守口市の相続税申告の特徴
守口市は大阪府の中央部、大阪市に隣接しており、それらのベッドタウンとして大きく発展している都市です。
近年では、大規模ショッピングモール「大日イオン」が大日駅前に完成し、守口市の新たな拠点として注目されています。
それでは今回は、守口市の相続税申告について、その地の特徴と絡めながら詳しく見ていきましょう。
1-1.守口市の相続税申告状況
令和元年の相続税申告状況のデータによると、守口市を管轄している門真税務署、大阪府、全国における相続税申告状況は次の通りとなっています。
申告割合 | 課税割合 | 相続1件当 納付税額 | |
---|---|---|---|
門真税務署 管轄エリア | 7.63% | 5.98% | 2,246万円 |
大阪府平均 | 10.65% | 8.40% | 1,881万円 |
全国平均 | 10.71% | 8.35% | 1,714万円 |
1-2.相続税課税は少ないエリア
門真税務署の申告割合と課税割合は大阪府と全国を下回っており、課税割合については6%を切っていることから、相続税の課税は少ないエリアになります。
しかし、納付税額が2,246万円と、非常に高額な点に注意しなければなりません。相続税が課税される可能性は低いですが、もし課税されるとなると高額な相続税が発生するケースが多いということです。
1-3.管轄内では守口市が最も相続税課税が多い
門真税務署は守口市、大東市、門真市、四條畷市の4市を管轄しています。
上記の数値はこれらの平均値であり、守口市のみの数値ではない点に注意しなければなりません。
4市の中では守口市が最も大阪市に近く、都心部からの高い所得を得ている人が多いと考えられます。
次項で詳しく解説する地価においても、守口市は圧倒的に高額となっており、4市のうちで相続税が課税される可能性が高いのは、間違いなく守口市でしょう。
門真税務署の課税割合は5.98%となっており、過度な心配をする数値ではありませんが、守口市単体ではもっと高いと考えられるため、生前に何もしないまま相続を迎えることは危険です。
2.守口市の特徴
守口市は大阪市、摂津市、門真市、寝屋川市に囲まれた内陸にあります。
面積12.71㎢の街に、約14万人が暮らしています。
昔は農地が大部分を占めていましたが、戦後の経済発展と共に、大阪市に近い西部から市街地や住宅地が発展していき、高度成長期に一気に全域へと広がりました。
それでは次に、守口市の特徴とそれが相続税課税へどのように影響しているのかを見ていきましょう。
2-1.守口市は新旧が混在した街
守口市はその立地から、古くから住宅地として発展してきた街であり、市内には昭和レトロな街並みが見られます。
ただ、早くから大手家電メーカーの企業城下町として安定した税収を得られていたこともあり、公共施設や都市基盤は十分に整備されているうえ、再開発も積極的に行われてきました。
また、市の周辺には「花博記念公園鶴見緑地」や「淀川の河川敷」など自然豊かな観光スポットがたくさんあり、市民の憩いの場として親しまれています。
古き良き雰囲気と、洗練された新しい雰囲気、豊かな自然を感じられる暮らしやすい街が守口市です。
2-2.大阪市内の主要駅まで30分程度
市内には京阪電鉄京阪本線、大阪メトロ谷町線、大阪モノレールの3路線が走っており、大阪や京都まで30分程度で行けてしまう利便性の高さです。
市内には6つの駅があり、中心駅となるのは京阪電鉄京阪本線の守口市駅です。
再開発された駅前は郊外都市らしい近代的な風景が広がっており、駅に隣接している京阪百貨店、複数のスーパーなど買い物施設が充実しています。
駅周辺にはマンションが多く、ベッドタウンらしい街並みです。
2-3.守口市には一般的な所得層が多い
守口市は住宅地として評判の高い北摂エリアから一線を引き、一般的な所得層が多い庶民的な街となっています。
早苗町、新橋寺町、竹町、大門町、松町は優良な住宅地として、比較的所得の高い人が多く居住するエリアとなっていますが、超富裕層がいるような高級住宅街はありません。
著名人や経営者などで発生しやすい、複雑で高額な相続税申告はあまり起こっていないでしょう。
2-4.守口市の地価
高槻市の平均地価は1㎡あたり16万6,333円で、大阪府全43位中10位の金額となっています。大阪市や北摂エリアに位置している摂津市と隣接していることからも地価は高くなっており、大阪第2の都市である堺市よりも高い地価を誇ります。
門真税務署の同管轄内にある、その他の3市の地価とまとめてみると次の通りです。守口市が頭1つ抜き出ており、相続税が課税される中心地であると考えられます。
市名 | 1㎡当り | 大阪府での ランキング |
---|---|---|
高槻市 | 16万円 | 10位 |
大東市 | 14万円 | 14位 |
門真市 | 13万円 | 17位 |
四條畷市 | 11万円 | 21位 |
森口市内で最も地価が高いエリアは太子橋今市で、1㎡あたり21万円です。
2位は清水20万円、3位は滝井20万円と続いており、人気のあるエリアは大阪市に近い西部であることが分かります。
優良住宅地もこのあたりに集中しており、近年の住宅需要によって地価変動率も前年比+0.5%前後の地点が多くなっています。
新型コロナウイルスをきっかけに、都心に近からず遠からず、交通アクセス至便で、自然豊かな都市の需要は高まっています。守口市はまさにその条件に当てはまる都市であるため、今後の地価の動向には十分注意しましょう。
反対に最も地価が低いエリアは東部にある萱島で、1㎡あたり12万となっており、守口市は西部の地価が高く、東部になるほど地価が下がることが分かります。
大日駅近くにできた「大日イオン」は地価にそれほど影響はしておらず、13万円と萱島に近い金額となっています。
3.守口市の税理士情報
全国には令和4年3月末日時点で80,163人の税理士がおり、そのうち近畿税理士会(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)には15,219人の税理士が所属しています。
近畿税理士会は83の支部に分かれており、高槻市が管轄されている近畿税理士会門真支部130人が所属しています。
近畿税理士会門真支部 内訳 | 人数 |
---|---|
守口市 | 71人 |
大東市 | 21人 |
門真市 | 29人 |
四條畷市 | 9人 |
合計 | 130人 |
門真税務署の令和元年における相続税申告件数357件で、税理士1人あたりの相続税申告数は0.36件になります。
大阪府全体では0.95件(日本税理士会連合会 平成30年5月発行税理士界)であることから、守口市の税理士不足状況が懸念されますが、大阪市と隣接していることから心配はいりません。
それでは最後に、守口市での税理士の探し方について解説します。
3-1.守口市は高額な相続税が発生しやすい
門真税務署は、課税割合は低いながらも、相続1件当たりの納付税額が2,246万円と全国トップクラスに高くなっています。
いざ相続税がかかるとなると高額な可能性が高いエリアになるため、まずは生前に相続税発生の有無を確認することが重要です。
そして高額な相続税が発生することが分かった場合には、相続税に強い税理士に相続税対策を依頼しましょう。
3-2.守口市内はおすすめしない
守口市内にはわずか71人しか税理士がいません。
また税理士の多くは、所得税や法人税を主として仕事をしており、相続税を専門にしている税理士はわずかです。
特に、守口市のように超富裕層が少ない都市では相続税申告の仕事が少ないことからその傾向が強く、相続税に強い税理士は0に近いでしょう。
守口市の立地を考えると、無理に市内で探す理由はなく、大阪市での税理士探しをおすすめします。
3-3.大阪市での税理士探しがおすすめ
守口市は大阪市のベッドタウンとして発展しており、大阪市まで難なく毎日通えるという証拠です。
大阪市には5,000人を超える税理士がおり、さらに「帝塚山」をはじめとした高級住宅街も数多く点在していることから、超富裕層の相続税申告を年間に何十件とこなしている相続税に強い税理士が数多くいます。
守口市内とは比べ物にならないくらい、スムーズに税理士探しを行うことができるでしょう。
【参考サイト】「税理士登録者数 」| 日本税理士会連合会、近畿税理士会HP、近畿税理士会 門真支部HP