もしも税務署から「相続についてのお尋ね」が届いたら

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相続についてのお尋ね

家族が亡くなり、お葬式と四十九日の法要も済ませ、その後も特に何事もなく過ごしていると、1年程度経過した頃に税務署から「相続についてのお尋ね」という書類とともに、相続税の申告書が送られてくることがあります。

中にはこの通知を、
「きっと死亡者がでたすべての家庭に自動的に送付されているものだろう」
と思い込んだり、税務署からの宣伝などと勘違いをしてそのまま捨ててしまう方もいるようですが、それは大きな間違いです。

実はこの「相続についてのお尋ね」が届いた場合は、非常にまずい状況が発生している可能性があります。
そこで今回は、万が一この「相続についてのお尋ね」が届いた場合の対処法とその真意について解説します。

そもそもなにを「お尋ね」されているのか

「相続についてのお尋ね」の書面を実際に見てみると、次のようなことを訪ねられています。

1:被相続人の職業
2:相続人の人数と続柄
3:被相続人の保有していた不動産の情報
4:被相続人が保有していた有価証券(株式、公社債、投資信託等)の情報
5:被相続人の保有していた預貯金の額
6:被相続人の死亡によって受け取った生命保険金の額
7:被相続人の死亡によって支給された退職手当金、弔慰金などの額
8:被相続人の死亡前に相続時精算課税制度で贈与を受けている場合、その内容
9:被相続人の死亡前3年以内に贈与を受けている場合、その内容
10:葬儀費用にかかった金額
11:被相続人が背負っていた借金残高
12:被相続人の死亡後未納となっていた税金の種類と額

さて、もうお分かりかもしれませんが、これらはすべて相続税申告書に記載する内容とほぼ同じです。書式自体はアンケート形式になっており、項目も相続税の申告書のように難しくなく、素人にも分かるような言葉で書いてあるため気がつかない人もいるかもしれませんが、この「相続についてのお尋ね」に正確に回答すれば、その人に相続税が課税されるかどうかが税務署側で計算ができるという事なのです。

言い換えれば、この「相続についてのお尋ね」とは、ズバリ、簡易版の相続税申告書のようなものなのです。
税務署はこれに対する回答を確認して相続税を計算し、基礎控除額におさまらない場合については、相続税の申告漏れを指摘しようとしているのです。

それなら無視すれば、相続税は払わなくて済むの?

「下手に回答して、万が一相続税が課税されたら困るから無視しよう」
なんて思っていませんか?
又は
「どうせバレないだろうから、うその事実を書いて出してしまえ」
なんて思っていませんか?
残念ながら、その考えは甘過ぎます。

そもそもこの「相続についてのお尋ね」は、死亡者が出たすべての家庭に送られてくるわけではありません。税務署には、過去の被相続人の所得に関するデータが蓄積されていおり、死亡した場合に相続税の課税対象となる可能性が高い人や世帯を事前にリストアップしているのです。
そして、死亡届が役所に提出されると、その情報が税務署にも通知されます。

その後、そのリストアップしている人が、相続税の申告納税期限である10ヶ月を経過してもなんの音沙汰もない場合、「これは怪しい」となり、黒ではないかという疑いのもと「相続についてのお尋ね」を送付しているのです。
つまり、あなたの手元に「相続についてのお尋ね」がすでに届いているということは、税務署側から「あなたは相続税の申告を忘れているのでは」と指摘を受けているという状況なのです
ですから、たとえあなたが無視を決め込んだところで、それは全く意味がなく、しばらくしてから税務調査に乗り込んでこられるだけでしょう。
また、ウソの記載をしたとしても、税務署側は、相続人はもちろんの事、家族や親族の銀行口座や資産状況まで各所に問い合わせて事実確認をするため、ウソがバレないということはまずあり得ないのです。

「相続についてのお尋ね」が届いたら、必ず相続税が課税されるの?

必ずしもそうとは限りません。相続税は基礎控除額の範囲内におさまれば、申告の必要はもともとありませんので、実際にその範囲の財産しかないのであれば、それをそのまま回答すれば問題ありません。
ちなみに、相続税の基礎控除額は、平成27年の改正から以下のようになっています。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人

ただ、自分では相続税が基礎控除の範囲内におさまっていると思っていても、実は申告漏れになっているケースも多くあります。

実は相続税申告が必要な人のケース

(1)相続財産の調査が甘い

税務署は家族よりも被相続人の財産を細かく把握している場合があります。家族が知らないところで高額な財産を所有している可能性もあるため、相続発生後の財産調査が甘いと、財産自体が正しく把握できず、結果として課税対象となるケースがあります。

(2)特例を適用すると相続税がかからない人

「私は妻で1億6千万円までは相続税が非課税と聞いたから、申告しなくてもいいんですよね」
なんて言われる方がいますが、それは違います。
確かに配偶者の税額軽減という特例があり、配偶者が取得した正味遺産額が、1億6千万円か配偶者の法定相続分のいずれか多い額までは,相続税がかかりません。
ただし、この適用を受けるためには必ず「相続税の申告」をしなければならないのです。これは小規模宅地等の特例や広大地など他の特例にも同じことが言えます。
「特例を適用すれば相続税は課税されないのだから、申告の必要もない」と勘違いをしている人も多いため、十分注意しましょう。

もしも相続税の申告漏れを指摘されると、どんなペナルティがあるの?

「相続についてのお尋ね」は相続税の申告期限を過ぎてから届くため、この時点ですでに相続税の延滞が発生していますので、延滞税がかかります。さらに無申告加算税、あまりにも悪質性が強いと重加算税が課税されます。

まずはどうしたら良いのでしょうか?

「相続についてのお尋ね」が届いたら、まずは税務署に回答をする前に相続税に強い税理士に相談しましょう。もしもあなたに相続税の申告漏れの可能性があるとしても、税務署に回答をする前に相続税に強い税理士に相談をすれば、事前に何らかの対策を講じる事ができるかもしれません。
相談をする前に回答をしてしまうと、後から撤回することが難しいため、まずは税務署に対してアクションを起こす前に、速やかに相続税に強い税理士に相談をすることをオススメします。

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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