枚方市、寝屋川市、交野市の相続と税理士事情

大阪府の北部～東部にかけて位置している枚方市、寝屋川市、交野市。大阪市のベッドタウンとして人気を集めるこの地域にはどのような相続税の特徴があるのでしょうか？地価や所得の状態から考えて行きましょう。

1．枚方市、寝屋川市、交野市の相続と税理士事情の相続事情

大阪府の北東部にある枚方市、寝屋川市、交野市は、全て枚方税務署の管轄地域です。そのため、相続税に関するデータも3つの市のデータが合計されたものが発表されています。

2016年の相続税申告件数は729件、実際に課税された件数は548件です。相続1件あたりの納付税額は約1,690万円、課税割合は8.76％となっています。大阪府の平均データは発表によると、1件あたりの納付税額は約1,944万円、課税割合は8.41％です。

平均データと比較すると1件あたりの納付税額は下回りますが、課税割合は平均を上回っています。つまり、枚方市、寝屋川市、交野市では、課税額は低いですが、相続税が課税される可能性が高い地域といえるでしょう。

したがって、相続税への適切な対策を準備しておくことが必要です。また、平均よりは下回りますが、大阪市内の地域に匹敵するほどです。不動産など相続する可能性の高い資産を確かめておき、課税額へも十分な注意を払っておきましょう。

2．枚方市、寝屋川市、交野市の相続と税理士事情の地価事情

相続税が課税されやすいのは土地などの不動産です。そこで、土地の価格から枚方市、寝屋川市、交野市の相続税の特徴を考えていきましょう。

2-1．代表的な地域と地価

2-1-1．枚方市

大阪府の北東に位置し、京都府や奈良県とも隣接している枚方市。約40万人の人口を誇る枚方市は、府内で4番目に多い人口を擁している市です。大阪市と京都市のほぼ中間に位置することから、ベッドタウンとして発展を続けています。

そのため、市の多くは住宅街として活用されており、その影響により人口が増えてきました。一方で、宅地化が進んだことから工場などが市街に移転することも増えており、市内の経済活動は落ち込みぎみです。

枚方市の地価平均は約13万8,700円で、最も高額なのは約24万3,000円の枚方市駅です。枚方市は大阪市や京都市への通勤者が多いため、市の中心駅である枚方市駅周辺の需要が高くなり、地価も上昇しています。

また、駅周辺には駅ビルや商業施設が建設されていますが、ほとんどが住宅地として使用されています。今後は閉店した商業施設の跡地を利用した再整備が進んでいくため、今よりも地価が上昇する可能性があります。

2-1-2．寝屋川市

枚方市の南西部と隣接している寝屋川市。枚方市と同じく大阪市や京都市のベッドタウンとして人気を集めており、一時期の人口減少からわずかですが人口増へと向かいつつある市です。

寝屋川市の経済は商業が中心となっており、寝屋川市駅や香里園駅周辺には大型商業施設が建設されています。さらに、オーディオ機器の製造や大葉の生産などの産業も活発に行われています。産業の種類は少ないのですが、日本での製品シェア率が非常に高くなっており、日本を代表する産業が集まっているのが特徴的です。

寝屋川市の地価平均は約14万6,000円、最も高額なのは約15万8,000円の香里園駅です。この地域は枚方市との市境にあたる地域です。枚方市にある光善寺駅から香里園駅駅まで距離があるため、枚方市に住む人からも需要が高いことが地価を上昇させています。

また、香里園駅の東部は再開発が行われており、バスターミナルや周辺地位道路が新しく整備されたことも地価上昇の要因だと考えられます。この再開発が継続して行われるため、今後も地価の上昇には注意が必要です。

2-1-3．交野市

枚方市の南部と隣接し、奈良県共隣接している交野市。枚方市や寝屋川市と違って、市内での代表的な産業が少ないため、より住宅街としての色合いが濃い市です。実は、条例によって建築物に制限がかけられていたため、工場などが建設できずに住宅地として活用せざるを得ない状況だったのだと考えられます。

現在は、この条例が撤廃されたことにより、高層マンションなどの建設が盛んに行われています。交通の利便性の高さや自然環境の良さから、ベッドタウンとして注目集まっており、人口増加が進んでいます。

交野市の地価平均は約12万5,600円、最も高額なのは約13万6,000円の交野市駅です。交野市駅周辺には商業施設が建設されていますが、一軒家や団地が多く住宅街が広く形成されています。そのため、相続が発生しやすく、土地への課税が行われる可能性も高い地域です。

交通面では枚方市方面へと続く路線の駅となっています。大阪市や京都市の都心部へのアクセスには欠かせない中心駅であるため、市外への通勤者からの需要が高まり、地価が上昇していると考えられます。

2-2．枚方市、寝屋川市、交野市の地価の特徴

枚方市、寝屋川市、交野市の地価を比較すると、寝屋川市が最も高く、枚方市、交野市と続きます。このエリアの中心は枚方市なのですが、再開発や大阪市への距離などから寝屋川市の地価がより上昇しているのだと考えられます。

また、大阪府内でのそれぞれの順位は、寝屋川市が12位、枚方市は16位、交野市が21位と交野市だけが大きく下がっています。交野市は自然豊かなベッドタウンとして人気ですが、市の約半分が山林です。

居住部が狭いことや、山間部による地価の上がりにくさから、エリア内で最も低い地価となっているのです。そのため、地価からは寝屋川市を中心に相続税が課税されていることが分かります。

ただ、このエリアは住宅街が広く形成されており、地価の高い場所も地価が高額です。したがって、土地の面積によっては相続税が課税される可能性があり、寝屋川市以外でも注意しておく必要があります。

3．枚方市、寝屋川市、交野市の所得と富裕層

次は、資産を構成する大きな要素である所得の状況から枚方市、寝屋川市、交野市の相続税の特徴を考えていきます。

所得の状況を見ると、交野市が最も高額で、次いで枚方市、寝屋川市と続きます。地価とは異なり交野市が最も高額で、寝屋川市が最も低い所得となっています。この背景には、交野市が経済活動の活発な寝屋川市のベッドタウンとして機能していること、寝屋川市を経由しなくても大阪都心部へアクセスできることが考えられます。

つまり、アクセスの環境が同じ場合、地価の低い地域のほうが人気を集めた結果、交野市に富裕層が集まったのです。富裕層が多いということは、所有土地面積が広くなることも考えられるため、地価が安くても土地への課税が大きい可能性があります。

また、地価と合わせて考えると、どの市も相続税が課税される要素を含んでいることが分かります。そのため、枚方市、寝屋川市、交野市では日頃から相続税への備えを行い、万全の状態で相続開始を迎えることが必要です。

4．枚方市、寝屋川市、交野市の税理士事情

地価と所得が平均的に高い枚方市、寝屋川市、交野市では、どの市でも相続税が課税される可能性が高いです。そこで、相続税への的確な対処を行うために、各市の税理士事情を確かめていきましょう。

枚方市、寝屋川市、交野市に在籍している合計税理士数は302名です。1年間の申告件数は729件、課税件数は548件ですので、税理士が不足して依頼できない状況にはならないでしょう。

ただ、各市の在籍状況には大きな差があり、枚方市に税理士が集中して在籍しています。これは、枚方市が交通の起点となっており、寝屋川市、交野市からでもアクセスが容易なため、枚方市に集中して在籍しているのです。

そのため、寝屋川市、交野市では地元の税理士に加えて枚方市でも、相続に強い税理士を探す必要があります。特に、富裕層の多い交野市の在籍税理士数は非常に少ないため、他の地域での税理士探しも積極的に行いましょう。

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【参考】枚方市、寝屋川市、交野市内の相続関連機関一覧

枚方市、寝屋川市、交野市内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました（2018年12月現在）。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。