相続税の税務調査って何をする?税務調査は税理士立会で有利に対応!

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「税務調査」という言葉に良いイメージを浮かべる人はほとんどいないでしょう。特に相続税は税額が大きい分、指摘があった場合の追徴課税も大きくなりがちで倦厭されます。

ただこれを読んできちんと税務調査について理解すると、それほど過大な不安を持つようなことではないと分かるはずです。

今回は相続税の税務調査の基礎知識について徹底解説します。

1.相続税の税務調査とは?いつ誰に入る?

まず税務調査というものについて簡単に知りましょう。

1-1.税務調査って何?

税務調査とは、行われた申告が正確なものであるかを確認するための調査です。
具体的には、提出した申告書と、納税者側が保管している相続関係資料を照らし合わせて確認が行われます。

もし財産の申告漏れや、計算に誤りがあったなどで納付済の相続税が不足していた場合には、修正申告を行い追加分を納めます。

1-2.相続税は税務調査が入りやすい

税務調査に入る割合は税目によって異なり、相続税の税務調査率は約20%となっています。相続税申告をした人のうち5人に1人が後に税務調査を受けているのです。
法人税や所得税の税務調査率が約3%である点を考えると、群を抜いて高いことが分かります。

相続税だけなぜこんなにも税務調査が入るのでしょうか。 それは申告漏れが多い、追徴課税が高額になる可能性が高い(税務署が実績を上げやすいとも言えます。)などが理由としてあげられます。
実際に税務調査に入った相続税の約80%は、申告漏れなどを指摘されています。

【参考サイト】平成29事務年度における相続税の調査の状況について|国税庁 

1-3.税務調査が入りやすい時期

税務調査は年中行われていますが、入りやすい時期というのは実際にあります。
相続税に関しては、被相続人の死亡から2~3年後で、8~11月が最も可能性の高い時期です。

これは税務署の大きな人事異動が7月に行われるため、移動の慌ただしさが落ち着いた8月から、大きな追徴課税を取りやすい相続税をまず狙うためと考えられます。

相続税の時効は7年または5年です。
相続税を納める必要があることを知っていて納付を行わなかった場合には7年、知らなかった場合には5年です。

基本的には申告期限から2年後の秋を超えたら一安心ですが、時効まではまだまだあります。それまでは税務調査の可能性はなくなっていないということを忘れないでください。

1-4.税務調査の対象になりやすい人

税務調査が入る確率は、相続税申告を行った人すべてが平等ではありません。
次のような人は目を付けられやすく、高確率で税務調査が入ります。

  • 申告書の簡単な計算に既に間違いがあるような人
  • 税理士を通していない申告の人
  • お金持ちの人
  • 相続財産に金融資産が多い人
  • 無申告の人

簡単な計算を間違っているようなレベルの低い申告書を提出している場合には、他にもまだ間違いがあると思われるでしょう。 税理士に依頼せず自分で申告書を作成した場合にも同じく、何か間違いがあるはずだと税務調査が入りやすくなります。

お金持ちが対象になりやすいのは、納税額が大きく、財産の申告漏れがあった場合の追徴課税も大きくなるためです。

金融資産が狙われるのは、現金や株式などの金融資産は金額がはっきりしているからです。不動産は人の解釈によって評価の仕方が変わる可能性もあるので、金融資産の方が指摘しやすいのです。

最後に無申告の人ですが、これは当然ですね。税務署として課税の公平は絶対に守らなければならないことです。相続税の脱税が許されるわけがありません。

2.相続税の税務調査の流れ

それでは税務調査はどのような流れで進行していくのか見ていきましょう。

2-1.事前連絡がくる

税務調査はまず事前連絡があります。
税理士に依頼して行った申告の場合にはその税理士に、納税者が自分で行った申告の場合には自宅や携帯電話などに電話連絡がきます。

そして納税者、税理士、税務調査官の全員の予定が合うように税務調査の日程を組みます。通常は2日間かけて行われます。
もし自分の都合が悪い日であるならば遠慮なく言いましょう。相手が税務署だからといって縮こまる必要は全くありません。

税務調査といえば、いきなりインターフォンが鳴って玄関に出ると、そこにはスーツ姿の税務職員がうじゃうじゃ…というマルサの光景を思い浮かべる人もいるかと思いますが、このような捜査令状をもった強制調査は一種の犯罪捜査です。数億円の悪質な脱税の疑いなど余程の場合でないと行われません。 通常行われる税務調査は任意調査といって、きちんと事前連絡があるので安心してください。

2-2.税務調査への準備

実際に税務調査にやってくる日までには時間があり、繁忙期であれば2~3週間先になることもあります。 これまでにやっておくべきことを解説します。

申告書の見直し

まず提出した申告書の確認です。もしもここで申告ミスを発見した場合、または意図的に相続税を少なく申告していた場合には税務調査が入るまでに自主的に修正申告を行いましょう。

相続税が少なかった場合には過少申告加算税が課されますが、税務署に指摘される前に自主的に修正申告を行った場合には追加納付額の5%(指摘後であれば10%)の過少申告加算税がかかります。
なお、税務調査の事前連絡がある前に自主的に修正申告を行っていれば、過少申告加算税はかかりません。

資料の準備

前もって調査官から資料の準備を求められた場合には、漏れなく揃えておきましょう。 また税務調査時に次の書類を手元に置いておくと、調査がスムーズに進むでしょう。

  • 調査対象となっている申告書に使った資料の原本
  • 被相続人と全相続人の預金通帳
  • 土地の権利証・不動産売買契約書などの購入時の資料

2-3.調査当日

いよいよ税務調査当日です。初めての経験で緊張するかと思いますが、税務調査官は見た目も対応も決して怖くありません。普通の人です。リラックスして自然体で質問に応じましょう。

調査にやって来る調査官は大体2人です。基本的に2日間、午前10時に始まり、午後3時から5時の間に終了します。
調査場所は被相続人が生前住んでいた居宅となりますが、既に売却などで手放している場合には、相続人の自宅など別の場所になります。

お昼を挟みますが、調査官は外で昼食を取るので準備する必要はありません。
賄賂などの問題で、一昔前は調査官にお茶を出しても手を付けませんでした。今ではお茶くらいは飲むようですが、お茶請けのお菓子にまでは手を付けないようです。

2-4.調査官は何を調べている?

税務署は事前に金融機関などを内々に調査し、ある程度の情報を握ったうえで調査に来ています。

現場の調査ではその事前調査で得た情報の裏づけを確認するほか、家の中をくまなく見ることで事前調査では知りえなかった新たな情報を見つけ出し、相続財産の計上漏れに関する手がかりを探ります。

2-5.調査官がやること

まず初日の午前中は聞き取りから始まり、資料の確認に入ります。 聞き取りの間は税理士も同席します。
資料の確認に入ったら納税者と税理士は立ち会う必要はないので、別室に移動して大丈夫です。税理士は一旦ここで帰る人が多いです。

調査官だけで静かに黙々と調べている光景はなかなか独特なものがありますが、警察の捜査を受けているわけではないので、冷静に構えましょう。

2-6.納税者がやること

調査官の聞き取りへの対応と、見せるように言われた資料をその都度出すことが主にやることです。
調査官からは次のようなことを聞かれます。嘘をついても必ずバレるので、正直に話しましょう。

被相続人の経歴や性格、趣味など

経歴から被相続人の収入状況を探ります。そして人柄を知ることで所有していた財産の種類などを推測します。

被相続人のお金の使い方

生活に毎月どのくらいお金を使っていたかを知ることで、最終的にどのくらいの預金があったかを預金通帳などと裏付けます。

被相続人の家族や親族の年齢、職業、財産状況

年齢や職業に見合わない財産を所有している場合には、被相続人から受け取っている可能性があります。

被相続人の死亡前の預金管理状況

相続税の計算に含める預金は死亡日当日の残高となります。死亡日前に動きがある場合には、1ずつ確認されます。 他の家族名義の口座に移ってないか、引き出したまま現金で置いていないかをチェックするためです。

家の中にあるカレンダーや名刺、被相続人の手帳など

粗品として貰っているカレンダーなどに金融機関の名前があれば、その金融機関と取引があった可能性があります。

手帳には被相続人しか知らないことが書かれていたり、被相続人の筆跡を知ることができます。

蔵や貸金庫などの有無

ある場合には、確実に見せるように言われます。申告書に載っていない財産が隠れている可能性があります。

被相続人が生前に使用していた印鑑

被相続人が使用していた印鑑はすべて確認されます。これは必ず行われます。 印鑑や筆跡が重要なのは名義財産を調べるためです。

名義財産とは、名義人は被相続人以外の財産ですが、その取得に被相続人の印鑑や筆跡が使われているのであれば、それは被相続人の財産であると判断されてしまいます。
相続税の税務調査において、この名義財産は最大のポイントとなります。

3.相続税申告に指摘事項があったら

申告内容に問題はないまま税務調査が終了することがベストではありますが、先で解説したように、相続税では約80%に何らかの不備があります。

調査官から指摘事項があった場合には、どうなるのか解説します。

3-1.まずは税務署と税理士で交渉

指摘事項はまず税理士へ連絡がいきます。そして税理士は指摘事項を分析して、税務署の指摘を飲むのか、反論する術があるのかを検討し、結論が出るまで税務署とやり取りを繰り返します。

3-2.修正申告をする

指摘事項について税務署と税理士が調整を行った後、相続税が少なかったとなった場合には修正申告を行います。

3-3.追徴課税になる

本来納めなければならなかった相続税より少ない金額を申告していたわけなので、差額分を納める必要があります。

また、この差額分の相続税には、納付が遅れたことに対する延滞税、少なく申告していたことに対する罰金として過少申告加算税も追加されます。
これらの総称を追徴課税といいます。

3-4.悪質な場合

資料の改ざんや財産を隠していたりなど、悪質な脱税行為が認められた場合には、10%の過少申告加算税に代えて35%の重加算税がかかります。 不正を働いた結果なので当然ともいえますが、重い罰金となります。

加算税について詳しくはこちらをご覧ください。

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4.相続税の税務調査は税理士立ち合いが有利

ここまで税理士が付いていること前提で解説してきましたが、税務調査に税理士がいないとどうなるのか、税理士がいることの意味を解説します。

4-1.税理士に立ち合いを依頼しよう

税務調査に税理士はセットだと思ってください。特に相続税の税務調査を専門知識のない納税者だけで対応するのは、次項以降で解説しますが納税者に非常に不利となってしまいます。

相続税申告は税務調査まで見越して税理士に依頼しましょう。 「相続税の申告は自分で行ってしまったので税理士が付いていない。」という場合でも大丈夫です。税務調査だけ対応してくれる税理士もいるので安心してください。

4-2.税務調査を防ぐ

相続税申告に関しては、税理士を通していない申告については高確率で税務調査が入ります。専門知識のない人が申告書を作成しているわけなので当然ともいえます。

相続税に強い税理士が申告書を作成した場合には、申告漏れや計算ミスをする可能性が低くなるので、税務調査が入ったとしても追徴課税0または少額で終わることができる可能性が高くなります。

4-3.税務調査官のペースになるのを防ぐ

税理士が同席せず納税者だけで税務調査を受けた場合には、「相続税の専門知識のない人 vs. 税務調査のプロ」となり、完全に調査官のペースで調査が進んでいくことが簡単に予想できます。何も分からない納税者は、調査官の言われるがままになってしまうでしょう。

そこに税理士が同席していれば、調査官が専門用語を並び立ててきてもフォローすることができ、強引な調査になりそうであれば止めることもできます。

4-4.指摘事項に対して交渉ができる

税務調査の結果、指摘事項がある場合には修正申告をするように促されます。それに従って、修正申告をしてしまうと税務署の言い分を認めたことになり、後から修正することはほぼ不可能となってしまいます。
税理士のいない税務調査であれば、まず納税者は指摘事項に対して反論することはできないでしょう。

税理士がいれば、納得いくまで税務署に交渉してくれます。仮に修正申告は必要だとしても、追徴課税を最小限に抑える努力をしてくれます。ここは税理士の腕の最大の見せ所です。

4-5.何より精神的に楽

税務調査の場に税理士が同席している状況は、納税者にとっては救世主がいるように見えることでしょう。
大袈裟かもしれませんが、相続税の税務調査など人生に1度経験するかどうかのことであり、税務調査官を見たことがないという人がほとんどのはずです。

その税務調査官がやってきて、家に上がり、色々調べるのです。不安で不安でたまらないのが普通です。
そこに後ろ盾として税理士が存在しているだけで、何かあっても税理士が対応してくれると納税者の精神状態はかなり楽になります。

まとめ

税務調査は正確な申告を行っているかどうかを確認するために行われます。
税務調査官は提出された相続税申告について、徹底的に調べて調査に来ています。決して嘘をついたり、資料を隠したりしてはいけません。

公明正大な申告を行っているのであれば、自身をもって情報を開示しましょう。
また税務調査には出来る限り、税理士に同席してもらいましょう。

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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