相続税の申告と対策を税理士に依頼する場合の流れ

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税理士

相続税申告が必要、あるいは節税対策をしたいといった場合に、相談すべき最も良い専門家は税理士です。

相続に関連して税理士が行う業務は主に次の3つですが、これらはどれも税理士法で定められた税理士のみが行うことができる業務です。

  • 税務相談 → 相続税に関する相談
  • 税務代理 → 相続税申告書の提出、税務調査対応
  • 税務書類の作成 → 相続税申告書の作成

税理士でない人はこれらの業務を行うことはできません。ただし、顧客の個別具体的な案件に立ち入らずに、国税庁のウェブサイトや書籍に掲載されているような、ごく一般的な内容を説明するだけであれば、誰でも可能とされています。

1.節税相談

相続税に関する税理士の関与を時間軸で区切りますと、事前(相続発生前)と事後(相続発生後)の2つに大きく分けられます。
事前はその名のとおり生前対策であり、事後は相続税申告・納税、その後の税務調査対応です。
まず、事前対策について述べます。

(1)事前対策の重要性

多くの方が税理士に相談・依頼するのは、相続が発生して、相続税申告の可能性が出てきてからです。遺産総額が一定金額を超えていたら、相続税申告は義務ですので、当然、税理士にお願いしなければなりませんが、節税の観点で考えると、この段階でできることはほとんどありません
被相続人が亡くなった時点で遺産総額は決まっているわけですから、相続人が勝手に増やしたり減らしたりはできないのです(これを故意に行うと脱税行為の可能性が発生します)。

そこで、被相続人が生きているうちの事前対策が非常に重要になってきます。本人の生存中であれば自分の財産ですから、贈与するなり売却するなり、いかようにもできます。

(2)税理士への相談で正しい節税に

相続税の節税対策といえば、タワーマンション購入だとか、孫への贈与だとか、世間でいろいろなことが言われていますが、相続税に関してよく知らずにそれらの対策をしてしまうと、節税になるどころか逆効果になることがあります。

たとえば、タワーマンション節税について、一時期、大きな節税効果があるともてはやされていましたが、現在では税務署の目がかなり厳しくなっており、単なる節税のためのマンション購入は認められなくなってきています。下手に購入して、市場価格が下落すれば、財産を大きく減らすことになりかねません。

【関連】タワーマンション購入による相続税節税のポイントと注意点

相続税に限ったことではありませんが、日本の税制は非常に複雑であり、一般の人が正しく理解するには難しい面もあります。金融機関や不動産業者などの営業マンの中にはある程度の知識を持っており詳しく解説してくれる場合もありますが、具体的な税金計算は行うことができません。

そこで、税理士に依頼することで、対策前と対策後で実際に相続税がどれだけ変化するかシミュレーションしていただくことができます。きちんと数字で出てくることが何よりも信頼できるポイントです。

2.事前対策の流れ

相続税対策の事前対策は、概ね次のような流れで行います。

(1)現資産の洗い出し

お金 現金相続税対策では、対策を講じる人の資産状況や家族構成などによって何がベストと言える対策が大きく異なってきます。

そのため、まずはいきなり対策から入るのではなく、現状分析から行います。まずやることが「現資産の洗い出し」です。今現在どのような資産(預貯金、不動産、有価証券など)がどこにどれくらいあるのかを、漏れなく確認します。

ここが正確でないと、その後に立案する相続税対策が的外れなものになってしまいますので、ここに関しては税理士も妥協なく行います。現資産の確認は、主に相談者本人が税理士のアドバイスのもと財産の全容を書き出す形で行います。また、確定申告書などがある場合は、それらも参考にします。

建物・土地などの不動産の場合は、現況を見ないと資産価値がわからないことがありますので、必要に応じて現地確認も行います。

(2)法定相続人予定者の確認

次にすることは、自分が死亡した場合に誰が相続人になるのかの確です。

この際注意すべきことは、あくまで今現在での法定相続人予定者ですから、もしかすると数年後は法定相続人予定者が変わっているかもしれません。

例えば、現在は妻と子供が法定相続人予定者だとしても、万が一妻が先に死亡してしまった場合は、子供が一人で相続人となります。そのため、家族の年齢や健康状態を考慮しながら、いくつかのパターンを想定して相続税対策を進めることがとても重要です。

(3)相続税額をシミュレーションする

これらの情報が出揃ったら、次に相続税額を試算します。この計算により、仮に今現在相続が発生した場合にいくらの相続税が発生するのかがわかります。この金額が相続税対策を考える際の基準となります。

(4)生前贈与の計画を立てる

相続税のシミュレーション結果をもとに、現在の資産を生前に移転していく計画を立てます。ここで大切なことは、時間をかけて贈与するということです。

例えば贈与税は年間110万円の基礎控除が毎年利用できるため、これを長年にわたって活用するという方法も効果的です。他にも相続時精算課税制度を活用したりなどして、贈与税の非課税精度を利用する方法もあります。

【関連】相続税対策をするなら必ず知っておきたい7つの贈与税の非課税枠

(5)納税資金対策を考える

相続税対策というと生前贈与などの節税ばかりに目が行きがちですが、忘れてはならないのは「納税資金対策」です。

相続税は相続開始後10ヶ月以内に現金一括払いで納税を済ませなければならないため、最低でもシミュレーションによって算出した相続税額を一括で支払えるような現金を準備する必要があります。

税務相談においては、主に、生命保険の死亡保険金を活用した対策や、賃貸物件の家賃収入を活用した納税資金対策を提案します。
現金一括払いが明らかに無理そうであれば、物納という選択肢も出てきます。

【関連】相続税の延納と物納:現金で払えない時の納税方法

3.相続税申告の流れ

(1)相続税が発生しそうか確認

相続税申告書 第1表被相続人が亡くなって、葬儀が終わった頃に、まずは相続税が発生しそうかどうか確認しましょう。ここでは、正確な税金の金額を出す必要はなく、税理士へ相談したほうが良いかどうかの確認です。

相続税には基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)がありますので、相続人の人数と、遺産のだいたいの金額から、基礎控除額を超えそうかどうか判断します。

【関連】相続税の基礎控除額を大幅引き下げ!財産いくらで相続税がかかる?

仮に遺産が預金1,000万円しかないとかであれば明らかに相続税の範囲外ですので全く問題ありません。ただ、もし遺産の中に時価5,000万円の土地があれば、評価額次第では相続税が発生する可能性もありますので、一度、税理士に相談するのが無難でしょう。

税理士に相談せずに、自分で相続税の申告を行ってもし間違っていた場合(納めた税金が足りなかった場合)、後から追徴課税を受けることになりますので、税理士に相談したほうが無難です。

【関連】相続税の申告は税理士に依頼しましょう

また、土地の評価の方法はかなり難しいのですが、税理士に依頼すれば大幅に相続税を減額できる可能性があります。

【関連】不動産と相続税対策

(2)遺産の洗い出し

相続税申告を税理士に依頼すれば、後は税理士が率先して進めてくれます。

税理士がまずやるのが、遺産の洗い出しです。被相続人が亡くなった時点で、どのような資産(預貯金、不動産、有価証券など)がどこにどれくらいあったのかを確認します。

ここで漏れがあると後で税務署から指摘されることになりますので、把握している財産を漏れなく税理士に伝えましょう。
不動産に関しては、必要に応じて現地確認を行い、形状や実際の面積、土地の利用状況などを確認します。

(3)法定相続人の確認

誰が法定相続人であるか確認します。被相続人および相続人の戸籍を取り寄せて調査します。被相続人に隠し子がいるケースもありますので、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍・除籍謄本を隈なく確認します。

(4)特例適用の検討

相続税には税額を大幅に減らすことのできる各種の特例がありますので、それらを適用るかどうか確認し、可能であれば、最大限、税額を減らせるように適用します。最も良く利用されるものとして、配偶者控除小規模宅地等の特例があります。

(5)相続税申告書の作成と提出

すべての情報が出揃ったら、税理士のほうで相続税額を算出し、相続税申告書を作成します。顧客に最終チェックをしていただき問題なければ、税理士が代理で税務署に提出します。

4.税務調査

(1)申告しても終わりではない

相続税申告は申告して終わりではありません。その後に、だいたい約4分の1の割合で税務調査を受け、そのうち約8割で申告漏れを指摘されて追徴課税を受けます。

税務調査では、税務署が自宅まで乗り込んできて洗いざらい調査されます。税務調査に慣れていない家族が立ち会うと、調査官の勢いにのせられて、本来、全く問題ないことまで問題にされ課税されてしまう可能性もあります。

そこで、税理士に依頼すれば税務調査に立ち会って対応してくれます。ちなみに、税務調査の際に代理として立ち会うことができるのは税理士だけです。

【関連】相続税の税務調査と税理士の役割・依頼するメリット

(2)相続税に強い税理士への依頼が重要

この際に相続税に強い税理士が立ち会うか立ち会わないかで、結果が全く変わってきます。

なぜなら、実は相続税に関連する税法上の認識は、税理士によっても見解が別れることがあるほど、完全に白黒はっきりしているわけではない部分があります。

つまり、立ち会った税理士がどのように税務署に対して説明するのかによって、税務署側の対応が変化してくるということなのです。相続税の税務調査では相続税に強い税理士に立ち会いをお願いするのがベストといえます。

ケースにもよりますが、相続税の税務調査は、よほど悪質な場合でなければ、ある日突然マルサのようにガサ入れされるのではなく、税務調査をする日を前もって予告してくれますから、そこから税理士に税務調査の立会いを依頼しても十分間に合います。

税務調査の立会いは、相続税申告を代理した税理士に依頼するのがベストですが、もしも自分で申告している場合でも、税務調査だけ立ち会ってくれる税理士もいますので、万が一の時には、諦めずに税理士に相談してみましょう。

税理士は納税者と税務署の間に入り、原則的には中立の立場で納税に関する折り合いがつくように話を進めます。

もちろん現実には納税者にとってなるべく有利な納税となるように考えるわけですが、税務署の言う通りに税金を支払う場合と、税理士が十分に考えて法に基づいて出した納税額とではかなり違いが出ますので、やはり税理士の助けは非常に重要であると言えます。

【関連】相続税の税務調査の1日、税務調査官はここを見ている!

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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