相続税対策を税理士に依頼する流れと依頼すべき理由

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正しい相続対策をすれば、支払う相続税の額が大きく変わってきます。また、相続税対策と一口にいっても色々な方法があります。だからこそ、相続税対策を行ううえで、税理士への相談は必須となります。

今回は税理士との相続税対策はどのような流れで行われるのか、具体的に解説していきます。

1.相続税対策の重要性

節税対策とは、納める相続税ができる限り少なくなるように、合法のうえで様々な策を講じることをいいます。
相続税が心配ではあるけれどまぁ何とかなるだろう。と悠長に構えていると、とんでもない額の相続税が発生するかもしれません。節税対策は重要なのです。

1-1.税理士の有無で納税額が大きく変わる

それでは自分で節税対策をしよう!となるかもしれませんが、これは危険です。
世の中には様々な節税策の噂がありますが、どれが自分に合っているか正しい選択ができるでしょうか。その方法自体が正しいものであるかどうかの区別はつくでしょうか。

相続税は数ある税法の中でも非常に複雑な仕組みとなっており、専門知識のない人が正しく理解しようとしても難しい面があります。下手をすると節税の逆効果になってしまい、相続税を増やす結果になることもあるのです。

素人判断の節税対策は禁物

例えば、タワーマンションは時価が高いにもかかわらず、財産評価は低いということで、富裕層がタワーマンションを盛んに購入した時期がありました。これを通称タワマン節税と呼びます。

確かに大きな節税効果があったのですが、現在では税務署が厳しく目を光らせており、節税のためのタワーマンション購入は租税回避行為として認められなくなっています。
何よりタワーマンションの人気が下火になってきている昨今では、タワーマンションの時価変動も怪しく、無計画に購入すると財産を減らす結果になるかもしれません。

税理士なら依頼者にベストな方法を提案

節税対策を税理士に依頼すれば、このような心配は一切不要です。最新の税法に基づいて、依頼者にベストな方法を検討してくれます。税理士がいれば、場合によっては数百万、数千万もの相続税を節税することもできるのです。

節税対策は税理士にとって大きな仕事であり、特に相続税は税理士の腕の見せ所です。 定期的に研修会などに参加して、常に新しい知識を仕入れている税理士がほとんどですが、たまにそうではない税理士がいることも事実なので、税理士の選択は慎重に行いましょう。相続税に強い税理士を探しましょう。

1-2.相続発生後では遅い

相続税の節税対策を行うタイミングは大きく分けて、相続発生前(被相続人の生前)相続発生後(被相続人の死後)がありますが、はっきり言って、相続発生後でできる対策はほぼありません。被相続人が死亡した時点で相続財産は固まってしまうからです。

被相続人が生きているのであれば、その所有財産をどう動かすかは被相続人の自由です。依頼者にとって最善の相続税となることを目指して、税理士のアドバイスを受けながら贈与や売却を行うことができます。
節税対策は相続発生前に行うことが重要であるということを覚えておいてください。

2.相続税対策の流れ|依頼者がすべきこと

相続税対策は、依頼者が所有している資産負債の状況や、家族構成などによって最善の方法が異なります。
そこで依頼者がしなければいけないのは、税理士だけでは分かり得ない、相続財産の金額など相続のベースとなるデータを提供することです。
それに応じて税理士は、依頼者に合わせたオーダーメイドの節税策を立ててくれるのです。

2-1.資産負債の洗い出し

依頼者が所有している資産や負債をすべて明らかにします。

  • 資産…現金預金、不動産、有価証券、売掛金(個人事業主の場合)など
  • 負債…借入金(住宅ローンなど)、買掛金(個人事業主の場合)など

相談する時点で所有している資産負債の確認方法は、主に依頼者本人が税理士のアドバイスのもと資産負債の全容を書き出す形で行われ、確定申告書などがある場合には、それらも参考にされます。
土地建物などの不動産は、実物の現況を目視で確認しないと資産価値がわからないことがあるので、必要に応じて現地確認も行われます。

相続税対策は、ここで明らかにした資産負債の情報を元に組まれていきます。
もし、ここに大きな漏れがあると、せっかく立てた対策が的外れなものになってしまいます。万が一、対策を実行した後では取り返しがつかなくなり、結果として損をすることもあります。

資産負債の洗い出し作業は非常に重要です。漏れがないように妥協なく行いましょう。

2-2.法定相続人予定者の確認

相続税の計算には基礎控除額というものがあり、その金額を超える部分に対して相続税がかかります。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

この基礎控除額は非常に大きな金額であり、法定相続人の人数によって左右されるため、相談時点においてもある程度の人数を知らせる必要があります。

ただ、人の生き死には誰にも分かりません。今現在は妻と子供が法定相続人だとしても、依頼者本人よりも先に妻が死亡している可能性もゼロではありません。
そのため、家族の年齢や健康状態を考慮しながら、いくつかの法定相続人パターンを想定して対策の検討を進めていくことが重要です。

3.相続税対策の流れ|税理士がしてくれること

税理士は相続税対策を次の流れで行います。

  1. まず最初に、依頼者の相続税がいくら程度かかるものかをシミュレーションします。
  2. シミュレーションを元に、依頼者にとってベストな対策を検討します。
  3. 最終的な相続税に対して、納税資金の準備方法を検討します。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

3-1.相続税額のシミュレーション

依頼者から提供された情報を元に、このまま何もしないで相続を迎えた場合の相続税額をシミュレーション計算します。
この金額が、これから相続税対策を計画していくうえでの基準となります。

3-2.生前対策を計画する

相続税のシミュレーション結果を元に、依頼者にとって最善の方法を検討します。
相続税対策は、単に相続税が最も安くなれば良いというわけではありません。 この方が相続税が安くなるからと、偏った相続人にばかり生前贈与を繰り返してしまっては、他の相続人の気持ちはどうなるでしょうか。実際に相続が発生した際の相続争いの原因になりかねません。

また依頼者の相続(一次相続といいます。)では相続税が安く済んだとしても、そのシワが依頼者の財産を相続した人の相続(二次相続)に寄ることもあります。二次相続、さらには三次相続のことまで含めて、総合的な判断が必要とされます。

具体的にどのような生前対策があるのかについては、「4.具体的な対策例」で解説します。

3-3.納税資金の準備方法を計画する

これも大切な相続税対策の1つです。最終的な相続税を支払うお金をどのように準備するかを計画します。
相続税は依頼者の死亡から10ヶ月以内に、原則として現金一括で納めなくてはなりません。相続税は数百万単位と比較的大きな納税額となる可能性が高いので、前もっての準備計画は重要です。

具体的な準備方法としては、生命保険金の活用や賃貸物件の贈与などがあります。(詳しくは「4.具体的な対策例」で解説します。)
これらの方法を検討しても、どうしても現金一括納付が難しそうな場合には、物納という選択肢もあるので、税理士と一緒に何がベストか検討しましょう。

4.相続税対策|具体的な対策例

それでは最後に、相続税の生前対策と納税資金対策の具体例を簡単に解説します。

それぞれの詳しい解説については御社ページのリンクをお願いいたします。

4-1.節税対策

生前贈与の非課税枠の活用

生前贈与には、暦年贈与相続時精算課税制度があります。

暦年贈与

一般的に贈与と呼ばれるものは暦年贈与にあたり、暦年(1/1~12/31)に行われた贈与に対して毎年110万円の基礎控除額があります。

要するに毎年110万円までであれば贈与税なしで贈与できるのです。 ただ、年間110万円をコツコツ贈与する必要があるので時間がかかります。

相続時精算課税

相続時精算課税は一定の要件を満たす場合に選択することができる制度で、2,500万円までの生前贈与には贈与税がかかりません。年間の贈与額の制限もなく、一度に大きな贈与をすることが可能です。

ただし、贈与者が亡くなった場合にはその相続税計算に相続時精算課税制度の適用を受けた贈与をすべて含めなくてはいけません。
相続時に精算して課税される制度、贈与税を先延ばしにする制度であり、最終的に相続税がかからない人にとっては有利な制度となります。

またこの他にも生前贈与には、教育資金を一括贈与した場合には1,500万円まで非課税となるなど各種の特例があります。
生前贈与は選択肢も多く、相続税対策で最も利用される方法です。

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生命保険金の非課税枠の活用

相続税の計算上、生命保険金には非課税枠という金額があり、その金額までであれば相続税はかかりません。

生命保険金非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

例えば、以下の場合の生命保険の非課税枠は、

死亡保険金:2,000万円
法定相続人:4人

2,000万円 - 500万円 × 4人 = 0

となり、相続税はかかりません。

よって、非課税枠の範囲内の生命保険契約を生前に結んで、死亡するまで保険料を払い込んでいくことにより、払込保険料分を相続財産から減らすことができ、さらに相続人は相続税がかかることなく死亡保険金を受け取ることができます。

小規模宅地等の特例

相続財産の中に一定要件を満たす土地がある場合には、小規模宅地等の特例の適用を受けることで土地の評価額を最大8割減額することができます。

現金1億円所有している場合には、1億円そのままに対して相続税がかかりますが、その1億円で土地を購入し、賃貸マンションを建てるなどして小規模宅地等の特例の適用対象となれば、1億円を半分以下の評価額にすることができる可能性があります。

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4-2.納税資金対策

生前贈与や生命保険金

現金を生前贈与しておくことで、その相続人に納税資金を準備させることができます。
また賃貸物件がある場合には、相続人に生前贈与してその賃貸収入を納税資金として貯めておく方法などもあります。

相続人を死亡保険金の受取人として契約する生命保険は、非課税枠の利用により節税対策として有効であると前項で解説しましたが、確実な現金として入ってくる生命保険金は、同時に納税資金とすることもできます。

4-2-2.不動産の売却

売却可能な不動産がある場合には、相続後に売却して納税資金に充てることができます。
ただし、不動産の売却には時間がかかること、売れない可能性があるということを念頭に入れておきましょう。

延納または物納

どうしても納税資金の準備ができない場合には、相続税の納付を伸ばしてもらえる延納、土地などの価値がある物で相続税を納める物納という方法があります。
延納には利息がかかるので、銀行の金利と比べて有利な方を選択しましょう。低金利の現在では銀行借り入れした方が有利である場合が多いです。

延納と物納は現金一括納付よりも不利になる場合が多いため、最終手段と捉えてください。適用したい場合には税理士によく相談しましょう。

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まとめ

相続税対策の有無で、納税額は大きく変わります。税金を多く払っても何の得もないので、できるだけ早めに税理士に相談して効果的な生前対策を行いましょう。

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相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

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  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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