相続税申告書の提出先・納税地はどこ?提出方法と納税方法

相続税 納税地

相続税申告書の提出先(申告先)・納税地はどこか、いくつかのケースを挙げながら解説します。

1.相続税の申告先・納税地はどこ?

相続税は、「納税地の税務署に申告して納税」します。申告書の提出先と納税地は同じなのです。相続税の納付書や修正申告書、更正の請求書の提出先も同じ税務署になります。

では、具体的に、相続税の申告先・納税地はどこになるのでしょうか?

1-1.相続税申告書の提出先・納税地は被相続人の住所地

相続税申告書の提出先・納税地は、原則として被相続人の住所地です。相続人が複数おり、別々に申告する際も、同じ被相続人の住所地に申告することになります。

所得税や住民税などは、通常、税金を納める方の住所地が納税地となるため、相続税も、相続人の住所地が納税地だと考えてしまいがちですが、相続税申告書の提出先・納付先は、亡くなった被相続人の住所地を管轄する税務署になります。

参考までに、贈与税は、他の多くの税金と同様に財産を譲り受けた受贈者、つまり税金を納める人の住所地が納税地となります。

まとめると、以下の通りです。

税金の種類納税地
所得税・住民税納税者の住所地
相続税被相続人(亡くなった人)の住所地
被相続人の準確定申告被相続人(亡くなった人)の住所地
贈与税受贈者の住所地

1-2.住所地はどこを指す?

では、住所地とは、どこを指すのでしょうか? 

相続税法における住所地とは、被相続人の生活の本拠がある場所を言います。

生活の本拠とは、生活の中心がある場所です。
相続税法においては、この生活の中心がある場所を、住民票のある場所という形式的な基準だけで判断するのではなく、客観的事実に基づいて総合的に判断することになります。

2.相続税申告書の提出先・納税地の具体例

それでは、実際に相続税の申告先・納税地がどこになるのかをケースごとに考えてみましょう。

2-1.被相続人が単身赴任中に亡くなった場合の申告先・納税地

最初に、被相続人が単身赴任中に亡くなった場合の納税地です。

国内の単身赴任中亡くなった場合

このケースも、被相続人の生活の本拠がどこにあったかによって判断するため、生活の状況によってケースバイケースということになります。

この場合、次のようなポイントを総合的に判断します。

  • 住民票が単身赴任前の住所のままであるか
  • 単身赴任前の住所に扶養親族を残しているか
  • 単身赴任が短期間であり、単身赴任前の住所に戻る予定であるか

これらを総合的に判断した結果、単身赴任先が一時的な滞在地であり、生活の本拠はあくまで単身赴任前の住所と考えることができた場合には単身赴任前の住所が納税地ということになります。

例えば、住民票が単身赴任前の住所のままで、その住所に扶養家族を残し、単身赴任前の住所に戻る予定であったなら、単身赴任前の住所が生活の本拠となるでしょう。

しかし、この判断は一般の方にはなかなか難しいのが現実でしょう。不安がある場合は税理士などの専門家や税務署に相談した方が良いでしょう。

海外に単身赴任中に亡くなった場合

海外に日本の税務署はありません。

したがって、この場合には日本国内の生活の本拠があった場所が納税地となり、一般的には自宅の所在地を管轄する税務署が相続税申告先の提出先・納税地になるでしょう。

2-2.被相続人が海外居住者の場合の申告先・納税地

では、生活の本拠が海外であると判断される場合には、納税地は海外ということになるのでしょうか? 

相続人が日本に居住している場合

相続人が日本に居住していれば、相続人のそれぞれの住所地が納税地となります。

相続人が複数おり、全相続人の住所地が同じであれば、共同で相続税の申告・納税をすることも可能です。

相続人が海外に居住している場合

もし、相続人も海外に居住していれば、納税地を定めて納税地を所轄する税務署に申告しなければなりません。

万一、申告がなければ、国税庁長官が納税地を指定し、通知することになります。

2-3.別荘住まいの方が亡くなった場合の申告先・納税地

ご自宅とは別に別荘を持ち、両方を行き来しながら余生をおくられている方もいらっしゃるでしょう。このような方が亡くなった場合の納税地はご自宅と別荘のどちらになるのでしょうか?

この場合にも、生活の本拠がどちらにあるかで判断することになります。
例えば一年のほとんどを別荘で暮らしている場合には、ご自宅ではなく、別荘のある場所が納税地ということになります。

2-4.病院に入院中に亡くなった場合の申告先・納税地

病院に入院中に亡くなる方は多いと思います。この場合の納税地は、入院前に生活していたご自宅です。

長期間入院していたようなケースであっても、一般的にご自宅が納税地となります。

2-5.老人ホームに入居中に亡くなった場合の申告先・納税地

老人ホームは、ご自宅での生活が困難になった場合に、介護サービスを受けながら生活する場所です。したがって、老人ホームは、一時的ではなく、亡くなるまで利用することが一般的です。

そのため、一般的にはご自宅は生活の本拠にはなり得ず、生活の本拠は老人ホームにあると判断され、納税地は老人ホームの所在地ということになります。

3.納税地の税務署の探し方

相続税申告書の提出先、および、相続税の納付先は、納税地の所轄税務署です。

納税地の所轄税務署は次の国税庁のウェブサイトにアクセスし、納税地の住所や、管轄国税局と都道府県の一覧表から簡単に検索することができます。

【参考】国税庁HP 国税局・税務署を調べる

4.相続税申告書の提出方法

管轄税務署がわかったら、相続税の申告書を提出します。

相続税申告書の提出方法には、次の3つがあります。

  • 管轄税務署に持参する
  • 管轄税務署に郵送する
  • e-taxで申告する

4-1.管轄税務署に持参する方法

被相続人の住所地の管轄税務署に直接持参するのが、一番確実な方法です。

税務署には、申告の申請窓口があるのが一般的で、申告書の正本・控えを提出し、控えに受領印を押してもらいます。受領印の日付が申告の日付となります。

受領印は、申告したことを証明する証拠となるため、確実にもらうようにしましょう。

4-2.申告書を郵送する方法

相続人が被相続人の住所地から遠方に居住しているなど、管轄税務署に持参するのが難しければ、申告書を郵送することも可能です。

この際に、気を付けるべきポイントは、次の2点です。

  • 書留などの郵便又は信書便を利用する。ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケットは利用しない
  • 郵便局の窓口で通信日付印をもらう

通信日付印とは、郵便局が郵便物を引き受けたことを証明するために押されるもので、この通信日付印の日に、申告書が提出されたとみなされます

【参考外部サイト】【申告書の提出】|国税庁

4-3.e-Taxで提出する方法

相続税は、e-Taxで電子申告することも可能です。

相続税の申告書の送信先は、書類による提出と同様に、被相続人の住所地を管轄する税務署となります。送信に際しては、マイナンバーカードなどの電子証明書が必要になります。

e-Taxは、相続人が遠方に住んでいる場合などにはメリットが大きい反面、相続税申告ソフトのような自動計算機能や連動機能がついていないため、e-Taxで相続税申告書自体を作成することは難しいといったデメリットも多く、慎重に検討する必要があります。

詳しくは、以下の記事をご参照ください。

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5.納税方法

相続税は、以下のいずれかの方法で納付することが可能です。

  • 税務署の窓口
  • 銀行・郵便局の窓口
  • クレジットカードによる支払い
  • コンビニでの支払い
  • インターネットバンキング
  • 電子申告によるダイレクト納付

ただし、インターネット、コンビニについては納付可能な金額などに制限があるため注意が必要です。

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まとめ

相続税の納税地の考え方や、申告方法、納税方法について、ご説明いたしました。

相続税を納税する管轄税務署は、被相続人の生活の本拠を、客観的事実に基づいて判断しなければなりません。多くの場合、被相続人は住民票のある場所に住んでおり、迷うことは少ないでしょう。

しかし、どこに生活の本拠であったか迷う場合には、税理士などの専門家に相談すると客観的に判断してくれます。

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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