相続は誰に相談する?税理士・弁護士・司法書士・行政書士【士業比較】

★ お気に入りに追加
税理士

 相続は一生に何度もあるものではありませんので、いざ相続が発生すると誰に相談したらいいかと迷うのではないでしょうか。

遺産相続に関連する主な国家資格者として、税理士、弁護士、司法書士、行政書士の4つがありますが、それぞれの違いと誰に相談にしたら良いかについて整理してみます。
また、その他の専門家や機関についても簡単に紹介します。

1.相続税の相談は税理士

税務相談、税務書類の作成、税務代理は税理士のみが担当することができます。
よって、相続税対策や相続税申告など、税金に関することは、税理士に相談します。

税理士が対応できること

相続税の申告をする際に税額を計算したり、申告書を代わりに書いて提出したり、必要であれば税務署と折衝したりします。税金の相談と申告代理は税理士だけが許可された業務ですので、相続税を申告とき、被相続人の準確定申告をするときには、税理士に依頼することになります。

また、生前に相続税対策をする場合にも、具体的な税金の計算を行って予測を立て対策を行うためには、税理士に相談します。

特に、生前対策においては、贈与をすると贈与税が発生、不動産等を売却すると譲渡所得税が発生し、それらの税金とも合わせてトータルで対策を考える必要がありますので、自分である程度できそうな場合でも、一度は税理士に相談してアドバイスを求めると良いでしょう。

事業承継では、自社株の評価が重要ポイントで、こちらも税理士の対応事項になります。

税金以外の業務

遺言書作成について、税理士は対応可能ですが、遺言書作成のみで積極的に案件を受けることはあまりなく、どちらかというと、相続税対策とセットになります。最近では、「信託」に力を入れている税理士事務所もあります。

遺産分割協議書作成について、相続税申告を行うためであれば、税理士も対応可能です。
ただし、遺産分割協議の代理をしたり、遺産分割協議書作成だけを請け負うことはできません。

こんなときは税理士に相談を

  • 生前に相続税対策をしたい
  • 事業承継を相談したい
  • 贈与税の申告が必要
  • 相続税の申告が必要
  • 被相続人の準確定申告が必要
  • 税務調査が発生

相続税申告の期限は相続開始後10ヶ月以内ですので、できる限り早めに依頼するようにしましょう。

相続税に強い税理士を探す

2.相続のトラブルは弁護士

相続に際して争いがある場合、代理人として調停・裁判に参加できるのは弁護士だけです。

弁護士が対応できること

遺産相続において、親族間で争いごとがおきてしまったり、遺産分割協議がまとまらないような場合は、弁護士に相談すると良いでしょう。

弁護士の一番の特徴は、依頼人の「代理人」となって遺産分割協議を進めたり、場合によっては、裁判所での調停や裁判の手続きを行うことができることです。ここが他の専門家と決定的に違うところです。

他の専門家の場合は、相続や遺産分割協議の相談にのったり、アドバイスすることは可能ですが、依頼人の代わりに他の相続人と直接交渉することができません。

これに対し、弁護士に依頼すると、依頼人に代わって弁護士がすべて窓口となって対応してくれるため、面倒な親族間の話し合いに参加する必要もなくなります。交渉自体を任せることができるため、相続協議の煩わしさからは一切開放される形となります。
また、遺産分割協議がまとまらず、遺産分割調停に発展した場合でも、そのまま代理人として対応ができます。

遺産分割協議以外にも、相続放棄、遺留分減殺請求などの法的行為を代行できます。

また、遺言書の作成や、成年後見人の依頼もできます。

相続登記についても弁護士は対応可能ですが、非常に専門性が高いため、連携する司法書士に依頼することが一般的です。

報酬が高い

弁護士は、税金に関すること以外、何でもできるオールマイティ的な存在ですが、依頼者側からすると、他の専門家より報酬が高いことが、一つ問題になります。

家族間でもめてしまったとしても、相続財産の金額が少なければ、弁護士報酬を支払ってまで財産を獲得する意味がなくなりますので、そのような場合には、後述する司法書士や行政書士に依頼したほうが良い場合もあります。

こんなときは弁護士に相談を

  • 遺言書を作成したい(トラブルになりそうな財産を抱えている)
  • 遺産分割でもめている(相続財産が数千万円以上ある)
  • 他の相続人とは顔も合わせたくない
  • 遺言書が本物かどうか疑いがある
  • 相続放棄をしたい(お任せしたい)
  • 遺留分減殺請求をしたい

遺産相続に強い弁護士を探す(姉妹サイト)

3.相続登記や相続手続きは司法書士

不動産を相続した場合に必要となる「相続登記」は、司法書士が担当します。

司法書士が対応できること

相続財産に不動産が含まれている場合は、不動産の名義変更(相続登記)が必要になります。

この相続登記を依頼人に代わって申請できるのは、司法書士と弁護士だけです。
ただ、登記についてはその道の高度な専門知識と実務経験が必要であり、弁護士は担当することはあまりなく、基本的には、相続登記は司法書士の独壇場といえます。

すべての事務所ではありませんが、各種の相続手続き(金融機関での手続きなど)を代理で行ってくれる事務所もあります。

その他、司法書士は弁護士と同様に、遺言書の作成や、成年後見人の依頼、相続放棄の手続き、遺産分割協議書の作成、遺産分割調停などを行うことができます。弁護士よりも報酬が低く、依頼しやすいです。

ただし、弁護士と異なり一部、制限があります。

制限がある業務

相続放棄の手続きについて、相続放棄に関する書類を作成・送付することはできますが、代理人の代わりに通知を受けたり回答することはできず、依頼者が自分で行う必要があります。依頼者は自ら家庭裁判所に赴く必要があります。

遺産分割調停について、司法書士は、争いの目的となっている遺産金額が140万円以下であれば簡易裁判所にて依頼者の代理人となれますが、140万円を超える金額や地方裁判所以上では代理人となることはできません。

こんなときは司法書士に相談を

  • 遺言書を作成したい(トラブルになりそうな財産はない)
  • 相続登記が必要
  • 相続放棄をしたい(書類だけ作成してほしい)
  • 遺産分割協議を任せたい(140万円以下、簡易裁判所)
  • 各種の相続手続きを任せたい

4.遺産分割協議書作成だけなら行政書士

行政書士は、相続に関連するあらゆる事務手続きと関連する書類の作成や収集を行います。

行政書士が対応できること

行政書士は「書類作成のエキスパート」であり、遺産相続においては、遺産分割協議書や遺言書を作成することができます。

相続でもめていない、相続税申告も発生しない、相続登記もないという場合には、遺産分割協議書作成を行政書士に依頼すると良いでしょう。

相続が発生すると被相続人の口座が凍結されてしまい、解除するには、遺産分割協議書が必要になりますが、行政書士であれば、比較的安価な報酬で対応していただけます。

弁護士や司法書士との違いですが、行政書士はあくまですべての相続人にとって「中立」な立場でなければならないため、一方的に誰かを弁護することはできません。ただし、遺産分割協議に出席して、法的な観点から助言をするなど中立な立場からのサポートは可能なため、形式的に間違った遺産分割協議書を作成してしまうのを防ぐことができます。

こんなときは行政書士に相談を

  • 遺言書を作成したい(トラブルになりそうな財産はない)
  • 遺産分割協議書を作成したい(もめていない、相続財産が少ない)
  • 遺産分割協議書を作成するうえで中立的なアドバイスが欲しい
  • 遺留分減殺請求書を作成したい(書類だけ作成してほしい)

5.士業の比較まとめ

まとめ表

上記4資格者の可能な業務について比較してみました。

 税理士弁護士司法書士行政書士
相続税対策
(生前)
×××
遺言書作成
(生前)
相続人調査
相続財産調査
金融機関での
手続き
相続放棄×
(制限あり)
×
準確定申告×××
遺産分割
協議書作成

(申告を伴う
場合のみ)
遺産分割調停×
(簡裁140万円以下)
×
相続登記××
相続税申告×××

○:可能、△:部分的に可能、×:不可能

ワンストップ対応

それぞれの専門家ごとに対応できる範囲が異なりますが、たいていの場合、それぞれの専門家が連携していますので、どこか一つの専門家に依頼すれば、その他の内容もワンストップで対応していただけます。

たとえば、相続税申告で税理士に依頼したけれど相続登記があって司法書士にも依頼が必要というケースでは、別途、司法書士を探さなくても、税理士から連携する司法書士を紹介してもらえますし、相続財産に関する詳細内容もあらかじめ税理士から話をしておいてもらえます。

つまり、窓口がどこになるかの違いだけで、最終的に受けられるサービス内容に大きな違いはありません。

それでは、最初に誰に相談したら良いのかについて簡単に紹介します。

6.国家資格者以外の相談相手

相続争いなら弁護士、相続税申告なら税理士、相続登記なら司法書士ですが、特に争いも申告も登記も予定しておらず、とりあえず相続について不安だから相談したいという場合には、上記の国家資格者以外にも、相続に関連する民間資格者や、FP・不動産会社・銀行・保険会社に相談するという手もあります。

相続全般について相談したいのであれば、FP(ファイナンシャル・プランナー)や相続アドバイザー、相続診断士など、不動産/銀行口座/保険など特定の分野について相談したいのであればそれぞれの民間企業に相談すると良いでしょう。詳しくは下記を参考ください。

関連記事
相続税税理士相談Cafe
相続関連の専門家(民間資格者、民間企業)
相続おじいちゃん「そもそも、相続には様々な手続きが必要じゃ。そのため、いろいろな専門家がおるんじゃ。」 相続お姉さん…

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

この記事が役に立ったらシェアしてください!

GoogleAdsense関連コンテンツ