相続は誰に相談すればいい?税理士・弁護士・司法書士・行政書士など

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税理士

相続は一生に何度もあるものではありませんので、いざ相続が発生すると誰に相談したらいいかと迷うのではないでしょうか。

遺産相続に関連する主な国家資格者として、税理士、弁護士、司法書士、行政書士の4つがありますが、それぞれの違いと誰に相談にしたら良いかについて整理してみます。

早速ですが、上記4資格者の可能な業務について比較してみました。それぞれの詳細は下のほうで解説します。

税理士弁護士司法書士行政書士
相続税対策(生前)×××
遺言書作成(生前)×
相続人調査
相続財産調査
金融機関での手続き
相続放棄×
(制限あり)
×
準確定申告×××
遺産分割協議書作成×
遺産分割調停×
(簡裁140万円以下)
×
相続登記××
相続税申告×××

○:可能、△:部分的に可能、×:不可能

税理士は相続税のスペシャリスト

税理士に相続を相談する一番のメリットは「相続税対策」と「相続税申告」です。相続税に関して具体的な節税相談にのったり申告を代理で行えるのは税理士だけです。

遺産相続における税理士の特徴

相続税の申告は、税理士の専門分野です。相続税の申告をする際に税額を計算したり申告書を代わりに書いて提出したり、必要であれば税務署と折衝したりします。税金の相談と申告は税理士だけが許可された業務ですので、相続税が発生して申告する際には税理士に依頼することになります。

相続が発生して相続税申告の必要性がある場合は、相続開始後10ヶ月以内に申告と納税をしなければなりませんので、できる限り早めに依頼するようにしましょう。

また、税理士は行政書士会に登録して入会すれば行政書士として行政書士業務もできるため、相続を得意としている税理士の中には税理士と行政書士の二刀流の人もときどきいます。

昨今の相続税改正にあわせてこれから相続税の節税対策を検討したい場合は、税理士に相談することで現段階の相続税のシミュレーションをしてくれたり、遺産分割対策、生前贈与対策、納税資金対策(これらをあわせて相続税対策の3本柱といいます)について有益なアドバイスを受けることができます。保有資産が多いご家庭や資産の中で不動産の占める割合が多いご家庭は、できれば遺産相続開始前の早い段階から税理士に相談して適切な対策を講じるとよいでしょう。

税理士が対応できる主な業務について

  • 相続税対策(遺産分割対策、生前贈与対策、納税資金対策)
  • 準確定申告
  • 相続税申告

【参考】相続税・贈与税の税理士報酬の相場

弁護士はトラブル解決のスペシャリスト

弁護士は法律の専門家ですから、遺産相続についても高い専門知識を持ち合わせています。相続に際して争いがある場合、代理人として調停・裁判に参加できるのは弁護士だけです。

遺産相続における弁護士の特徴

弁護士が遺産相続において可能な業務範囲は広く、相続税の節税・申告等以外はたいてい可能であり、まさに「オールマイティー」な役割を果たすことができます。ただし、相続登記については非常に専門性が高いため、弁護士では行わず連携する司法書士に依頼することが一般的です。

遺産相続において、親族間で争いごとがおきてしまったり、遺産分割協議がまとまらないような場合は、弁護士に相談すると良いでしょう。弁護士は、遺産分割において、裁判所での調停や裁判といった手続きが必要な場合、代理人になることができます。

弁護士の一番の特徴は、依頼人の「代理人」となって遺産分割協議に介入していくことができるところです。

ここが他の専門家と決定的に違うところです。他の専門家の場合は、遺産相続や遺産分割協議の相談にのったり、アドバイスすることは可能ですが、依頼人の代わりに他の相続人と直接交渉することができません。これに対し弁護士に依頼すると、依頼人に代わって弁護士がすべて窓口となって対応してくれるため、面倒な親族間の話し合いに参加する必要もなくなります。交渉自体を任せることができるため、遺産相続の煩わしさからは一切開放される形となります。
また、遺産分割協議がまとまらず、遺産分割調停や遺産分割訴訟などになった際にも、そのまま代理人として対応ができるため、紛争性の高い遺産相続の場合は必ず弁護士に依頼することをおすすめします。

また、遺言書の作成や成年後見人の依頼もできます。遺産分割の際の訴訟などのトラブルの際にも、弁護士が必要になります。

弁護士が対応できる主な業務について

  • 遺言書の作成、保管、執行
  • 相続放棄
  • 遺留分減殺請求
  • 遺産分割協議の代理交渉

司法書士は相続登記の専門家

相続において司法書士が力を発揮するのは、不動産を相続した場合に必要となる「相続登記」です。

遺産相続における司法書士の特徴

不動産の名義変更(相続に関する登記)を行うのは、司法書士の専門分野です。

相続登記とは、相続した不動産の名義変更手続きのことです。相続によって財産を取得した場合は、不動産以外の動産(車など)についても名義変更手続きが必要ですが、不動産の場合は登記名義の変更が必要なため手続きが若干ややこしくなります。この相続登記を依頼人に代わって申請できるのは、司法書士と弁護士だけです。

ただ、登記についてはその道の高度な専門知識と実務経験が必要であり、弁護士はあまり登記を専門に扱うということは少ないため、基本的には司法書士に依頼することが一般的です。

マンションや土地などご自分で不動産を売買したことのある方はご存じと思いますが、不動産の売買時には名義変更の登記が必要で、その代行をするのが司法書士になります。日本では遺産として不動産を所持しているケースが多いですので、相続人が不動産を相続して名義変更の登記をする場合には、司法書士に依頼することになります。

その他、司法書士は弁護士と同様に、遺言書の作成や、相続放棄の手続き、遺産分割協議書の作成、遺産分割調停などを行うことができます。ただし、弁護士と異なり一部、制限があります。

相続放棄の手続きについて、相続放棄に関する書類を作成・送付することはできますが、代理人の代わりに通知を受けたり回答することはできず、依頼者が自分で行う必要があります。

遺産分割調停について、争いの目的となっている遺産金額が140万円以下であれば簡易裁判所にて依頼者の代理人となれますが、140万円を超える金額や地方裁判所以上では代理人となることはできません。

司法書士が対応できる主な業務について

  • 遺言書の作成、保管、執行
  • 相続登記
  • 相続放棄(書類作成のみ)
  • 遺産分割協議の代理交渉(140万円以下、簡易裁判所)

行政書士は事務手続きと書類作成のスペシャリスト

行政書士は、遺産相続に関連するあらゆる事務手続きと関連する書類の作成や収集に力を発揮します。

遺産相続における行政書士の特徴

行政書士とは「書類作成のエキスパート」であり、遺産相続においては、遺産分割協議書や遺言書を作成することができます。

弁護士や司法書士との違いですが、行政書士はあくまですべての相続人にとって「中立」な立場でなければならないため、一方的に誰かを弁護することはできません。ただし、遺産分割協議に出席して、法的な観点から助言をするなどの中立な立場からのサポートは可能なため、遺産分割協議に立ち会い、相続人にアドバイスをすることが可能です。紛争性がなく円満相続であれば弁護士よりも報酬が安い行政書士の方がお得という考え方もできます。

行政書士が対応できる主な業務について

  • 遺言書の作成、保管、執行
  • 遺産分割協議書の作成
  • 遺留分減殺請求書の作成
  • 遺産分割協議のアドバイス

不動産鑑定士

不動産の適切な価格の評価を行い、土地や家屋などの遺産の適切な評価額を算出します。相続税申告をするにあたって、不動産を所有している場合は不動産鑑定士に依頼をして不動産の評価をしてもらうことがあります。ただ、必ず不動産鑑定士の鑑定が必要というわけではありませんので、よほど特殊な土地や建物などでなければ、税理士がその評価額を計算してくれます。また、不動産鑑定をする場合には、依頼者から直接依頼するケースは少なく、税理士から依頼することがほとんどです。

土地家屋調査士

遺産分割にあたって一つの土地を二つに分けるような場合は「分筆登記」が必要となり、この登記手続きを行うのが土地家屋調査士です。また土地の境界線に疑義が発生しているような場合は、境界確定測量を行います。 こちらも、依頼者から直接依頼するケースは少なく、税理士・弁護士・司法書士・行政書士等から依頼することがほとんどです。

どの専門家でも、たいていオールインワンの依頼が可能

以上、いくつかの専門家を解説しましたが、それぞれ別々に依頼しなければならないわけではありません。たいていの場合、それぞれの専門家が連携していますので、どこか一つの専門家に依頼すれば、その他の内容もオールインワンで対応してもらえます。

たとえば、相続税申告で税理士に依頼したけれど相続登記があって司法書士にも依頼が必要というケースでは、別途、司法書士を探さなくても、税理士から連携する司法書士を紹介してもらえますし、相続の詳細内容もあらかじめ税理士から話をしておいてもらえます。

つまり、窓口がどこになるかの違いだけで、最終的に受けられるサービス内容に大きな違いはありません。

それでは、最初に誰に相談したら良いのかについて簡単に紹介します。

相続は最初に誰に相談したら良いか?

ケース①相続争いがなく相続税申告あり → 税理士

相続争いがなく相続税申告があれば、まずは税理士にご相談ください。税理士が財産の評価を行い相続税の申告書を作成し申告します。相続登記が必要であれば司法書士に依頼します。万が一、相続に関して争い事が発生すれば、弁護士を紹介していただけます。

当サイトでは、相続に強い税理士を紹介しておりますので、ご参考ください。

ケース②相続争いがある → 弁護士

相続争いがある場合には、まずは弁護士にご相談ください。相続人全員が納得して遺産分割協議をできなければ、相続税を抑えることもできないからです。できる限り早く争いを解決することが先決です。遺産金額が140万円以下であれば司法書士でも可能ですが、裁判にまで発展した場合を考えると、最後まですべて対応可能な弁護士が良いでしょう。

当サイトの姉妹サイトとして、相続に強い弁護士を紹介しておりますので、ご参考ください。

ケース③相続争いも相続税申告もなく、相続財産に不動産あり → 司法書士

相続争いもなく相続税申告もない場合で、相続した不動産の相続登記を行いたい場合は、司法書士に依頼すると良いでしょう。遺産分割協議書の作成も司法書士が可能です。

ケース④相続争いも相続税申告もなく、相続財産に不動産なし → 行政書士

相続争いもなく相続税申告もない場合で、さらに相続財産に不動産がなければ、費用の安い行政書士に依頼すると良いでしょう。遺産分割協議書の作成も行政書士が可能です。

【参考】税理士、弁護士、司法書士、行政書士の費用、報酬、料金相場

下図は、税理士、弁護士、司法書士、行政書士のそれぞれの報酬の一般的な相場です。相続内容によって異なりますので、あくまでもご参考ください。

相続費用図※参照:日本経済新聞12/21『遺言作成から税申告まで 相続助ける専門家の相場』

国家資格者以外の相談相手

相続争いなら弁護士、相続税申告なら税理士、相続登記なら司法書士ですが、特に争いも申告も登記も予定しておらず、とりあえず相続について不安だから相談したいという場合には、上記の国家資格者以外にも、相続に関連する民間資格者や、FP・不動産会社・銀行・保険会社に相談するという手もあります。

相続全般について相談したいのであれば、FP(ファイナンシャル・プランナー)や相続アドバイザー、相続診断士など、不動産/銀行口座/保険など特定の分野について相談したいのであればそれぞれの民間企業に相談すると良いでしょう。詳しくは下記を参考ください。

【参考】相続関連の専門家(民間資格者、民間企業など)

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