1．箕面市の相続税申告の特徴

関西を代表する滝「箕面の滝」や「紅葉」で有名な箕面市は大阪府の北西部に位置し、一部は兵庫県に隣接しています。

大阪市のベッドタウンとして発展しており、大阪梅田まで電車で最短24分と、都心部へ抜群のアクセスを誇る都市です。

大物芸能人も住む高級住宅街がある市としても有名で、市内には豪邸の並ぶ住宅地が複数あります。

「大阪市に程近く、超富裕層が多く居住している。」これだけで相続税が課税される可能性を予想することができますが、実態はどうでしょうか。

ここでは、箕面市の相続税申告について詳しく解説していきます。

1-1．箕面市の相続税申告状況

令和元年の相続税申告状況のデータによると、箕面市を管轄している豊能税務署、大阪府、全国における相続税の申告状況は次の通りとなっています。

1-2．豊能税務署エリアは相続税が課税される可能性大

豊能税務署の3つの数値は、すべて大阪府と全国の平均値を上回っています。

特に、豊能税務署エリアの課税割合は、大阪府の中で、大阪市を管轄する税務署エリアを除くと、1位の数字となっています。

大阪府の課税割合は全国47都道府県ランキングで12位となっており、豊能税務署の12.95%を同ランキングにあてはめるとすると3位にあたります。

課税割合は全国平均並みでも十分に要注意エリアに該当します。

それを遥かに超える豊能税務署は、全国でもトップクラスに相続税の課税が発生しやすいエリアといえるでしょう。

多くの人に相続税の生前対策が必要になると想定されます。

1-3．平均納付税額も非常に高額

豊能税務署の相続1件当たりの納付税額は2,134万円となっており、非常に高額です。

納付税額の全国47都道府県ランキングでは、1位の東京都3,029万円を除いては、すべての都道府県で1,000万円台となっており、2,000万円を超えるところはありません。

大阪市の高級エリアにあたる阿倍野区に匹敵する金額となっており、豊能税務署エリアでは相続税課税が起こりやすいうえに、発生する相続税額も高額になる可能性が高いため、十分な注意が必要です。

1-4．箕面市のみの数値はさらに高い可能性

豊能税務署は箕面市の他に、池田市、豊中市、豊能町、能勢町を管轄しており、上記の数値はこれら3市2町の平均値となります。

これらがある大阪府北部の「北摂エリア」は、非常に人気の高い住宅地として知られています。

中でも、箕面市、池田市、豊中市は富裕層向けの郊外住宅地として開発されたエリアとなっており、特に箕面市は高級住宅街の代名詞にもなる都市です。

箕面市のみでの課税割合は公表されていませんが、豊能税務署の課税割合12.95%、納付税額2,134万円よりもまだ高いことが予想でき、相続税の課税に注意しておく必要があるでしょう。

2．箕面市の特徴

箕面市は面積約47.90平方キロメートル、人口約13万人の都市です。

市域の北部は北摂山地が連なり、「明治の森箕面国定公園」もある自然豊かなエリアになります。中央部の平野には市街地が、南部の千里丘陵には住宅地が広がっており、人口のほとんどが南部に集中しています。

それでは、箕面市の特徴とそれが相続税課税へどのように影響しているのかを見ていきましょう。5つのエリアごとに解説します。

2-1．【箕面市西部エリア】高級住宅街がある旧来の市街地と住宅地

阪急電鉄が通っている西部エリアは、明治時代から宅地開発が行われてきた昔ながらの住宅地と市街地が広がっています。

高級住宅街が集中しているのもこのエリアになり、桜井駅近くにある「桜井」や「桜ヶ丘」、牧落駅近くにある「百楽荘」は、豪邸が立ち並ぶ圧巻の光景が広がっています。

特に桜ヶ丘には、大正時代の住宅博覧会に出品された住宅が今でも残されており、古き良き時代のお洒落な街並みは、高級ブランドと相まって富裕層から絶大な人気があります。

箕面市内の富裕層が集中して居住しているエリアだと考えられることから、相続税が課税される可能性が非常に高いエリアと言えるでしょう。

2-2．【箕面市中部エリア】中心市街地

平地になる市の中部エリア「かのや中央」には、大型ショッピングモールなどの商業施設が集中しており、市民の日常的なショッピングスポットとなっています。

本格的な買い物をする場合には梅田まで出向く人が多いようですが、駅が近くにあるため難なく行くことができます。

2023年度には北大阪急行線が延伸されるエリアとなっており、中央エリアには2つの新駅が誕生します。さらに人の往来が増えるため、相続税申告の観点からは地価の上昇が懸念されます。

2-3．【箕面市東部エリア】高級感がある新しい街

東部エリアの小野原周辺は2007年ごろから再開発され、新興住宅地とお洒落なお店が並ぶ綺麗な街並みに生まれ変わりました。

戸建てや低層階マンションが主なため開放感があり、一部ではなく北千里から千里中央まで緑豊かな住宅地が続いていることから、広範囲にわたって街の雰囲気に統一感があります。

インターナショナルスクールが近くにあるため、国際色が強い家庭も多いでしょう。

新しいエリアであることから若い世代が多く、今後、相続税の課税が増えていくエリアになるのではないでしょうか。

2-4．【彩都エリア】ニュータウン「国際文化公園都市」

彩都エリアは東部エリアと似た新しいエリアで、国際交流・学術文化・研究開発という多彩な都市機能を有する街という意味から、「彩都」と名付けられています。

人口5万人を計画したニュータウン「国際文化公園都市」が開発中で、子育て世代が続々と流入しています。

中高一貫校などの教育施設も充実しており、子供の教育にお金をかけられる富裕層も多く集まっているでしょう。

発展途上の街であることから、今の地価と数十年後の将来の地価に大差が生じる可能性があります。

まだまだ先のことにはなりますが、今から地価の動向には注視しておくと、いざ相続税対策を始める際にスムーズでしょう。

2-5．【箕面市北部エリア】自然豊かな田舎

北摂山地を隔てた場所にある北部エリアは、箕面グリーンロードによって市街地と繋がっています。

箕面森町は「水と緑の健康都市」をキャッチフレーズに開発が進められ、大阪市から45分程度の距離にありながら、田舎暮らしが叶うエリアとして人気を得ています。

近年のリモートワークの増加によって、このようなエリアは今後さらに需要が高くなると予想されます。

2-6．箕面市の地価

箕面市の平均地価は1㎡あたり20万6,151円で、大阪府全43位中5位の金額となっています。

大阪府の地価でトップを誇るの1㎡83万円という圧倒的な平均地価を誇る大阪市ですが、24区のうち6区は箕面市よりも低い地価となっており、箕面市は大阪市に匹敵する地価であるといえます。

市内で最も地価が高いエリアは、西部エリアの桜井駅周辺で、1㎡あたり23万円となっています。

高級住宅街もある「桜井」の一部では1㎡29万円というエリアもあり、そのブランド力を垣間見ることができます。

また地価変動率も軒並みプラスとなっており、同じく「桜井」の一部ではプラス2.41%という地点があります。需要が高まっていることから、不動産を所有している人は、相続まで地価の動向を注視しておく必要があります。

反対に最も地価が低いエリアは、北部エリアのときわ台で1㎡あたり5万です。

ときわ台は、市中心部から隔離された場所にあることから、箕面市では突出して低い地価となっています。地価変動率も市内では少ないマイナス値となっており、今後も不動産への課税が起こる可能性は低いエリアといえます。

3．箕面市の税理士情報

全国には令和4年3月末日時点で80,163人の税理士がおり、そのうち近畿税理士会（大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県）には15,219人の税理士が所属しています。

そして、箕面市が所属している近畿税理士会豊能支部（池田市、豊中市、箕面市、豊能町、能勢町）には348人の税理士が所属しており、箕面市に事務所を構えている税理士は56人となっています。

豊能税務署の令和元年における相続税申告件数1,048件で、税理士1人あたりの相続税申告数を計算すると0.33件になります。

大阪府全体では0.95件（日本税理士会連合会　平成30年5月発行税理士界）であることから、税理士不足が心配なエリアではありますが、豊中市に隣接し、大阪市にも近いことから過度な心配は不要です。

それでは最後に、箕面市での税理士の探し方について解説します。

3-1．大阪市には5,000人超の税理士がいる

大阪市には豊中市の20倍以上になる、5,000人を超える税理士がいます。

近畿税理士会の2府4県の税理士15,191人の3分の1というと、その多さが伝わるでしょうか。

また大阪市には大阪府の超富裕層が集中して居住しており、発生している相続税申告は複雑かつ高額で、税理士の腕が試される相続ばかりです。

相続税への強さは大阪トップレベルの税理士が揃っており、そのうえ、その数も周辺の都市とは比べ物にならない点から、大阪市での税理士探しを最もおすすめします。

【参考サイト】「税理士登録者数」 | 日本税理士会連合会、近畿税理士会HP、近畿税理士会豊能支部HP