京都市伏見区の相続と税理士事情

京都府 伏見区 伏見稲荷

京都市の南部に位置し、稲荷大社が全国的に有名な伏見区。趣きある京都の街並みが残る伏見区の相続にはどのような特徴があるのか確かめていきましょう。

1.伏見区の相続事情

京都府伏見区の相続税の申告件数は267件、実際に課税された件数は192件です。相続1件あたりの納付税額は約2,400万円、課税割合は7.04%となっています。京都府の平均データでは、1件あたりの納付税額が約1,900万円、課税割合が9.09%です。

二つのデータを比べてみると、伏見区の1件当たりの納付税額は平均を上回っており、反対に課税割合は下回っていることが分かります。府内の他地域と比べてみても、1件あたりの納付税額は県内で2番目、課税割合は8番目となっています。

つまり、伏見区では課税される可能性は低いですが、課税される場合には非常に高額な相続税を納めなければいけません。ただし、課税割合が低いといっても、京都市内では中位に位置している数字です。京都市内には課税割合が高い地域が多いため、低く見えてしまっているのです。

そのため、伏見区で生活している人々は、相続税に対しての備えが重要だといえます。特に、京都府は相続する物品などで課税額が高額化する傾向にあります。課税額を少しでも抑えて遺産を多く相続するためにも、しっかりと相続税対策を行いましょう。

2.地価事情

京都府内で2番目に高額な課税額を納めている伏見区。では、どうして課税額が高額になっているのでしょうか?相続税額を決める重要なポイントである地価から考えてみましょう。

2-1.代表的な地域と地価

2-1-1.伏見桃山

伏見区の中央部に位置しており、中心地域にもなっている伏見桃山駅周辺。伏見桃山駅は以前は急行列車の停車駅でしたが、現在では近隣に丹波駅が開通したことから中心市街地でありながら準急以外の列車は止まらない通過駅となっています。

しかし、もともと伏見区の中心部を支える駅として機能していたことから、駅周辺は大きく開発が進み、オフィスビルやマンションなどが多く建設されています。また、伏見区役所や伏見大手筋商店街など、区民にとって欠かせない施設もあることから、多くの人で賑わっている地域です。

伏見桃山駅周辺の地価平均は約28万円で、伏見区内では最も地価が高額な地域です。特に、駅前には約48万円の地域もあり、地価の高額化が進んでいます。さらに、伏見桃山駅から東へ進むとには桃山があります。

桃山は高級住宅街として有名な地域で、地価平均約24万円と伏見区で3番目に地価が高額な地域です。伏見桃山駅~桃山駅周辺は地価が高額でありながら、住宅が多い地域のため特に相続税への注意が必要な地域です。

京都府 伏見区 伏見城

2-1-2.伏見稲荷

伏見区を代表するものといえば、全国的に知られている伏見稲荷大社です。伏見稲荷大社は、全国にある稲荷神社の総本社として国内だけでなく海外からも多くの人々が訪れる人気のスポットです。何重にも重なるように建てられた千本鳥居が非常に美しく彩っています。

伏見稲荷大社を中心としたこの地域は、商業施設なども建設されていますが、基本的に住宅地として活用されています。特に、伏見稲荷駅周辺はお正月を除き利用客もそこまで多くないため、閑静な住宅街としても知られています。

伏見稲荷駅周辺の地価平均は約26万円で、伏見区内で2番目に高額な地域です。観光地に近い地域なのですが、観光客のほとんどは伏見稲荷駅の東部にある稲荷駅を使用しています。そのため、稲荷駅に近いところほど地価が高額化しており、伏見稲荷駅周辺では地価の落ち着きが見られています。

また、伏見稲荷大社内に茶屋が設けられているため、周辺には飲食店は多いものの、大半は住宅地として活用されています。観光地としての人気からこれからも地価の上昇が期待されているため、相続税には注意が必要です。

2-2.地価の特徴

伏見区全体の地価平均は約16万円です。この平均額を上回っている地域は、主に伏見稲荷大社周辺に集まっており、取り上げた伏見桃山や伏見稲荷以外にも、丹波橋や伏見駅周辺、深草なども高額になっています。

また、伏見区の土地活用の特徴として、駅周辺は市街地化していますが、ほとんどが住宅地として活用されています。これはどの駅周辺も同様で、地価が高額な地域にも住宅が多く建設されています。

そのため、駅周辺の地域に生活している人は、より相続税が課される可能性が高いといえるのです。特に、高級住宅街である桃山地区では相続税も高額化する危険性があるため、適切な対策を講じておきましょう。

そして、伏見区は京都駅に近く、京都市内でのベッドタウンとしての機能も持ち合わせています。その結果、ここ数年は伏見区の各地では地価の上昇が見られており、今後の地価動向は注意深くチェックしておきましょう。意外な地域で地価の急上昇が起こり、相続税の増加に繋がるかもしれません。

3.所得と富裕層

伏見区の世帯平均年収は約400万円だというデータがあります。これは、京都市全体の世帯平均年収とほぼ同じで、市内ではそこまで高額な年収を受け取っている訳ではありません。京都府での平均年収は約420万円であることから、府全体と比べてみても高額な地域とはいえないでしょう。

実は、京都市内では所得格差が広がっており、伏見区の場合は年収1,000万円以上の世帯が約4%、300万円未満の割合は約48%となっています。そのため、平均化すると所得は高額となりますが、実際の所得とは離れていることがあるのです。

また、京都市内は伝統的な産業が多いイメージがありますが、どちらかというと工業地帯が発展しており、ビジネス街も形成されています。しかし、古くからの住宅地が残っているため地価も高くなり、住みやすいベッドタウンは市外に形成されています。その結果、京都市外や奈良県に高所得者が集まるようになり、京都市内で生活する人の所得は低なっていると考えられます。

そして、地価と所得を合わせてみると、地価が高額ですが所得には差が大きく現れていることがわかります。この地価と所得の特徴が、1件あたりの納付税額と課税割合に影響を与えているため、高額な課税が行われながらその割合は低くなっているといえるでしょう。

4.伏見区の税理士事情

相続税対策の心強い味方となる税理士。伏見区に在籍している税理数は140名です。伏見区の年間課税件数は192件ですので、不足している訳ではありません。場合によっては相続税の依頼がかぶってしまうこともありますが、ほぼ予定通りの税理士へ依頼できるでしょう。

ただ、注意したいのが他の地域の在籍税理士数です。同じ区内である上京区や左京区では課税件数の半分程度の在籍数となっています。特に、隣接している宇治市は課税件数の1/4程度の税理士しか在籍していません。

そのため、他の地域から伏見区への税理士へ依頼が集中し、結果的に不足する事態に陥る可能性があります。伏見区は京都府の中心駅である京都駅に近いため、府の各地からアクセスが可能な地域のため、依頼が増加する危険性が高いのです。

また、京都府の相続では地価や所得の他にも相続する物品による相続税が高くなる傾向があります。古物商と連携しているなど、物品の鑑定に強いことも税理士探しのポイントとなります。さまざまな点を考慮して、相続が始まる前から多くの税理士を比較検討し、信頼できる税理士を見つけましょう。

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【参考】伏見区内の相続関連機関一覧

伏見区内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2018年2月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。

機関名住所TEL
伏見税務署〒612-0084
京都府京都市伏見区鑓屋町
075-641-5111
(代表)
京都南府税事務所〒601-8047
京都府京都市南区西洞院通九条上る
(南区東九条下殿田町13)
075-692-1320
(管理課)
伏見区役所〒612-8511
京都府京都市伏見区鷹匠町39番地の2
075-611-1101
(代表)
京都地方法務局
伏見出張所
〒612-0029
京都府京都市伏見区深草西浦町4-54
075-645-6726
京都公証人合同役場〒604-8187
京都府京都市中京区東洞院通御池下る笹屋町436の2
シカタディスビル 5階・6階
075-231-4338
京都家庭裁判所〒606-0801
京都府京都市左京区下鴨宮河町1
075-722-7211
(代表)
京都司法書士会〒604-0973
京都府京都市中京区柳馬場通夷川上ル五丁目232番地の1
075-241-2666
京都弁護士会〒604-0971
京都府京都市中京区富小路通丸太町下ル
075-231-2378
(代表)

 

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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