相続税の申告期限に間に合わないとき、どうすればいいのか?

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 相続税の申告納税には期限があります。その期限までに申告書を提出し、その申告書に記載された相続税を納めなくてはなりません。

それでは、どうしても期限までに申告納税することが出来ない場合には一体どうしたら良いのでしょうか?
何ができるのかを考えてみましょう。

1.相続税の申告期限はいつまで?

相続税は、「その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」に申告納税を済ませなければなりません。

具体例をあげますと、被相続人の死亡を知ったのが1月1日であったとしたら、申告期限は11月1日になります。

期限が土日祝日であった場合

もしも10ヶ月後の期限にあたる日が土日祝日の場合には、次にやってくる平日が期限になります。
11月1日が日曜日であり翌日の月曜日が祝日でない場合には、11月2日が期限ということになります。

相続の開始があったことを知った日とは?

相続の開始があったことを知った日というのは、基本的には被相続人が死亡した日と考えます。

相続人の中には、死亡したことを教えてもらえなかった、連絡が取れない状況にあった等の理由により他の相続人より遅れて死亡を知る場合があるかもしれませんが、他の相続人に合わせることが多いとされています。

これは相続税の申告は相続人全員で行うものである為、相続人ごとに期限が異なると申告手続きが非常に煩雑となってしまうからです。

なお、稀ではありますが、合わせることなくその相続人だけ申告期限が異なる場合もあります。

2.もしも申告期限を過ぎてしまったらどうなる?

申告納税を行わないまま申告期限を過ぎてしまうと、利息や罰金のような意味合いで追加の税金が発生してしまいます。

また一部の特例の適用を受けることが出来なくなり、相続税が高くなってしまうこともあります。

2-1.延滞税・加算税が発生

ペナルティとしての税金にも種類があり、申告納税の状況に応じて以下の通りに分けられます。

延滞税納付期限までに相続税を納めなかった場合には、
利息を意味する延滞税が下記の加算税に追加されます。
過少申告加算税申告期限内に申告納税した税額が過少であった場合には、
過少申告加算税が課されます。
無申告加算税提出すべき申告書を提出しなかった場合には、
無申告加算税が課されます。
重加算税過少申告加算税や無申告加算税の要件に該当する場合において、
それが故意に事実の隠蔽や仮装を行ったと認められた場合には
無申告加算税や過少申告加算税に代わって、
更に思い重加算税が課されます。

詳細は下記の記事をご覧ください。

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2-2.一部の特例が適用できなくなる

相続税では、税額が0であれば基本的には申告する必要はありません。

しかし「配偶者の税額軽減」、「小規模宅地等の特例」の適用を受けて税額が0となった場合においては、税額0円の申告書を提出する必要があります。

これはこの2つの特例については申告書を提出することが適用要件となっている為です。
これらの特例は非常に大きな税額軽減効果を持っていますが、適用を受けることが出来なくなれば大きな損失となります。注意しましょう。

2-3.放置すると税務署による決定を受けてしまう

行うべき申告を申告期限を過ぎても放置してしまうと、税務署の方で独自に相続財産調査を行い、それを基に税額を計算し納付するように通知してきます。

これを「決定」といい、税務署が独自で計算している分、自主的に申告する場合よりも税額が高くなってしまう可能性が高くなります。また、高額な割合の無申告加算税や延滞税を追加で課されてしまいますので納税者には大きな負担となります。

とりあえず期限内に申告納付をしておけば免れることが出来ますので、特段の事情がない限りは期限内に申告するようにしましょう。

3.申告期限の延長は出来るのか?

相続税の申告期限は、「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」が大原則です。この期日は残念ながら動かすことは出来ません。

しかし特別な事情がある場合に限っては申告期限の延長を税務署に申請することが出来ます。認められれば最大2カ月の延長が可能となります。

3-1.特別な事情とは

特別な事情とは、次のようなケースです。

  • 災害等が発生した場合
  • 認知、相続人の廃除、回復などで相続人に異動があった場合
  • 遺留分減殺請求があった場合
  • 遺贈に関係する遺言が見つかった場合
  • 相続が開始した時点において相続人に胎児があり、その後その胎児が無事生まれたことにより、全ての相続人に申告義務がなくなる場合

不勉強で相続税申告についてよく知らなかったというのは理由になりませんので、ご注意ください。

4.期限に間に合わなくなるケースの紹介

それではどのような状況にある相続が、期限に間に合わない可能性が高いのでしょうか。
主なケースとその解決方法をご紹介いたします。

4-1.遺産分割協議で揉めている

相続税は、各相続人が相続することになった財産を基に計算を進めていきます。
よってどの相続人がどの相続財産を取得するのかを話し合う遺産分割協議が難航してしまうと、いつまでも相続税の申告書は完成しないことになります。

【対策】

まず申告期限まで余裕がある場合には、揉め出した時点で弁護士などの専門家に相談しましょう。
専門知識のない人間同士で話し合っても時間と労力の無駄になるだけです。第三者が介入するだけで冷静な話し合いを行うことが出来ます。

そして申告期限まで余裕がない場合には、とりあえず法定相続分により遺産分割を行ったものとして申告をしましょう。その際には一旦多めの相続税を納めておくのがポイントです。そして遺産分割協議確定後に更正の請求を行うことにより納め過ぎた税額の還付を受けます。

これは上記でご紹介した通り、無申告でいることや税額が過少であった場合が何よりの損失となる為です。

4-2.財産評価が複雑

相続税の計算において最も時間を要するのが財産評価です。特に土地は複雑な計算が多く実地調査が必要な場合もある為、相続財産の中にそのような土地が複数あったりするとその評価に時間がかかってしまい、申告書の作成が遅れてしまうことがあります。

【対策】

このような財産については、とりあえず多めの概算額で申告します。そして評価が確定した後に更正の請求により納め過ぎた税額の還付を受けます

4-3.申告期限延長の要件に該当する場合

上記でご紹介した申告期限の延長を申請することが出来る特別な事情に該当する場合には、当たり前ですが申告期限に間に合わない可能性があります。

【対策】

特別な事情が生じた日から1ヶ月以内に申告期限が到来するような状態にあるのであれば、前もって税務署に申請することにより申告期限を最大2ヶ月延長してもらうことが出来ますので利用するようにしましょう。

5.期限に間に合わない時は、とりあえず申告納税しよう!

納税者にとって最も損失となるのは、無申告でいることです。やむを得ない事情により期限に間に合わないとしても、とりあえず期限内に申告納税することが大切です。

遺産分割が確定していない場合には、節税効果の高い特例の適用を受けることが出来ません。そのような場合の対策として「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出する方法があります。

5-1.申告期限後3年以内の分割見込書

申告期限後3年以内に遺産分割することを約束できるならば、その分割できなかった財産についても、後に行う更正の請求によって「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」の適用を受けることが出来ます。

この規定の適用を受けるためには、相続税申告書又は更正の請求書の提出時に、分割できない理由や財産分割の見込みを記載した「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、申告期限後3年以内に財産分割をまとめ、そのまとまった日の翌日から4ヶ月以内に更正の請求を行う必要があります。

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5-2.早めに税理士に相談を

申告期限を心配するような相続である場合には、迷わず税理士に相談することをおすすめ致します。そうすれば期限を過ぎることを含めた上でベストな対策を取ってくれます。やはりこれが一番の最善策と言えるでしょう。

まとめ

相続税の申告期限に間に合わない場合はどうすべきかについて解説しました。

相続税は数ある税金の中で最も人間味の強い税金と言われている通り、相続ごとに様々な事情を抱えていますので申告期限に間に合わない事態も十分考えられます。

ただ、基本的には、災害などの特別な事業がない限り、申告期限が延長されることはないと考えたほうが良いでしょう。

まずは、期限内に申告納税することだけは絶対に忘れないで下さい。

申告納税の方法については、お近くの税理士にご相談願います。

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
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相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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