ビットコイン(仮想通貨)に相続税や贈与税はかかるの?

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仮想通貨 ビットコイン

 今、何かと話題に上がっているビットコイン。改正資金決済法が施行されたり、所得税などにおいてどう取り扱うかの見解が公表されたりと、少しずつ法整備が進んできました。

では、ビットコインなどの仮想通貨を相続や贈与した場合はどう取り扱うのでしょうか?
ここでは、いろいろな側面から、ビットコイン(仮想通貨)と相続税や贈与税の関係について解説します。

1.ビットコインの資産価値

まず、ビットコインは資産としてどのような価値を持つのか見ていきましょう。

①資産になるのか

ビットコインやアルトコインは仮想通貨です。通貨という名前のとおり、2016年2月に金融庁がビットコインには貨幣機能があるとの見解を示しています。
また、改正資金決済法では、現金や預金のように、物の購入やサービスの提供に対する支払(決済)手段としても位置づけられています。

あくまで仮想のため、正式な通貨としては認められていませんが、貨幣機能があり、支払(決済)手段としても位置づけられているので、資産になると考えられます。

②価値について

ビットコインには価値があります。ただし、有価証券のように円に対する価格は日々変動しています。しかも、取引業者により価格が異なるので、どの時点のどの取引業者の価格を価値とみなすのかなど、価値判定が難しくなっています。

参考までに、2017年1月1日時点で、日本円換算でビットコインの価格は1ビット=約118,000円であったものが、年末の2017年12月31日には、1ビット=約1,674,000円になっており、1年で約14倍も値上がりしました。その後、2018年に入ってから急落しています。
ある意味、株式などと同じく有価証券という性質を持っていると考えられます。

また、ビットコインは現物がなく、あくまで仮想通貨です。そのため、通常ビットコインを保管しているウォレットと呼ばれる仮想の財布は、秘密鍵を所有している人のみが利用可能です。もしくは、取引所のサービスを利用している場合は、被相続人が設定したパスワードによってロックされています。

つまり、この秘密鍵やパスワードが分からないとビットコインを利用することができません。その場合は価値がないと判断される可能性もあります。

2.国税庁の見解

昨年、国税庁からビットコインに対する税金について、いくつかの見解がでています。

①所得税・住民税

ビットコインを使用して利益が出た場合は、原則雑所得(事業として行っている場合は事業所得)になります。
ポイントは、ビットコインを使用していることです。「使用」とは、ビットコインで商品を購入したり、ビットコインが値上がりし売却したりする場合(円などの法定通貨に交換)などのことをいいます。使用した場合は、購入したときと使用(売却)したときの価値を把握しやすいことから、利益を把握しやすくなります。

雑所得とは、他のどの所得にも該当しない所得のことです。経費の計上は認められており、「収入-経費」で計算します。ただし、雑所得は赤字がでても他の所得と相殺(損益通算)できないので、注意が必要です。

②消費税

ビットコインは支払(決済)手段として位置づけられています。消費税法では、支払手段の譲渡は非課税のため、ビットコインを売却した場合の消費税は非課税となります(平成29年7月1日以降に売却したものに限る)。

【関連】ビットコイン等の仮想通貨への課税と確定申告

3.相続税・贈与税について

では、いよいよ相続税や贈与税について見ていきましょう。

①財産評価について

相続税や贈与税については、まだ国税庁から見解が示されていません。ただし、ビットコインには資産価値があるため、相続財産として扱われる可能性が高いです。

相続税や贈与税が所得税と大きく違う点は、ビットコインの使用を伴わないことです。そのため、どの時点のどのような価値として評価するのかが問題となります。ビットコインは円に対する価格が日々変動しているため、一般的な有価証券のように取り扱われる可能性が高いです。つまり、相続や贈与が発生した時の時価で評価すると考えられます。

②パスワードや秘密鍵との関係

相続や贈与があったときに問題になるのが、パスワードや秘密鍵です。

まず、相続税の場合です。相続人がパスワードや秘密鍵を被相続人から受け継いでいる、あるいは、相続発生後にパスワードや秘密鍵を知ることができれば、相続財産として課税されます。問題は、パスワードや秘密鍵がわからない場合です。その場合は価値がないとみなされ、財産性はゼロになる可能性が高いと思われます。

次に贈与の場合です。贈与は相続と違い、贈与者と受贈者の双方の合意のもとで行われるもののため、ビットコインを渡す相手との合意のもとに送金した時点、あるいはパスワード・秘密鍵を受け渡した時点で贈与が発生すると考えられます。受贈者(贈与を受けた人)が翌年に贈与税の申告をします。

4.申告しなかったらどうなるか?

ビットコインの相続や贈与があった場合は、相続税や贈与税がかかる可能性が高いことについて述べました。では、相続税や贈与税の申告をしなければどうなるのでしょうか?

そもそもビットコインは、取引履歴が格納されたブロックが互いにチェーン上に繋がっている「ブロックチェーン」という技術によって成り立っています。このブロックチェーン技術によって全ての取引は記録され、改ざん不可能となっています。
そのため、ビットコインの相続や贈与にかかわる相続税や贈与税の申告をしなかった場合、後から追及される可能性は大きいでしょう。現時点では、相続税や贈与税の申告をしなくても税務署に発見されない可能性はありますが、国税庁は取引業者と提携して監視を強めようとしています。

所得税などでは過去、FXが国内に定着したときも、国税庁が監視を強め、後から脱税を発見したということが多くありました。そのため、ビットコインの場合も後に見つかる可能性が高く、脱税はやめたほうがよいでしょう。
また、故意の脱税には重加算税が課されます。重加算税は隠ぺいなの悪質と認められたときに課されるものです。その税率は40%と大きいものです。最悪の場合、脱税や所得隠しは刑事事件に発展することもあります。ビットコインの相続や贈与があった場合は、必ず申告しましょう。

【関連】相続税・贈与税の加算税(ペナルティ)

5.ビットコイン独自の問題

相続や贈与について、ビットコイン独自の問題もあります。
例えば、ビットコインはウォレットを確認しないと取引などを把握できないため、大量のビットコインを送金したが、送金先の相手が認識していない場合があるかもしれません。パスワードを忘れて利用できない場合もあるでしょう。これらの場合に、贈与が成立するのかどうか問題になる可能性もあります。

また、相続したビットコインを売却したときの取得費はどうなるかという問題があります。被相続人の購入時の価格になるのか、相続時の価格になるのか、その算出が容易ではありません。

6.申告に際しては、税務署・税理士に相談を

見てきた通り、ビットコインなど仮想通貨の相続や贈与があった場合は申告が必要です。しかし、申告するにあたり、財産評価の問題やパスワード・秘密鍵の問題、ビットコイン独自の問題など、さまざまな問題が出てきます。
申告する人それぞれの状況によって問題はさまざまなので、仮想通貨の相続や贈与があった場合は、できるだけ早く税務署や税理士に相談しましょう。

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