大家をやるならぜひ知っておきたい消費税の話

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消費税

大家さんとして不動産経営を始めようと考えている方にとって、消費税の納税方法や還付といった知識について知っておくことはとても大切です。

消費税の処理の仕方によって物件の利回りが1%以上変わる…というようなケースもありますから、基本的な部分はしっかりと理解しておきましょう。

目次

1.消費税の仕組み

まずは消費税納税の基本的な仕組みから説明させていただきます。

個人事業主として収入を得ている人は、お客さんから預かった消費税を1事業年度に1回、税務署に納税しなくてはならないルールになっています。

例えば、あなたが売っている商品が100円だったとすると、お客さんはその100円に消費税8%(8円)をプラスして合計108円をあなたに支払います。
100円は商品代金ですからあなたのものですが、8円については国に納める税金ですからあなたのものではないということになります。

1-1.事業者は、預った消費税から仕入れで払った消費税を引いた分を納税する

同様に、あなたも商品を買うときには別の業者さんに対して消費税を上乗せして払っています。

例えば50円のものを別の業者さんから仕入れて、消費税と合わせて54円(代金50円、消費税4円)を支払ったとしましょう。
あなたは8円の消費税をお客さんから預かって、4円を別の業者さんに預けていることになりますから、最終的に「預かった消費税-預けた消費税」で計算した金額を納税すれば問題ありません。

あなたが別の業者さんに預けた消費税は、その業者さんが納税しますから、税務署としては納めてもらう金額は同じになるというわけです。
結果として、あなたは上の例では8円-4円=4円を税務署に1年に1回納めることになります。

ここまでの内容をまとめると、納めるべき消費税の金額は以下で計算できることになります。

納める消費税額=(売上金額×消費税率)-(仕入金額×消費税率)

1-2.消費税が8%→10%になった場合の影響

2018年現在、消費税の税率は8%となっていますが、これは一時的な措置であって本来であればすでに10%の税率アップが予定されています(一時的な延期措置が適用されている状態です)。
近い将来消費税が10%となる可能性が極めて高いので、その際の影響についても理解しておきましょう。

消費税が10%となった場合、税率アップ分についても自社の商品やサービスの値上げとして反映できれば負担は変わらないことになりますが、なかなかそううまく価格をアップできないというのが実際のところでしょう。

そのため、本来は税率アップの負担をするのは消費者であるはずが、実質的に事業者が消費税アップ分を負担するというようなケースも少なくありません。
税率がアップしてもサービス価格は据え置きなどの形をとる場合、消費税の納税額が負担になってしまう可能性があることには注意が必要です。

1-3.売上にはいろんな種類がある

上の計算式「納める消費税額=(売上金額×消費税率)-(仕入金額×消費税率)」を今一度ご確認ください。

ここで「売上金額」「仕入金額」という項目がありますが、実はこの「売上」や「仕入」には消費税がかかるものと、消費税がかからないものがあります。
消費税がかかるものを「課税売上」「課税仕入」消費税がかからないものを「非課税売上」「不課税売上」「免税売上」「課税仕入に該当しない仕入」というように法律上分類されています。

計算上、消費税のかからない売上(非課税、不課税、免税)が多ければ多いほど、そして消費税のかかる仕入れ(「課税仕入」)が多ければ多いほど消費税の負担は小さくなることになります。

1-4.消費税の区分は会計ソフトの入力作業をするときに重要

大家さんとして不動産経営に取り組んでいる人の多くが、日常的な経理作業を会計ソフトで行っていますよね。

会計ソフトなどで入力作業を行う際には、この分類をしっかりと理解したうえで行わないと、1年に1回消費税の納税金額を計算するときに計算間違いが生じてしまいますから、注意しておきましょう。

以下、「課税売上」「課税仕入」、そして「非課税売上」「不課税売上」「免税売上」「非課税仕入」に該当する具体的な取引内容について説明させていただきます。

1-4-1.課税売上

日本国内でサービスや物品提供の対価として得た売上は課税売上に分類されます。
ほぼすべての事業者の売上がこの課税売上に該当することになります。

1-4-2.課税仕入

同様に、日本国内で物品やサービスを購入するために支払った代金は原則として課税仕入れに分類されます。
ただし、事業に関係しない支出(事業主個人のプライベートな食事代など)についてはそもそも事業の会計に含みませんので注意しておきましょう。

1-4-3.非課税売上

非課税売上というのは、「本来であれば(理屈で考えれば)課税売上に分類するのが望ましいけれど、国の政策上非課税売上となっているもの」をいいます。

代表的なものが大家さんが賃借人から毎月受け取っている家賃です。
土地の譲渡や貸し付けについても非課税となります。

その他には介護や医療のサービスを行っている事業者の売上や、葬儀社が火葬や埋葬のサービスを行う際に受け取って売り上げがが非課税売上に該当します。
やや特殊で公益的な仕事をしている事業者の売上が非課税売上に該当するというイメージを持っておけば問題ありません。

ただし、駐車場を貸した場合の収入や、短期間の住宅の貸付(ウィークリーマンションなど)や短期間の土地の貸付については課税売上になりますから注意しましょう。

さらに、居住用不動産として貸し付けていた建物であっても、その建物を売却した場合には非課税取引ではなく、課税取引となります
これらの取引は金額的にも大きくなることが多いですから、間違いが生じないようにする必要があります。

1-4-4.不課税売上

上で見た非課税売上が「理屈で考えると課税売上だけど、国の政策上課税売上としない」という扱いだったのに対して、不課税売上は「理屈上当然に消費税が課税されない収入」ということになります。

例えば対価なしに得た収入や、生命保険金の受け取りなどは消費税が課税されない「不課税取引」となります。
その他配当金の受け取りなども不課税売上に分類されます。

1-4-5.免税売上

国外の消費者や企業に対して商品やサービスを売り上げた場合、免税売上として消費税は課税されません。
輸出関連の事業を行っている人は原則として売り上げは免税売上となりますから、後で説明させていただく消費税の還付手続きを行うことで国から消費税の還付を受けられる可能性が高いです。

なお、厳密には「免税売上=消費税0%」という扱いなので計算上も微妙に異なりますから、不課税売上や非課税売上と免税売上とは分けて処理しなくてはなりません。

1-4-6.課税仕入に該当しない仕入れ

上で見た「課税仕入」に該当しない仕入れのことを「課税仕入に該当しない仕入れ」と呼びます。
従業員に対して支払ったお給料や、役所に対して支払った手数料や税金の支払いなどがこの「課税仕入に該当しない仕入れ」ということになります。

なお、売上の場合には「非課税売上」や「不課税売上」という正式名称がありますが、仕入れの場合は法律上こういった区分はされておらず、単純に「課税仕入れに該当しないもの」という扱いで不課税仕入れについてルールが作られています。

会計ソフトによっては「不課税仕入れ」と「非課税仕入れ」に分けて入力作業を行う場合もありますが、消費税の計算上は違いが生じることは基本的にありません。

2.大家さんは消費税を納税しないといけないの?

上で消費税の納税に関する基本的なシステムについて説明させていただきました。
ここからは大家さん(不動産経営を事業としている人)を想定して消費税の扱いについて見ていきましょう。

2-1.賃貸住宅は非課税なので納税必要なし(社宅でも居住用途なら非課税)

上でも説明させていただいた通り、居住用住宅を貸し付けて得た家賃収入は「非課税売上」という扱いになります。
居住用アパートの住人から受け取った家賃には消費税が含まれていないということになりますから、大家さんは原則として消費税の納税を行う必要がありません。

ただし、次のような形で受け取った収入に関しては消費税が含まれており、課税売上の扱いになりますから注意しましょう。

2-2.事務所や店舗は課税なので納税必要

居住用の不動産の賃貸収入は非課税となりますが、事業者(企業や個人事業主)である人に、事務所や店舗として不動産を貸して得た収入については課税売上ということになります。
課税売上には消費税が含まれていますから、納税が必要になります。

2-3.払った消費税は差し引きできる

賃貸住宅で消費税をもらっていなくても、管理費・水道光熱費などの経費には消費税を払っていることになります。
住宅の貸し付けがメインの大家さんの場合、多くは「受け取った消費税よりも、支払った消費税が多い状態」になります。

計算式でいうと、
「納める消費税額=(売上金額×消費税率)-(仕入金額×消費税率)」で、「納める消費税額」がマイナスになるようなケースですね。
この場合には消費税の還付手続きを行うことによって支払った消費税を還付してもらうことが可能になります。

2-4.課税事業者でなければ消費税の還付を受けられない

注意点としては、この時に「課税事業者になること」を選択していないと消費税の還付手続きを行うことができないことです。

非課税の売上がメインである大家さんの場合、多くの場合は課税売上高が1000万円を超えず、原則として消費税の免税事業者という扱いになっているので注意を要します。(課税事業者となるためには、期首において課税事業者を選択する旨の手続きを税務署に対して行っておかなくてはなりません)。

また、課税期間中の課税売上高が5億円を超えるか、売り上げ全体に対する課税売上の割合が95%未満となる場合には、課税仕入れに含まれる消費税額は、「課税売上に直接的に対応するもの」のみを計算に含めることができます。
この場合、消費税の還付を受けられる可能性は低くなりますので注意してください(この点かなり専門的な内容になるので税理士等に相談してください)

2-5.年間の課税売上高1,000万円以下であれば免税事業者として納税免除

ただし、年間の課税売上高が1,000万円以下の場合には、消費税の計算上「免税事業者」として扱われますので、消費税の納税を免除してもらうことができます。

大家さんとしてほとんどの物件を居住用として貸しているけれど、一部に事務所や店舗として貸しているものもあるという場合には、この免税事業者に該当する可能性が高いです。
非課税売上(居住用)を課税売上(店舗用)として処理してしまったり、その逆に課税売上を非課税売上として処理してしまうと計算間違いが発生してしまいますから注意しておきましょう。

2-6.課税売上が1,000万円を超えたら、1年後または2年後に課税事業者となる

上で「課税売上が1,000万円を超えていない事業者は免税事業者になれる」という説明をさせていただきました。
ここで免税事業者と課税事業者の条件について整理しておきましょう。
消費税の課税事業者となるのは、以下のような条件を満たした場合です。

2-6-1.「基準期間」の課税売上高が1,000万円以上あること

消費税の課税事業者となるか否かは、原則として「前の前の年の課税売上高が1,000万円を超えているか」によって判断します。

例えば、2018年の課税売上高が1,000万円を初めて超えたという事業者の場合、その次の次の年の2020年からは消費税の課税事業者ということになります。
仮に2019年には売り上げが落ち込んでまた課税売上高が1,000万円未満となった場合でも、2020年は課税事業者で、さらに次の年である2021年からまた免税事業者となるので注意しましょう。

なお、新規開業して2年以内の人は当然ですが「前の前の年」がありませんから、この期間中(事業開始から2年間)は自動的に免税事業者ということになります。

ただし、輸出免税売上がメインである事業者の方などは、免税事業者となるよりも課税事業者となって消費税の還付を受けた方が有利になることがあります。
この場合には、あえて「課税事業者となることを選択する」という意思表示を税務署に対して行うことで、初年度から課税事業者として消費税の還付を受けることが可能です。

2-6-2.「特定期間」の課税売上高が1,000万円以上であること

上の「基準期間」による判断基準によれば、事業開始から2年間は「前の前の事業年度」が理屈上ありませんから、課税売上が1,000万円以上ある事業者であっても免税事業者となれます。

もともとはこの「基準期間」による判断基準しかなかったのですが、数年前からは「特定期間」というルールが新しく作られ、急激に売上がアップしたような事業者は消費税課税事業者となる仕組みになっています。

具体的には、事業年度開始から1か月~6か月までの期間を「特定期間」として、この期間中の課税売上高が1,000万円を超える場合、その事業者は翌年から課税事業者として扱われます

例えば、2018年1月1日~6月30日までの課税売上高が1000万円を超える個人事業主は、2019年については課税事業者ということになります(法人の場合は期首から6か月間で計算します)

2-6-3.「特定期間」の給与支払額から判断するケース

ただし、決算というのは1年に1回だけ行うというのが法律上のルールですから、期首から6か月間が経過した時点では「課税売上高がいくらなのか?」が厳密にはわからないというケースもあるでしょう。

その場合には「特定期間において従業員に対して支払った給与額」から消費税が課税となるか否かを判断することが認められています。
具体的には、特定期間における給与等の支払額が1,000万円を超えていない場合には、翌年も免税事業者として扱ってもらうことができます。

課税売上高1,000万円程度の事業者で、従業員や役員への給与支払額が1,000万円を超えることは、あまりないと思われますので、給与支払額の判定を利用すれば、翌年も免税事業者でいられることになります(ただし、売上が少なくても積極的に投資を行い従業員を多く採用しているベンチャー企業は当てはまらない可能性もあります)。

2-6-4.資本金額1,000万円以上の法人

上で「基準期間」や「特定期間」について説明させていただきましたが、法人設立時に資本金が1000万円以上ある会社については最初の事業年度から消費税の課税事業者ということになります。

この場合、新設法人であれば受けられる特典である「2年間の消費税免税」という扱いを適用してもらえないことになりますから注意が必要です。

ビジネスウーマン

3.消費税の還付を受けるには

ここでは消費税の還付を受けるための条件や手続き方法について見ておきましょう。

上でも説明させていただきましたが、消費税の還付を受けられるのは「納める消費税額=(売上金額×消費税率)-(仕入金額×消費税率)」の計算式で、「納める消費税額」がマイナスになるケースです。
輸出事業者の方や一部の大家さんなどは消費税の還付を受けられる可能性が高いです。

3-1.還付を受けるには、課税事業者となっていることが必要

まず大前提として、消費税の還付を受けるためには、消費税の課税事業者となっていなくてはなりません
免税事業者の方はそもそも「事業に消費税は関係なし」という扱いになっていますから、納税をしなくてよい代わりに還付も受けられないということになります。

消費税の課税事業者となるのは、「基準期間」や「特定期間」における課税売上高が1,000万円を超える場合ですが、この条件に該当しない場合でもあえて課税事業者となることを選択することはできます。
具体的には、事業年度が開始する前のタイミングで「課税事業者選択届出書」を所轄の税務署に提出することで、本来は免税事業者である人も、消費税の課税事業者となることが可能です。

なお、いったん課税事業者であることを選択すると、2年間(2事業年度の間)は課税事業者となり続けないといけないので注意しましょう。

3-2.消費税還付を受けるためのあれこれ

不動産を購入したときの代金については消費税が課税されていますから、不動産投資を始める初年度において物件を購入し、まだ住人は入居していないという場合には大きな金額の消費税還付を受けられる可能性があります。

上で、「納める消費税額=(売上金額×消費税率)-(仕入金額×消費税率)」の計算式で、還付を受けられるのは「納める消費税額」がマイナスになるケース、ということを説明させていただきましたが、これにはさらに下の条件があります。

マイナスになる消費税額に、さらに「売上高全体に占める課税売上高の割合」をかけた金額が実際に還付される消費税額ということになるのです。

例えば、売上高が合計1億円で、そのうち9000万円が課税売上で、残りの1000万円が非課税売上という事業者の場合、「売上高全体に占める課税売上高の割合」は90%ということになります。

3-2-1.大家も消費税還付を受けられる?自動販売機スキーム(現在は不可)

自動販売機上のような事情により、不動産投資を始める初年度に物件を購入し、その分の消費税還付を受けよう…と考えた場合にも、まだ入居者が0人で売上も0円という状態だと、上の「「売上高全体に占める課税売上高の割合」も0%ということになりますから、結果として消費税の還付金額も0円…ということになってしまいます。

この場合に大家さんが消費税の還付を受けるためのテクニックとして、以下のようなことが行われた時期がありました。
それは、建物の引渡しがある月に「課税売上」を少額でもよいので計上し、「課税売上割合」を100%に近づけておくというものです。
具体的には物件に設置した自動販売機などから上がる売り上げを課税売上として、課税売上の割合を100%としておくといった方法がありました。

ただし、この方法は本来の消費税の課税ルールを回避しようとする方法という扱いになっており、平成22年の法改正によって実質的に使うのが難しくなっています。

具体的には課税事業者を選択した後の2年間の間に、不動産を購入したような場合には、その後3年間は免税事業者への変更ができなくなり、さらに「調整対象固定資産の調整」というルールができたため、実質的には消費税の還付を受ける意味がないという扱いになっているのです。

「調整対象固定資産の調整」のルールとは、簡単に説明すると、固定資産は長期間にわたって利用するものですので、仕入税額控除を購入した年度だけではなく他の年度の売上状況も見て調整するものです。かなり専門的な内容になりますのでくわしくは税理士などにご相談いただくのが良いでしょう。

本節では、「平成22年以降は大家さんが消費税の還付を受けるテクニックは非常に使いにくくなった」ということを理解しておくと良いと思います。

4.賃貸用建物の売却に関わる消費税の問題

大家さんとして賃貸アパートなどの貸付業を行う場合には、以下のような消費税の扱いについて知っておくとよいでしょう。

4-1.個人による売却でも賃貸用建物の売却は課税取引となる

通常、所有している不動産を売却しても消費税の納税を行う必要はありません(マイホームを売却しても消費税の納税はする必要がありません)が、大家さんとして収入を得ている場合に賃貸用建物を売却したようなケースでは、その収入に関しては消費税が課税されることになります。

収入に消費税が課税されるということは、「収入金額×税率」の分だけ消費税を預かっているということになりますから、そこから課税仕入れに含まれる消費税額を差し引きした金額は税務署に対して納めなくてはなりません。

4-2.売却額が1,000万円(税込)を超えていたら、翌々年に課税事業者になり納税義務が発生

多くの場合、賃貸用不動産の売却価額は1000万円を超えるでしょう。
売却による収入は課税売上ということになりますから、その翌々年においては消費税の課税事業者となる可能性が高いことにも注意しておきましょう。

4-3.課税事業者となった年の課税売上高が1,000万円以下でも納税義務があることに注意

消費税の課税事業者となるのは、賃貸用建物を売却して1,000万円以上の課税売上が出た翌々年です。

そのため、翌々年にまた別の建物を売却する際に「自分は消費税の課税事業者ではないから、消費税を含める必要はない」という形をとってしまうと、その後の納税において損をしてしまいますから注意が必要です(納税義務を忘れて消費税をもらい忘れたら、その人の負担になってしまいます)。

4-4.原則は一般課税だが、簡易課税も選択できる

なお、消費税の課税事業者となる場合、原則として「一般課税」という形になり、「納める消費税額=(売上金額×消費税率)-(仕入金額×消費税率)」の計算式で消費税を計算することになります。

しかし、売上高が一定額を超えない場合(後述)には「簡易課税」の方式によって消費税を計算することも認められます。
簡易課税の方式とは、課税売上高に一定割合をかけることによって課税仕入れの金額を計算できる仕組みです。

4-4-1.みなし仕入れ税率とは

この一定割合というのはメインで営んでいる業種によって異なり、不動産業であれば40%、卸売り業なら90%というように決まっています(これをみなし仕入れ税率といいます)。
簡易課税は仕入金額が少ないようなケースで選択するメリットが大きいといえます。

例えば、デザイン業やライター業といった仕事は経費として発生するものが人件費などしかないケースが多いですが、人件費は課税仕入れとならないため、消費税の金額が非常に高くなることが多いのです。
このような場合に簡易課税方式を選択しておくと、「課税売上高×みなし仕入れ税率(サービス業なら50%)」という形で消費税の計算をすることが認められるので、消費税の負担額を少なくすることができるというわけです。

ご自分の事業の種類から有利なほうを選択するのが良いですが、いったん簡易課税事業者を選択したら2年間は変更することができず、その間には還付を受けることもできないことなるので注意しましょう。

なお、簡易課税を選択するための条件は、基準期間における課税売上高が5,000万円以下であることと、事業年度が始まる前のタイミングで税務署に対して簡易課税選択の届出書を出しておくことです。

5.わからない場合は税理士に相談を

今回は大家さんとして事業を行っている方向けに消費税の計算方法や還付を受ける方法について解説させていただきました。
消費税の計算は複雑で、事業が大きくなるにしたがって納税額も大きくなりますから、計算間違いが生じることは大きなリスクとなります。

消費税の計算については税理士に計算を代行してもらうことができますから、状況に応じて相談するようにしましょう。

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