準確定申告で還付金を受け取る方法

被相続人に所得があり、必要な確定申告をせずに亡くなると、相続人が準確定申告をしなければならないことがあります。

確定申告と同様に所得税を納付しなければなならないこともあれば、還付を受けれることもあります。

還付の場合は、すでに納税者が亡くなっているため、一般の確定申告手続きとは異なる点もあります。ここでは準確定申告での還付金の受け取りについて解説します。

なお、準確定申告手続きについては、以下の記事をご一読ください。

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1.準確定申告で還付金が発生するケース

最初に還付金が発生するケースと、還付金をいつ受け取れるかについて解説します。

1-1.準確定申告で還付金が発生するケース

次のようなケースでは、還付金が発生します。

  • 被相続人が年末調整をおこなっておらず源泉徴収額が納め過ぎとなっている場合
  • 被相続人の年間の医療費が10万円を超えるなど、高額な医療費を支払っており医療費控除の対象となる場合
  • 被相続人のふるさと納税などが、寄付金控除の対象となる場合
  • 被相続人が負担していた生命保険が生命保険料控除の対象となる場合
  • 被相続人が負担していた地震保険が地震保険料控除の対象となる場合
  • 被相続人が住宅ローンを組んだ初年度に亡くなり、住宅ローン控除の対象にしたかった場合
  • 被相続人が災害や盗難で被害を受けており、雑損控除の対象となる場合

詳しい要件は、税務署や税理士にお問い合わせください。

1-2.還付金はいつ受け取れる?

還付金はいつ受け取ることができるのでしょうか。昔に比べて、還付金が支払われる時期は早くなっています。

通常、準確定申告してから1か月かからない程度、確定申告時期など繫忙期であれば、1か月~1か月半程度で還付金が支払われます。

2.還付金の受け取り方

還付金の受け取り方には、各相続人が受け取る方法と相続人の代表者が一括して受け取る方法の2つがあります。

それぞれの方法を確認していきましょう。

2-1.各相続人が受け取る方法

還付金は、各相続人が受け取ることが原則です。

準確定申告には、氏名や住所、被相続人との続柄など各相続人の情報を記載した付表を添付する必要があります。

付表には、相続分ごとの還付金額や、還付の振込を希望する金融機関名や口座番号を記載する欄があり、必要事項を記載すれば、相続人ごとに指定した銀行に還付金が振り込まれます。

付表には、相続人全員の情報を記載しなければならず、特定の相続人が勝手に提出することはできません。

遺産分割協議で相続人それぞれの受取額が決まっていなければ、法定相続により還付金を分割します。

2-2.相続人の代表者が一括して受け取る方法

各相続人が受け取る方法以外にも、相続人の代表者が一括して受け取る方法も認められています。

しかし、還付金は各相続人が受け取るべきものであるため、この方法で受け取る場合は相続人全員が委任状を作成し、準確定申告書に添付して税務署に提出する必要があります。

委任状には特に決まった形式はありませんが、主に以下の事項を記載した委任状を作成します。

  • 被相続人(亡くなった人)の住所、氏名
  • 還付金を受け取る相続人の代表者の住所、氏名、電話番号
  • 委任する相続人それぞれの住所、氏名の記載と押印
  • 準確定申告の還付金と、還付加算金の受け取りを相続人の代表者に委任する旨の文言

以下から国税庁の準確定申告用の委任状をダウンロードすることもできます。

【外部サイト】「委任状(準確定申告用)」「委任状(確定申告用の記載要領」|国税庁

3.還付金は相続税の課税対象

準確定申告で還付を受ける場合に受け取る金額は、還付金還付加算金を合計した金額です。還付加算金とは、税金の還付に付される利子です。

この還付金と還付加算金は性質が異なります。

還付金は、その請求権が被相続人の生存中に潜在していたものと考えられるるため相続財産になり、相続税の課税対象です。

一方、還付加算金は、準確定申告をすることにより発生する考えられるため、相続財産にはならず、受け取った相続人の所得となります。

4.住民税は還付されない

個人の所得に課される税金は、所得税と住民税です。しかし、準確定申告の対象となるのは所得税のみで、相続人が準確定申告をしても、住民税は還付の対象ではありません。

ただし、市区町村は死亡届により被相続人が亡くなったことを把握しており、被相続人が亡くなった日以降は、住民税が発生することはありません。

また、株式の配当金や株式譲渡益から住民税が徴収されている場合にも、還付も受けることはできません。

所有している株式の配当を受けたときは、5%の住民税(配当割)があらかじめ源泉徴収されています。また、上場株式等を売却したときにも5%の住民税(株式等譲渡所得割)があらかじめ源泉徴収されている場合があります。しかし、準確定申告をしても、住民税は還付されません

これは、所得税と個人住民税の課税方法の違いによるものです。

所得税は被相続人が亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得について課税されます。一方、個人住民税は前年1月1日~12月31日の所得に対し、翌年1月1日時点の住所がある自治体が課税するため、亡くなった年の所得には課税されません。そもそも課税されないので申告をすることができず、還付も受けることができないのです。

まとめ

ここまで準確定申告で還付金を受け取る方法を解説しました。

準確定申告の期限は、相続の発生から4カ月です。期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税などのペナルティの税金を支払わなくてはなりません。

もし、準確定申告でご不明な点などがあれば、相続に強い税理士に相談することをお勧めします。相続税申告が必要であれば、まとめて依頼してしまうのも方法の1つです。

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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