貸駐車場としての土地の活用方法と相続税対策

駐車場

所有する土地の活用法は人それぞれです。店舗や住居にする人もいれば、貸駐車場にする人もいるでしょう。ただし、その利用方法によって相続税の評価には大きな違いが出てきます。

ここでは土地を「貸駐車場」として利用した際の相続税について見ていきます。相続税対策への利用方法についても言及するため、相続に備えた節税対策に興味のある人も確認してください。

1.土地の利用方法と相続税対策

寝かせている土地の活用法としては、「賃貸住宅」か「貸駐車場」などがあります。相続税面からどのような違いがあるかを見ていきます。

1-1.賃貸住宅の場合

賃貸住宅の土地を評価する場合、通常の土地よりも評価額が低くなります。これは「貸家建付地」と呼ばれ、土地の所有者が自由に土地を処分できないからです。したがって、更地の土地に比べると税制面で優遇されます。

なお、貸家建付地の評価方法は下記の通りです。

貸家建付地=土地評価額-居住権に相当する分

「居住権に相当する分」は土地評価額と、借地権割合、借家権割合の3つから計算できます。

居住権に相当する分=土地評価額×借地権割合×借家権割合

よって、居住権を考慮した評価額は次のようになります。

居住権を考慮した評価額=土地評価額×(1-借地権割合×借家権割合)

この結果、一般的には「貸家建付地」は通常の土地よりも2割前後、評価額が少なく計算されます。

ただし、賃貸住宅経営は初期投資にまとまった資金が必要です。簡単には始められないので注意が必要になるでしょう。

1-2.貸駐車場の場合

貸駐車場の土地の評価は、基本的には、構造物がない場合は更地と同等の評価がされます。更地と同等の評価がされる理由は、貸駐車場はいつでも売却可能であるからです。したがって、賃貸住宅に比べると、税制面では不利な状況です。

ただし、貸駐車場の種類によっては、相続税の評価額を下げることも可能です。貸駐車場経営をする場合は、どんな駐車場のタイプが税制面で有利かを検討することが大切です。

どのように土地を利用したら良いかについては、専門の不動産業者に相談してアドバイスしていただくのも一考でしょう。

2.貸駐車場ごとの相続税の評価について

貸駐車場にはいくつかの種類がありますが、手軽に始められる事業に「青空駐車場」と「アスファルト舗装の駐車場」の2つがあります。それぞれの駐車場の特徴と、相続税の評価について見ていきます。

2-1.青空駐車場とは?

青空駐車場とは砂利敷きや、ロープだけを張った駐車場のことです。「平面駐車場」の1つで、初期投資が安く、ランニングコストも低い点が魅力です。しかし、青空駐車場は固定資産税が高かったり、小規模宅地等の特例が使えないなど、税制面では不利にあります。

相続税等の計算に必要な青空駐車場の土地評価額は、「路線価方式」や「倍率方式」によって算出されます。これらによって出された評価額に対して、そのまま相続税率が課されることになります。したがって、3,000万円の評価額の土地なら、3,000万円の相続財産として見られることになるのです。

2-2.アスファルト舗装の駐車場とは?

アスファルト舗装の駐車場とは、平面駐車場の1つで、アスファルトやコンクリートで舗装された駐車場のことを言います。初期投資が必要ですが、「構造物」として扱われるため税制面では優遇されます。

具体的な優遇内容は「小規模宅地等の特例が適用できる」ことです。小規模宅地等の特例とは、一定要件を満たす家屋に対して、固定資産の評価額を50%まで少なくできる制度です。したがって、評価額が3,000万円の土地でも、特例の適用後は1,500万円の財産として扱われます。その結果、相続税の節税対策に利用できます。

関連記事
住宅地
小規模宅地等の特例、自宅の相続税対策
自宅の相続税対策の定番は「小規模宅地等の特例」です。一緒に住んでいる配偶者や子供が相続する場合には、土地の評価額が最…

3.節税対策のために貸駐車場のオーナーになる

節税対策に有効な貸駐車場は「アスファルト舗装の駐車場」であることがわかりました。そこで実際に貸駐車場経営をする際の費用・利益について解説をします。なお、ここではあくまで一般的な解説に限定しています。

3-1.初期投資

アスファルト舗装をする場合、一般的には「1平方メートルあたり5,000円程度」のコストがかかるとされています。したがって、100平方メートルであれば50万円、200平方メートルであれば100万円程度の初期費用がかかります。

なお、アスファルト舗装は償却資産として扱われます。10年間で償却されるため、1か月あたりの費用は「舗装費用/120か月」で算出できます。つまり、初期投資が50万円なら月4,000円、100万円なら月8,000円程度のコストと計算されます。

このほか、コインパーキングにするなら精算機の導入費用で80万円~100万円程度かかります。また駐車スペースを表すライン引きに数万円程度の費用がかかるでしょう。

3-2.ランニングコスト(運転費用)

ランニングコストは自己経営をするか、運営委託をするかによって変わります。また、駐車場の規模によってもコストに差が出ます。

まず自己経営をする場合は、駐車場の修繕費用だけで済みます。駐車場経営に支障をきたす劣化が現れた際に、都度補修をすればいいでしょう。そのため、月々で計算しても数千円~数万円程度で済みます。

ただし、多くの人は運営委託をするに違いありません。運営委託の場合は、駐車場の清掃やクレーム対応などをしてくれます。賃料の5%程度が相場であるため、20万円の売上があれば1万円程度と考えられます。

つまり、一般的なランニングコストは2~3万円程度になっています。

3-3.税金(固定資産税など)

貸駐車場経営をする上で、コストの多くを占めるのが固定資産税と都市計画税です。土地の評価額に対して固定資産税率:1.4%、都市計画税:0.3%、合計1.7%が課されます。例えば3,000万円であれば年間で51万円の税金が発生します。したがって、1か月あたり4万2千円の費用がかかります。

そのほか、経営をしているため収益に対して「事業税」や「所得税」が課税されます。各種税金の具体的な金額や算出方法にに関しては、税理士等の専門家に相談をすると良いでしょう。

3-4.利益

駐車場の売上は料金設定や回転率などによっても異なります。一般的にはスペース1台分当たり、2万円程度~5万円程度の収入になるようです。また、駐車スペースは1台当たり20~25平方メートル程度必要と言われています。したがって、駐車スペースが100平方メートルの場合、8万円~25万円程度の収入になります。

なお、費用は初期投資が4,000円(月額換算)、ランニングコストが2万円に加えて、固定資産税等がかかります。したがって、売上次第にはなりますが、毎月数万円から10万円以上の利益が見込まれます

貸駐車場に関する相続税のまとめ

貸駐車場として土地を活用する方法について見てきましたがいかがでしょうか。青空駐車場として駐車場経営をすると、相続税では不利になります。しかし、アスファルト舗装の駐車場であれば、相続税対策に活用できる可能性があります。

駐車場経営を考えている方は、税金面も考慮してその種類を選ぶといいでしょう。

この記事が役に立ったらシェアしてください!