1.流山市について
流山市は、千葉県の北西部に位置し、西側は埼玉県に隣接しています。
都心へわずか20分でアクセス可能なその立地から、ベッドタウンとして絶大な人気を誇っており、現在の人口は約20万人で、30代を中心にした子育て層を中心に、年4、5千人のペースで増加中です。
都心のベッドタウンであることによる所得の高さ、人気エリアであることによる地価の高さなど、流山市は相続税課税が起こりやすい条件が揃っているようです。
今回は、流山市の相続税申告について詳しく解説していきます。
2.流山市の相続税申告状況
令和元年の相続税申告状況のデータによると、流山市を管轄している松戸税務署管轄エリアの申告割合は12.96%、課税割合は9.90%、1件当たり納付税額は1,895万円となっています。
なお、松戸税務署の管轄エリアには、流山市の他に松戸市と鎌ヶ谷市も含みます。
いずれの市も都心部のベッドタウンとして機能していますが、特に流山市と松戸市については、その立地からして鎌ヶ谷市よりも相続税の課税が起こりやすいと考えられます。
流山市単体での数値は公表されていませんが、おそらく3市の平均値より高くなるでしょう。
2-1.流山市と千葉県・全国平均との比較
松戸税務署管轄エリアと千葉県、全国との平均値を比較してみましょう。
申告割合 | 課税割合 | 1件当たり 納付税額 | |
---|---|---|---|
松戸税務署 管轄エリア | 12.96% | 9.90% | 1,895万円 |
千葉県 | 11.06% | 8.50% | 1,395万円 |
全国平均 | 10.71% | 8.35% | 1,714万円 |
松戸税務署管轄エリアの数値は、いずれも1%以上上回っており、さらに納付税額も非常に高いことから、流山市は相続税が課税されやすいだけでなく、その納付税額も高額になりやすいエリアということになります。
ご自分に相続税が課税される可能性はあるのか、納付税額はいくらくらいになるのかを把握して、しっかりとした対策を講じておく必要があるエリアです。
3.流山市の特徴
流山市は関東平野の中心に位置しており、北側に野田市、東側に柏市、南側に松戸市、西側に埼玉県三郷市と吉川市に隣接しています。
都心から25キロメートル圏内にあり、東京都心への直結鉄道である「つくばエクスプレス」が2005年に開通したことによって、南流山駅と秋葉原は最短20分で結ばれるようになりました。
その他にも、JR常磐線、武蔵野線、流鉄流山線、東武野田線の計5路線の鉄道が縦横に張り巡らされており、通勤通学の利便性が非常に高いことが流山市の特徴となっています。
以前は高齢化が進む街でしたが、「都心から1番近い森のまち」、「母になるなら、流山市。」をキャッチコピーに、子育て世代を取り込む良質な環境を整備したことで、子育て世代が住みやすい街として周知され、転入者が急増する街へと変貌を遂げました。
3-1.流山市は人気のベッドタウン
かつての流山市は、江戸川や利根運河を利用した水運が盛んな街として知られていましたが、都心に近いことから積極的な宅地開発も行われ、現在では人口流入が止まらない人気のベッドタウンとして機能しています。
ただし、高級住宅地はなく、一般的なサラリーマンがマイホームを構える土地という位置づけになります。
3-2.流山市の中心地は「流山おおたかの森駅」
流山市の中心駅は流山鉄道の「流山駅」でしたが、JR武蔵野線の開業によってその機能は「南流山駅」に移りました。さらに2005年に開業したつくばエクスプレスの影響によって、現在では「流山おおたかの森駅」に移りつつあります。
「流山おおたかの森駅」周辺は、大規模な宅地開発が行われ、洗練された都会的な雰囲気のある街並みが創出されていますが、その反面、駅名の由来となった絶滅危惧種である野生のオオタカが駅近くに生息しているほど、自然を身近に感じることができます。
戸建て住宅もありますが、地価がぐんぐん上昇していることから、近年はマンション建設が中心となっています。
まだまだこれから発展していく街であり、高級住宅地としてブランドが付く可能性もあります。将来的には、「流山おおたかの森駅」周辺は、相続税が課税されやすいエリアとなる可能性が高いでしょう。
3-3.流山市の地価
流山市の地価は1㎡あたり18万円で、県内54位中5位の高さです。
市内で最も地価が高いのは「流山おおたかの森駅」周辺で、1㎡あたり30万円と高級住宅地の代名詞である市川市や浦安市の平均に追い付きそうな金額となっています。
次に高いのは「南流山駅」周辺で20万円、その次に流山セントラルパーク周辺で16万円となっています。
これらの駅は、いずれも市の中央部から南西部にかけて位置しており、都心から離れる北部は、地価が低い傾向にあります。
最も地価の低い「運河駅」周辺は1㎡あたり6万円で、中心部の5分の1の金額となっており、さらに地価の低下も著しくなっています。
しかし、流山市には、地価が数千円というような地点はないため、相続税を心配せずにすむ居住地はありません。
特に、流山おおたかの森駅、南流山駅、流山セントラルパーク駅を最寄り駅にしている人にとって、相続税は縁遠い話ではないでしょう。
4.流山市の税理士情報
千葉県の税理士は千葉県税理士会に所属しており、その税理士登録者数は2,546人(令和3年12月末日現在)で、このうち、流山市の税理士が所属している千葉県税理士会松戸支部には350人(松戸市255人、流山市56人、鎌ヶ谷市39人、柏市4人、野田市1人)がいます。
松戸税務署の相続税申告件数は924件であったことから、松戸支部の税理士350人に対する相続税申告1件当たりの税理士数は0.37人となり、千葉県平均の0.36人をわずかに上回る程度の数値となっています。
なお、全国平均は1.9人です。千葉県の税理士不足の状況が伝わるかと思います。
4-1.流山市の税理士の探し方
流山市は人口が急増しているにもかかわらず、税理士は56人しかいません。この人数には、相続税をあまり取り扱ったことがない税理士も含まれていると考えることもできます。
そこで、流山市で相続税申告を依頼する税理士探しは、都心へ好アクセスである点を十分に活用することをご活用ください。
少ない母体数の中で探すよりも、都心部を含めた莫大な数の税理士の中から探す方がより効率的です。
【参考サイト】「税理士登録者数 」| 日本税理士会連合会、千葉県税理士会、千葉県税理士会 松戸支部