図解!相続税申告書の書き方

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相続税申告書 第1表

1.はじめに

平成27年相続税法の改正より、相続税の課税ベースが広がり、これまでは相続税の課税対象ではなかった相続についても相続税の申告を考える必要がでてきました。
そこで、相続税の申告書とはどのようなものなのか、どのような流れで作成されるのかについて、概説します。

2.相続税申告書の概要

2-1.相続税の申告書の一覧

相続税の申告書は第1表から第15表までの表形式となっていますが、このうち、代表的なものをまず概説します。

第1表相続税の申告書(課税価格や申告する相続税額が記載)
第2表相続税の総額の計算書(相続税の総額が記載)
第4表贈与税額控除が記載
第5表配偶者の税額軽減(いわゆる配偶者控除)が記載
第9表生命保険金の額を記載
第11表課税財産(≒相続財産)の一覧が記載
第11・11の2表小規模宅地等の特例が記載

2-2.相続税の計算の流れ

相続税の申告書について解説する前提として、相続税の構造について知っておく必要があると思いますので、以下のとおり概説します。

 計算手順必要となる申告書の別表等
相続又は遺贈により取得した者の課税価格(相続税を課す基礎となる金額)を算出します(これを各人の課税価格といいます。)。なおここでは民法上の相続分の計算を基礎として計算します。第11表、第9表、第11・11の2表
①を合計します(これを課税価格の合計額といいます)。第1表
課税価格の合計額から基礎控除を控除します(控除後の額を課税遺産総額といいます。)第2表
これを法定相続分(民法で定められた相続人が取得することができる相続分)で按分します(按分後の額を法定相続分に応じた取得金額といいます。)第2表
各相続人の法定相続分に応じた取得金額に相続税率を乗じ、これを合算します(合算後の金額を相続税の総額と言います)。第2表
相続税の総額を①の各人の課税価格に応じた割合で按分します。第1表
各人に対する控除(配偶者控除、すでに支払った贈与税の控除)を行い、各人が納付すべき相続税額を算出します。第1表、第4表、第5表
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3.各表の関係

相続税の計算の流れと申告書の各表について図示しました。
場合によっては、これ以外の表も必要になることがあります。詳しくは税理士にご相談ください。

相続税申告書 流れ

4.各表の解説

4-1.手順①について

4-1-1.第11表 相続税がかかる財産の明細書

まず、相続財産について記入します。
相続財産の種類・種目ごとに、第15表「相続財産の種類別価額表」で評価した価額を記入します。

分割が確定した財産については、取得者と取得財産の価格を記載します。
遺産分割が未了の場合(未分割の場合)には、各相続人が法定相続分に応じて取得したと仮定して記載します。

相続税申告書 第11表

4-1-2.第9表 生命保険金などの明細書

「受取金額」欄には、以下の計算式で計算した金額を記入します。

受取保険金額 × 保険料の全額/被相続人の死亡時まで払い込まれた保険料の全額

死亡保険金等の非課税枠の計算です。法定相続人の数×500万円
なお、ここでの「法定相続人」には相続放棄をしている者がいても、放棄していないものとして記載します。

相続税申告書 第9表

4-1-3.第11・11の2表の付表1 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書

小規模宅地の特例を受けるためには、その土地に適用されることについての全ての相続人の同意が必要です。
後々の紛争を防ぐ意味で「氏名」欄には自署させるというのも一案です。

「選択した小規模宅地等」欄には、特例の適用を選択した土地の評価額・面積を記載します。

「限度面積要件の判定欄」に、限度面積の計算をして記入します。最大400㎡/80%減です。

相続税申告書 第11表の2付表1

4-2.手順②から⑤について(第1表、第2表)

4-2-1.第1表 続税の申告書

被相続人の住所・氏名を記載します。
相続人の住所・氏名は自署します。印鑑は、遺産分割協議書を実印で行う以上は実印で押印するのが得策です。

「取得財産の価額」欄には、第11表で計算した取得財産の価額を記載します。

課税価格=取得財産の価額-債務控除+3年内の贈与加算となります。第2表へ進みます。

相続税申告書 第1表

4-2-2.第2表 相続税の総額の計算書

第1表の「課税価格の合計額」を転記します。
「法定相続人」の数には、相続放棄をした法定相続人がいても「法定相続人」に含めてカウントします。

課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除となります。

相続人ごとに、課税遺産総額に法定相続分をかけ、下の速算表から相続税額を計算します。その合計額を記入します。

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相続税申告書 第2表

4-3.手順⑥ついて(第1表)

第1表に戻り、各人の相続税の総額を案分するための、「按分割合」を算出します。
按分割合=各人の取得した財産の価額/課税価格

そして、「各人の相続税」を算出します。
=相続税の総額×案分割合

相続税申告書 第1表

4-4.手順⑦について

4-4-1.第4表 相続税額の加算金額の計算書

相続開始後3年以内の贈与加算は、贈与税の基礎控除(年間110万円)以下であっても加算されることに注意してください。

相続税申告書 第4表

4-4-2.第5表 配偶者の税額軽減額の計算書

配偶者の税額軽減について
計算式:相続税の総額 × 配偶者の取得価額または160,000,000円のうち少ない方/課税価格の合計額

なお、配偶者の税額軽減を受けるためには、遺産分割を完了しておく必要があります。

相続税申告書 第5表

4-4-3.第1表(再掲)

第1表に戻り、第2表の算出税額、第4表の加算される贈与の贈与税控除、第5表の配偶者の税額軽減を転記し、最終的に納付すべき相続税額を算出します。

相続税申告書 第1表

5.まとめ

以上のとおり、相続税の申告書の記載は個人で行うにはハードルが高いと思われます。
そこで、相続税の申告書の作成には税法の専門家である税理士に依頼することをお勧めします。

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