豊田市、みよし市の相続と税理士事情

愛知 豊田

愛知県の北部にあり、広大な面積を誇る豊田市と比較的小さなみよし市。対象的なこの2つの市は、トヨタ自動車という大企業の地元ということもあり、県の経済の大部分を担っている地域です。そこで、豊田市とみよし市では、高額な相続税が課税されているのかなど、相続税の実態や特徴をチェックしていきましょう!

1.豊田市、みよし市の相続事情

愛知県の北部に位置している豊田市とみよし市。この2つの市は豊田税務署の管轄地域となっているため、相続税に関するデータは2市の合計数値となっています。

豊田税務署の2016年度の相続税申告件数は644件、実際に課税された件数は483件です。相続一件あたりの納付税額は1億4,540万円、課税割合は14.64%となっています。そして、愛知県の平均データでは相続一件あたりの納付税額は約1,830万円、課税割合は14.26%です。

愛知県の平均データと比較すると、豊田市、みよし市の相続税課税額、課税割合どちらも平均を下回っている数値となっています。愛知県の相続税の傾向として名古屋市内の課税額、課税割合が高額になっており、その他の地域ではあまり高くならない傾向にあります。

つまり、愛知県の平均を下回っていますが、課税額が1億円を超えることを踏まえると豊田市、みよし市の相続税は非常に高額であるといえるでしょう。そのため、順位で判断するのではなく、しっかりと数値を読み込み適切な対策を講じましょう。

2.豊田市、みよし市の地価事情

相続税額へ大きな影響を及ぼす地価。そこで、豊田市、みよし市の相続の特徴を地価から考えていきましょう。

2-1.代表的な地域と地価

2-1-1.豊田市駅、新豊田駅(豊田市)

豊田市の西部に位置している豊田市駅と新豊田駅。この2駅は豊田市の中心駅として機能しており、名古屋市内への移動にも欠かせない拠点駅にもなっています。実は、豊田市内にJRの路線は無く、豊田市駅に名古屋鉄道、新豊田駅には愛知環状鉄道が乗り入れています。

豊田市駅の地価平均は約18万7,100円、新豊田駅の地価平均は約16万6,000円です。市内の地価の中では、それぞれ2位と3位を記録しています。ただ、地価に少し差はありますが、実際の距離は近く、乗り換えのためにお互いの駅を使用する人も多いことから、2つの駅を合わせて一つの地域として考えて問題ありません。

豊田市駅、新豊田駅は名古屋市や瀬戸市、岡崎市へのアクセスが可能となっており、乗り換えのために一度駅をでなければいけません。そのため、周辺には商業施設やホテルなどが建設されており、市の中心都市として機能しています。

特に、豊田市駅に乗り入れる名古屋鉄道は名古屋市営地下鉄から延長されたものであるため、乗り換えの必要がなく1時間程度で名古屋市の中心部へアクセスが可能です。ですので、名古屋市のベットタウンとしても機能しており、場所によっては十分通勤圏内に含まれます。

2-1-2.上挙母、梅坪(豊田市)

豊田市内で最も地価平均が高いのは、約24万1,000円の上挙母です。この地域はほとんどが住宅地として利用されており、豊田市駅周辺のような都市開発は行われていません。実は、この地域は豊田市駅の次の駅の周辺地域となっており、豊田市駅に最も近い住宅街として高い人気を誇っています。

そして、上挙母から南へ進むと次は三河豊田駅があります。三河豊田駅はトヨタ自動車の大規模な工場に最も近い駅となっており、通勤者を中心に多くの人が利用しています。つまり、上挙母は市の中心駅と中心企業に挟まれおり、豊田市内でも特別な住宅街であるため、地価も大きく上昇していると考えられます。

また、上挙母と同じく豊田市駅の次駅にあたる北部の梅坪も地価が高く、地価平均は約14万7,000円で市内4位の高さを誇ります。ただ、トヨタ自動車と同様の大規模な企業がないことから、梅坪の地価は高いものの上挙母のような上昇はしておりません。

上挙母と梅坪、この2つの地価から考えると、豊田市では都市部よりもその周辺の住宅地の人気が高いという特徴が見られます。相続は住宅地を中心に起こっており、その住宅地の地価が高い傾向にある豊田市では、相続税の対策を日頃から考えておかなくてはいけません。

2-1-3.みよし市

豊田市の西部に位置し、日進市や刈谷市と隣接しているみよし市。豊田市よりも名古屋市に近く、2010年に市となった新しい市です。豊田市と隣接していることからトヨタ自動車の工場なども建設され、市内の工業の発展とともに宅地開発などが進んできました。

みよし市の地価平均は約10万5,000円、最も地価が高額なのは約12万5,600円の三好ヶ丘です。三好ヶ丘駅はみよし市の主要駅ですが、一方で市内の鉄道駅は三好ヶ丘駅しかありませんので、鉄道での利便性を考えるとこの地域の地価が最も高い理由も納得できるでしょう。

加えて、この地域にはトヨタ自動車の独身寮や大規模な団地が形成されており、鉄道を使用した豊田市内への通勤者が多いことも分かります。つまり、豊田市内で働いている人の生活拠点として重要性が高いことが地価の上昇に大きな影響を及ぼしていると考えられます。

また、三好ヶ丘駅は北部にあるのですが、みよし市の南部にはトヨタ自動車の工場がいくつも建設されています。ですので、利便性が低くなってしまう南部でも生活拠点とするメリットは大きく、南部でも前年比2.0%前後の地価の上昇が見られています。

2-2.豊田エリアの地価の特徴

豊田エリアの地価は、豊田市のほうが地価が高くなっており、県内での順位は豊田市が10位、みよし市は12位とどちらも上位に位置しています。さらに、豊田市とみよし市の地価には大きな差はありませんので、地価への課税による危険度はどちらも変わらないことが考えられます。

また、豊田市とみよし市は鉄道駅が少ないことが特徴となっているため、駅の周辺の地価が特に上昇しやすくなっています。ただし、トヨタ自動車の中心企業となっていることから、自動車の所有率が高くなっています。

そのため、市内での移動に不自由さを感じることはなく、駅から離れた地域でも前年を上回る地価の上昇を見せています。さらに、県内最大の面積、県内2位の人口を擁する豊田市ですが市の中部~東部は山間部となっており、生活圏となっているのは西部のみとなっています。

つまり、実際に活用されている地域は限られているため、地価の地域差が生まれにくく、大幅なマイナス成長となっている地域は見られません。そして、名古屋市との結びつきが強いことから、地価が下がりにくいことも考えられ、相続税の対策はほぼ全域で必要といえるでしょう。

3.豊田市、みよし市の所得と富裕層

地価と同じく相続税の課税が行われやすいのが貯金などです。そこで、次は豊田市、みよし市の所得の状況から相続の特徴を考えてみましょう。

自治体名所得税の納税義務者数課税対象所得1人あたりの所得
豊田市約20万9,100人約7,820億円約374万円
みよし市約2万8,000人約1,180億円約423万円

所得ではみよし市が豊田市を上回る結果となっており、県内ではみよし市の所得が1位、豊田市は7位です。そのため、みよし市は愛知県内で最も高額な所得を受け取っており、富裕層も多く生活していることが予想されます。

こうした所得の背景には、やはりトヨタ自動車との関わりが強くなっていると考えられます。豊田市にトヨタ自動車が設立されたことがきっかけとなり、都市としての発展が急速に進みましたが、都市化が進んだことにより地価が上昇しました。

一方で、みよし市は豊田市の発展に合わせて宅地造成が行われたことで、豊田市から移住してきた人が増加したのです。つまり、みよし市は豊田市のベットタウンとしての機能があり、トヨタ自動車への通勤者も多く移住しているため、みよし市の所得が高額になっていると考えられるのです。

また、みよし市は名古屋市と豊田市の中間に位置しています。ですので、勤務先、休日の外出先とも、都市部へのアクセスが手軽な好条件の住宅地であり、名古屋市のベットタウンとしても機能します。こうしたみよし市の立地条件が高所得者の移住を促しており、それが市内の平均所得を上昇させているといえるでうでしょう。

4.豊田市、みよし市の税理士事情

地価や所得が高い豊田市、みよし市では、税理士による相続税対策が必須となっています。では、頼りになる税理士の在籍状況はどのようになっているのでしょうか?

自治体名在籍税理士数
豊田市96名
みよし市14名

豊田市とみよし市の合計在籍税理数は110名です。豊田エリアの1年間の相続税申告件数は644件、課税件数が483件となっており、課税件数の30%以下の税理士となっています。ですので、この地域では税理士が不足しており、将来を見据えた早めの準備が求められます。

また、税理士の在籍数を見ると、中心都市である豊田市に多く集まっており、みよし市に在籍している税理市は非常に少なくなっています。所得が高く住宅地が多いことから、みよし市での相続税の課税は多いことが予想されますので、豊田市でも税理士探しを行わなくてはいけません。

そして、豊田市とみよし市は名古屋市へのアクセスが可能なため、税理士によっては名古屋市に在籍していても対応している場合があります。そのため、豊田市だけでなく名古屋市内でも信頼できる税理士を探しておくこともメリットがあります。なるべく多くの事務所を回って比較しながら、実力のある税理士へ依頼できるようにしっかりと準備を始めましょう。

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【参考】豊田市、みよし市内の相続関連機関一覧

豊田市、みよし市内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2018年9月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。

機関名住所TEL
豊田税務署〒471-8521
愛知県豊田市常盤町一丁目105番地3
豊田合同庁舎
0565-35-7777
(代表)
豊田加茂県税事務所〒471-8537
愛知県豊田市元城町4-45
豊田加茂総合庁舎内
0565-32-3383
(総務)
豊田市役所〒471-8501
愛知県豊田市西町3丁目60番地
0565-31-1212
(代表)
みよし市役所〒470-0295
愛知県みよし市三好町小坂50番地
0561-32-2111
(代表)
豊田公証役場〒471-0027
愛知県豊田市喜多町六丁目3-4
0565-34-1731
名古屋法務局
豊田支局
〒471-8585
愛知県豊田市常盤町1-105-3
豊田合同庁舎
0565-32-0006
0565-32-2960
名古屋家庭裁判所〒460-0001
愛知県名古屋市中区三の丸1-7-1
052-223-3411
愛知県司法書士会
西三河支部
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字貴登野15番地
岡崎市シビックセンター2F
0564-58-0246
東海税理士会
豊田支部
〒471-0034
愛知県豊田市小坂本町1丁目25番地
豊田商工会議所会館内
0565-33-2100
愛知県弁護士会
西三河支部
〒444-0864
愛知県岡崎市明大寺町字道城ヶ入34番地10
0564-54-9449
豊田法律センター〒471-0034
愛知県豊田市小坂本町1丁目25番地
豊田商工会議所会館1階「相談室」
0564-54-9449

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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