磐田市、袋井市の相続と税理士事情

静岡 袋井

静岡県の西部に位置する磐田市、袋井市。これら磐田エリアでは工業が大きく発展し、工業としての機能を発揮しています。さらに、現在でも農業が行われているなど市内の産業が活発です。そんな岩田エリアの相続税には、どのような特徴があるのでしょうか?

1.磐田市、袋井市の相続事情

静岡県磐田市と袋井市、さらに森町は全て磐田税務署の管轄となっていますので、相続税に関するデータも3つの自治体のものが統合された数字となっています。磐田エリアの相続税の申告件数は316件、実際に課税された件数は267件です。相続1件あたりの納付税額は約690万円、課税割合は10.23%となっています。

静岡県全体の平均データでは、1件あたりの納付税額は約1,100万円、課税割合は9.68%です。この平均データと磐田エリアのデータを比較してみると、納付税額は下回っていますが、課税割合は0.6ポイントも上回っていることが分かります。

静岡県内の他の地域と比較すると、1件あたりの納付税額は最も低く、課税割合は4位と高い順位に位置しています。そのため、磐田エリアの相続は課税額が低いですが、課税される可能性が高いという特徴があり、相続税への対策が欠かせない地域といえるでしょう。

2.磐田市、袋井市の地価事情

特徴的な磐田エリアの相続を、相続税の課税額を決める大きなポイントである地価から考えていきましょう。

2-1.代表的な地域と地価

2-1-1.磐田市

静岡県西部に位置しており、政治文化の中心都市として機能していた歴史を持つ磐田市。現在はスポーツの町として知られており、サッカーやラグビーのチームのホームタウンとなっています。そのため、小中学校のグラウンドには芝生が整備されたり、スポーツによる健康づくりを促進するための地域スポーツクラブを建設したりと、自治体が先頭に立って市民がスポーツを楽しめるような環境を整えています。

また、磐田市はかつて宿場町として発展していたことから物流機能が優れています。そのため、輸送機器などを取り扱う工場が多く建設され、工業都市という側面も現れています。特に、ヤマハやスズキなど大手企業の製造工場がいくつも建設されており、市の重要な産業として大きく成長しています。

磐田市の地価平均は約5万円、最も地価が高額なのは約7万円の磐田駅周辺です。磐田市は市の大半が住宅地として活用されています。ですが、一部市街地化が進んでおり、磐田駅は市の中心駅であることから商業施設が立ち並ぶ繁華街が形成されています。ですので、多くの人で賑わう磐田駅周辺の地価が、最も高い結果となっています。

ただ、磐田市全体の地価は下落傾向にあり、9年連続で地価が下落しています。浜松市と隣接しているなど良い立地ではあるものの、浜松市内でも地価が磐田市と同じところがあること、徐々に人口が減少していることなどから、需要も落ちてしまい地価の下落に繋がっているのだと考えられます。

2-1-2.袋井市

磐田市の東部と隣接している袋井市。磐田市と同じくスポーツが盛んに行われており、2002年に行われたFIFAワールドカップの会場に選ばれたのは袋井市に建設されているスタジアムなのです。このスタジアムでは国民体育大会なども開催されており、市のスポーツ文化の象徴のような存在となっています。

市内には静岡を代表するヤマハを始めとした企業の工場が建設されています。中でも、機械だけでなく食品や医薬品を取り扱う工場が多いのが特徴的で、中部や関東への輸送が比較的簡単である静岡県の立地の良さが大いに活用されている街づくりが行われています。

袋井市の地価平均は約4万7,000円、最も地価が高額なのは約5万4,500円の袋井駅周辺です。袋井駅は静岡県の中心都市である静岡市と浜松市の両方へアクセスできる、市の唯一の鉄道であることから利便性が高く、その影響に地価が上昇しています。

しかし、袋井市のは南北に長い形をしており、袋井駅はその中心を通るように整備されています。ですので、市の南部や北部で生活している人にとっては駅までの距離が長く、鉄道が使えないという不便さが現れています。その結果、袋井市全体の地価は前年から0.8%のマイナス成長となっています。

2-2.磐田市、袋井市の地価の特徴

磐田エリアは工業都市として大きく発展しており、工場の周辺にはそこへ務める人を対象にした団地や住宅街が建設され、産業と住居が共存した街が作られています。さらに、磐田エリアではメロンを始めとした農業も盛んに行われており、工業都市でありながら緑が残る街並みも広がっています。

ですが、静岡県の各地へ移動するための鉄道は中央部のみしかなく、市内には他の鉄道が整備されていません。そのため、中心部とそれ以外の地域では交通の利便性に大きな差が生まれており、他市への移動が難しいという側面があります。

その結果、工場の周辺と主要駅周辺の地価は上昇しやすく、住宅街が主な地域では地価が下落しやすいという二極化が現れています。ただ、磐田エリアは農地もいくつか点在しており、市内だけで事業と住居の両方を構えられることから、鉄道が必須とはなっておらず駅周辺でも地価の下落が目立っています。

こうした地価の特徴を踏まえると、磐田エリアは地価が低い反面、一軒家や農地などを所有している世帯が多いことから、課税額は高くないものの課税割合が高いという特徴が生まれていると推察できます。特に、人口は磐田市が多いものの袋井市の人口は上昇傾向にあるため、住宅地としての需要から袋井市の地価が上昇し課税額も高くなることが予想されます。

3.磐田市、袋井市の所得と富裕層

続いて、磐田エリアの所得から相続税の特徴を考えていきましょう。

自治体名相続税の納税義務者数課税対象所得1人あたりの所得
磐田市約8万1,100人約2,430億円約300万円
袋井市約4万1,500人約1,240億円約298万円

磐田エリアの所得は磐田市が約300万円、袋井市は約298万円と大きな差がない状況となっています。これは、どちらも工業や農業という産業が発達しており、市内での経済活動が活発であるため所得の差が生まれにくいのだと考えられます。特に、どちらの市にも工場を構えている企業もあり、働く場所は違っても受け取っている所得は同じであるのかもしれません。

静岡県内の他の自治体と比較してみると、全35の自治体の中で磐田市が14位、袋井市は15位と中位よりもやや高い所得金額であることが分かります。つまり、他の地域に比べると少ないですが、磐田エリアは所得が安定しているため富裕層は比較的多いといえるでしょう。

また、地価と合わせて考えると、地価よりも所得のほうが県内の順位が高いため、課税額が低くなっているのは地価による影響が高いと推察できます。ただ、低いといっても中位をやや下回る程度ですので、所得と合わさることで課税額は低くても課税割合は非常に高い割合を記録しているのです。

加えて、工場へ勤務している人の中には団地で生活している人が多く、不動産の相続が行われない場合があります。この場合、財産だけの相続となるため、不動産に課税される相続税が無く、全体としては課税額が少なくなる傾向にあります。つまり、工業都市という側面が相続の対象となる遺産にまで影響するため、課税額が大きく下がってしまう要因となっているとも考えられます。

4.磐田市、袋井市の税理士事情

相続が起こると相続税が課税されやすい磐田エリアでは、日頃から相続税への備えが重要です。そこで、相続税への対策のカギを握る税理士の磐田市の在籍状況を確かめていきましょう。

自治体名在籍税理士数
磐田市68名
袋井市29名

磐田エリアに在籍している税理士数は合計97名です。磐田エリアの1年間の相続税申告件数は316件、課税件数が267件と件数に比べて3/1程度の税理士が在籍しており、不足傾向にあるといえるでしょう。

地域別に見ると磐田市のうほうが在籍しており、倍以上の差が現れています。これは、面積の広さや人口の多さから磐田市へ事務所を構える税理士が多くなっているのです。そのため、袋井市で生活している人は、地元の税理士へ依頼できない可能性を考慮して磐田市でも税理士を探しておくことが大切です。

また、磐田エリアは農業が盛んに行われており、その事業の税務などを依頼している税理士がいるかもしれません。このような場合には、その税理士へ引き続き相続税の依頼を行うのもおすすめです。状況に応じて信頼できる税理士へ依頼し適切な相続税対策が行えるように、少しずつ考えがら実際の行動へ移していきましょう。

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【参考】磐田市、袋井市内の相続関連機関一覧

磐田エリア内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2018年7月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。

機関名住所TEL
磐田税務署〒438-8711
静岡県磐田市中泉112番地の4
0538-32-6111
(代表)
静岡県浜松財務事務所〒430-0929
静岡県浜松市中区中央1-12-1
053-458-7123
(総務)
磐田財務事務所〒438-0086
静岡県磐田市見付3599-4
0538-37-2206
磐田市役所〒438-8650
静岡県磐田市国府台3-1
0538-37-2111
(代表)
袋井市役所〒437-8666
静岡県袋井市新屋1-1-1
0538-43-2111
(代表)
静岡地方法務局
磐田出張所
〒438-0086
静岡県磐田市見付3599-6
磐田地方合同庁舎2階
0538-32-2618
(代表)
袋井公証役場〒437-0013
静岡県袋井市新屋1-2-1
袋井商工会議所2階
0538-42-8412
(代表)
静岡家庭裁判所
浜松支部
〒430-8620
静岡県浜松市中区中央1-12-5
案件によって異なる
HP参照 
静岡県司法書士会〒422-8062
静岡県静岡市駿河区稲川1丁目1-1
054-289-3700
東海税理士会
磐田支部
〒438-0078
静岡県磐田市中泉1232-11
0538-33-9388
静岡県西部法律会館〒430-0929
静岡県浜松市中区中央一丁目9-1
053-455-3009

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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