小規模宅地等の特例を利用するために必要な添付書類

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小規模宅地 添付書類

小規模宅地等の特例の適用を受けるには、相続税の申告書に添付して、多くの添付書類を提出する必要があります。

この添付書類は、申請者が小規模宅地等の特例を利用することができることを証明する書類です。必要な添付書類は、申請者が、配偶者か親族か、利用する小規模宅地の種類などによって、変わってきます。

そこで、今回は、小規模宅地等の特例を受けるために必要な添付書類について、パターンごとに詳しく解説をしていきます。

1.小規模宅地等の特例のパターン

小規模宅地等の特例を利用するパターンは次の通りです。

  1. 「特定居住用宅地等」に該当する場合
  2. 「特定事業用宅地等」に該当する場合
  3. 「特定同族会社事業用宅地等」に該当する場合
  4. 「貸付事業用宅地等」に該当する場合
  5. 上記①~④を併用※

※ 上記①~④を併用して特例を利用することもできますが、その場合は、利用するパターンごとの添付書類が必要になります。

まず、全ての小規模宅地等の特例に必要な「共通の添付書類」について説明し、その後に、それぞれのパターン別に必要な添付書類の説明をしていきます。

2.小規模宅地等の特例の申請書類

次の書類は、小規模宅地等の特例の適用を受ける場合に必要な申請書類です。これらは、相続税の申告書に付けて提出するものです。 小規模宅地の種類や相続条件によって申請書類が違いますが、ほとんどがこの2つだけで済みます。

  • 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書 「第11・11の2表の付表1」
  • 小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(別表)「第11・11の2表の付表1(別表1)」

3.小規模宅地等の特例に必要な共通の添付書類

次に、小規模宅地等の特例を適用する人が、必ず添付しないといけない共通の添付書類についてです。 他の特例の適用などで、重複する書類がある場合は、重ねて提出する必要はありません。

この添付書類で、「申請者が、特例を利用する小規模宅地等を相続している事」を証明します。

3-1.相続人の関連書類

全ての相続人を明らかにする必要があり、次のいずれかの書類を提出します。原本である必要はなく、写し(コピー)でもOKです。

  1. 被相続人(お亡くなりになった人)の戸籍謄本※1
  2. 図形式の法定相続情報一覧の写し※2

※1 相続開始日から10日以降に作成されたものに限る
※2子の続柄が実子か養子かが分かるように記載されていななければならず、また、養子がいる場合は、その養子の戸籍謄本または抄本も提出する必要あり

税制改正で、1.戸籍謄本の代わりに、2.法定相続情報一覧も添付できるようになりました。詳しくは、以下の法務局のHPをご参照ください。

【参考サイト】主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例|法務局

3-2.遺言書の写しまたは、遺産分割協議書の写し

遺産分割・遺産相続が適切に行われていて、正しい相続人が小規模宅地等を相続しているか確認するための書類です。

通常、遺言書または遺産分割協議書で、誰が、どの遺産を相続するか決まります。

3-3.相続人全員の印鑑証明書

この印鑑証明書は、遺産分割協議書に押印したものと同一である必要があります。

3-4.申告期限後3年以内の分割見込書

この申告期限後3年以内の分割見込書は、申告期限内(10か月以内)に遺産分割ができない場合に提出します。 これを提出しないと、小規模宅地等の特例を始め、配偶者の税額軽減などの優遇措置が受けらなくなります。

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4.特定居住用宅地等に必要な添付書類

ここからは、小規模宅地等の特例のパターンに分けて解説してきます。

まずは、特定居住用宅地等に必要な添付書類について説明します。 ここでは、小規模宅地等の特例を利用できる条件をみたしていることを証明します。

特例が利用できるケースは大きく4つです。

  1. 被相続人の配偶者
  2. 被相続人と同居していた親族
  3. 被相続人と同居していない
  4. 被相続人が老人ホームに入居していた

それでは、それぞれについて解説していきます。

4-1.配偶者の場合

配偶者が特例の適用を受ける場合は、無条件で特例を利用できますので、ここでの書類は提出不要です。

4-2.同居していた親族の場合

  • 住民票の写し※

※ 相続開始日以降に作成されたものに限る

特例の適用を受ける宅地に同居していることが分かる書類として、「住民票の写し」を提出する必要があります。

ただし、特例の適用を受ける人がマイナンバーを有する場合は提出不要です。

4-3.同居していない親族の場合

ここでは、次の2つの書類を提出する必要があります。

  • 戸籍の附票の写し※
  • 相続家屋の登記簿謄本、借家の賃貸借契約書など

※ 相続の開始日以後に作成されたものに限る

戸籍の附表の写しは、特例の適用を受ける人がマイナンバーを有する場合には提出不要です。

「相続家屋の登記簿謄本、借家の賃貸借契約書など」は、相続開始前3年以内に住んでいた家屋が、一定の法人の所有する家屋以外の家屋であることや相続開始の時において居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないことを証明します。 

4-4.被相続人が老人ホームに入所していた場合

被相続人が老人ホームに入所していた場合でも、小規模宅地等の特例が利用できます。

この場合は、介護等を理由に、特例を使用する住居に住んでいなかったことや一定の障害の状態であること、被相続人が入所していた施設が法律で定められた福祉施設であることを証明する必要があります。

  • 被相続人の戸籍の附票の写し ※
  • 介護保険の被保険者証、障害福祉サービス受給者証、要介護認定証、要支援認定証などの写し
  • 施設への入所時における契約書の写しなど

※ 相続開始の日以後に作成された戸籍の附票を提出

5.特定事業用宅地等に必要な添付書類

特定事業用宅地等の場合は、特に必要な添付書類はありません。

ただし、一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等の場合には、総務大臣が交付した証明書が必要です。

6.特定同族会社事業用宅地等に必要な添付書類

以下の2つの書類を提出することにより、対象の法人が特定同族会社であることを証明します。

  •  特例の対象となる法人の定款の写し※1
  • 特例の対象となる法人の相続開始の直前における発行済株式の総数又は出資の総額、及び被相続人及び被相続人の親族その他被相続人と特別の関係がある者が有するその法人の株式の総数又は出資の総額を記載した書類※2

※1相続開始の時に効力を有するものに限る
※2 特例の対象となる法人が証明したもの証明したもの限る

7.貸付事業用宅地等に必要な添付書類

貸付事業用宅地等の場合は、特別に必要な添付書類はありません。

ただし、貸付事業用宅地等が相続開始前3年以内に新たに被相続人等の特定貸付事業の用に供されたものであるときには、被相続人等が相続開始の日まで3年を超えて特定貸付事業を行っていたことを明らかにする書類が必要です。

まとめ

今回説明したように、特例の適用を受けるには、相続税の申告書に添付して、多くの添付書類を提出する必要があります。

また、申請者が配偶者か親族か、小規模宅地の種類は何かなどで、必要な添付書類は変わってきます。 被相続人の住居が特例の対象の場合はそれほど難しくはありませんが、特定事業用宅地、特定同族会社事業用宅地、および貸付事業用宅地が対象の場合は、普段なじみのない書類を集めて添付しないといけません。

どちらにしても、ご自分で準備することも可能と思いますが、できれば、相続の経験豊富な税理士に相談することをお勧めします。

ただ、税理士に依頼するにしても、税理士に「丸投げ」せずに、皆さんも特例の申請に必要な添付資料について理解したうえで、税理士と協業できれば、スムーズに相続税手続きができるのではないでしょうか。

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