課税台帳に所有者として登録されている人が支払います。税額は、固定資産税評価額×1.4%です(標準税率ですが、財政状況が厳しい市町村は、もっと高い税率を定めることもできます)。

相続時には固定資産税は課税されない

相続により不動産を取得しても、固定資産税は課税されません。固定資産税は毎年1月1日に固定資産を保有している者に対して課税される税金だからです。つまり、相続時点で固定資産税は被相続人に対してすでに課税済みです。

被相続人に固定資産税の滞納分がある場合

相続時に固定資産税のトラブルで一番多いものが、「被相続人が固定資産税を未納・滞納している」ケースです。この場合、相続放棄しない限りは相続人が納税義務を負います。相続手続中に税務署から、固定資産税の納付通知が送られることもあります。手続中は相続人全員が連帯納付義務を負っているので代表者が手続きを済ませるといいでしょう。

相続後、続けて所有していれば固定資産税が課税される

相続後、不動産は相続人の所有となりますので、翌年の1月1日にその不動産を所有していれば固定資産税が課税されます。

⑥都市計画税

都市計画税は、都市計画市街化区域内に固定資産を保有する個人・法人に課税される税金です。不動産がある市町村に対して、毎年1月1日に固定資産課税台帳に所有者として登録されている人が支払います。税額は、固定資産税評価額×0.3%です(上限税率ですが、市町村は、低い税率を定めることもできます)。固定資産税と一緒に納税します。

相続時には都市計画税は課税されない

固定資産税と同様に、相続により不動産を取得しても、都市計画税は課税されません

被相続人に都市計画税の滞納分がある場合

被相続人に都市計画税の滞納がある場合、相続放棄しない限りは相続人が滞納分を納税する義務を負います。死亡後に被相続人に都市計画税の納税通知書が届く場合もあるため、不動産相続時は注意をしましょう。

相続後、続けて所有していれば都市計画税が課税される

相続後、不動産は相続人の所有となりますので、翌年の1月1日にその不動産を所有していれば都市計画税が課税されます。

⑦譲渡所得税・住民税

譲渡所得税・住民税は不動産を売却または譲渡をして利益を得られた際に課税される税金です。不動産売却利益に対して所得税と住民税を合わせて、14%、20%、もしくは39%が課税されます。

相続時には譲渡所得税・住民税は発生しない

不動産を相続しても譲渡所得税・住民税は発生しません。相続は、売却・譲渡ではないからです。

相続後、不動産を売却・譲渡した場合に課税される

相続後に不動産を売却・譲渡すると課税対象になります。課税率は所有期間により、下記の通りに変わります。

(1) 短期譲渡所得:5年以下の所有

売却・譲渡した年の1月1日時点で不動産の所有期間が5年以下の場合、譲渡所得に対して、所得税30%、住民税9%の合計39%が課税されます(別途、復興特別所得税0.63%を加算)。
なお、相続後3年以内に売却すれば、相続税を不動産取得費用の一部に組み入れることで、所得を圧縮できます。

譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)

(2) 長期譲渡所得:5年超・10年以下の所有

売却・譲渡した年の1月1日時点で不動産の所有期間が5年超10年以下の場合、譲渡所得に対して、所得税15%、住民税5%の合計20%が課税されます(別途、復興特別所得税0.315%を加算)。

(3) 低率分離課税:10年超の所有

売却・譲渡した年の1月1日時点で不動産の所有期間が10年超の場合、「居住用財産の軽減税率の特例」により、譲渡所得に対して、6000万円以下の部分が所得税10%、住民税4%の合計14%が課税されます(別途、復興特別所得税0.21%を加算)。6000万円を超える部分は、長期譲渡所得と同じく、所得税15%、住民税5%の合計20%が課税されます。

相続時に発生する不動産の税金のまとめ

基本的に相続で発生する税金は「相続税」だけですが、不動産を相続した場合、名義変更(相続登記)をしたり売却すればそれぞれに税金が発生しますし、相続後そのまま所有し続ければ、毎年、税金が発生します。不動産を相続する際に不安なことがあれば、相続税と合わせて不動産の税金についても、税理士に相談をするといいでしょう。

税金相続時相続後
①不動産取得税・相続人:なし
・相続人以外:
固定資産税評価額×3%
なし
②登録免許税・相続人:
固定資産税評価額×0.4%
・相続人以外:
固定資産税評価額×2.0%
なし
③消費税なし・不動産事業を引き継ぐ場合
・不動産を売却・譲渡する場合
取引額の8%(2016年4月時点)
④印紙税なし不動産を売却・譲渡する場合
5,000~30,000円程度
⑤固定資産税なし翌年の1月1日に保有している場合
固定資産税評価額×1.4%
⑥都市計画税なし翌年の1月1日に保有している場合
固定資産税評価額×0.3%
⑦譲渡所得税・
住民税
なし不動産を売却・譲渡する場合
譲渡所得に対して
・5年以下の所有:39%
・5年超10年以下の所有:20%
・10年超の所有:14%

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

この記事が役に立ったらシェアしてください!

GoogleAdsense関連コンテンツ