財産隠しはバレる?その財産隠し方法は罪、犯罪です!

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財産隠し

ある資産家だった父親が亡くなり、母親はすでに他界、預貯金、不動産とたくさんの財産が子供たちに残されました。相続税の金額をざっと試算してみると、ざっと軽く1億円以上、そんなお金はどこにもない!ということで、遺産を少なく申告すれば納税額が少なくてすむと兄弟間で口裏合わせが始まりました。

預金口座は大手銀行から地方銀行、信金に至るまで数十個ありましたが、地方の小さいのはバレないだろうということで、たくさんある預金口座のうち大手銀行の3つだけの分を遺産とすることにしました。
株式はマイナーな証券会社で購入したものなので見つかる心配はないと判断。
全国各地にある不動産については、東京にある不動産1個だけの分を遺産として申告。
結果、相続税額を1000万近くに抑えて納税しました。

果たしてこの件、バレることはないのでしょうか?

絶対にバレるとは言い切れませんが、残念ながら、ほとんどの場合バレてしまいます。というより、実際にここまで計画的にやったら財産隠しの犯罪ですね。

税務署の絶大な権限

私たちの想像以上に税務署には非常に大きな権限があります。銀行や信金などの金融機関に行って、その人の預金口座の残高や過去の全明細を提出させたり、残っている入金・出金伝票を見て印鑑や筆跡を調査することができます。本人の口座だけでなく、配偶者・子ども・親戚などの関係者と思われる人の口座を調べ、申告されていない贈与がなかったかどうか調べることもできます。

もし金融機関が税務署の依頼を断ったら営業停止にされるリスクもありますので、税務署の指示に従ってほぼ確実に情報を提示するといって良いでしょう

株式についても同じです。いくらマイナーな証券会社とはいえ、証券会社は業務をするうえで登録が必要であり、登録されている会社には限りがありますので、税務署が故人の名前で調べればわかってしまうことです

不動産は登記情報を見ないとわかりませんが、最近では登記情報がほとんど電子化されていますので、故人の名前で検索をかければ一発でわかってしまいます

脱税対策のノウハウ蓄積

私たちは税金を少しでも少なくしたいものですが、税務署は少しでも多く確実に税金をとるために日夜努力を重ねています。脱税の手口や過去事例が蓄積されており、どんなところから切り込んでいけば隠し財産が見つかるか、どんな場合に脱税が行われるか、徹底的に研究しつくしているプロフェッショナル集団です。

だいたい、どの犯罪でも同じですが、犯罪を犯す人の手口はだいたい似ているものです。テレビドラマで出てくるような巧妙な脱税はごくわずかであり、ほとんどは子供だましともいえる簡単な方法が多いものです。

隠し財産がバレたら

結局、隠し財産がバレたら、過少申告加算税(5%~10%)を課され、さらに仮装・隠蔽の疑いということで、重加算税(30%~35%)が課されます。悪質と判断されれば、刑事罰(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)を課されます

相続税を減らすために財産隠しをした結果バレて、刑事罰をくらって懲役になったら人生めちゃくちゃで、本も子もないですね。変なところに頭を使わず、その分、正しい節税に頭を使いましょう。

関連記事:
【第5回】兄弟の遺産隠しにご用心:正当な相続分を確保する事前対策

もしも財産を隠されたら

財産隠しは必ずしも自分の意図するところで発生するとは限りません。例えば家族の中に被相続人の財産を持ち逃げしている人がいるかもしれません。

先程も解説したように、いくら財産を隠そうとしても隠しきることはほぼ不可能です。たとえ財産を隠された側であるあなた自身で、財産を持ち逃げした人を特定できなくても、税務署は銀行などの金融機関に口座の入出金記録などを照会することができますので、相続の前後で多額の現金が引き出されていれば、ほぼ必ずバレます。さらに、税務署を甘く見てはいけません。照会されるのは、被相続人の口座だけではなく、怪しい部分があれば、法定相続人の口座やそれ以外の親族の口座までくまなく調査されます。

仮にあなた自身が隠していなくても、税務署が調査して財産隠しが発覚すれば、重加算税や延滞税が、相続税申告すらしていない場合は無申告加算税が課されます。ですから、遺産相続においては財産隠し自体を防止するための対策が必要なのです。

有効な財産隠し対策とは

1:予め財産目録を作成する。

財産隠しが発生する一つの原因として、「そもそも、いくらあったのかわからない」というように、もともとの財産の全容が誰も把握できていないということがあります。ですから、できれば生前にご自身にどのような財産があるのかを調査確認し、その内容を「財産目録」にまとめておくと良いでしょう。予めどのような財産が存在していたのかが把握できれば、仮に財産を隠されたとしても、そのことがすぐにわかるようになります。

2:死亡後は早めに銀行口座の凍結を

意外に勘違いをされている人が多いのが、銀行口座の凍結です。役所に死亡届を出すと自動的に銀行口座が凍結され、お金が引き出せなくなると思っている人がいますが、それは大きな間違いです。今の日本では行政と金融機関でそこまでの連携は取れていないため、銀行は銀行で別途ご家族が来店して直接口座凍結の手続きをしなければ、いつまでたっても銀行口座は凍結されません。そのため、悪意がなくとも被相続人のキャッシュカードとパスワードさえわかれば、簡単にATMからお金が引き出せてしまうのです。

そのため、ご家族がお亡くなりになられたら、できる限り早く口座を凍結させましょう。なお、この際に葬式費用を引き出したい場合は、その旨他の法定相続人などに了承をとって引き出すことをおすすめします。

3:弁護士に財産管理を依頼しておく

親族間の仲が悪く、自分の死後にいさかいが起きる可能性が高い場合は、予め相続に強い弁護士などと「財産管理契約」を結んで、第三者に管理してもらうことも一つの対策となります。また、それと同時に遺言書によってその弁護士を「遺言執行者」に指定しておくとさらに効果的でしょう。

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