タンス預金を相続税申告しないと税務署にバレるのか?デメリット5つ
こんにちは、山野めぐみです。相続税を払いたくないからといって、タンス預金をしている人、けっこういますよね。でも、タン…[続きを読む]
ご家庭で現金として保有する額が、年々増加しているようです。そのうちいくらくらいが、タンス預金になっているのでしょうか?
ここでは、タンス預金の総額やタンス預金が増加する理由などにつて取り上げてみましょう。
目次
下は、日本銀行の「資金循環統計」から、2018年~2021年までの四半期ごとの個人(家計)が保有する現金額を示したグラフです(タンス預金の額ではありません)。グラフから家計で保有する現金の額が、着実に増加傾向にあることがわかります。2021年の年末には、107兆円にも上ります。
残念ながら、このうちどれくらいの金額がタンス預金に回されているのかを正確に知ることは難しいといえるでしょう。しかし、仮にこのうち半分をタンス預金だとすると、53兆円以上の額となります。
実際に、第一生命経済研究所の試算によると、2017年2月末時点のタンス預金の額は、43.2兆円という数字も存在します。
【出典】「現金と消費~巨大化するタンス預金の理由」|第一生命経済研究所
【出典】「主要統計データ閲覧」|日本銀行
正確なタンス預金の額が分からなくても、家計の現金額が増加する理由については、推測することができます。
財務省が行った令和3年度の「通貨に関する実態調査」の「自宅に現金を保有する理由」について、上位4つを挙げると次のような結果になります(複数回答可)。
金融機関・ATMでの現金引出しは面倒・手数料がかかる | 34.5% |
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非常時にクレジットカード・電子マネーが使えなくなる可能性 | 27.1% |
手元に資産があると安心 | 23.9% |
金融機関に預けても利子が付かない | 10.8% |
【出典】「通貨に関する実態調査」|財務省
日本銀行のマイナス金利政策により、銀行では、普通預金で年利0.001%程度、定期預金で0.002%程度の低い利息となっています。銀行に預けてもほとんど利息が付かないため、銀行に預ける意味があまりありません。
一方で、アメリカのFRBが金利を0.75%に引き上げたように、世界的に利上げに舵を切っているにもかかわらず、日本銀行は、マイナス金利政策を継続しています。
日本銀行が金利を上げられずにいるのはいくつかの理由がありますが、このまま銀行の低金利が続くと家庭で現金を保有する傾向は、続く可能性もあります。
銀行に預金しても利息があまり付かない上に、預金を引き出す際には手数料がかかります。さらに、ATMで引き出すせる上限額は50万円です。
金利がほとんど付かず、引き出しにも手間がかかるうえに、手数料まで取られるのであれば、あまり利用する気にならないのもわからないではありません。
ちなみに、主な海外の銀行では、次の通りのシステムとなっています。
日本の銀行は利用する際に色々と手数料を取り過ぎるという批判は、当たっているかもしれません。
2018年9月6日に震度7を記録した北海道地震では、地震に伴って発生した停電によって、クレジットカードや電子マネーが使用できなくなりました。
クレジットカードや電子マネーといったキャッシュレスの決済には電気とインターネットが必須となります。
一方、現金さえ持っていればどんな災害が起こっても、決済に困ることはありません。
自分のお金を銀行に預けてもあまり利息が付かないうえに手数料を取られ、銀行が破綻すると、上限1,000万円と利息しか返ってこないリスクがあります。
現金であれば緊急時にも困らないとなれば、災害や盗難のリスクを考慮しても、「現金を手元に置いておけば安心できる」というのも首肯できるのではないでしょうか。
ここまで、タンス預金の総額や増額する理由をご説明ましたが、タンス預金では相続税を節税することはできません。
その理由は、タンス預金の額を税務署に把握されているからです。詳しくは、次の記事をご一読いただきたいと思いますが、タンス預金をしていた被相続人がお亡くなりになったら、その額も相続財産に含めて相続税の計算をしなければなりません。
万一、ご両親などが相続税の節税のためにタンス預金をしていたら、止めてください。相続人間でタンス預金を分配するこも止めたほうがいいでしょう。少なくとも相続税を節税できるような大きな額をタンス預金していれば、税務署は把握しています。
もし、相続税の節税についてお悩みであれば、相続税に強い税理士を探して一度ご相談ください。