相続税申告を税理士に依頼する際に知っておくべき申告までの流れ
税理士は、相続税に関する相談から申告までサポートしてくれます。相続税の申告がいるかどうかすら分からない、という場合で…[続きを読む]
相続税の申告が必要な方だけでなく、これから相続税対策をする方も、自分が納付するであろう相続税がどれぐらいの額になるのかは気になるところでしょう。
しかし、相続財産は家や株などその種類ごとに評価の方法が異なるため、相続人となる方が自分で相続税額がどれぐらいになるのかを実際に把握することは極めて難しいと言えます。
そこで利用したいのが税理士の無料相談。ここでは、相続税の無料相談を受けるにあたって押さえておきたい事前準備やポイントをご紹介します。
目次
まず、税理士事務所で相続税申告の無料相談を受けようと考えたときに、相談すべき税理士はどうやって探せばいいのでしょうか?
1つ目は知人などからの紹介、口コミによるものです。この場合は、知人・友人からどのような税理士かをあらかじめ聞くことができるので、安心です。また、探す時間や手間が省けます。
2つ目はネットで調べる方法です。
実は、相続税の申告は知識だけでなく実務経験が重要で、相続税に詳しい事務所とそうでない事務所があります。
相続税の実務経験が豊富な事務所では、年に何十件もの相続税申告を扱いますが、一方で、法人や個人事業主との顧問契約における収入を主としている事務所では、相続税の申告を数年に一度しか取り扱わないこともあります。
相続税申告の経験が豊富な税理士事務所は、事務所のサイトで実績などを公表しています。参考にしてください。
また、無料相談を受けた税理士に必ずしも相続税の申告を依頼しなければならないものではありません。依頼しなかったからといってペナルティがあるわけでもありません。
何件か税理士事務所の無料相談を受けて、信頼のおけそうな相続税申告が豊富な税理士にお願いすることを考えておきましょう。
相続税申告の無料相談を行う税理士事務所では、初回のみ無料や時間制限のあることが多く、そういった場合は、あらかじめ必要なものを用意してから、税理士事務所などに訪問したほうが時間を効果的に使えます。
相続税申告の無料相談に行く前にはどのような書類を用意しておいた方が良いかあらかじめ確認しておきましょう。
相続税の概算を知るには、相続する財産の評価額がわからなければなりません。
そのために、被相続人または被相続人になるべき方にどのような財産があるのかをあらかじめリストアップして持参しましょう。大まかなリストでも問題ありません。税理士がそのリストを見ながら「他にこういった資産はありませんか?」と尋ねてくれます。
ただし、無料相談時に大きな資産が抜けていれば、相続税の概算税額が大きく変わってしまいかねないので注意が必要です。
また、金融機関からの借入金や葬式の費用は相続税の債務控除の対象になります。こちらも一緒にリストアップしておきましょう。
以下に相続税に関係する財産の目安となるおおよそのリストと、無料相談時に用意していた方が良いものを記載しています。無料相談に行く前に確認してください。
相続税の無料相談の際に用意した方が良いもの
財産の種類 | 用意した方が良い書類など | 備考 |
---|---|---|
現金 | 通帳など金額がわかるもの | 通帳などがなくてもおおよその金額がわかれば問題ありません |
土地 | 登記簿謄本 あれば測量図 | 無料相談時には登記簿謄本だけで問題ありません |
建物 | 固定資産税評価証明書 登記簿謄本 | 所有している建物ごとにすべて必要です |
株式、社債など | 配当金支払通知書 | 所有している株の銘柄や株数がわかるものを用意します |
生命保険 | 保険証書 支払通知書 | 既に生命保険の支払いがある場合は、支払通知書を用意します |
退職手当 | 源泉徴収票 支払通知書 | 死亡後に退職手当がある場合はその金額のわかるものを用意します |
骨董品、 貴金属や絵画 | メモなど何があるかわかるもの | 何があるか・どのようなものかがわかればかまいません |
被相続人が事業を していた場合 | 前年度の確定申告書 準確定申告書 | 準確定申告書は既に申告している場合のみに用意します |
金融機関 からの借入金 | 残高証明書 返済予定表 | 残高のわかるもの 金融機関以外からの借入金があれば契約書を用意します |
葬儀費用 | 領収書 | 一覧表に記載するだけでもかまいません |
以上はあくまで、一般的に無料相談で一覧にしておいた方が良い財産だけを記載しています。当然、被相続人にこれら以外の資産があれば、用意するものも増えていきます。
相続税を計算する上で、財産と同様に重要なのが家族構成です。
相続税の計算では、配偶者と配偶者以外の家族でその控除の金額に大きな違いがあります。また、どの相続人がどれだけの金額の財産を引き継ぐかで、相続税の全体の税額も大きく変わります。そのため家族構成はとても重要になります。
実際に相続税の申告をする際には、戸籍を遡り、他に相続人がいないかどうかを調査する必要があります。そのため無料相談では、戸籍謄本などまで用意する必要はありませが、家族・親戚の名前や住所はまとめておきましょう。
相続税の無料相談でどこまで対応してくれるかは、税理士事務所によって異なります。
しかし、相続税を数多く申告している税理士事務所は、相続税を簡易で計算する独自のソフトなどを持っており、財産と家族構成の一覧を用意すれば、その場で相続税の概算を計算してくれることが多いようです。このような税理士事務所であれば、相続税について一定の知識のある事務所と考えて良いでしょう。
財産の詳細な評価をして正確な相続税額を計算するためには、税理士への正式な依頼が必要となります。
依頼を検討する際には、事前に見積りを提示してくれるので、税理士報酬の相場と比較しながら、検討してみてください。
また、依頼すべき税理士の選び方については、以下の関連記事をぜひご参照ください。
相続税の申告は税理士に依頼することがほとんどです。しかし、普段から税理士とつきあいのある人は少ないので、多くの場合は税理士探しから始めなければなりません。そんなときは無料相談を使い賢く税理士を選びましょう。
相続税では相談から申告までに半年以上かかることも珍しくなく、ときには家族間の問題にもかかわるので、信頼できる税理士に頼むことが重要です。ぜひ、この記事を参考に無料相談をうまく使いながら信頼できる税理士を見つけてください。
また、当サイトでも、簡易に相続税の概算税額がわかる「相続税シミュレーション」があります。ぜひご活用ください。