贈与税がかからない場合とは?生活費、教育費など

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通常、年間で110万円(基礎控除額)を超える贈与を受けた場合は「贈与税」が課されます。しかし財産の性質や、贈与の目的によっては、贈与税がかからないものもあります。生活費や教育費など社会通念上妥当と認められるものは贈与税の課税対象にはなりません。このことを認識していれば、基礎控除額や、各種の特例制度にこだわらずとも、案外、子供や孫に大きなお金をあげられるものです。

そこで、課税対象にならない贈与について、詳しく確認してみます。

贈与税がかからない贈与とは?

扶養義務者からの贈与

父母や祖父母など扶養義務者から生活費や教育費のために贈与された財産は課税対象になりません。そのほか、一部の結婚費用や出産費用も課税対象には含まれません。詳細内容については後半で詳しく説明します。

公益・社会福祉を目的とする贈与

贈与を受けた人が、宗教や慈善、学術などの公益を目的とする事業を行っており、その事業のために財産を受け取った場合は贈与税がかかりません。
また、特定公益信託から奨学金を目的として支給される金品も贈与税の対象外です。精神や身体に障害を持つ人が自治体等から給付金を受ける場合も対象外です。

そのほか、離婚時の慰謝料や養育費や財産分与も贈与税の対象外です。交通事故での損害賠償金も非課税です。(ただし、その金額が過大である場合には贈与税がかかる場合があります。)

法人から受けた贈与、法人が受けた贈与

贈与税は「個人から個人に」贈与された財産に対して課税される税金です

よって、「法人から個人へ」贈与された財産は贈与税の課税対象とはなりませんが、所得税を納める必要があります。たとえば、ある社員が会社から土地を無償でもらったとしたら、給与所得として所得税が発生します。

また、「個人から法人へ」贈与された財産も贈与税の課税対象とはならず、法人税が発生します。ただし、例外として代表者または管理者が定められている人格のない社団または財団等が個人とみなされて(みなし個人)、贈与税を課税される場合があります。

参考までに、贈与者(贈る側)、受贈者(受ける側)がそれぞれ個人、法人の場合に課税される税金について整理しておきます。

  受贈者
(受ける側)
  個人法人
贈与者
(贈る側)
個人贈与税法人税
法人所得税法人税

扶養義務者とは?

贈与税の課税対象にならない贈与の1つ目に、「扶養義務者からの贈与」を挙げました。ここで言う「扶養義務者」とは、受贈者を扶養する立場にある人のことです。

扶養義務者の範囲

扶養義務者の範囲は民法877条によって規定されており、詳しくは次の通りです。

(1)配偶者(夫または妻)
(2)直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母)
(3)直系卑属(子、孫、曾孫)
(4)兄弟姉妹
(5)三親等内の親族で同一生計を営む者

以上のように規定されています。したがって、上述した人との間、例えば夫婦間、親子間、兄弟間などであれば「扶養義務者の範囲」として見られます。つまり、金品等の贈与をしても贈与税の対象外として扱われます。

非課税として扱われる贈与の範囲

扶養義務者の範囲にあっても、全ての金品の受け渡しが非課税になる訳ではありません。あくまで扶養として見られる範囲に限られます。下記のどちらかに当てはまらない場合は、非課税対象として扱われないので注意しましょう。

①生活費
②教育費

まず「①生活費」は、扶養相手が通常の生活をするのに必要な費用を指し、養育費や治療費などがあります。また、「②教育費」は扶養相手に教育を受けさせるための学費等を言います。これら2つが贈与税の非課税対象の範囲として扱われるように定められています。

なお、扶養義務者が生活費、または教育費だと思って贈与をしても、金額が多すぎる場合は社会通念上適当と認められないこともあります。こうした場合には贈与税として課税されることになるので気をつけましょう。

贈与税が非課税として扱われる贈与の具体例

贈与の中でも扶養義務者による「生活費」と「教育費」は課税対象外として扱われます。そこで具体的には、どのような贈与が課税対象外なのか確認します。

「生活費」として認められる具体例

生活費として認められる具体例には、以下のようなものがあります。

仕送りや賃貸料など

子供の生活費として仕送りをしたり、子供が一人暮らしをしているアパートの賃貸料を贈っても、贈与税の課税対象になりません。子供に毎月10万円以上、仕送りをしている親御さんもいらっしゃると思いますが、年間にしたら120万円で基礎控除額の110万円をオーバーしていますが、それで贈与税を申告したという話は聞いたことがないでしょう。社会通念上適当と認められる範囲であれば非課税なのです。ただし、贈与者(親)と受贈者(子供)の収入等によっては贈与として認められないこともあります。もし、子供がベンチャー会社を経営していて数千万円の年収があり親よりも収入が多かったら、親が子供を扶養すべきとはいえないからです。

また、親御さんの中には、毎月仕送りをすると振込手数料もかかり面倒なため、1年分まとめて子供の口座に振り込んでいる方もいるでしょう。この場合でも、そのお金が子供の生活費に充てられれば、贈与税の課税対象にはなりません。ただし、使わずにただ貯金しておいたり、それを元手に株式投資をしたりすると贈与税が課される可能性があります。税務署は、やりとりした金額の大小というよりも、あくまでも実体で判断しています。

結婚費用や出産費用など

子供の結婚は親としては大変嬉しいものであり、それなりの金額を子供にあげる親も多いと思います。子供が親から金品を受け取った場合は原則として贈与税の課税対象となります。ただ、それを生活費に充てるのであれば課税対象外となります。新婚生活は何かと物入りです。冷蔵庫・洗濯機・テレビなどの家電、食器棚、キッチンテーブル、衣装ダンス、ベッドなどの家具、その他、日常生活を送るために必要なものを購入するのであれば、問題ありません。新婚生活に必要な物をひととおり揃えるだけで100万円くらいかかりますので、子供の結婚を機に、思い切って支援してあげるのも一つの手です。

また、子供の結婚式や披露宴の費用を親が負担することについても、それがその地域の慣習や社会常識、招待客との関係などに照らして妥当であれば、問題ありません。派手好きな親族が多い家系で親の顔を立てるために豪華なホテルで結婚式をすれば費用もそれなりにかかるでしょう。実際、親から100万円ほど援助してもらったという話はたくさんありますし、中には親の意向で1,000万円出してもらった人もいるようです。

次に、子供が出産する、つまり孫ができるのも嬉しいものですが、その出産費用を子供に贈与しても贈与税が非課税です。具体的には、出産のための検査費用、入院費用、治療費用等があります。また、出産後の新生児の生活に必要なベビー用品等を購入することも含まれます。昨今では子育てもお金がかかる時代ですので、出産した子供の助けにもなるでしょう。

「教育費」として認められる具体例

教育費用として認められる具体例には、次のものがあります。

義務教育に係る費用、教材費・文具費用など

教育費は義務教育に係る費用を基本とし、このために必要な教育必要全般が含まれます。つまり、学資や教材費、文具費用、通学のための交通費、学級費、修学旅行参加費などが該当します。また、学習塾や受験費用等も教育の中に含まれます。

扶養義務者以外からの贈与

扶養義務者以外からの贈与でも、祝儀金、弔慰金など社会通念上妥当と認められる内容と金額であれば贈与税は課税されません。入学祝い、結婚祝い、出産祝いなどで、同僚、上司、知人、友人などから金品を受け取ることがありますが、これらも社会常識的な範囲であれば非課税です。

贈与税がかからない場合のまとめ

贈与税がかからない場合について解説してきましたが、贈与税が非課税となるケースは意外と多いものです。贈与税と聞くと、お金をあげた/もらっただけで税金をとられるように感じるかもしれませんが、お互いに生活を助け合うためのお金であれば贈与税はかからないのです。必要な時に必要な金額だけ、子供や孫に贈与していくことで、面倒な書類を書くこともなく、税金も気にすることもなく、確実に贈与することができます。また、お金を受け取った子供や孫のほうも、適宜必要なお金を援助してくれる親や祖父母に対して感謝を抱いたり、必要なところに大切にお金を使うものと思います。

逆に、ずっと貯めておいて一気に財産を渡そうとすると、多額の贈与税あるいは相続税がかかってきます。また、子供や孫もお金をもらったときは嬉しいですが時間が経てば感謝の気持ちも薄らぎますし、さらに、人は一気に多額のお金が入ってくると高飛車になって浪費しやすくなるものです。

よく、恋人や夫婦の間のプレゼントは、高額な物を一回だけ贈るよりも、小額でいいから細めに贈るほうがうまくいくと言われますが、贈与についても、税金面・人間関係いろいろな面から同じことがいえるのかもしれませんね。

なお、教育資金、結婚・出産資金の贈与については、それぞれ一定金額まで非課税となる特例制度がありますので参考にしてください。ただし、どちらもあらかじめ必要な書類を提出し、専用の銀行口座を開設する必要があります。

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