小規模宅地等の特例はマンションでも適用できる!

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「マンションは戸建てと違って土地がないから、小規模宅地等の特例は受けられない。」と思っている方、それは間違いです。

マンションであっても、戸建てと同様に要件を満たせば小規模宅地等の特例が適用できます。

今回は、小規模宅地等の特例をマンションに適用する場合の要件や、注意点について解説します。

1.マンションの敷地権とは?

分譲マンションやアパートの一室を購入した場合、実はその建物が建っている土地も部屋ごとに持分が割り当てられています。

戸建てに比べて持分となる土地面積は小さくなりますが、都心の一等地に立っているマンションなどであれば、割り当てられた土地の評価額といえども馬鹿にならない金額になります。

マンションやアパートでも小規模宅地等の特例を適用し、賢く節税しましょう。

1-1.土地の割り当て方

マンションの土地は基本的には、専有部分の床面積の割合で按分して割り当てられます。マンションのすべての専有部分の合計床面積に対する、各専有部分を分子とした割合です。

自分が所有しているマンションの土地持分が知りたい場合には、登記事項証明書(登記簿謄本)を確認しましょう。土地持分の割合が記載されています。

1-2.敷地権とは?

マンションなどの区分所有建物においては、購入した部屋の所有権と割り当てられた土地の所有権は一体として取り扱われます。この権利のことを敷地権といいます。

2.小規模宅地等の特例をマンションに適用する要件

被相続人が住んでいたマンションを相続する場合の小規模宅地等の特例は、特定居住用宅地等になります。
次の要件を満たす場合には、限度面積330㎡まで80%の評価減が可能です。

  • 被相続人の居住用に使っていた宅地等であること
  • 被相続人と同居または生計を一にしていた親族であること
  • 相続したのが配偶者以外の同居親族の場合には、申告期限までその宅地等を所有し、居住し続けていること(配偶者が相続した場合にはこの要件はありません。)

小規模宅地等の特例の適用要件について、詳しくはこちらをご覧ください。

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2-1.「家なき子特例」の要件

被相続人と別々の生活をしていた親族であっても、次の要件を満たす場合には小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

  • 被相続人に配偶者や同居親族がいないこと
  • 相続開始前3年以内に、自分または自分の配偶者、3親等内の親族、特別の関係にある法人が所有する家屋に住んだことがないこと
  • その宅地等を相続税申告期限まで所有していること
  • 被相続人の死亡時に自分が住んでいる家を過去に所有していたことがないこと

3.貸しているマンションにも小規模宅地等の特例は適用可能

3-1.貸付事業用宅地等に該当

分譲マンションを購入して、その部屋を他の人に貸し付けている場合には貸付事業用宅地等に該当し、次の要件を満たす場合には、限度面積200㎡まで50%の評価減が可能です。

3-2.適用要件

  • 被相続人の貸付業を引き継ぐこと、または、貸付業をしていた親族がその宅地等を相続すること
  • 相続税申告期限まで貸付業を営み続け、かつ、その宅地等を所有していること
  • 相続開始前3年以内に新たに貸付業を始めた宅地等でないこと

4.小規模宅地等の特例をマンションに適用する際の注意点

4-1.敷地権化されていないマンションがある

マンションを購入した際の登記は、所有権と敷地権が自動的に一緒に登記されるので、敷地権化されていないマンションはあまりありませんが、存在はしています。

なぜなら、敷地権の登記が現在のシステムになったのは1983年(昭和58年)であり、それ以前は建物と土地の所有権は別々に登記されており、敷地権がない状態になっているのです。

そのような敷地権化されていない古いマンションだと、土地の謄本の所有者欄はマンション所有者全員の名前で共有となっていることがありますが、部屋と土地は紐付いていると考えられるため、敷地権化されているマンションと同様に小規模宅地等の特例は受けられます。

ただし、その敷地権に該当する部分を計算する手間や、必要な場合には登記を現在の方法に置き換える作業もあるので、税理士や司法書士などの専門家への相談は必須です。

4-2.共有でマンションを相続した場合

マンションを複数人による共有で相続する場合には、小規模宅地等の特例が適用できるかどうかの判断は、その共有名義になる人ごとに判断しなければいけない点に注意しましょう。

例えば、妻と別居の子供が共有名義で相続した場合には、妻は小規模宅地等の特例が適用できますが、子供は家なき子特例にも該当しないため適用できません。
妻がすべて相続していれば、その宅地の全面または限度面積まで評価減できていたかもしれませんが、共有名義にすることで子供が相続する部分については評価減できなくなります。

4-3.マンションが共有名義になっている場合

共有名義となっているマンションでも小規模宅地等の特例は受けられます。
ただし宅地の全面積ではなく、被相続人の持分に対応する部分が対象となります。

4-4.マンションの家なき子特例

分譲マンションの部屋を、両親と子供世帯で隣同士や階違いで購入して住むというのはよくある話です。
例えば、201号室に母親が一人暮らし(父親は既に死亡)をしており、503号室に生計別の息子家族が住んでいます。部屋はそれぞれ居住者が所有しています。

この場合、201号室を長男が相続する場合には家なき子特例に該当し、小規模宅地等の特例を受けられます。 同じマンション内に住んでいても、部屋が別であるため同居ではなく別居として家なき子特例の適用になります。

「家なき子特例」について、詳しくはこちらをご覧ください。

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二世帯住宅との違い

もしもこれが隣同士の部屋の場合にはどうなるのでしょうか。結論は同じで、家なき子特例として小規模宅地等の特例が受けられます。

これが完全分離型の戸建て二世帯住宅の場合には、区分登記されている場合を除いて同居として扱われます。
隣同士の部屋であれば二世帯住宅のようにも思えますが、マンションの場合は別居として扱われるので注意しましょう。

まとめ

マンションであっても小規模宅地等の特例は受けられます。被相続人が住んでいた場合には80%、人に貸していた場合には50%も宅地の評価額を下げることができます。

適用の有無で相続税が数百万円変わってくるケースもあるので、相続財産にマンションがあり、相続税申告が必要な場合には税理士に相談することをおすすめします。

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