相続税・贈与税を脱税するとばれるか?

相続税-加算税

相続税を払わないとどうなる?

平成27年1月に相続税の基礎控除枠が縮小されたことに伴って、相続税の節税に多くの関心が集まっていますが、中には 節税ではなく「脱税」の方向に走り始めてしまう方もいるようです。
仮に相続税を払わないとどうなってしまうのでしょうか。

相続税申告をしなければバレないのでは?

「相続税は申告して課税されるから、そもそも相続税なんて申告しなければ脱税もバレないのでは?」
なんて甘いことを考えているととんでもない目に遭うことになります。

人が死亡すると、市区町村に死亡届を出しますが、この情報は税務署ともリンクしています。つまり、市区町村は死亡届を受理すると、その情報を税務署にも通知します。これは、相続税法第58条に定められていますので、税務署に通知しないでほしいと申し出ても、通知されてしまいます。

相続税法第58条
市町村長その他戸籍に関する事務をつかさどる者は、死亡又は失踪に関する届書を受理したときは、当該届書に記載された事項を、当該届書を受理した日の属する日の翌月末日までにその事務所の所在地の所轄税務署長に通知しなければならない。

よって、税務署は、あなたの親族が死亡したことを知ることが出来るのです。さらに税務署は予め死亡した場合に相続税が課税されそうな人をリストアップしていて、それらの人がきちんと相続税申告をしてくるかどうかチェックしています。

そして万が一これらのリスト対象者が相続税申告をしてこなければ、相続税申告をするよう督促することになるのです。今後マイナンバーが有効利用されるようになれば、市区町村と税務署は、よりスピーディーに連携すると思われます。

相続税申告の脱税がバレるとどうなるの?

さて、これだけ言っても脱税する人がいますが、もしも脱税するとどのようなペナルティがあるのでしょうか。

(1) 延滞税

納付期限を過ぎてしまうと遅延利息に当たる「延滞税」が加算されます。

・納付期限の翌日から2ヶ月以内の期間 :「7.3%」と「特例基準割合+1%」のどちらか低いほう
・納付期限の翌日から2ヶ月を超えた期間:「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のどちらか低いほう

特例基準割合は毎年変わりますが、平成27年1月1日~平成28年12月31日の期間は、特例基準割合は1.8%となっています。
つまり、各期間の延滞税は次のようになります。

・納付期限の翌日から2ヶ月以内の期間 :1.8+1.0=2.8%
・納付期限の翌日から2ヶ月を超えた期間:1.8+7.3=9.1%

(2) 無申告加算税

正当な理由がないのに申告期限までに申告をしなかった場合には、延滞税とは別に無申告だったことに対するペナルティが課せられます。

・期限経過後、自主的に申告した場合:5%
・自主申告せず税務調査によって発覚し申告した場合:納税額のうち50万円までの部分に15%、それを超える部分に20%

(3) 過少申告加算税

申告はしたものの、事実よりも少ない金額で申告した場合は、過少申告加算税が課税されます。なお、自主的に修正申告をした場合は課税されません。

・原則として増えた税額に対して:10%
・税額が期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超えるときの超えた部分について:15%

(4) 重加算税

過少申告や無申告だった場合で、隠蔽や偽装など悪質な場合は、無申告加算税や過少申告加算税よりも税率が高い「重加算税」が課税されます。

・財産を隠蔽、偽装などをして申告書を提出した場合:35%
・財産を隠蔽、偽装などをして申告書を提出しなかった場合:40%

なお、平成29年以降、これらのペナルティのアップが予定されていますので、ご注意ください。
【参照】相続税・贈与税の加算税アップ予定!

ペナルティ(加算税)のまとめ

延滞税納付期限から2ヶ月以内の期間2.8%
納付期限から2ヶ月超の期間9.1%
無申告加算税自主的に申告5%
指摘されて申告、50万円までの部分15%
指摘されて申告、50万円超の部分20%
過少申告加算税増えた税額に対して10%
期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を
超えるときの超えた部分について
15%
重加算税隠蔽、偽装などをして申告書を提出した場合35%
隠蔽、偽装などをして申告書を提出しなかった場合40%

※平成28年1月1日時点 (割合は変更される可能性があります。)

生前贈与を脱税と指摘される!?

最近では相続税対策のために生前贈与をする人が増えていますが、贈与について正しい知識がないまま生前贈与を繰り返すと、あとから脱税を指摘される恐れがあるのをご存じでしょうか?
特に次のようなケースには十分注意が必要です。

贈与税の基礎控除110万円の落とし穴

贈与には贈与税が課税されますが、年間110万円までの贈与については贈与税は課税されず、申告の必要もありません。この110万円の枠を利用して長期間かけて多くの金額を贈与するという方法は、今や生前贈与の常套手段となってきていますが、実はここに大きな落とし穴があるのです。

110万円×10年で1,100万円の贈与は、贈与税が課税される恐れあり!

「年間110万円まで非課税だから、毎年110万円ずつ贈与して10年かけて1,100万円非課税で贈与してやろう」
なんて思っている人が多くいますが、この場合は税務署から「定期贈与」を指摘される可能性があるため注意が必要です。

定期贈与とは、定期的な給付を目的とする贈与のことで、たとえば上記のケースでは10年間に分けて毎年110万円ずつ贈与するというやり方です。すなわち、予め1,100万円を贈与するという合意のもと、毎年110万円ずつ給付するというやり方です。

実はこの定期贈与は、毎年の110万円に対してではなく、最初の1,100万円を贈与するという合意があった段階で一括で課税されます。
すなわち、1年に1,100万円の贈与があったとみなして贈与税が課税されるということです。
万が一この定期贈与を税務署から指摘されると、初回の贈与時まで遡って贈与税が課税されることになってしまうのです。

定期贈与を回避するための対策とは

このように付け焼刃の知識で生前贈与を行うと、かえって大変な目に遭う可能性があります。生前贈与をする場合は事前に相続・贈与に詳しい税理士に相談することをおすすめしますが、自分でできる対策としては次の点に注意しましょう。

贈与契約書を作成する

贈与は書面がなくても成立しますが、書面がないと税務調査が入った時に税務署に対して合理的な説明ができません。説明がつかないものを税務署は信用しませんので、税務調査対策として、贈与契約書を作成しておきましょう。すなわち、1,100万円の定期贈与契約書ではなく、110万円以内の贈与契約書が必要です。この贈与契約書を毎年それぞれ作成します。

110万円以上の贈与を行う

これが最も確実です。贈与契約書は、税務調査が入ってからでも偽装できてしまうため、あまり信ぴょう性がないと判断される恐れもあります。そのため、定期的に年間110万円以上の贈与を行い、多少でも贈与税を納税しておくとより確実でしょう。そうすれば税務署に贈与した記録が残りますから、定期贈与との指摘を受けにくくなります。

結論:相続税・贈与税を脱税するとばれます

税金を誤魔化すとここまで高い税率が余分にかかることになるのに、それでも贈与税や相続税を申告しないという選択をするのはあまりに馬鹿げています。
脱税は必ずバレます

脱税している人に限って
「そんなの絶対にバレないから大丈夫だって」
などと人にアドバイスしたりしますが、これには何の根拠もありません。単に脱税仲間を増やして、自分が精神的に安心したいだけなのです。
そのような人のアドバイスを信用すると、あとからものすごく後悔することになりますので、税金は節税はしても脱税は絶対にしないようにしましょう。

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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