相続税を払えない時の3つの対処法

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相続税については、被相続人の死亡日の翌日から「10ヶ月以内」に申告・納付を行わなければなりません。
基本的に現金一括で納税する必要があります。

しかし、相続人によっては、不動産を相続して現金がないなど、申告期限までに相続税を納めることが困難な場合もあります。

そこで、相続税を支払えない事態に陥った場合にできる3つの対処方法を、ここで紹介します。

1.不動産等の相続財産を売却する

相続税が払えないケースの大きな理由は、相続財産が不動産のみで現金がないことです。

もしその不動産が自宅ではなく今すぐに利用する必要がないのであれば、「不動産等の相続財産を売却する」のが最も手っ取り早い方法です。相続した家屋や土地を売って現金に変えて納税します。

ただし、ここで一つ問題なのが、あまり時間がないということです。相続開始から10か月以内という申告期限までに、不動産の売買契約を締結し、決済を終えなければいけません。

売却のために、不動産業者に依頼し、買いたい人を探してもらう必要がありますが、こちらが急いでいることがわかると、安い価格で買いたたかれるおそれもあります。

そこで、まずは、不動産一括見積りサイトなどで価格査定を行って、一般的な市場価格を把握したうえで、不動産業者に依頼することをお勧めします。

下記のリンクから、物件の住所・造りなどの情報を入力するだけで簡単に査定を行うことができ、最短1週間程度で見積もりがきます。

相続税に強い税理士であれば、不動産に詳しいこともありますので、下手によくわからない不動産業者に相談にいくよりは、まずは、申告をお願いする税理士に相談のうえ、不動産売却の方法を検討したほうが良いかもしれません。

また、不動産等を売却して利益が出ると、相続人本人に所得税や住民税が発生してしまいます。
これらの税金を考慮したうえで、不動産の売却計画を総合的に判断する必要がありますので、そういう意味でも税理士に相談するのが良いといえます。

2.相続財産を担保に借入する

金融機関から借入をして相続税を支払うことも可能です。

ただし、借入をする場合は、基本的には相続財産を担保に入れる必要があります。また、借入金額に対して利子を支払わなければなりません。そのほか、各金融機関が定める審査条件を満たす必要もあります。

税金を払うために借金をするというのは、なるべくであれば避けたいところではありますが、相続財産が自宅で売却できない場合などは致し方ないでしょう。

現金がないという理由で相続税の支払いが免除されることは決してありませんし、納税しないで期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税などのペナルティを課されさらに納税額がふくらみますので、借入をしても支払うほうが良いといえます。

どうしても、借入に抵抗がある場合は、後述する「延納・物納」という方法もあります。要するに、納税を延ばすか、物で納税するという方法です。

ただし、延納しても(納税を延ばしても)、利子税という利息が発生します。
現在は低金利時代ですので、借入と延納のどちらが良いか、税理士に相談のうえで決定されることをお勧めします。

3.税務署に延納・物納を申請する

相続財産売却も、金融機関からの借入も無理な場合、税務署に延納(延ばす)・物納(物で納める)の申請をする方法があります。

ただし、必ず認められるわけではなく、かなり厳しい条件があります。
また、延納と物納には順番があります。まずは、延納を申請し、それでも無理な場合には、物納を申請します。

3-1.延納

相続税法の決まりにより、相続税を納めることが困難な人で、一定の要件を満たす人は、「延納」が認められています。
この延納が認められると、「5年分割(最大20年)」による納税をすることも可能です。

延納の要件

延納手続きをとるには、以下の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 相続税額が10万円を超えていること
  2. 金銭での納付が困難であること
  3. 納税額に見合う担保を提供すること(延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下である場合は不要)
  4. 申告期限までに延納手続きを終えること

これらの要件を、管轄する税務署長が審査し、適当であると判断した場合にのみ延納することが可能です。

ここで、大きなポイントは2番目の条件の「金銭での納付が困難であること」についてです。
基本的には、預貯金やすぐに現金化できる有価証券などが、ほとんどない状態でないと、延納は認められません。

どのくらい困難な状況かといいますと、「家族の3か月分の生活費、事業の継続のために必要な1か月分の運転資金」しか残されていない状況です。
しかも、ここでいう「生活費」は、生活保護の受給レベルで判断されますので、3か月分で30~40万円程度にしかなりません。

かなり厳しい条件であることがわかります。

利子税

延納を申請すると、「利子税」という利息が発生します。
利子税は「相続金額に占める不動産額の割合」によって税率が変わりますが、1.2~6.0%です(特例もあります)。

結局、利息が発生するのであれば、金融機関から借り入れをするのと、どちらがよいか、よく検討したほうが良いでしょう。

3-2.物納

延納でも相続税を納めることが困難であれば、「物納」をすることも可能です。

ただし、こちらも一定の要件等を満たす必要があります。

物納要件

物納の手続きを取るためには、下記の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 延納による納付が困難であること
  2. 金銭での納付が困難であること
  3. 相続税で認めた相続財産であること
  4. 申告期限までに延納手続きを終えること

管轄する税務署長がこれらの要件を満たしているか審査したうえで適当であると判断されると、物納が可能になります。

物納できる財産の種類

物納できる財産の種類は大きく3つの種類に分かれています。そして、それぞれには順位が定められており、下記の順位に従って物納しなければなりません。

  • 第1順位:国債、地方債、不動産、船舶
  • 第2順位:社債、株式、証券投資信託・貸付信託の受益証券
  • 第3順位:動産

これらの評価は市価ではなく、税務署による評価基準によって行われます。基本的には市場の評価額よりも低くなる傾向にあり、その点がデメリットになります。

なお、昨今では「物納」の要件が厳しくなっているとの意見もあります。もし、物納を希望するのであれば、税理士に相談をして、十分に検討した方が良いでしょう。

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まとめ

相続税を払えない場合の対処方法として3つの方法を紹介しました。

  • 不動産等の相続財産を売却する
  • 金融機関から借入する
  • 延納・物納を申請する

どの方法が良いかは、ケースバイケースですので、必ず税理士にご相談のうえで判断されたほうが良いでしょう。

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