小規模宅地等の特例を期限後申告で適用できるパータン徹底解説!

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小規模宅地等の特例は、申告期限までに遺産分割して申告書を提出することが適用を受けるための原則です。

しかし実際には、やむを得ない事情によりそれができないケースもあり、一定要件を満たす場合には期限後申告で小規模宅地等の特例を受けることが可能となっています。

今回は適用可能な場合と不可能な場合を、ケース別に詳しく解説していきます。

1.申告期限内に遺産分割が成立していた場合

相続税の申告期限内に遺産分割が成立していたか、していなかったかに大別して小規模宅地等の特例の適用を解説していきます。

まず最初は、相続税の申告期限までにきちんと遺産分割が終わっていたが、申告をしていなかったケースです。

1-1.相続税が0になるので申告しなかった

小規模宅地等の特例の適用を受けたことで、納める相続税が0となった場合であっても、本来であれば申告期限までに、相続税0円の申告書を提出しなければなりません。 小規模宅地等の特例の適用を受けるための要件の1つが、申告期限までに申告書を提出することだからです。

ただし、申告期限を1日遅れたからすぐに特例の適用はできないということはないので大丈夫です。
申告しなければならなかった事実に気が付いたら、期限後であっても速やかに申告しましょう。期限後申告で小規模宅地等の特例の適用を受けることができます

1-2.申告が遅れてしまった

申告書は作成していたのに提出するのを忘れてしまったなど、何らかの事情により申告書の提出が遅れてしまうということは、人間が作業を行う以上、起こり得ることです。

このように単に申告することを忘れていた場合であっても、期限後申告を行うことで小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

2.申告期限内に遺産分割ができなかった場合

次に、何らかの事情により相続税の申告期限までに遺産分割が終わらなかったケースです。
ケースによっては、小規模宅地等の特例を受けることができなくなるので注意しましょう。

2-1.ポイントは分割見込書

相続税には、小規模宅地等の特例のように申告期限までの遺産分割と申告が要件となっている優遇措置がありますが、遺産分割で揉めてしまうなどして、期限までには間に合いそうにないという場合も起こります。

もしも何もせずにそのまま期限を過ぎてしまうと、受けられたはずの優遇措置などは、適用対象外となってしまい、高い相続税を納めなくてはいけなくなってしまいます。

このような事態を避けるために提出するのが、分割見込書(正式名称:申告期限後3年以内の分割見込書)です。
これは、「3年以内に遺産分割を完了してきちんと申告することを約束するので、各種の優遇措置を受けさせてください。」という内容の届出書です。

遺産分割が終わっていない場合には、一旦、法定相続分で遺産分割を行ったものとした申告書を申告期限までに提出し、納税します。分割見込書もこの時一緒に提出します。
そして、その後3年以内に遺産分割が完了した際の申告書で、小規模宅地等の特例の適用を受ける流れになります。

【出典サイト】国税庁「[手続名]相続税の申告書の提出期限から3年以内に分割する旨の届出手続

2-2.期限後3年以内に分割できた場合

分割見込書の提出後、無事に3年以内に遺産分割が完了した場合には、その確定した遺産分割での申告で、小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

多くの場合、1回目の仮申告時よりも相続税額は下がるはずなので、遺産分割が完了した日の翌日から4ヶ月以内に更正の請求を行い、納め過ぎた相続税の還付を受けます。
反対に相続税に不足があった場合には、修正申告書を提出します。

2-3.期限後3年以内に分割できなかった場合

分割見込書で3年以内に分割すると約束しましたが、どうしても3年以内に分割できない事情がその後生じることもあります。

そこで次のようなやむを得ない事情がある場合には、申告期限後3年を経過する日の翌日から2ヶ月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、承認を受けることができれば、特例の適用期限を延長することができます。

  • 相続について提訴がある
  • 和解や調停の申し立てがある
  • 被相続人が遺言で一定期間の遺産分割を禁止している

期限の延長が承認された場合には、その後これらのやむを得ない事情が解消した日の翌日から4ヶ月以内に遺産分割を完了します。
そして相続税を納め過ぎている場合には、遺産分割が完了した日の翌日から4ヶ月以内に更正の請求を行い、不足の場合には修正申告書を提出します。

【出典サイト】国税庁「[手続名]遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請手続

2-4.分割見込書を提出していなかった場合

申告期限から3年以内に遺産分割が完了した場合には、その遺産分割完了後の申告書と一緒に分割見込書を提出すれば、小規模宅地等の特例を適用することができます

3年以内に分割できなかった場合には、小規模宅地等の特例は適用できません
例え、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出しても、それ以前に分割見込書の提出がないので認められるはずもありません。

分割見込書の提出の失念は致命的であり、細心の注意が必要です。

3.小規模宅地等の特例の更正の請求

小規模宅地等の特例に関する更正の請求の可否を、ケース別に解説します。

3-1.申告期限内に遺産分割ができずに仮申告している

これは今まで解説してきた内容です。
申告期限内に遺産分割ができそうにない場合には、まず法定相続分で分割したとする期限内申告を行い、その時に分割見込書も提出します。

その後、遺産分割が完了した際に行う更正の請求で、小規模宅地等の特例の適用を受けることができます

3-2.特例の適用を受けることを単に忘れていた

小規模宅地等の特例の適用対象となる宅地等があるにもかかわらず、適用を見逃していた場合、期限内申告書に適用を受ける旨の記載と必要書類の添付を行わなかった場合などではどうなるのでしょうか。

このような期限内申告で小規模宅地等の特例を受けていない場合でも、申告期限の時点で遺産分割が完了し、かつ、特例のその他の要件を満たしている場合には、期限後申告や修正申告で小規模宅地等の特例の適用を受けることができます

3-3.申告後により有利な特例の組み合わせが見つかった

小規模宅地等の特例の対象となる土地を複数所有しており、その中で有利な組み合わせを選択して申告したが、申告後にもっと有利な組み合わせを見つけてしまった場合、更正の請求はできるのでしょうか。

最初に申告した組み合わせに適用要件などの問題がない場合には、組み合わせを変更する更正の請求は認められません。

3-4.申告後特例の適用要件を満たしていないことがわかった

小規模宅地等の特例を適用して申告した宅地等が、実は適用要件を満たしておらず、適用を認めらなかった場合には、特例を適用していないということになります。
よって、その後に更正の請求を行い、適用要件を満たす別の宅地等を選択することで、小規模宅地等の特例を受けることができます。

3-3.で解説した組み合わせのケースでも、最初に申告した組み合わせが適用要件を満たしていなかった場合には、更正の請求で適用要件を満たす別の組み合わせを選択すれば、小規模宅地等の特例を受けることができます。

4.小規模宅地等の特例の期限後申告は税理士に

ここまでの解説を読んでいただければ、専門知識を持たない人が税理士なしで更正の請求までを完璧に終えることは不可能に等しいことがおわかりいただけるでしょう。

まず小規模宅地等の特例自体が複雑で難解な制度であり、税理士でも判断に迷うことがある程です。そこに仮申告、分割見込書、更正の請求など入ってくるのですから、税理士への相談は必須でしょう。
また分割見込書の重要性を考えると、遺産分割が終わらないかもしれないと思った時点で税理士へ相談することをおすすめします。

まとめ

小規模宅地等の特例は期限後申告でも受けることが可能です。

期限内に遺産分割できなかった場合には、分割見込書が重要となってきますので、忘れずに提出しましょう。 とにかく期限内に分割できないかもしれないと思った時点で、税理士への相談は必須です。

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