相続した土地の活用方法、工夫次第で社会貢献も

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相続では、相続財産の中に土地があることも多いです。近くの土地ならいいですが、突然田舎や遠方の土地を相続することになると、土地を相続したが使い道がなく、固定資産税などの維持費だけがかさんで困るという人も多くいます。

土地は所在する場所や形状、状況など様々ありますが、ここでは一般的な土地の活用方法や対策を解説します。

1.土地の活用

1-1.さまざまな有効活用方法

土地の上に建物を建て、有効活用する方法を考えます。居住用の賃貸のアパートやマンション、戸建て、事業に使う貸店舗、駐車場経営や、高齢者住宅、太陽光発電などの各種施設とさまざまな活用方法があります。それぞれについて特徴を見ていきましょう。

1-1-1.居住用の賃貸アパート

賃貸アパートは戸建賃貸や貸店舗よりも賃料が安いぶん、部屋数で勝負しますが、入居者が集まらないと収益性の低下や資金の回収が遅れます。その反面、1室や2室の空き部屋が出ても資金が回ることからリスク回避の要素もあります。

建築費や賃料、修繕費等のコストは、賃貸マンションに比べると低くなります。
学生や若者の多い地域での土地活用方法となるでしょう。

1-1-2.居住用の賃貸マンション

賃貸マンションは、賃貸アパートより建築費が高くなる代わりに耐久性なども高く、賃料が高くとれ、収益性の高い土地活用方法です。住民同士の争いも比較的少ない傾向にあります。

ただし、賃貸アパートよりも賃料が高いため、空き部屋のリスクは高くなります。また、修繕費等のコストも高くなるので注意が必要です。どちらかというとハイリスク・ハイリターンの土地活用方法になるため、利回りには注意が必要です。
ファミリー層が多く住んでいる地域での土地活用方法となるでしょう。

1-1-3.戸建賃貸

戸建賃貸は、賃貸アパートやマンションよりも、建築費が抑えられるメリットがあります。
また、基本はファミリーが長く使うので、安定的な収入が見込め収益性や実現性は高くなります。半面、いったん入居者がでていくと、次の入居者が決まるまで収入がゼロになり、空き部屋のリスクはとても高くなります。

入居者の入れ替わりが多くないため、都心に近くない土地でも活用できますが、あまりにも人口が少ない場所には向きません。

1-1-4.事業に使う貸店舗(保育園など)

居住用ではなく、事業用に建物を建築し賃貸します。事務所や店舗、介護施設・診療所・保育園等などに活用します。このうち、事務所や店舗は商業地などの近くに土地がある場合、介護施設・診療所・保育園等などは住宅地の近くに土地がある場合の活用方法になります。

介護施設・診療所・保育園等の不足している施設の建設は社会貢献や地域の発展にもつながります。

業種や契約にもよりますが、外側を貸主が建設し、内装は借主が工事するため建築コストは抑えることができます。また、長く貸すことが前提なので、収入が安定し、資金回収性や、収益性、実現性などは高くなります。しかし、いったん入居者がでていくと、次の入居者が決まるまで収入がゼロになるので、空き部屋のリスクはとても高くなります。

保育園

1-1-5.駐車場経営

駐車場経営は、面積が小さくてもできる土地活用の方法です。ただし、車の多い商業地や住宅地の近くの土地でないといけません。駐車場には、月極駐車場やコインパーキングなどがあり、種類も青空駐車場から立体駐車場まであります。その土地でどれぐらいの需要があるかを細かくマーケティングして、どのような駐車場にするか決める必要があるでしょう。

立体駐車場などでなければ、建築コストは少なく済みます。また、台数が多く置ける場合は、空きスペースがあっても、収入がなくなるわけではないので空きコストを分散できます。
資金回収性や、収益性、実現性なども高いものが多いです。

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1-1-6.高齢者住宅

いわゆるサービス付き高齢者住宅というもので、民間の業者が経営する比較的元気な高齢者のための住宅です。介護サービスをする必要はありません(安否確認や生活相談サービスは必要)。需要が高く安定した収入が得られます。また賃料も通常の住宅よりも高く設定でき、資金回収性や、収益なども高いです。

住宅は国の登録が必要となり、面積の基準があるので、小さな土地ではできません。また、整えなければならない設備も決まっているため、建築費は高くなります。建築等には国の補助もあるので積極的に利用しましょう。

1-1-7.太陽光発電

太陽光設備を土地に設置し、電力を電力会社に売却します。決まった価格で買い取りが行われるため、収益の安定は測れます。ただし、買取価格は値下りが進んでいることや、固定金額での買取が永遠の続くかどうかはわからないことに注意が必要です。

設備の初期投資にはコストがかかりますが、今は中古市場も盛んなため、コストを低く抑えることも可能です。商業地や住宅地から離れたところで太陽光設備をおこなうため、そのような土地を相続した場合は、活用方法として検討するのも良いでしょう。

1-2.土地活用にはしっかりとした事業計画が必要

今まで多くの土地活用方法を見てきました。共通して言えることは、失敗しないような資金回収計画や利回り、収益性、実現性などを基にした、十分な事業計画を立てる必要があることです。

例えば、アパートやマンション等を建設する場合は、金融機関から融資を受ける必要があります。土地や建築した建物を担保に、融資を受けることなども考える必要もあるでしょう。その場合、資金回収計画や利回りをきちんと計算しておく必要があります。

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また、人口の少ないところで居住用の賃貸のアパートを経営しても、利回りや収益性に乏しくなります。人口が多くても相続した土地が小さかったり、不整形だったりする場合は、アパートやマンションよりも、駐車場やトランクルームなどの方が実現性の高い可能性もあります。土地の有効活用方法を考える場合には、周辺の状況やその土地の状況などを総合的に判断する必要があります。

まずは、ご自分でしっかり計画を練ることが大切ですが、慣れないと難しい面もありますので、まずは、土地活用について専門業者に相談してみるのも一つの手です。

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2.売却

土地がなかなか有効活用できそうにないという場合には、売却を考えます。土地はそのままにしておくと、固定資産税の維持費がかかるだけでなく、定期的に手入れをしないと、雑草などが生え放題になったり、ごみの不法投棄の問題がでてきたりする可能性もあります。

そのため、有効活用出来ない場合は、早急に売却を考えたほうがよいでしょう。土地を売却する場合の多くは、不動産業者に依頼します。どれぐらいで売れるのか査定を依頼し、売却価格を決めて、買い手を探すことになります。売却には以下の注意点があります。

①簡単に売却できるとは限らない

場所にもよりますが、土地は簡単に売却できるものではありません。一般的には「高く売れる」と「早く売れる」が両立することはなく、売れなければ値段を改定していくことも多くあります。売却をするときには高く売るか早く売るか、どちらに比重を置くかを決めておいた方がよいでしょう。

②コストがかかる

売却にはコストがかかります。不動産業者への仲介手数料や売買契約書に貼る印紙税などの売却に直接関係するコストだけでなく、売却益がでると譲渡所得税もかかります(確定申告が必要)。これらのコストのことも考えて、売却するかどうか考える必要があります。

査定を依頼する

土地売却の検討の第一歩として、だいたいの売却価格を把握する必要があります。
実際に売るかどうかは後で決めれば大丈夫ですので、まずは査定を依頼してみるのも良いでしょう。

3.そのまま所有する

将来、その土地に移り住もうと考えている場合や、再開発が行われ土地の価値が上昇する可能性があるなど、将来性がある場合は、そのまま自己所有しておくことも方法の1つです。

自己所有のため、いつでも転用ができたり、自宅を建設して相続税評価額を低くしたりするなどのメリットもありますが、コストがかかったり、思っていたより価値があがらなかったりするなどのデメリットもあるので、総合的に判断する必要があります。

4.相続放棄

相続放棄とは、被相続人の一切の財産を放棄する方法です。財産の一部を選んで放棄するということはできません。そのため、自分が被相続人から引き継ぐ財産が土地以外にほとんどない場合のみ、有効な方法となります。

ただし、相続放棄する場合は「相続放棄申述書」を、相続開始があったことを知った日から3か月以内に、被相続人の住所地等の家庭裁判所に提出する必要があります。相続開始日から3か月を超えると相続放棄できないので注意が必要です。

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5.寄付

相続した土地が、有効活用や売却、相続放棄などができない場合は、寄付することを考えるのも1つの方法です。
寄附には以下のようなさまざまな相手に対する寄付が考えられます。

①国、地方自治体

寄附先としてまず考えるのが、その土地が所在する市町村などの地方自治体や国でしょう。

国や地方自治体は、土地の所有者からの申し入れだけで寄附を受け付けることはありません。原則、国や地方自治体では、行政措置の公正性を保つなどの理由から、土地などの寄附を受けることを抑制しています。ただし、その土地を有効利用できると判断した場合などは寄付を受けつけることもあります。

国や地方自治体に土地を寄付する場合は、まず各省庁や自治体に問い合わせしてみる必要があるでしょう。

②個人への寄付(贈与)

国や地方自治体への寄付が無理な場合は、個人への寄付を考えます。個人といっても多いのが、その土地の隣に住んでいる人への寄付です。ただし、これは寄付ではなく贈与になります。

贈与は双務契約が必須であるため、贈与契約書の作成が必要です。また、贈与を受けた人には贈与税が課されるため、そこまでして贈与を受ける人も少ない現実もあります。

③法人への寄付

個人への寄付では、相手に贈与税がかかるため、法人への寄付も考えます。ここで気を付けなければならないのが、法人には一般の営利法人(株式会社等)と、NPO法人などの非営利法人(公益法人等)があることです。

営利法人に寄附した場合は、寄付した側に譲渡所得税が課せられる恐れがあります。NPO法人などの非営利法人(公益法人等)への寄附は譲渡所得税が課せられる恐れはありませんが、手続き等が複雑なため注意が必要です。

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