亡くなった人のSNSアカウント/メールアカウントの削除方法
Facebook、Twitter、mixi、Gmail(Google)、YahooなどSNSアカウントやフリーメールアカウントを多くの人が利用するようになりました。それでは、もしこれらのアカウントの所有者が亡くなったら、アカウントはどうなるのでしょうか。
これらのアカウントは一身専属的な性質を持つ個人情報であり、本人しか利用することができませんので、基本的には削除することになります。
ここでは代表的なSNS、メールサービスのアカウントの削除方法等についてまとめます。ただし、友達・家族がアカウントを削除することは難しい場合もありますので、利用者本人が事前に意思を示しておくことも大切です。
目次
Facebook:完全削除か追悼アカウントにする
Facebookの場合は、自分の死後、被相続人のアカウントを完全削除するか、または追悼アカウントにするか選ぶことが可能です。
また、亡くなった人の近親者は、身分証明をすることで、アカウント削除をリクエストすることができます。
【出典】Facebook:私が死んだ場合、Facebookアカウントはどうなりますか。
自分の死後、完全削除を選ぶ場合
完全削除とは、文字通りアカウントを消滅させることです。手順は比較的簡単で、下記のとおりです。
- (1)Facebook画面の右上「▼」ボタンをクリック
- (2)項目内にある「設定」を選択
- (3)左メニューにある「セキュリティ」を選択
- (4)「追悼アカウント管理人」を選択
- (5)「アカウントの削除をリクエストする」を選択
- (6)「死後に削除」を選択
利用者が亡くなったという連絡がFacebookに入ると、利用者のすべての情報と写真、投稿がFacebookから完全に削除されます。
自分の死後、追悼アカウントを選ぶ場合
追悼アカウントとは、ユーザー名の横に「追悼」と表示されたアカウントです。自分のアカウントを管理してもらうための「追悼アカウント管理人」をあらかじめ指定します。
追悼アカウント管理人になると次のことができます。
- 亡くなった方のプロフィールに投稿を書いて固定する
- 新たな友達リクエストに対応する
- プロフィール写真やカバー写真を更新する
一方、次のようなことはできません。
- アカウントにログインする
- 過去にタイムラインでシェアされた投稿、写真、その他のコンテンツを削除または変更する
- 利用者のメッセージを読む
- 友達を削除する
追悼アカウント管理人の指定方法は下記の通りです。指定する人は友達である必要があります。
- (1)Facebook画面の右上「▼」ボタンをクリック
- (2)項目内にある「設定」を選択
- (3)左メニューにある「セキュリティ」を選択
- (4)「追悼アカウント管理人」を選択
- (5)友達の名前を入力し、正しい相手が表示されたら、「追加」を選択
- (6)追悼アカウント管理人に指定したことを相手に伝えるメッセージを記入する。メッセージを送らないことも可能
- (7)「送信」を選択
友達・家族の死後、追悼アカウントをリクエストする場合
友達や家族が亡くなって、その人の追悼アカウントをリクエストする場合は、「追悼アカウントのリクエスト」ページから申請します。
- (1)「追悼アカウントのリクエスト」ページにアクセス
- (2)亡くなった方のFacebookでの名前、亡くなった日付を入力します。
任意ですが、死亡を証明できる書類へのリンクを入力します。その方の死亡記事または亡くなったことを証明する書類を示すことで、リクエストの審査と追悼アカウントへの移行がスムーズに行えるようになります。 - (3)「送信」ボタンを押す。
この後、Facebookでリクエストの審査を行い、確認がとれれば追悼アカウントに移行します。
Twitter:完全削除
Twitterの場合は、生前に自分の死後のアカウントの対処方法を決めておくことはできません。
故人の遺族がTwitter社に連絡することで、アカウントを完全削除することが可能です。なお、特に連絡をしなければ、アカウントは残り続けることになります。
完全削除の場合
故人のTwitterのアカウントを完全削除するには、下記の手順で申請するといいでしょう。
- (1)「プライバシーフォーム」にアクセス
- (2)「亡くなられたユーザーのアカウント削除リクエスト」を選択する
- (3)アカウント利用者の情報(ユーザー名、氏名)と、申請者の情報(利用者との関係、氏名、メールアドレス)を記入して送信する
送信後、確認メッセージとアカウント削除のための詳しい手順が送られてきます。
以前は、Twitter社と英語でやりとりし、必要書類をアメリカのサンフランシスコ本社に送付する必要がありましたが、現在では東京にオフィスもありますし、もう少し利便性が良くなっているようです。
mixi(ミクシィ):問い合わせで対応
故人のmixiのアカウントを削除する場合、今のところ正式な手続き方法はありません。基本的にはそのままの状態が維持されます。
ただし、遺族が「お問い合わせフォーム」から、削除申請をすれば対応してもらえます。
Google(Gmail):自動削除かアカウントの閉鎖をする
GmailはGoogleアカウントで利用できるサービスの一つですので、Gmailを利用不可にするためには、Googleアカウントを削除します。
アカウント無効化ツールで自動削除
Googleアカウントには、「アカウント無効化管理ツール」というものが用意されており、一定期間、利用しなかった場合は、自動的に削除することができます。
利用者の死後のアカウントを削除する目的ではありませんが、これを利用すれば、自分の死後に、自動的に削除することが可能になります。
- (1)「アカウント無効化管理ツール」ページにアクセスし「設定」を選択
- (2)アラート設定で、電話番号を追加(忘れていて削除されることを防ぐ)
タイムアウト期間終了の1ヶ月前にアラートが送信されます。 - (3)タイムアウト期間を設定する。3ヶ月~18ヶ月の範囲で、3ヶ月単位で選択可能
- (4)アカウントが使用されていなことを誰かに通したい場合は「信頼できる連絡先を追加」
- (5)「アカウントの削除(オプション)」で「アカウントを削除する」を「はい」にする
- (6)「有効にする」を押す
Googleアカウントが削除されると、YouTube、Google+、Bloggerなど全てのサービスが削除されますので、まだ利用したいのに、しばらくの間、ログインしないでいて、削除されてしまうことがないようにご注意ください。「アカウント無効化管理ツール」が有効になっているときは、そのメール通知を3ヶ月毎に受け取ることが可能です。
アカウント閉鎖の場合
故人のGoogleアカウントを削除するには、故人の身内の方が「死去したユーザーのアカウントに関するリクエストを送信する」ページから申請します。
- (1)「死去したユーザーのアカウントに関するリクエストを送信する」にアクセスする
- (2)「死去したユーザーのアカウントを閉鎖する」を選択する
- (3)故人の氏名、メールアドレス、申請者のメールアドレス、故人との関係、国名、郵便番号、死亡日を入力する。
- (4)申請者の身分証明書、故人の死亡証明書を添付する。
日本語の書類の場合には、専門の翻訳者による英訳(公証済みのもの)を添付します。
Yahoo!:問い合わせで対応
Yahooアカウントを削除する場合も正式な手続き方法はなく、基本的には自動削除されません。
現在、故人のYahoo!アカウントを相続人などが削除しようとしても、有料サービスの停止方法以外には案内されていない状態です。
【故人のSNSアカウント/メールアカウントの削除方法】まとめ
生前の本人の意思表明 | 遺族・法定代理人よる削除申請 | |
---|---|---|
「セキュリティ設定」画面で 削除か追悼アカウント移行かを決定 | 「追悼アカウントのリクエスト」から | |
不可能 | 「プライバシーフォーム」から | |
mixi | 不可能 | 「お問い合わせフォーム」から |
Google (Gmail) | 「アカウント無効化管理ツール」 で設定 | 「死去したユーザーのアカウントに 関するリクエストを送信する」から |
Yahoo! | 不可能 | ー |
アカウント削除の注意点
故人が亡くなっても自動的には削除されない
SNSアカウントやメールアカウントは、故人が亡くなっても自動的に削除されることはありません。無料サービスならサービス自体がなくなるまで半永久的にアカウントが残りますし、有料サービスでも料金を払い続けていれば、ずっとサービスが継続されます。
なぜなら、故人が亡くなったことを運営会社側が知る方法がないからです。亡くなった人の家族や身近な人が、それぞれのサービス運営会社に連絡してアカウントを削除してもらう必要があります。ただ、実際、故人がどんなサービスを利用していたか、家族がすべて調べることは難しいでしょう。
もし、自分の死後にアカウントを削除してほしいと考えているならば、あらかじめ意思表明をするか自動的に削除されるように設定しておくことが必要です。
Facebookの場合は、削除するか追悼アカウントにするか意思表明が可能です。
Google(Gmail)の場合は、自動削除を設定することが可能です。
それ以外では、エンディングノートや遺言書の付記事項などに、SNSアカウントのリストを書き、自分の死後、削除して欲しいことを記しておきます。
ただ、Googleなど外国が主体のサービスでは、申請書類を英文で提出することが必須の場合もありますので、遺族の大きな負担になることも考慮しておく必要があるでしょう。
本名を利用していないと削除されない可能性がある
どのサービスでも、故人のアカウントを削除するには、遺族や法定代理人(相続人の代理人、遺言執行者など)からの申請が必要です。つまり、本人との身分関係を証明する必要があります。
しかし、ほとんどのSNSやフリーメールでは、偽名やニックネームでもアカウント登録できてしまいます。偽名やニックネームでは、アカウントの利用者本人と削除申請者の身分関係を証明することは難しく、削除申請が承認されない可能性が高いです。
自分が亡くなった後、確実にアカウントを削除してほしいと思っている人は、必ず本名でアカウント登録しておき、生年月日、電話番号、住所欄などがあれば正しく記入しておくようにしましょう。
削除せず放置するという手も
上記で掲載した以外にも、Line、Instagram(インスタグラム)、Pinterest(ピンタレスト)、LinkedIn(リンクドイン)、Tumblr(タンブラー)など、次々と新しいSNS・ソーシャルメデイアが生まれています。これらすべてのアカウントを記録しておき、自分の死後に削除してもらうことは、相当に大変な作業となるでしょう。
あなたが亡くなってしまえば、もはやそのアカウントがどうなろうが、ご自身には関係ないのですから、削除せずに放置するというのも現実的な選択肢でしょう。
ただ、後々、家族や友達に迷惑をかけるような内容を書いてあるのであれば、削除してもらったほうが良いかもしれません。
一番良いのは、いつ自分が亡くなっても誰も困らないように、他人を誹謗中傷したり疑心暗鬼にさせるようなことは普段から書かないことです。