相続税申告に必要な添付書類まとめ

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相続税申告書には多くの添付書類があり、条件によって必要な書類が異なります。 今回は、そんな添付書類を一覧で分かりやすく解説します。

相続税申告書の添付書類は、相続財産の種類や特例の適用などによって異なりますが、大別すると以下の通りです。

  • 身分証明関係の添付書類(全ての相続税申告に必要な添付書類)
  • 相続財産関係の添付書類
  • 債務控除のための添付書類
  • その他必要な添付書類
  • 特例・控除などを受けるための添付書類

末尾にチェックリストを付けておきましたので是非ご利用ください。

なお、重複している書類については1部のみの添付で問題ありません。また、手数料は発行する市区町村役場や金融機関ごとに若干異なります。

1.身分証明関係の添付書類(全ての相続税申告に必要)

被相続人と全相続人に関する身分を証明する資料として、以下の添付書類がすべての相続税申告に必要となります。

1-1.被相続人に関する身分を証明する資料として

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

具体的には、戸籍謄本・抄本、改製原戸籍謄本、除籍謄本の3つになります。

まず死亡した時点での本籍地で除籍謄本と改正原戸籍謄本を取得して、出生から死亡までが記載されているか確認します。

本籍地が途中で変わっている場合には、以前の本籍地に遡って取得し、出生から死亡までの連続した戸籍謄本とします。

戸籍謄本は、相続開始日から10日を経過した日以後に取得したものを添付します。ただし、被相続人の死亡の日付が記載されていれば、これ以前に取得したものであっても問題ありません。

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被相続人の住民票の除票

記載項目の省略されていない住民票を取得します。

被相続人の死亡診断書

医師が記入する書類で、入院中など診療中に死亡した場合には死亡診断書、それ以外の自宅での突然死などの場合は死体検案書になります。

受け取れるのは、死亡当日や後日郵送などで、相続税申告に関係する頃には確実にお手元にあるはずです。

被相続人の略歴

相続人が作成します。決まった様式はありません。

1-2.全相続人に関する身分を証明する資料として

相続人に関する身分を証明する資料としては、以下の添付書類が必要となります。ただし、相続放棄をした相続人については、遺贈・みなし相続財産を受け取り申告が必要な場合以外には、必要ありません。

 全相続人の戸籍謄本

家族全員の記載があるものを取得します。相続人それぞれの本籍地において取得する必要があります。

戸籍謄本に代わる法定相続情報一覧図

平成30年4月1日から、全相続人の戸籍の代わりに、法定相続情報一覧図の添付が認められることになりました。

法定相続情報一覧図とは、相続関係が明記されている公的な証明書です。ただ、この一覧図を作成するにも戸籍謄本を取得しなければならいでしょうし、法務局登記官による証明を受ける必要もあります。

しかし、法定相続情報一覧図を作成しておけば、相続税申告書の添付書類としてだけでなく、相続手続きで戸籍謄本の代わりに使用することができます。

全相続人の住民票

家族全員の記載があり、かつ省略されていないものを取得します。

全相続人の印鑑証明書

市区町村役場に届け出て登録されている印鑑であることを証明する書類です。この登録済の印鑑のことを通称「実印」といいます。

申告書や遺産分割協議書などの法的書類に押された印鑑が、本人のもので間違いないということの証明のために添付します。 原本での提出が必須の重要な書類です。

実印がない相続人がいる場合には、まず印鑑登録をすることからスタートです。なお、印鑑証明書は、遺産分割協議書に押印したものと同一のものでなければなりません。

 全相続人のマイナンバーカード

マイナンバーカードがない場合には通知カードでも大丈夫ですが、運転免許証などの身分証明書の添付が別途必要になります。

身分証明書関係

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本市区町村役場300~700円即時
被相続人の住民票の除票300円 
被相続人の死亡診断書お手元1,000~30,000円数日以内 
被相続人の略歴各自作成
全相続人の戸籍謄本市区町村役場400円即時
全相続人の住民票300円
全相続人の印鑑証明書300円
全相続人のマイナンバーカードお手元

1-3.戸籍謄本や印鑑証明書など公的書類の有効期限

金融機関では、印鑑証明書や戸籍謄本の有効期限を設定していることがありますが、相続税申告に添付する公的書類についての有効期限はありません。

2.相続財産関係の添付書類

該当の相続財産がある場合に、資料として申告書に添付する書類です。

書類の種類が多いので、ここでは、簡単に相続に関係する財産について解説します。

2-1. 相続財産に預金がある場合の添付書類

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
残高証明書各金融機関756円1週間程度
既経過利息計算書
(定期預金などの場合)
2,160円 
過去の通帳コピー
(被相続人、家族全員)
お手元

残高証明書や既経過利息計算書は、死亡日時点での残高で取得します。 過去の通帳コピーは相続前3年以内に贈与がなかったかを確認するために必要です。

2-2. 相続財産に土地がある場合の添付書類

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
全部事項証明書法務局600円即時
固定資産税評価証明書市区町村役場300円
地積測量図または公図の写し法務局450円
実測図お手元--
賃貸借契約書
(貸地の場合)

全部事項証明書とは、登記簿謄本のことです。

2-3. 相続財産に建物がある場合の添付書類

書類取得先手数料取得期間コピーの可否
全部事項証明書法務局600円即時
固定資産税評価証明書市区町村役場300円
間取り図お手元--
賃貸借契約書
(貸家の場合)

2-4. 相続財産にその他の財産がある場合の添付書類

上場株式

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
上場株式、公社債、投資信託等の残高証明書証券会社など1,000円1週間程度
家族全員の取引明細(直近5年間分)
配当金通知書お手元--

非上場株式

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
法人決算書・申告書
(直近3期分)
法人
株主名簿
(直近5年間分)
法人所有の土地建物の固定資産評価証明書

生命保険金

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
保険金の支払通知書保険会社無料保険金受け取り後1週間程度

退職金

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
退職金の支払通知書勤務先無料勤務先による

その他

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
現金、家財、電話加入権、貴金属、絵画骨董等の明細お手元
ゴルフ会員権等の証書の写し
未収給与、年金等の明細
死亡前3年以内の被相続人からの贈与にかかる申告書、契約書

3.葬儀費用・債務関係の添付書類

債務控除を受けるための資料として必要となる添付書類です。

3-1. 葬儀費用

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
領収書お手元
香典帳各自作成
諸経費控帳

お坊さんや手伝いをしてくれた親族への心付けは、支払いを証明するものはありませんが、しっかりメモを残しておけば債務控除の対象となります。

3-2. 債務

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
金銭消費貸借契約書お手元
残高証明書借入先機関1,000円1週間程度
未払金の請求書お手元

入院費、税金の滞納など漏れがないようにしっかり確認しましょう。病院や市役所に問い合わせれば教えてくれます。

4.その他の添付書類

被相続人の遺言書に従って遺産を分割した場合には遺言書を、遺産分割協議により相続財産を分割した場合には、遺産分割協議を添付します。

4-1. 遺言書

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
遺言書公証人役場など

遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。

公正証書遺言については原本が公証役場に保管されていますので、自宅を探しても見つからない場合には公証人役場に問い合わせをしてみましょう。

自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合には自宅のどこかに保管されていることが少なくありません。

遺言書の有無は相続手続きにおいて非常に重要な点です。申告後に遺言書が出てきたとなると、遺産分割から申告、登記までやり直すことになりかねません。しっかり探しましょう。

4-2. 遺産分割協議書

書類名取得先手数料取得期間コピーの可否
遺産分割協議書お手元

遺産分割協議書とは、遺産を相続人達でどのように分けることになったのかを残しておくための書類です。

作成は義務ではありませんが、もしその後揉めることがあった場合などに備えて作成しておいた方が良いでしょう。

5.特例・控除の適用を受ける場合の添付書類一覧

主な、特例・控除の適用を受ける場合に必要な添付書類は、以下の通りです。

5-1.主な特例・控除の適用を受けるための添付書類

特例・控除名書類名
配偶者の税額軽減遺言書または遺産分割協議書
全相続人の印鑑証明書
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
小規模宅地等の特例
(特定居住用宅地等に該当する場合)
遺言書または遺産分割協議書
全相続人の印鑑証明書
配偶者が取得する場合なし
同居人親族が取得する場合取得する相続人の住民票
3年以上借家住まいの相続人が取得する場合戸籍の附票
賃貸借契約書等の借家住まいであることを証明する書類
障害者控除障害者手帳や戦傷病者手帳、医師の診断書など、障害者に該当することを証明する書類
農地等についての相続税の納税猶予の特例遺言書または遺産分割協議書
全相続人の印鑑証明書
相続税の納税猶予に関する適格者証明書
担保提供に関する書類
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これら特例・控除についてはご覧の通り、ほとんどが相続税申告書を提出する際に添付する書類です。重複して出す必要はありませんので、共通するものは省略可能です。

5-2.相続時精算課税制度を利用した場合の添付書類

相続時精算課税制度を利用して生前贈与をした場合には、贈与財産を含め財産全てが相続税の課税対象となり、以下の書類を申告書に添付します。

相続時精算課税被相続人の戸籍の附票
相続時精算課税適用者の戸籍の附票(※)

※令和2年1月1日以後の相続開始分は不要

【参考外部サイト】(参考) 相続税の申告の際に提出していただく主な書類|国税庁

6.ついでに取得しておくと楽な書類

相続税申告書の添付書類は、他の相続手続きにそのまま使えるものがたくさんあります。 何度も役所に足を運ぶことがないように、取得した書類はすべてコピーを数枚取っておくと効率が良いでしょう。

代表的な相続手続きに必要な書類を列挙しておきます。

6-1. 預金などの名義変更に必要な書類

金融機関などにより必要書類は異なりますが、大体次の書類が必要となります。

  • 預金名義書換依頼書や相続届(各金融機関で様式は異なります。)
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 全相続人の戸籍謄本 ・全相続人の印鑑証明書
  • 被相続人の預金通帳、キャッシュカード、証書など
  • 遺産分割協議書や遺言書

6-2. 不動産の相続登記に必要な書類

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 全相続人の戸籍謄本
  • 相続する人の住民票
  • 遺産分割協議書
  • 全相続人の印鑑証明書
  • 相続不動産の固定資産評価証明書
  • 相続不動産の全部事項証明書

7.これでバッチリ!チェックリスト

身分証明書関係

書類名チェック
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
被相続人の住民票の除票 
被相続人の死亡診断書 
被相続人の略歴 
全相続人の戸籍謄本 
全相続人の住民票 
全相続人の印鑑証明書 
全相続人のマイナンバーカードまたは通知カード 

財産関係

預金

書類名チェック
残高証明書 
既経過利息計算書(定期預金などの場合) 
過去の通帳コピー(被相続人、家族全員) 

土地

書類名チェック
全部事項証明書 
固定資産税評価証明書 
地積測量図または公図の写し 
実測図 
賃貸借契約書(貸地の場合) 

建物

書類名チェック
全部事項証明書 
固定資産税評価証明書 
間取り図 
賃貸借契約書(貸家の場合) 

上場株式

書類名チェック
上場株式、公社債、投資信託等の残高証明書 
家族全員の取引明細(直近5年間分) 
配当金通知書 

非上場株式

書類名チェック
法人決算書・申告書(直近3期分) 
株主名簿(直近5年間分) 
法人所有の土地建物の固定資産評価証明書 

生命保険金

書類名チェック
保険金の支払通知書 

退職金

書類名チェック
退職金の支払通知書 

その他

書類名チェック
現金、家財、電話加入権、貴金属、絵画骨董等の明細 
ゴルフ会員権等の証書の写し 
未収給与、年金等の明細 
死亡前3年以内の被相続人からの贈与にかかる申告書、契約書 

葬儀費用・債務関係

葬儀費用

書類名チェック
領収書 
香典帳 
諸経費控帳 

債務

書類名チェック
金銭消費貸借契約書 
残高証明書 
未払金の請求書 

その他

書類名チェック
遺言書 
遺産分割協議書 

特例の適用を受ける場合

小規模宅地等の特例((特定居住用宅地等に該当する場合)

書類名チェック
取得する相続人の住民票(同居親族が取得する場合) 
戸籍の附票(3年以上借家住まいの相続人が取得する場合) 
借家住まいであることを証明する書類(3年以上借家住まいの相続人が取得する場合) 

障害者控除

書類名チェック
障害者手帳や戦傷病者手帳、医師の診断書など、障害者に該当することを証明する書類 

農地等についての相続税の納税猶予の特例

書類名チェック
相続税の納税猶予に関する適格者証明書 
担保提供に関する書類 

相続時精算課税

書類名チェック
被相続人の戸籍の附票 
相続時精算課税適用者の戸籍の附票(※) 

※令和2年1月1日以後の相続開始分は不要

なお、重複する書類は、省いているため配偶者の税額軽減については、特に用意しなければならない書類はありません。

8.添付書類の取得も税理士に依頼可能

税理士には本人に代わって公的な書類を取得できる職権があり、相続税の添付書類においても、基本的にはすべて税理士に揃えてもらうことが可能です。
税理士費用はかかりますが、自分の時間と労力が浮き、かつ、確実な書類収集を行ってもらえます。

ただし、委任状の準備や、所有者と相続人との関係がわかる戸籍謄本などの書類が別途必要になるなど、相続人が取得するよりも手間がかかります。

書類に不備があった場合には、また相続人に捺印を貰ったりなど無駄な時間がかかる場合もあり、代理取得を断わる税理士もいますので事前に確認しましょう。

まとめ

必要書類を見ていると、実に多くの書類があるように思えますが、実は重複している書類もたくさんあります。 いかに効率的に取得するかが、書類集めのポイントです。


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