遺留分とは?配偶者・兄弟・子供とその割合

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兄弟争い

相続おじいちゃん相続おじいちゃん
「テレビで世界の難民特集を見たんじゃが、着るものも食べるものもなく本当に可哀そうじゃった。思い切って、わしの死後、全財産を難民支援団体に寄付するという遺言でも書こうかと思っとる・・・。」

 

おじさんおじさん
「えっ、そんなことをしたら俺たちはおやじの財産をもらえないじゃないか。勘弁してくれよ・・・。」

 

税理士お兄さん税理士のお兄さん
「ご心配なさらないで下さい。遺留分といって、身内の人は一定の金額をもらう権利があります。あなたも一部をもらうことができますよ。」

 

税理士お姉さん税理士のお姉さん
「ただし、その遺留分を取り返す手続きが必要になり手間がかかります。できれば、生前にご家族でよく話し合って、相続財産を決めておかれることをお勧めします。」

 

1.遺留分とは

自分の財産をどのようにするかはその人の自由ですので、自分の死後に、家族に相続させることもできるし、誰かに寄付することもできます。
極端な場合では、全額を特定の人にあげることもできます。

ただ、本来、財産をもらえるはずの人がもらえないということになると、生活に困ってしまう人も出てきます。故人と一緒に生活していた家族が全く財産をもらえなければ、一文無しで家を出ていかなければいけないかもしれません。

そこで、身内の人の生活を守るために、相続する人が最低限もらうことのできる金額が保証されています。これを「遺留分」といいます

遺留分の割合は法律で決められていて、親だけが相続人の場合は、相続財産の3分の1、それ以外の場合は、相続財産の2分の1となります。兄弟姉妹には遺留分はありません。この割合については次のページで詳しく説明します。

遺留分は黙っていてもらえるわけではなく、財産をもらった人から取り返すための手続きをする必要があります(「遺留分の減殺請求権」といいます)

ただ、手間がかかりますし、人間関係がこじれる原因にもなりますので、できれば、故人が生きているうちに家族でよく話し合って、みんなが納得する形で分け前を決めておくのが良いでしょう。

2.遺留分の割合

相続財産に対する遺留分(身内の人がもらえる最低限の金額)の割合は次のようにになります。

  • 遺留分は相続財産の2分の1: 配偶者と子供、配偶者と親、配偶者のみ、子供のみ
  • 遺留分は相続財産の3分の1: 親のみ

配偶者と子供のように複数の相続人(相続する人)がいる場合、遺留分の分け方は、通常の相続の分け前と同じになります。
【参考】相続の分け前

それでは、相続人の各パターンごとに、遺留分の割合を細かく見ていきましょう。

2-1.パターンA:配偶者がいる場合

パターンA-1:配偶者と子供

遺留分-配偶者と子配偶者と子供が一緒に相続する場合です。

遺留分は全員合わせて2分の1です。
相続の分け前は、配偶者が2分の1、子供が2分の1 (二人いる場合は分けてそれぞれ4分の1)です。

遺留分の割合と相続の分け前を掛け合わせると、相続一家では、おばあちゃん(妻)が1/2×1/2=1/4、お父さん(長男)、おじさん(次男)はそれぞれ、1/2×1/4=1/8ずつとなります。

おじいちゃんの遺産が1200万円だったとすると、おばあちゃん(妻)が、1200×1/4=300万円、お父さん(長男)とおじさん(次男)がそれぞれ、1200×1/8=150万円ずつとなります。

 

パターンA-2:配偶者と親

遺留分-配偶者と親配偶者と親が一緒に相続する場合です。

遺留分は全員合わせて2分の1です。
相続の分け前は、配偶者が3分の2、親が3分の1 (二人いる場合は分けてそれぞれ6分の1)です。

遺留分の割合と相続の分け前を掛け合わせると、相続一家では、おばあちゃん(妻)が1/2×2/3=1/3、おじいちゃんの父親、母親それぞれ、1/2×1/6=1/12ずつとなります。

おじいちゃんの遺産が1200万円だったとすると、おばあちゃん(妻)が、1200×1/3=400万円、父親と母親がそれぞれ、1200×1/12=100万円ずつとなります。

 

パターンA-3:配偶者と兄弟姉妹

遺留分-配偶者と兄弟姉妹配偶者と兄弟姉妹が一緒に相続する場合です。

遺留分は全員合わせて2分の1です。

相続の分け前とは異なり、兄弟姉妹には遺留分はありませんので、相続一家では、おばあちゃん(妻)だけが2分の1全部になります。

おじいちゃんの遺産が1200万円だったとすると、おばあちゃん(妻)が、1200×1/2=600万円、おじいちゃんの弟とおじいちゃんの姉が、なしです。

 

パターンA-4:配偶者のみ

遺留分-配偶者のみ配偶者のみが相続人となる場合です。

遺留分は全員合わせて2分の1ですが、分ける人がいないので、配偶者が2分の1全部になります。

2-2.パターンB:配偶者がいない場合

パターンB-1:子供のみ

遺留分-子供子供のみ相続する場合です。

遺留分は全員合わせて2分の1です。
相続の分け前は、子供が全部もらいます。子供が何人かいる場合は、人数分で割ります。

遺留分の割合と相続の分け前を掛け合わせると、相続一家では、お父さん(長男)、おじさん(次男)はそれぞれ、1/2×1/2=1/4ずつとなります。

おじいちゃんの遺産が1200万円だったとすると、お父さん(長男)とおじさん(次男)がそれぞれ、1200×1/4=300万円ずつとなります。

 

パターンB-2:親のみ

遺留分-親親のみ相続する場合です。

遺留分は全員合わせて3分の1です。
相続の分け前は親が全部もらいます。親が何人かいる場合は、人数分で割ります。

遺留分の割合と相続の分け前を掛け合わせると、相続一家では、おじいちゃんの父親、母親それぞれ、1/3×1/2=1/6ずつとなります。

おじいちゃんの遺産が1200万円だったとすると、おじいちゃんの父親とおじいちゃんの母親がそれぞれ、1200×1/6=200万円ずつとなります。

 

パターンB-3:兄弟姉妹のみ

遺留分-兄弟姉妹兄弟姉妹のみ相続する場合です。

兄弟姉妹には遺留分はありません

遺留分というのは、もともと、故人と共にしていた家族の生活を保証するという意味合いがあります。兄弟姉妹は通常、別の家庭ですので、保証する必要はないという考え方なのでしょう。

 

3.遺留分パターンまとめ

以上、それぞれのパターンの遺留分の割合でしたが、表にまとめます。

パターン配偶者兄弟姉妹
A-1:配偶者と子供1/41/4 -
A-2:配偶者と親1/31/6 -
A-3:配偶者と兄弟姉妹1/2 -なし
A-4:配偶者のみ1/2 - -
B-1:子供のみ1/2 -
B-2:親のみ1/3 -
B-3:兄弟姉妹のみ - -なし

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