碧南市・刈谷市・安城市・知立市・高浜市の相続と税理士事情

愛知 刈谷ハイウェイオアシス

愛知県の中央部~西部に位置している碧南市、刈谷市、安城市、知立市、高浜市の5つの市。名古屋市にも近く、都市部へのアクセス手段も発達しているこれらの地域の相続事情を確かめていきましょう。

1.刈谷エリアの相続事情

碧南市、刈谷市、安城市、知立市、高浜市の5つの市は、全て刈谷税務署の管轄地域となっているため、相続のデータも全ての市の合計です。

刈谷エリアの相続税の申告件数は898件、実際に相続税が課税されたのが702件です。課税割合が18.49%、相続1件あたりの納付税額が約1,500万円となっています。愛知県の他のエリアと比較してみると、課税割合が6番目に多いエリアです。

県内で6番目というと、そこまで多くないように感じるかもしれませんが、実は、愛知県は全国で東京に次いで相続税が課税されやすい県です(県内平均は13.85%)。しかもトップの東京の平均課税割合は15.72%ですから、刈谷エリアは東京の平均よりも相続税が発生しやすい地域です。

一方で、1件あたりの納付税額はそれほど高額ではなく、愛知県の平均金額である約1,800万円よりもやや下回っています。

つまり、相続税が発生しやすいけれども、愛知県の平均的な納付税額が課されている。それが、刈谷エリアの相続の特徴となっています。

2.刈谷エリアの地価事情

相続税に大きく関わるのが、高額な買い物となる土地です。相続税額が大きく左右される、刈谷エリアの地価はどのような特徴があるのでしょうか?

2-1.碧南市

市街地の西には衣浦港が作られており、知る人ぞ知る港町としての様相が見える碧南市。碧南市では、伝統工業が今でも活発に行われており市の経済の中枢を担っています。代表的なのは、三州瓦や九重味淋、白醤油で、工場見学もできることから観光スポットとしても人気を集めています。

碧南市は、現在の名鉄三河線の本社が建っていたことで古くから発展してきました。高度経済成長期には工場地帯として大きく発展し、火力発電所を誘致するすることでさらなる発展に成功した地域です。港町としての機能も大きく作用し、現在でも臨海部は工業が活発に行われています。

碧南市全体の地価平均は約7万円、最も高額な地域は約13万円の碧南中央地域です。実は、碧南市は埋立てを繰り返して面積を拡大し発展してきおり、臨海部の大半は埋立地となっています。

そのため、住宅地は碧南市の中央部分に集中しており、臨海部は工場や農業地として主に活用されています。こうした土地の影響から、臨海部では地価が低くなっており、市全体の地価も高額になりにくいのかもしれません。

2-2.刈谷市

今回の5つの市の中では代表的な存在であり、道の駅としては異例の人気を誇る刈谷ハイウェイオアシスが有名な刈谷市。愛知県で自動車というと豊田市がよく知られていますが、実は刈谷市にはトヨタグループの本社や工場が多く集まる自動車工業都市となっています。

また、こうした経済の状況から人口も増えており、愛知県内で10番目に多い人口を誇っています。そして、人口が多く安定した経済活動が行われていることで、市の財政状況も豊かとなり、道路整備や保障などが充実した地域となっています。

刈谷市全体の地価平均は約14万円、刈谷市内で最も地価が高額な地域が約16万円の刈谷駅周辺です。刈谷駅は、JRと名鉄2線の3種類の鉄道が走っており、刈谷市の交通拠点として機能しています。特に、公共施設への無料連絡バスや名鉄バスなどのバスターミナルが併設されているため、さまざまな場所への中継地点としての機能もあります。

刈谷駅周辺は商業施設も多く建設されており、住宅地としての人気も高いため、一際地価が上昇していると考えられます。さらに、刈谷市全域で地価の上昇が見られているため、今後も地価の動向に目が離せません。

2-3.安城市

愛知県の中央部位置し、県内で8番目に多い人口を有する安城市。毎年夏に開催される七夕まつりは、県内外の人が多く集まる人気の祭事となっています。安城市は豊田市に隣接することから、刈谷市と同様に自動車工業が市の産業の中心となっています。

多くの工場が安城市に集まっており、中京工業地帯を構成する代表としとしても知られています。また、工業以外にも農業が盛んに行われており、愛知県内でも有数の農業地帯が形成されています。ただし、農業人口や面積が減少していることから、生産数も減少傾向にあり出荷額も落ち込んでいます。

安城市全体の地価平均は約12万円で県内の市の中では4番目に高額な地価です。そして、安城市の中で最も地価が高額なのが約15万円の三河安城です。安城市内は名鉄やJRが通っており、市民の足となっています。その中心となっているのが三河安城駅です。

市内はもちろん、名古屋市へのアクセスが可能な名鉄名古屋本線とJR東海道本線の両方が通っています。さらに、新幹線の降車駅にもなっており、三河安城駅周辺の発展は著しく、地価の高額化に繋がっていると考えられます。

2-4.知立市

刈谷市、安城市、豊田市と隣接しており、同様に工業が盛んな知立市。自動車工場のメインとなるトヨタを始めとして、富士機械製造、ブラザー精密工業などの本社や工場が建設されています。

また、東海道の宿場町として反映していた歴史があり、知立神社や万福寺などの寺社が多く建設されているのも特徴的です。ただ、工業が盛んな一方で、他の産業が発展しておらず、住宅地としての利用が大半を占めています。

知立市全体の地価平均は約13万円で、4番目に地価の高い市となっています。知立市の中で最も地価が高額なのは、地価平均約14万円の知立駅周辺です。知立駅は名鉄本線と三河線が通っており、名古屋市と豊田市という県内の2大経済地域へのアクセスを手軽にしています。

さらに、市内には1号線、23号線、155号線、419号線の4つの国道が通っており、自動車での交通網も十分に整備されています。その結果、名古屋市や豊田市、岡崎市などのベッドタウンとして機能しており、人口密度が三河地方で最も高くなるほど人気の地域となっています。

2-5.高浜市

愛知県の中部に位置し、衣浦湾に面する高浜市。市内では、陶業が盛んに行われており、焼き物の街として知られています。高浜市では良質な年度が算出することもあって、三州瓦が全国的にも有名でさまざまな家屋で使用されています。

また、吉浜地区では養鶏業も活発に行われており、市全体で高浜とりめしを名物にアピールしているほどです。さらに、吉浜地区は人形生産でも有名で、雛人形などを購入するなら吉浜人形だという愛知県民は非常に多いです。

加えて、碧南市の臨海部から続く工業地帯は高浜市でも形成されています。衣浦湾に面した地域では自動車製造業や木材加工業が発達し、市の経済の片翼を担っているのです。

高浜市全体の地価平均は約8万円、最も高額な地域は市の中心駅となっている三河高浜駅周辺の約9万円です。ただ、市内では地価の地域差があまり大きくなく、地域の多くが似たような地価となっています。

これは、市の面積が広くなく、鉄道以外でも隣接する他市へのアクセスが可能なため、利便性に地域差がないことが考えられます。そのため、相続の危険性についても全域でほぼ変わらないといえるでしょう。

2-6.刈谷エリアの地価の特徴

刈谷地域の地価は、刈谷市と安城市、知立市が頭一つ抜けて高額となっており、碧南市と高浜市が低くなっています。特に、地価の高い3つの地域は、愛知県内の市の中で3~5位を占める地価の高さのため、一際目立っています。

地価の高額な地域に共通しているのは、豊田市と隣接していることです。豊田市は日本を代表する自動車メーカートヨタの創業地であり、今なお自動車生産の要となる市です。隣接している市はトヨタの整備工場などが建設されており、工業都市として大きく発展しています。

その結果、その市で働く人や生活の拠点となる人が増え、土地の需要も高まり地価が高額化していると考えられます。一方で、高浜市や碧南市でも自動車工業は発展しているものの、それ以上に歴史ある伝統工業がメインとなっています。

こうした市のメインとなる産業の違いが、地価へ影響し大きな違いが生まれているのかもしれません。ただし、刈谷地域の5つの市は地価が上昇傾向にあり、いずれの地域も2016年よりも上昇しています。

どの地域も愛知県の重要な都市に近いことから、自分の市だけでなく愛知県全体の成長に合わせて地価の上昇が起こっているといえます。

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3.刈谷エリアの所得と富裕層

地価と並んで相続税との関係が深いのが所得です。所得が多いほど、相続税が高額になる傾向にあるため、地価だけでなく所得にもしっかりと注目していきましょう。

自治体名所得税の
納税義務者数
課税対象所得1人あたりの
課税対象所得
碧南市約3万5,000人約1,200億円約340万円
刈谷市約7万5,000人約2,900億円約390万円
安城市約9万人約3,400億円約380万円
知立市約3万5,000人約1,300億円約370万円
高浜市約2万2,000人約770億円約350万円

刈谷地域の所得状況は上記のようになっており、こちらでも地価と同じような状況になっています。このデータを愛知県内で比べてみると、刈谷市、安城市がTOP10内にランクインしており、54の自治体の内20位内に全ての自治体が入っています。

つまり、刈谷地域の所得は平均よりも高くなっており、特に刈谷市や安城市には富裕層が多く生活しているといえるでしょう。また、意外にも刈谷市や安城市は、隣接する豊田市よりも所得が高いことから、自動車工業の中心地域とベッドタウン、両方の側面から高所得者が集まっていると考えられます。

刈谷地域は自動車工業と伝統工業、そしてベッドタウンというさまざまな方向に発展している、少し特殊な地域です。地価と同じように所得状況も変化する可能性が高い地域ですので、自分の所得状況をしっかりと把握しておき危険性を確認しておきましょう。

4.刈谷エリアの税理士事情

所得が高額であり、地価も上昇を続けている刈谷エリア。相続税が高額になる可能性が高いことから、税理士による節税対策が欠かせません。では、刈谷エリアの税理士事情にはどのような特徴があるのでしょうか?

自治体名在籍税理士数
碧南市41名
刈谷市53名
安城市69名
知立市22名
高浜市15名

刈谷エリアの各市の在籍税理士数は上記のようになっており、エリア合計で200名の税理士が在籍しています。しかし、刈谷エリアの年間課税件数が702件となっており、刈谷エリアの税理士は不足気味であることがわかります。

特に、地価も所得も高額な知立市の税理士数は相当に少なくなっています。この背景にあるのは、刈谷エリアのそれぞれの市の間でアクセスが簡単なことです。加えて、ベッドタウンとしての機能性が、刈谷エリアへのアクセスを良くしてしまい、都市部に税理士を集中させてしまったのです。

つまり、刈谷エリア内での相続税の節税対策には、名古屋市や豊田市などの税理士へも依頼するのも選択肢に入ります。また、それぞれの市はお互いに行き来が手軽なため、隣接する市に在籍する税理士へ依頼するのも得策でしょう。

いずれにしても、刈谷エリア内での相続は、いかに早く実力の高い税理士へ依頼するのかが鍵となっています。実際に相続が始まる前から税理士を探したり、相談したりするなどして、いきなり始まる相続に備えておきましょう。

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【参考】刈谷エリア内の相続関連機関一覧

刈谷エリア内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2017年10月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。

機関名住所TEL
刈谷税務署〒448-8523
愛知県刈谷市若松町1丁目46番地1
刈谷合同庁舎
0566-21-6211
安城県税センター〒446-8508
愛知県安城市横山町下毛賀知93
0566-76-2101
(安城徴収課)
西三河県税事務所〒444-8503
愛知県岡崎市明大寺本町1-4
(西三河総合庁舎内)
0564-27-2710
(徴収課)
碧南市役所〒447-8601
愛知県碧南市松本町28
0566-41-3311(代表)
刈谷市役所〒448-8501
愛知県刈谷市東陽町1丁目1番地
0566-23-1111(代表)
安城市役所〒446-8501
愛知県安城市桜町18番23号
0566-76-1111(代表)
知立市役所〒472-8666
愛知県知立市広見3丁目1番地
0566-83-1111(代表)
高浜市役所〒444-1398
愛知県高浜市青木町四丁目1番地2
0566-52-1111(代表)
名古屋法務局
刈谷支局
〒448-0858
愛知県刈谷市若松町1-46-1
(刈谷合同庁舎)
0566-21-0086(代表)
名古屋家庭裁判所〒460-0001
愛知県名古屋市中区三の丸1-7-1
052-223-3411(代表)
名古屋家庭裁判所
岡崎支部
〒444-8550
愛知県岡崎市明大寺町奈良井3
0564-51-8972(庶務課)
東海税理士会〒450-0003
名古屋市中村区名駅南2-14-19
住友生命名古屋ビル22階
052-581-7508
東海税理士会
刈谷支部
〒446-0032
愛知県安城市御幸本町15番1号
碧海信用金庫本部3階
0566-77-3636
名古屋税理士会
千種支部
〒464-0841
名古屋市千種区覚王山通8丁目14番地
税理士会ビル4階
052-752-7711
愛知県司法書士会〒456-0018
名古屋市熱田区新尾頭1-12-3
052-683-6683
愛知県司法書士会
西三河支部
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字貴登野15番地
岡崎市シビックセンター2F
0564-58-0246
愛知弁護士会〒460-0001
名古屋市中区三の丸1-4-2
052-203-1651(代表)
愛知弁護士会
西三河支部
〒444-0864
愛知県岡崎市明大寺町字道城ヶ入34番地10
0564-54-9449(代表)

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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